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プロダクト開発、このまま進めて大丈夫…? Sansan藤倉成太・ZOZO瀬尾直利が伝授する「やってみないと分からない」への対処法【聴くエンジニアtype Vol.10/MC・キャディばんくし】

働き方

エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! エンジニア読者が抱える仕事やキャリアのお悩みに、注目企業のCTOやさまざまな領域の第一線で活躍する技術者が回答します
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聴くエンジニアtypeもついに10回目に突入。藤倉成太さんと瀬尾直利さんをゲストにお迎えしての収録は今回がラストとなる。

今回はMCのばんくしさんとともに、プロダクト開発に携わるエンジニアからの相談に回答してくれた。3人が「よくある話」と口を揃えた、プロダクト開発あるあるを考察していく。

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【MC】
キャディ株式会社 Tech Lead
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

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【Speaker】
Sansan株式会社 執行役員/技術本部 インフラ戦略部 部長/同 海外開発拠点設立準備室 室長
藤倉成太さん(@sigemoto

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【Speaker】
株式会社ZOZO 技術本部 本部長 兼 VPoE
瀬尾直利さん(@sonots

【今回の相談】

Mさん(38歳)

プロダクトの開発に携わっているのですが、ユーザーニーズの検討が不十分な中で進めてしまった機能があり、「このまま実装して良いのか?」という迷いが生まれてきました。

開発を止めて再検討するべきでしょうか? それとも、実装してから様子を見るべきでしょうか?

開発中の迷いはよくあること。大切なのは「よくあること」だと理解すること

河合:プロダクト開発に関わる方からの、心が痛くなる相談ですね。あるあるではないでしょうか。

藤倉さんは、「このまま実装してしまっていいのか」という迷いが生まれたことはありますか?

藤倉:もちろんありますよ。今もグローバルユーザー向けのプロダクトマネジメントを担当していますが、迷うことは少なくありません。

なぜ迷うのかというと、プロダクト開発は「やってみないと分からないこと」が多いんですよね。正解が確実に分かっていることはないので、「未来は不確実である」という前提を持つべきだと思います。

仮説や戦略をどこまで作り込めるかという部分も、プロダクトによって異なりますよね。詳細なユーザーヒアリングが可能で確実性の高い仮説を立てられるケースや、まだ世の中にない機能であるがゆえに事前の調査が困難なケースがあります。

後者の場合、そのプロジェクトが不確実性の高いものであると認識することが重要です。そしていかなる場合でも、前提条件や希望的観測を整理し、自分たちの戦略を言語化しながら進めていくことが必要になります。

開発過程で「これは前提条件がおかしい」と気付いた場合は、その前提条件を基に立てた仮説も見直さなければならないですよね。言語化することでその誤りに気付きやすくなります

そして前提がずれていたのだとしたら、その状態のまま進めて世の中に出しても、想定していた結果が得られることは基本的にはないわけですから、開発を止める判断をした方がいいと思います。

聴くエンジニアtype

河合:プロダクト開発のよくあるパターンとして、「誰が判断するのか」という議題が上がることも多いと思うのですが、その場合はどうすれば?

藤倉:プロダクトマネジメントに関しては、最終的にはプロダクトマネジャーが結果も含めて責任を持たなければいけないと思ってます。

そのため、絶対に結果を出すつもりで作戦を練った上で、「これは非常に不確実性の高いものだけど、こういう仮説のもとで進めます」ということをエンジニアやその他の関係者と合意して進めるようにしています。

そうした説明があれば、メンバーも納得してくれるんじゃないかなと思うんですよね。

河合:瀬尾さんも相談者さんに似たご経験をたくさんしてきたのではと思いますが、プロダクト開発の過程で困った時はどうしていますか?

瀬尾:コンシューマー向けのプロダクトの場合、リリースしてみないと正解が分からないケースというのはよくあると思います。

仮説や検証をしっかりやることが一番だとは思うのですが、相談者さんのような状態になったときにどうやってリカバリーするかが重要ですよね。

なので私は、リカバリーがしやすい組織をつくったり、サービス設計をしたりしておきたいと考えています。

A/Bテストをして結果が悪かったらすぐ切り戻す、といったことがカジュアルにできるような仕組みを備えた開発スピードの速い組織をつくって、仮説検証をどんどんしていきたいですね。

河合:プロダクト開発の過程で問題が起こっても、再発を防げるような組織をつくっていくことも必要でしょうか?

瀬尾:というよりも、仮に問題が起こっても開発スピードでカバーできる組織にしたいです。

河合:なるほど。問題が起こってしまうことは必然として、その上でさらに先に進めるようにしたいということですね。

「どこまでが仮説で、どこまでが実際のニーズなのか」を明確に

聴くエンジニアtype

河合:プロダクト開発の過程で問題が起こってしまったとき、スピード感を持ってサイクルを回してすぐに次に進めるという判断もあれば、一度手を止めて再検討する手段もありますよね。その判断はどうすればよいでしょう?

瀬尾:再検討が必要だと感じているのであれば、十分に時間をとってやります。ユーザーヒアリングをすればいいのか、それともまた別の状況なのか、という確認も含めてですね。

でも、考えても分からないような状況であれば、A/Bテストをどんどん実行していった方がいいと思います。

河合:たくさん試してPDCAを回すことで、成果を出すことを目指すということですね。

藤倉さんは、プロダクト開発において同じ失敗を繰り返さないための対策についてアドバイスはありますか?

藤倉:繰り返しになりますが、仮説をきちんと明らかにしておくことですね。リリースしてみなければ分からないとしても、その上でどういった方針で進めていくのか決めておけば迷わないと思います。

私はエンタープライズ向けのプロダクト開発に携わっているのですが、 「分からなさ」の程度がプロジェクトによって全く異なります。本当に何も分からないものから、これまでの傾向などを踏まえ見当がつけられるものまであります。

そのため、プロジェクトの概要は何なのか、どこまでが仮説で、どこまでが実際のニーズなのかを明確にしておくことは重要だと考えています。

今回の相談者さんは「あれ、ちょっと待てよ」という状態に陥ったとき、「考えても分からない」ことに対して困っているのかもしれないですね。そうであれば、考えたら分かることなのか、考えても分からないことなのかをきちんと把握することが大切だと思います。

河合:プロダクト開発は不確実性が高いものなので、「考えても分からないことも多い」と認識しておく必要がありそうですね。

6月25日(日)『聴くエンジニアtype』公開収録を赤坂で開催!

ポッドキャストチャンネル『聴くエンジニアtype』初の公開収録を東京赤坂の会場で開催します。MCのばんくしさんをはじめ、澤 円さん、池澤あやかさん、小城 久美子さん、増井 雄一郎さんが、エンジニアから寄せられた仕事・転職・キャリアの悩みに回答。収録後には懇親会や、書籍サイン会も開催予定です!
※公開収録はエンジニアtype主催のテックキャリアカンファレンス『ECDW2023』の中のコンテンツとして開催いたします

>>エントリーはこちら(ECDW2023特設ページ)

【開催場所】
〒107-0052 東京都港区赤坂2-5-1 S-GATE赤坂山王ビル 5階
株式会社キャリアデザインセンター 赤坂山王オフィス

【参加費】
無料
※懇親会は15:30~30分程度の予定です
※懇親会への参加は自由です

【定員】
60名(先着)

【エントリー方法】
以下より詳細をご確認の上、エントリーフォームより必要事項をご記入の上エントリーください。

>>エントリーはこちら(ECDW2023特設ページ)

聴くエンジニアtype

文/まゆ

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