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キャリアや仕事の目標設定が苦手…上司に言われるがままにならないためには?【戸倉彩・あらたま・キャディばんくし/聴くエンジニアtype Vol.17】
前回に引き続き、戸倉彩さんとCake.jp CTO・新多真琴(あらたま)さんが登場。今回のテーマは「目標設定」だ。
会社に勤めていると定期的に目標設定を求められるが、苦手意識を持っている人は多いのではないだろうか?
メンバーと共に目標設定を行っている戸倉さん、「私も目標を考えるのは苦手だった」と振り返るあらたまさんが、それぞれの視点からアドバイスしてくれた。

【MC】
キャディ株式会社 Tech Lead
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish)

【Speaker】
日本アイ・ビー・エム株式会社 カスタマーサクセス部長
戸倉 彩さん(@ayatokura)

【Speaker】
Cake.jp CTO
新多真琴(あらたま)さん(@ar_tama)
【今回の相談】
四半期ごとに目標設定をするのですが、自分で目標を立てることが苦手です。
いつも上司に言われるがままの目標設定になってしまうので、このままじゃダメだなと思っています。アドバイスをいただけたらうれしいです。
目標が必要な理由を理解しよう&「立てて満足」しない工夫をしよう
河合:ここにいる3人は目標を管理する側なので、良いアドバイスができたらいいなと思います。
まずはあらたまさん、目標設定についてどうお考えですか?
あらたま:相談者さんの気持ち、すごくよく分かります。かつては私も同じでした。
河合:24歳の時って、目標を考えるのは難しいですよね。
あらたま:そうですね。目標設定のタイミングになる度、ちょっと涙目になっちゃうくらい何も思い浮かばなくて(笑)
今は私が評価制度を作って、メンバーに目標を考えてもらって、振り返りまで一緒にやる立場なので、「大変だからやらなくていいよ」とは言えないですが……。
河合:相談者さんはまだ若いので、目標を立てる意味も曖昧かもしれないですね。なのでマネジャーとしては「なぜ必要なのか」というところから伴走してあげたいなと思いました。
あらたま:「だから目標は必要なんだ」「自分で考えないといけないんだ」と気付けるだけの材料は、マネジャーが用意したいところですよね。私の場合は、上司が時間を割いて一緒に考えてくれたことが原体験になっていたりもするので。
河合:戸倉さんはいかがですか?
戸倉:日本語で「目標設定」と聞くと、すごくお堅いイメージを持ちますよね。なので私も現場にいた頃は「嫌だな」「避けて通る道はないのかな」と思っていました。
ただ、なぜ会社は目標設定が必要だと言うのか、自分にとって納得感のある目標を持てたらどんな未来が実現できるのか、について考えてみたことがあるんです。
その結果、目標設定はキャリアを積み上げていく過程で「どういう自分になりたいか」をチェックするために必要なんだと気付きました。それに、会社やチームの中で自分が何に貢献したのか数字で表現することで、頭のトレーニングにもなりますしね。
自分が何者であるか、何を成し遂げてきたかを数字で振り返っておくことも、自分のスキル向上につながると思います。

戸倉:ちなみに私の場合、メンバーには三つの視点で目標を設定してもらっています。
まずは、自分の仕事に直結する業務上の目標を設定する。次に、IBMの社員として何を成し遂げたいか考える。最後に、会社や今の仕事は関係なく、 エンジニアとしてどんなスキルを身に付けたいかを検討する。この三つです。
ただし、三つ全てをマネジャーと必ずしも共有しなければならないわけではありません。会社員としてどれくらい組織に貢献すべきか、という点を設定し、それ以外の部分は自分の中でしっかり考えておけたら良いと思います。会社内での目標は、自分の将来の武器になり得るかもしれないですからね。
目標設定は避けては通れないものなので、ぜひポジティブにとらえていただけたらと思います。
河合:自分のキャリアにプラスになると思って目標設定をすることが重要ですよね。
ただ、目標設定には失敗もつきものだと思っていまして。上司に言われるがままになってしまうと、どういう目標設定なら良くて、どうなるとうまくいかないのか分からないので苦手意識を持ってしまうような気がするんですよね。
あらたま:目標って、立てるだけ立ててそのまま忘れてしまうことがありませんか?
相談者さんは四半期ごとに目標設定をしているとのことだったので、3カ月後に「そういえばこんな目標だったな」「何もアクションできていないな」という状態になってしまいかねない。すると「機能していないのにどうして大変な思いをして目標を立てなければいけないんだ」と思ってしまいますよね。
なので、普段の仕事と密接に関連する目標を立てることが大切だと思うんです。相談者さんの場合は、現状だと上司が目標を立てているとのことでしたよね。おそらくですが、始めに上司として期待することを目標という形で伝えてくれているはずです。
ただ、目標に向かう道筋が描けていないと、どんな1歩を踏み出したらいいのか分からない。分からないのに「こうなれ」という目標だけ渡されて、つらい気持ちになっているのかもしれないな、と。
例えば、週次や月次の単位で目標を細分化して、思った方向に進めない場合には軌道修正を掛けていくのが良いと思います。
河合:目標の立て方やその後の進め方について、戸倉さんはいかがですか?
戸倉:目標設定の際には、前回の目標の振り返りから始めるのが良いと思っています。そして、実績とのギャップを見ながら次の目標を考えるんです。
前回できなかったことを新たな目標に盛り込みつつ、どうすればできるかメンバーとマネジャーでディスカッションすることが大切ですね。
メンバーが目標を達成できないのはマネジャーの責任でもあると思ってるので、1on1の頻度を変えたり、コミュニケーションスタイルを検討したりと、私自身も改善しながら取り組んでいます。
次回は3月23日(木)更新予定。テーマは「長期的なキャリアプラン」です。お楽しみに!
文/まゆ
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