【モデレーター】
ひろゆき(@hirox246)
日本の実業家、論客。英語圏最大の匿名掲示板「4chan」管理人。匿名掲示板「2ch.sc」開設者で管理人。東京プラス株式会社代表取締役。有限会社未来検索ブラジル取締役。かつては日本最大級の匿名掲示板であった旧「2ちゃんねる」開設者で元管理人。ドワンゴが資金提供している日本最大級の動画配信サービス「ニコニコ動画」の創設者のひとりで元取締役管理人
次から次へと生まれてくるテクノロジートレンド。自分自身のスキルアップのため、キャリアの選択肢を広げるため、情報収集に励むエンジニアは多いだろう。
トレンドの渦中にいる企業や技術者からも、さまざまな情報が発信されている。語られるのは技術の先進性やプロダクトの優位性などが大半だが、2023年1月27日に開催されたGMOインターネットグループプロデュースイベント『GMO 渋谷FUTURE 2023 – GMO SONIC Warm Up -』は少し違った。
空飛ぶクルマやWeb3、ブロックチェーンに心血を注ぐ起業家や投資家が集まったこのイベントには、モデレーターとしてひろゆきさんが登壇。テックトレンドの「本当のところ」を明らかにすべく、おなじみの「ひろゆき節」で鋭い指摘が容赦なく繰り出された。
本記事では、白熱したトークセッションをダイジェストでお届けする。
【モデレーター】
ひろゆき(@hirox246)
日本の実業家、論客。英語圏最大の匿名掲示板「4chan」管理人。匿名掲示板「2ch.sc」開設者で管理人。東京プラス株式会社代表取締役。有限会社未来検索ブラジル取締役。かつては日本最大級の匿名掲示板であった旧「2ちゃんねる」開設者で元管理人。ドワンゴが資金提供している日本最大級の動画配信サービス「ニコニコ動画」の創設者のひとりで元取締役管理人
DRONE FUND/千葉道場ファンド 代表パートナー/航空パイロット
千葉 功太郎(@chibakotaro6)
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、リクルートに入社。2009年にコロプラに参画、取締役副社長に就任。現在はインターネット領域等のスタートアップやVCに投資するエンジェル投資家として活動中。ホンダジェットの国内顧客第1号
株式会社SkyDrive 代表取締役CEO
福澤知浩
東京大学工学部卒業後、2010年にトヨタ自動車に入社。18 年に株式会社SkyDrive を設立。「空飛ぶクルマ」と「カーゴドローン」の開発を推進している。経済産業省と国土交通省による「空の移動革命に向けた官民協議会」の構成員の一員として、「空飛ぶクルマ」の実用化に取り組む。 Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2021」TOP20選出。MIT Technology Review「Innovators Under 35 Japan 2020」受賞
皆さん、想像してみてください。空を飛んで自由に移動できたらどうだろう、と。
私は子どもの頃から、21世紀になったらそんな世界になっているだろうと思い続けてきました。
ですが、実際にはそうはならなかった。ならば自分で変えていくしかないと思い、投資家として取り組むようになりました。
同じように「空を飛ぶ」という野望を持っている福澤さんたちと一緒に空飛ぶクルマの実現に向けて挑戦を続けているところです。
SkyDriveでは、空での移動がもっと身近になったら地上の交通渋滞や満員電車といった課題が解消されるに違いないと考え、どこでも離発着できる空飛ぶクルマの開発をスタートさせました。
ヘリコプターでも空は飛べますが、着陸できるビルが限られていますよね。その点、空飛ぶクルマは騒音も重さもヘリコプターの3分の1なので、離発着できる場所が多いんです。
その利点を生かして、日常的に空飛ぶクルマを使って移動できる世界をつくりたいと思っています。
現在はビル上のヘリポートなどを活用したバーティポートという離発着地の世界標準が作られているところです。
また、道路横に離発着のコーナーを作って、そこからでも飛び立てるようにしたいと考えています。空の一般道・高速道路の設計も検討され始めているんですよ。
現在は空飛ぶクルマを新型のヘリコプターと捉え、既存の法律内で運用しようと動いているところです。
最初はパイロットが必要ですが、次第に自動運転化し、その様子をパイロットが監視する体制をとりながら、最終的には完全に自動化していく計画です。
「人間が運転しません」ってなると、基本的な操作や道順は機械任せになっちゃいますよね。安全面と効率を考えると、定期運行してるバスみたいな使い方になりません?
自由に空を飛ぶというより、単にお金を払って決められた場所に行くだけですよね。
現状だと空飛ぶタクシーに近いですね。『Uber』や『GO』のアプリで場所を指定すると自動的に配車されるじゃないですか。あの感覚に似ていると思います。
私は鎌倉に住んでいるのですが、例えば渋谷に来る場合、道路が渋滞していると1時間半くらい掛かってしまうんですよ。
ですが、先日ヘリコプターを使ってみたら、渋谷の上空から家まで12分30秒でした。めちゃくちゃ便利だと思いませんか?
移動時間で見れば便利かもしれませんが、空飛ぶクルマの場合は空中に浮かせる必要があるので、従来の自動車と比較するとエネルギーの消費量が膨大になりますよね。
さらに行ける場所がヘリポートの有無に縛られてしまうので、都内の短距離移動であれば時間も大差ない気がしていて。
とすると、空飛ぶクルマの方がエネルギーコストが高くなりませんか? 電気代の高騰という問題がある昨今の状況でいくと、エネルギー効率の悪さが気になりますね。
例えば空飛ぶクルマで渋谷から東京に行くとして、電気代は1000円以下なんですよ。
電気自動車よりは高いんですが、ひろゆきさんの想像ほどではないのではないでしょうか。
ただ、バッテリーの劣化や寿命の問題もあるので、トータルコストで考えるともっとかかりますよね。
地上の自動車に関しても、昔はガソリン自動車の方が電気自動車よりも燃費が良い状態からのスタートでしたよね。
ですが最近は電気自動車の燃費も改善されてきているので、同じように空飛ぶクルマの燃費面の課題もいずれは解決されると考えています。
それに、移動スピードが地上の自動車と比べると段違いに速いので、限定的な場面から徐々に普及していくかなと思っています。
渋谷から羽田空港まで10~20分で飛んでいけますよ、となれば魅力的ですからね。
離発着にはバーティポートを使うってことでしたが、着陸して、お客さんが降りて、離陸するまで他の車体は降りられないわけですよね。
そうすると、結局空中でも渋滞が起きるんじゃないですか?
それは飛行機の業界で解決されている問題なので、クリアできると思います。着陸地点で渋滞が起きないように、システムで時間を調整できますから。
当面は全員が空飛ぶクルマに乗るわけではなくて、既存の自動車や鉄道とのミックスになるとは思っています。
現状、空飛ぶクルマの実現に関わるテクノロジーの進歩として最も大きな意味を持つのは、スマホの普及によってあらゆるセンサーや電池が低コスト・低重量で高性能になったこと。おかげで、バッテリーなどを搭載しても飛べるようになったんです。
電気自動車が少しずつ広がってコスパが良い状態になってきたのと同様、広がっていく前の段階を今作ってるところですね。
僕はパイロットの免許を持っているので日常的に空を飛んでるのですが、一旦3Dを経験したら2Dには戻れません。
近い将来、みなさんも同じように感じると思いますよ。
株式会社ドリコム 代表取締役社長/GMO Web3株式会社 取締役
内藤裕紀(@no7110)
京都大学在学中の2001年にドリコムを設立し、日本初のブログサービス「マイプロフィール」のサービスを提供。06年に東証マザーズへ上場。09年よりソーシャルゲーム事業へ参入し、現在は、スマートフォン向けのゲーム事業、出版、映像事業、Web3事業などを幅広く展開。22 年6月、GMO Web3 株式会社 取締役に就任
株式会社Thirdverse BCG事業部長/GMO Web3株式会社 顧問
守安 功
東京大学大学院(工学系研究科航空宇宙工学)修了後、日本オラクル株式会社入社。1999年に株式会社ディー・エヌ・エーへ入社し、06年6月取締役に就任。11年6月に代表取締役社長兼CEO就任。21年10月に株式会社タイミーへ入社し取締役COOに就任。22年6月、株式会社Thirdverseに入社。22 年6月、GMO Web3 株式会社 顧問に就任
Astar Networkファウンダー
GMO Web3株式会社 顧問
渡辺創太(@Sota_Web3)
日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network」ファウンダー。STAKE TECHNOLOGIES Pte Ltd CEO。日本ブロックチェーン協会理事や丸井グループ、GMO Web3、電通 web3 Clubなどのアドバイザーを務める。2022年、Forbes誌の選出するテクノロジー部門アジアの30歳以下の30人に選出
BlockchainPROseed Co-founder
GMO Web3株式会社 取締役
藤本真衣(@missbitcoin_mai)
2011年より国内外でビットコイン・ブロックチェーンの普及にまい進。ミスビットコインという名で親しまれてきた。現在はスイスを拠点にイーサリアムのレイヤー2であるintmax projectを推進している。18年より開催されているNon Fungible Tokyo、Japan Blockchain Week2022の発起人であり、これらのイベントを運営するBlockchainPROseedのCo-founder。一般社団法人ブロックチェーン協会、一般社団法人Metaverse Japanの顧問を務める。22 年9月、GMO Web3 株式会社 取締役に就任
Web3によって、私たちの生活には大きく二つの変化が起こります。
一つ目は、自分が作ったコンテンツによって誰もが経済的なリターンを得られる世界が実現すること。
Web2は、私たちの承認欲求をハックするものでした。ただ、文章を書いたり写真や動画を撮ったりすることに時間をたくさん使ってきた結果、もらえたのは「いいね」だけでしたよね。Web3でNFTが普及すれば、経済的にも得られるものが増えていきます。
二つ目は、デジタルな所有物が資産になること。
デジタルコンテンツは便利ですが、紙やDVD、CDのアナログコンテンツの方が良い点もあります。それは、売ることができる点です。
今のところ自分が購入したデジタルコンテンツを売りに出すことはできないので、資産になってるようでなっていないんですよね。Web3なら、ブロックチェーン技術を使ってデジタルコンテンツも売れるようになると思っています。
セルフブランディングがしやすくなることもWeb3の利点です。これまでの仕組みだと、個人の経歴を証明するのは難しいことでした。
なぜなら複数のコミュニティーに所属していたとしても、それぞれのコミュニティー間で情報共有はされていないから。あるコミュニティーでどんな活動をしてきたのか、他のコミュニティーのメンバーに口頭で説明するしかありませんでした。
しかし今後はブロックチェーンを活用することで、自分がどんな経歴を持つのか簡単に証明できるようになるはずです。
Web3については、「ブロックチェーン」や「非中央集権」がキーワードとして語られるシーンが多いですが、注目すべきは「人間が取れる選択肢の数が増える」ことだと思っています。
SNSで言うなら、Twitter社に情報管理をされたくない人たちは、今後はブロックチェーン上に作成されるPeer to PeerのSNSを使えばいいですし、資産管理方法を見直したいと思っている人はビットコインや今後出てくるであろう日本円のステーブルコインで管理するという手段を取ることも可能になるわけです。
そんな風に、いろいろな選択ができるようになると思います。
今のお三方の話を聞いていても思うのですが、Web3って人によって言うことが違うので、よく分からないというのが正直なところなんですよね。
ブロックチェーンに関しては、誰かが所有・管理してるわけではないデータベースを自由に使うことができる点が良いと思うのですが、それ以外の技術面の面白さについては聞いたことがないんですよ。
あとは、税金に関しても仮想通貨だとルールが違うんですよね?
現状はグレーな部分も多々あり、そのあたりに、Web3に関わっている人たちがうさんくさく見える原因があるような気がします。
ひろゆきさんも僕もインターネット黎明期からこの業界にいますが、インターネットも最初はかなりうさんくさかったじゃないですか(笑)
Googleの検索エンジンも、YouTubeも、最初は「どうなの?」って言われてきたわけです。
でも、そんな状態からさまざまなものが生まれてきました。
カオスの中で死んでいくものもありますが、世の中に認められていくものもあると思っているんです。
「インターネットってワクワクするよね」って思えた僕らみたいな人にとっては、Web3も楽しいと思うんですよ。
でも、企業になると「それはまずいでしょ」っていうラインがあるんじゃないかな。
税金の話は、いずれぶつかる課題だとは思います。
ただ、Web2がコンテンツ革命だったとすれば、Web3は金融革命なんです。そう考えると、コンテンツ革命が著作権にぶつかったのと一緒ですよね。
じゃあここからはNFTについて聞いていいですか?
NFTって結局は運営会社しかコントロールできないですよね。 なので、実はバリバリの中央集権型だと思っているんですよ。
ブロックチェーンはイーサリアムを使ってるから閲覧可能ですけど、運営会社がつぶれたとしてもブロックチェーンは変えられないじゃないですか。ホストコンピューターを使っていた昔と変わらないですよね。
お金を払い続ける人がいればブロックチェーンは安全だと思いますが、お金を払う人がいなくなったら、仮想通貨は改ざんされると思うんですけど。
ビットコインのように時価総額が高くてユーザーが多い仮想通貨であればその心配はほぼないですが、全ての仮想通貨が信用できるわけではないのは事実ですね。
ブロックチェーンの技術は面白いけど仮想通貨は危険、という意見には違和感があります。
ブロックチェーンがワークする仕組みって、そこにインセンティブがあるからなんですよ。ビットコインを支えてる人たちだって、頼まれてやっているわけではありません。そこには経済的合理性があるんです。その経済的なメリットを生み出しているのが仮想通貨だと思います。
早く関わった人がもうかるわけではなく、ネットワークやプロダクトのアップデートがトークンによってガバナンスされているというDAOの仕組みがすごく重要だと思っています。
DAOの仕組みがなかった頃も、LinuxやApacheといったオープンソースは生まれてきましたよね。
しかも、単純に名誉のために作ってきたわけじゃないですか。
今皆さんが使っているサーバーの多くがLinuxで動いてますよね。メールも、大体がオープンソースで動いてますよね。誰かの無償の協力のもとで便利な社会が作られているんです。
Web3の場合、そこに金を混ぜた結果、何か面白いものや便利な技術は生まれましたか?
今の課題は法律とApple Storeなんですよね。仮想通貨はApple Storeで扱えないが故になかなか多くの人たちに配られないんです。
技術やUX・UIは良くなっていますが、仕組みの部分で時間が掛かっています。
Web3の現在はインターネットで言うと2000年前後の黎明期の段階。そう考えれば、面白いサービスや便利な技術はこれから出てくるはず。
ということで、ひろゆきさんもあと10年くらい楽しみに待っていてください(笑)
▼GMO SONIC前夜祭テックイベント「GMO 渋谷FUTURE 2023」視聴はこちら
文/まゆ
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