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20年間“営業ゼロ”でも案件が有り余る? エンジニア社長が「欲があるヤツが一番強い」と語る背景

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どの企業よりも良い案件を。少しでも利益になるプロジェクトを。

そんな思惑から、営業活動に熱を入れる受託開発企業は多いはず。とはいえ、競合ひしめくIT業界で、安定した引き合いを獲得するのは容易ではない。

そんな中、営業専任の組織や人材を持たないという独自のスタイルを貫く会社がある。それが、品川区大崎に本社を構えるUSDだ。

営業を一切しないのに案件が次々と舞い込み、その多くが最先端かつ最上流を扱うプロジェクトだと言うからにわかには信じがたい。しかも詳細を聞けば、東京大学と共同でブロックチェーン活用の研究を手掛けたり、国土交通省と建設団体が主導する国家規模のプロジェクトに参画したりと、意欲的なエンジニアならぜひ携わってみたいと思えるワクワクするような案件がずらりと揃っているから驚く。

「創業以来営業ゼロ」を貫いているにもかかわらず、なぜそのような状況を生み出すことができるのか。その謎に迫るため、USD代表の上原正士さんに話を伺った。

プロフィール画像

株式会社USD
代表取締役社長 上原正士さん

専門学校でプログラミング言語を学び、開発会社に就職。その後派遣社員として複数社でIT関連の各種業務に従事した後、トーメンテレコムに転職。コールセンター設置プロジェクトを多数リード。トーメンテレコム退職後はソニーに転職し、約2年間エンジニアとして勤務。フリーランスのITコンサルタントを経て、2004年にUSDを設立

「誰もやったことのないことこそやってみたい」精神が案件を引き寄せる

ーー早速本題を聞いてしまうのですが、USDでは創業以来、営業専任の組織を持ったことがないって本当ですか?

そうです。だって、勝手に仕事がやってくるから。営業活動なんてしなくても、どんどん引き合いがくるんですよ。

今は人手が足りなくて断っている話もあるくらい。せっかくウチを選んでくれたのに断るのは忍びないなと思っているんですけどね。

ーー営業がいないのにどうして案件が集まってくるんですか? 上原さんの人脈とか?

人脈なんてカッコいいもんじゃないです。私は趣味が多いから、いろんな人たちと楽しく話したり、遊んだりしていると、声が掛かるようになるんですよ。

ーーなるほど。趣味を通じて営業活動をしている、と。

うーん、そういうつもりもないんですよね。別に案件が欲しくて人付き合いをしているわけじゃないし。自分がただ楽しんでいたらいつの間にか仕事につながっている。そんな感じです。

ーーUSDの場合、単に引き合いの数が多いだけではなく、AIやブロックチェーンといった最新技術を扱う案件やPoCから取り組む実証プロジェクトなど、最上流・最先端の依頼が多いとか。例えば2015年から東京大学と共同でブロックチェーン関連の研究を行っているそうですが、これも先方から声が掛かったんですか?

そうです。知り合いから「東大がブロックチェーンを決済プラットフォームに活用する研究を始めるんだけど、上原さんやってみない?」って。

その知人と出会ったのは、私がソニー(So-net)でエンジニアをしていた頃。当時はソニーグループのコールセンターを集約するプロジェクトを任されていて、社内のいろいろな部署と合同で仕事をしていたんですよ。その時に通販部門から頼まれて決済プラットフォームの設計・運用も手伝ったんです。

独立してUSDを起業する少し前に、いわゆる「ソニーショック」が起こって、業績不振に陥ったソニーから大量の人材が流出したんですよね。その中の一人が先ほど話した知人で、彼の再就職先がたまたま東大と共同研究を行なっていたんですよ。それで「たしか上原さんって決済関係が得意だったよね」と声を掛けてくれたわけです。

USD上原さん

ーーもともとブロックチェーンを扱った経験はあったんですか?

いや全然。当時はブロックチェーンという言葉さえ世間一般には知られていない頃だったからね。日本語の文献も今みたいに豊富になかった。ブロックチェーンに関わったことがある国内のエンジニアなんて、ごくわずかだったんじゃないかな。

私もこの技術については全くの無知だったけど、「誰もやったことがない」「まだ一般的ではない」って聞くと、やってみたくなるじゃないですか。なので迷わず引き受けました。

ーー東大の研究者たちと最先端技術に取り組むとなると、かなりハイレベルな技術力や知識が求められますよね。決済系が得意とはいえ、まだブロックチェーンを扱った実績がなかった上原さんに声が掛かったのはどうしてなんでしょう。

さあ、なんでですかね? 私に声を掛けてくれる皆さんは、「すぐに結果を出さなければいけない案件は上原に頼めばどうにかしてくれるだろう」と思っているのかもしれないです。

私は昔から「まだ誰もやっていないこと」をやるのがとにかく好きだったんですよ。コールセンターのシステム設計に携わるようになったのも1990年代半ば。企業が本格的にコールセンターを設置し始めた黎明期でした。私はボイスネットワーク事業を手掛ける通信会社に在籍していたんですけど、まったく新しいビジネスなので、当然経験のあるエンジニアは存在しない。だからこそ面白いと思ったんです。

航空会社、カード会社、あとは消費財メーカーなんかも、大手企業と呼ばれるところのプロジェクトを軒並み手掛けました。1990年代に立ち上げたコールセンターの8割は私が設計したんじゃないかな。あくまで感覚値ですけど(笑)。でもある航空会社のコールセンターを設計したら、その話を聞いた競合の航空会社からもオファーが来たりと、一つ結果を出すごとに次々と依頼が舞い込んだのは本当の話です。

目指すのは、欲に燃える情熱のある組織

ーー上原さんの経歴を聞いて、それだけの実績があれば引き合いが絶えないのも納得がいくなと思えてきました。でも、そもそも上原さんはなぜ起業する道を選んだんですか? それだけの実績と人脈があるなら、もっと条件のいい大企業に転職するとか、フリーランスでやっていくとか、別の道もあったと思うのですが。

きれいごとを言ってもバレちゃうと思うので正直に話すと、とにかくお金を稼ぎたかったんですよ。当時は「いい車に乗りたい」とか「六本木で豪遊したい」とか、そんなことばかり考えていました。

起業前にフリーランスでITコンサルタントをしていた時期もあるのですが、企業と大口の取引をするにはこちらも法人格を持つことが必要だったんです。なので、単価の高い案件を受けたいがために会社を作ったようなものです。

さすがに額までは言えないけど、毎月かなりの金額をくれる顧客もあった。でも、今度は忙しすぎて遊ぶ暇がなくなっちゃったんですよ。遊ぶお金のために働いてるのに、これじゃいかん、と。そこで、昔からの仲間に「今なら雇えるぞー!」と声を掛けて仲間を増やしたんです。

そんな感じで立ち上げた会社だから、「ビジョン」とか「ミッション」とかかっこいいものはなかった。その代わり、最初はいろいろやってみようと思ってたんですよね。やっていくうちに会社の色みたいなものが出てくるだろうって。

USD上原さん

ーー創業からもう20年ですが、会社の色は出てきましたか?

そうだなあ……「情熱のある会社」かな。

ーー情熱ですか?

どんな物事も、初めと終わりは情熱が勝負を決めると思うんです。試合開始の笛が鳴ったら、「絶対に勝つぞ!」という意気込みで走り出す。試合後半になって疲れから足が動かなくなっても、ゴールまで気力で走り抜く。それは情熱のある人にしかできないはずだし、そういう人が集まる会社にしたいな。

情熱の源は何でもいいんですよ。それこそ「お金を稼ぎたい」でもいい。自分なりの欲を持っている人は大歓迎です。逆に何の欲も持たず、ただ指示されたことだけをやりますという人はUSDには向かないし、そんな人が集まる組織にはしたくないね。

ーー上原さんが欲を原動力に仕事をしてきたからこそ、そういう人たちが集まる会社にしたいと考えたんですね。

でも、私みたいな人間って世間から浮くんですよ。若い頃からいくつもの会社を渡り歩いてきたから分かるけど、一度組織に入ってしまうと本来持っていたはずの自分らしい欲を失ってしまう人間が大半です。オフィスで席を並べる先輩や上司を見ながら、「自分も5年後に係長になって、10年後には課長になれればいいかな」なんて考え始めるわけ。

そんな人生、面白いかなあ。どうして他の人と同じになりたがるのか、私は不思議で仕方ないんです。

ーー少なからず会社員時代を過ごしてきたにもかかわらず、上原さんが組織に染まらなかったのは何でなんですかね。

他人と同じことをしていたら勝てないってことを、人生の早い段階で学んだからでしょうね。

私は20代の頃にモトクロスに夢中になった時期があるんですけど、レースに勝つにはどんな手を使ってでも人より前に出なければいけないわけです。そのためには1点集中で勝負するしかない。例えば「ストレートに強い」とか「ヘアピンカーブを抜けるのが誰よりも速い」といった自分ならではの強みが分かっていれば、そこで一気に前へ出られる。自分が得意なところで勝負をかければ、レースで勝てます。

全てが揃った人間なんていないのだから、人とは違う自分の強みをとことん伸ばせばいい。一つでも突き抜けるものがあれば、弱みはカバーできますからね。

今のUSDはまさにそんなメンバーが集まっていて、それぞれが自分ならではの強みで勝負してる。RPGのパーティみたいなんですよ、うちの会社って。物理攻撃に長けた戦士もいれば、遠隔攻撃ができる魔法使いもいるし、仲間を回復させる力を持つ僧侶もいる。お互いが強みを発揮し、弱みを補い合って、組織として最強を目指す。そんなイメージです。

だからメンバーが得意なことや好きなことはどんどんやらせるようにしています。強みを伸ばすにはそれが一番ですから。実は最初に話した東大との共同研究も、若手エンジニアにほとんど任せているんですよ。情熱のあるエンジニアは、チャンスさえあれば自分で学んで成長していけるので。

うちのメンバーによく言うんですよ。「私が冒険の扉を示す。開くのは君だ。望むなら連れて行こう」って。まあこれはパリ・ダカールラリーの創設者であるティエリー・サビーヌの名言を借りただけだけど(笑)

USD上原さん

趣味が豊富な上原さん。レース『K4-GP』に出場した際の1枚(本人提供)

次のボスになる強いライオンを育てたい「そのあとは野垂れ死にでもいいかな」

ーー起業した当初は「お金を稼ぎたい」という自分の欲がモチベーションだったと言っていましたが、今の話だと、現在は「人を育てたい」という欲も生まれてきたってことですよね。

そうなんですよ。今はメンバーが育っていくのが楽しいしうれしい。長く働いてくれると、結婚したり、子どもが生まれたりするメンバーも出てくるわけですよ。そんな変化がきっかけになって、仕事に対する姿勢まで変わっていくメンバーを見るとグッときますね。

自分一人なら自分が楽しいと思うことだけをやればいい。でも家族ができたら、パートナーや子どもを楽しませるにはどうすればいいかを考え始める。つまり「自分のため」だけではなく「相手のため」というもう一つの視点が加わるんです。

すると仕事でも「お客さまのため」という視点に立って、何をすれば相手が喜んでくれるかを考えるようになる。そんな変化を見ると「人として成長したなあ」と実感します。

ーー上原さんがおっしゃる「成長」は、エンジニアとして技術を身に付けることだけを指すわけではないんですね。

そうそう。何年か実務を経験すれば、誰でも一通りの技術は身に付くけど、それだけだと本物ではない。ああでもない、こうでもないと試行錯誤し、自分なりに工夫や練習を重ねて身に付けるのが本物の技術です。

そのためにも自発的に考え、動ける人間であることが重要になる。誰かに教えられた技術をただ使うんじゃなくて、「どうすればお客さまに満足してもらえて、なおかつ自分は早く家に帰って子どもと一緒に風呂に入れるか」と自分の頭で必死に考えるから、仕事の質もスピードも上がっていくんです。

一人一人が自発的に動きつつも、一つの目的を果たすために全員が同じ方向へ進んでいく。F1のチームも、ドライバーやメカニック、データアナリスト、広報などさまざまな分野のプロフェッショナルが集まってそれぞれの役割を果たしながら、同じゴールを目指して走りますよね。そんな会社になれたら理想的です。

ーーそれが上原さんの目指す最終ゴールなんですね。

いえ、私の夢は一人さみしく野垂れ死ぬことです。

USD上原さん

ーー野垂れ死に……!? えっと、それはどういう意味ですか……?

ライオンの群れを率いるリーダーは、自分より若くて強いライオンが出てきたら、群れを去って野垂れ死ぬじゃないですか。それと同じで、USDを私の代わりに率いてくれるメンバーが育ったら、安心して次のリーダーに会社を任せられる。メンバーを育てて世代交代できるところまで持っていくのが、創業者である私の役目かなと思うんです。

だから、それくらい本気で若い人たちを育てたいと思っているし、こんな社長の価値観に共感できるエンジニアがいたら、ぜひUSDという群れに加わってほしい。若いライオンが育つことを期待しています。

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取材・文/塚田有香 撮影/桑原美樹 編集/秋元 祐香里(編集部) 撮影場所:Bar七曲署

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