刻一刻と変化する社会のニーズを正しく捉え、革新的なプロダクトを世に送り出すには、チームメンバーとの深く率直な議論が不可欠。
「こんなことを言うと相手のメンツをつぶしてしまうかも」と忖度することは、組織やプロダクトのためになりません。
人格否定や単なる攻撃はむろん避けるべきですが、より良いプロダクトを開発するためには、建設的な意見の対立がしっかりと起こる環境をつくることが大切です。
2023年上半期、自身の仕事を振り返るきっかけに! 元Google人事、チェリー本著者・伊藤淳一×遠藤大介など人気記事TOP5を発表
早いもので、2023年の上半期が終了した。本格的に夏が始まり下半期へと突入する前に、この半年の自身の仕事やキャリアに関して、今一度振り返ってみてもいいかもしれない。
そこで今回は、今年1月~6月にエンジニアtypeで掲載した、約130記事の中から最も読まれた記事をランキング形式でご紹介。より充実した下半期を送れるようにぜひ参考にしていただきたい。
目次
- 【第1位】良かれと思ってやったのに…元Google人事が説く、日本の管理職がやりがちなエンジニアの心理的安全性を下げるNG行動四つ
- 【第2位】「会社全体で炎上している」「コードはコピペ」二次受け中小SIerで働く24歳エンジニアの悲痛【連載:転職&キャリア相談室】
- 【第3位】若手エンジニアの成長を妨げる“受託脳”とは? 「受託開発でスキルアップできない」が大間違いな理由【チェリー本著者・伊藤淳一×遠藤大介】
- 【第4位】副業する人・しない人で収入&幸せ格差が広がる? 元LinkedIn日本代表・村上臣がエンジニアに説く「稼ぎ方2.0」
- 【第5位】「プログラマーの本質に立ち返る時が来た」コードを書き続けてきたアラフォー世代に迫られるAI時代の自己変革【伊藤淳一×遠藤大介】
【第1位】良かれと思ってやったのに…元Google人事が説く、日本の管理職がやりがちなエンジニアの心理的安全性を下げるNG行動四つ
元・Google人事で『心理的安全性 最強の教科書』(東洋経済新報社)著者・ピョートル・フェリクス・クジバチさんのインタビュー記事が、23年上半期の人気記事ランキング第1位に輝いた。
日本のマネジャーが誤解しがちな「心理的安全性」について、「ただただメンバーを肯定するだけでは、心理的安全性はむしろ損なわれかねない」と解説された本記事には、SNSで多くの共感の声が集まった。いま一度、「心理的安全性」という言葉の定義を確かめてみてはいかがだろうか。
【第2位】「会社全体で炎上している」「コードはコピペ」二次受け中小SIerで働く24歳エンジニアの悲痛【連載:転職&キャリア相談室】
第2位にランクインしたのは、Twitter やnoteなどでエンジニアに向けてさまざまな情報発信を行う、サカモト@エンジニアキャリア論さんによる連載だ。
「会社全体で炎上している」「年次が上がっても給与が低い」「人を育てようという意識が皆無」というパワーワードが盛りだくさんな相談者からの悩みに、多くの読者からの関心が集まったようだ。
悩める相談者に、サカモトさんはどのようなアドバイスをしたのか。具体的かつ実用的な情報は必見だ。
明らかなのは、そこが「長期間いるべき現場ではない」ということ。それはすぐに判断できました。なぜなら、キャリアが浅いときにいかに良い経験ができるかで、今後のエンジニア人生に大きく関わってくるからです。
多くの場合、日本の企業では年齢が上がるにつれて、「それ相応の経験」を求められます。中堅にさしかかったところで「コードはいつもコピペしてます」なんてことになれば、転職する際に苦労を味わうことになるでしょう。
【第3位】若手エンジニアの成長を妨げる“受託脳”とは? 「受託開発でスキルアップできない」が大間違いな理由【チェリー本著者・伊藤淳一×遠藤大介】
続いて、“チェリー本”こと書籍『プロを目指す人のためのRuby入門』の執筆者であり、ソニックガーデンのプログラマー・伊藤淳一さんと、同社で執行役員を務める遠藤大介さんの記事がランクイン。
「急成長するなら、受託開発より自社開発」というイメージから、自社開発企業へ転職を希望するエンジニアは少なくない。しかし伊藤さんと遠藤さんは、クライアントワークで働く道を突き進んだ結果、現在のポジションに至った経歴を持つ。
二人のキャリア選択の背景とともに、「これからの時代に若手エンジニアの成長を左右するもの」について聞いてみた。
「確かに、受託開発に悪い印象を持つ若手エンジニアは少なくありません。しかし、先ほど伊藤が挙げたような『受託開発を避けるべき理由』のどれ一つとっても『受託開発』そのものに帰する問題ではない。
むしろ受託開発を請ける企業のビジネスモデルやスタンス、コンプライアンスへの姿勢に起因するものです。受託開発を一括りにして『良くない』と語るのは間違っているのではないでしょうか」(遠藤さん)
(中略)
「開発に従事するエンジニアを粗雑に扱い、法令を守らないブラック企業がいまだに存在するのも否定できない事実です。
どれもエンジニアの成長を阻害する要因になるのは間違いありませんが、かといって顧客に代わってソフトウエアを開発する『受託開発』の問題でもないというのが僕たちの認識です」(伊藤さん)
【第4位】副業する人・しない人で収入&幸せ格差が広がる? 元LinkedIn日本代表・村上臣がエンジニアに説く「稼ぎ方2.0」
第4位は、元LinkedIn日本代表で書籍『稼ぎ方2.0』(SBクリエイティブ)著書の村上臣さんのインタビュー。
収入を増やすための手段として、近年「副業」「パラレルキャリア」という言葉を耳にする機会が増えたものの、実践している人はそう多くはないだろう。
しかし村上さんは、「欧米では『クリエーターエコノミー』が本格的に到来し、会社の外で新たな収入源を獲得するエンジニアが一気に増えた」と話す。
これから日本でも、同様の現象は起こり得るのだろうか? 日本のエンジニアの「稼ぐ」環境の変化について聞いてみた。
欧米ではコロナ期間のロックダウンが長かったので、家で時間を持て余したエンジニアも多くいました。そこで、余暇の時間に作ったものをせっかくなら発信したり、売ったりしてみようと考える人が増えたのだと思います。
さらに、自動生成AIの台頭も追い風になっています。今や、絵を描く技術がない人でもAIを使えばプロのような絵を描けますし、文章を書くことも、ゲームや音楽をつくることもできる。プログラミング関連の作業も、言語の置き換えなどであれば、自動生成AIの得意分野です。
このようなテクノロジーの普及がエンジニアのできることを増やしたり、作業効率を上げたりする一助となって、副業をするハードルをますます下げている。
日本も国が副業推進に取り組んでいますから、きっとこれからますますクリエーターエコノミーが活性化する可能性は非常に高いと思います。
【第5位】「プログラマーの本質に立ち返る時が来た」コードを書き続けてきたアラフォー世代に迫られるAI時代の自己変革【伊藤淳一×遠藤大介】
第3位に続いて、またもやソニックガーデンのプログラマー・伊藤淳一さんと同社の執行役員・遠藤大介さんの記事がランクインした。
記事内では、生成AIの誕生により「プログラマーは不要になるのでは」と不安に思うアラフォー世代のプログラマーに向けて、「今後求められる自己変革とは何なのか」という問いを投げ掛けてみた。
開発現場の最前線で長年プログラマーとして活躍してきた二人は、生成AIがますます進化を遂げている現状をどのように見ているのだろうか。
伊藤:現状「言われた通りにプログラミングするだけ」のスキルしかないアラフォー世代のプログラマーなら、やはり自己変革は避けられないと思います。
(中略)
年齢や世代がどうあれ、プログラマーとしてできることを増やしていこうという成長意欲がないと、すぐに便利なテクノロジーに追いつかれ、追い越されてしまうと思いますね。
遠藤:人間がやるべきこと、AIに任せて大丈夫な部分は峻別しないとマズいでしょうね。過去を振り返っても、テクノロジーの進歩によって仕事が奪われていった人は大勢います。
しかし、その多くは持てる技術を土台に「自分にしかできないこと」を見つけ次のステージに進んできました。
今はドラスティックな変化が起こりやすい。親しんできた技術だけでなく、なるべく早く変化の兆しをキャッチする努力は年齢を重ねるほど、意識することが大切でしょうね。
23年下半期以降も、第一線で活躍する技術者や著名人・識者たちのインタビュー記事を多くお届けしていく予定だ。
「エンジニアのキャリアを考える」メディアとして、引き続き読者のエンジニアライフを後押ししていきたい。
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