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テックトレンドに興味がない…情報収集が苦手なエンジニアはどうしたら?【戸倉彩・あらたま・ばんくし/聴くエンジニアtype Vol.20】

働き方

エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! エンジニア読者が抱える仕事やキャリアのお悩みに、注目企業のCTOやさまざまな領域の第一線で活躍する技術者が回答します
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「エンジニアは一生勉強が必要」というフレーズを耳にしたことがある人は多いのではないだろうか。

技術トレンドの移り変わりの激しいIT業界で働くエンジニアにとって、情報のキャッチアップは大切な仕事の一つ。しかし、誰もが「技術トレンド」に興味があるわけではないのも事実だろう。

今回は「最新技術のキャッチアップが苦手」というエンジニアからの相談に、戸倉彩さんとCake.jpの新多真琴(あらたま)さんが回答する。

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【MC】
キャディ株式会社 Tech Lead
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

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【Speaker】
日本アイ・ビー・エム株式会社 カスタマーサクセス部長
戸倉 彩さん(@ayatokura

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【Speaker】
Cake.jp CTO
新多真琴(あらたま)さん(@ar_tama

Aさん(30歳)からの相談

エンジニアとして活躍するためには最新技術のキャッチアップが重要だということは分かっているのですが、 テックトレンドを追うことに興味を持てず、身が入りません。

ある程度無理をしてでも情報収集は継続すべきでしょうか。

「なぜエンジニアになったのか」「何に興味があるのか」に目を向けよう

河合:同じ悩みを持つエンジニアはたくさんいそうですね。

戸倉さんは最新技術のキャッチアップをし続けていらっしゃる印象がありますが、今回の相談についていかがですか?

戸倉:「なぜエンジニアになったのか」というところに関係してくると思います。

私は子どもの頃からアニメやSF映画を見ていて、何でこんなことができるんだろう、どうしてこういう発想が生まれるんだろう、という好奇心を持ったんです。新しいものが出てくる度に、「情報収集」というつもりもなく、気付いたらネットでいろいろと調べていました。

ただ、必ずしも同じような動機でエンジニアになった方ばかりではないですよね。その場合でも、エンジニアは社会に対してテクノロジーで何かを作り出す役割を担う専門職である、と自覚する必要があると思います。

世の中やテクノロジーの変化を理解できていないと、社会のニーズに応えられず、エンジニアとしての活躍の道が狭まっていくのではないでしょうか。

最近はネット上で公式情報が入手しやすくなってきていますし、内容が難しいものに関してはエバンジェリストやアドボケイトが分かりやすく動画で解説しています。コミュニティーで実際の体験を共有することもできますよね。

なので、「無理をしてでも」というよりは、まず興味関心のある分野を見つけて、そこで自分に合ってる情報収集のソースを見付けるといいと思います。

見付けられない場合には、SNSなどでみんながどうやって情報収集をしてるか問い掛けて、面白そうと感じたものに定期的にアクセスする。そういった習慣がエンジニアには必要だと思ってます。

エンジニア

河合:最近は情報を端的に伝えてくれる場がたくさんありますからね。膨大な情報はそういったツールを使えばいいのかな、と思います。

一方で、相談者さんにとっては情報収集に対する苦手意識が課題なのかなと感じているのですが、あらたまさんはどう思いますか?

あらたま:苦手なままでもいいんじゃない? という視点もあるのではないでしょうか。

もちろんできるに越したことはないですが、 必ずしも最新の技術トレンドを追いかけ続けなくてもいいと思うんですよ。

培ってきた技術力をどう組織や事業に生かしていくか、という部分で言えば、この10年、20年で大きな変化はないはず。なので、例えばエリック・エヴァンスの著書など、名著とされる技術書で言われているようなエッセンスを取り入れる必要はあると思います。

でも、トレンドだけ追っても自分の中で体系化されなければ生きた知識にはなりませんし、そこで無理することで本質がおろそかになってしまうぐらいだったら、頑張り過ぎる必要はないと思うんです。

興味が持てない分野は誰しもあると思うので、そこに関してはそのままにしておいて、得意な人にお任せすればいい。私たちはひとりで仕事をしてるわけではないですし、みんなでうまくカバーし合えればいいのではないでしょうか。

それに、興味が持てないということは、その分野に課題感を持っていないということだと思うんです。

自分が直面した課題とか、これは何とかしないとダメだ、という時って、いろいろなものを読みあさるじゃないですか。何か一つでも刺さる情報があれば、というような気持ちで、情報収集のスイッチが入る瞬間っていうのがあると思うんですよね。

自分にとってのそういう領域を知っておくのは大事ですが、その射程に入るまでは熱心にやらない、と決めるのも手だと思いますよ。

河合:となると、相談者さんが悩んでいる理由が重要ですね。「興味が持てないことはやらなくていい」という考え方もある一方で、この方は「いろんな最新技術をキャッチアップして活動の道を広げている人」に対して思うことがあるのかな、と。

あらたま:周りから「そうなってほしい」という期待を感じているのか、それとも周りを見て「やばいな」と自分で思っているのか。それによって変わるかもしれないですね。

河合:そうですね。もし焦っているだけであれば、そこまで焦る必要はないと思いますが、「憧れの人に追い付きたい」と思うのであれば、苦手であっても向き合っていかないといけないですね。

エンジニア

あらたま:インターネット上で目立つ人は過激派のことが多いので(笑)、それがスタート地点になってしまうと、自分はまだスタートにも立てていないのかと勘違いしてしんどくなっちゃいますよね。

河合:ここにいる3人も勉強やテクノロジーが大好きなメンバーだと思いますが、会社というのはそういう人たちだけで成り立ってるわけじゃないですからね。

あらたま:あ、でも私自身はどちらにも振り切れてないと思っているんですよ。 皆さんを見ていると、自分はまだまだ足りないなと常に感じます。

河合:戸倉さんもはいかがですか?

戸倉:ここで言われているキャッチアップって、 その情報を知ってる・知らないというレベルからのスタートになると思うんですよね。その次の段階が、それを人に伝えられるかどうか。次のステップは、自分が触ったことある状態か。

つよつよになっていくことで、それを使って何かを作れるか、さらにはその技術の中の人である、という状態になると思います。

例えばオープンソースプロジェクトだったら、コントリビューターあるいはメンテナーになって、最新の技術情報を理解しながら中のものを作るためのキャッチアップもする……といったように、いくつかステップもあるのかな、と。

作り手たちは非常にアンテナ高くキャッチアップしていますし、手を動かすスピードも理解度も素晴らしいんですよね。最新のものをいかに早く届けられるか、というところに魂を燃やしている人がいるので、私もその領域まではまだ届いていないです。

河合:上には上がいるので、自分が本当にやりたいことキャッチアップがちゃんとかみ合ってるかどうかを見定めるのは大事なことですね。

6月25日(日)『聴くエンジニアtype』公開収録を赤坂で開催!

ポッドキャストチャンネル『聴くエンジニアtype』初の公開収録を東京赤坂の会場で開催します。MCのばんくしさんをはじめ、澤 円さん、池澤あやかさん、小城 久美子さん、増井 雄一郎さんが、エンジニアから寄せられた仕事・転職・キャリアの悩みに回答。収録後には懇親会や、書籍サイン会も開催予定です!
※公開収録はエンジニアtype主催のテックキャリアカンファレンス『ECDW2023』の中のコンテンツとして開催いたします

>>エントリーはこちら(ECDW2023特設ページ)

【開催場所】
〒107-0052 東京都港区赤坂2-5-1 S-GATE赤坂山王ビル 5階
株式会社キャリアデザインセンター 赤坂山王オフィス

【参加費】
無料
※懇親会は15:30~30分程度の予定です
※懇親会への参加は自由です

【定員】
60名(先着)

【エントリー方法】
以下より詳細をご確認の上、エントリーフォームより必要事項をご記入の上エントリーください。

>>エントリーはこちら(ECDW2023特設ページ)

聴くエンジニアtype

文/まゆ

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