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OSとは?主な種類や役割をおさらい!「自分に合うOS」の選び方も分かりやすく解説

IT用語集

エンジニアでなくとも、何となく耳にしたことがある「OS」。「Windows」や「mac」、「android」などの名称は知っていても、OSがどのような役割を果たし、どのような特徴があるかまで分かっている人は多くないかもしれません。

この記事では、OSの基本を徹底解説。コンピューターを選ぶ際に、どのようにOSを決めるべきかまで紹介します。「今までなんとなくWindowsを選んでいた」という方は、この機会にぜひOSについて知識を深めてみてはいかがでしょうか?

OSとは

OSとは、オペレーティングシステム(Operating System)の略で、システムを管理したりアプリケーションを使ったりするために必要なソフトウエアです。OSが「基本ソフトウエア」と表現されるのに対し、アプリケーションは「応用ソフトウエア」と表現されます。OSはどのコンピューターにも搭載されている基本的なソフトウエアであり、有名なものとしてはWindows OSやmac OS、androidなどがあります。

以下でOSの主な役割について詳しく解説します。

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主なOSの役割

OSにはユーザーがマウスやキーボードを使って要求した操作をCPUやアプリケーションなどのソフトウエアに伝え、情報を制御してモニターに出力する機能があります。この機能をもとに、具体的には以下のような役割を担います。

タスク・メモリ管理
コンピューターを使用するとき、複数のアプリケーションを起動しながら作業を進めることは珍しくないでしょう。しかし同時進行で複数の処理をおこなう際、どのアプリケーションも「実行状態」でフル稼働してしまうとメモリ不足におちいってしまうことも。OSはそれぞれのタスクの状態を「実行状態」「待機状態」「実行可能状態」の3段階に分け、必要なメモリやCPUを割り振ることでキャパオーバーになることを防いでいます。

ファイルの管理
私たちが普段当たり前のようにおこなっているファイルの管理もOSが担う機能の1つです。OSがファイルの保存形式や保存場所の管理をおこなってくれることで、データに素早くアクセスできたり、コンピューターの容量を無駄にすることなく使用できたりしています。

周辺機器(デバイス)の管理
OSは入出力の管理が得意なソフトウエアですが、入出力に必要なディスプレイやマウス、キーボードやプリンター、イヤホンなどの周辺機器の管理もおこなっています。例えばイヤホンの接続を検知したり、複数のUSBメモリが挿入されたときにそれぞれを別のデバイスとして制御できるのもOSのおかげです。

APIの提供
APIとは「Application Programming Interface」の頭文字をとったもので、アプリケーションに共通する機能をまとめたものです。APIの提供もOSの機能の一つで、これによりさまざまなアプリケーションで「入出力」「ファイル保存」「印刷」などの一般的な機能を簡単に使えるようになっているのです。

汎用OSとリアルタイムOSの違い

OSというと、パソコンやスマートフォンをイメージする人が多いと思いますが、電化製品などにもマイコンと呼ばれる小型のコンピューターが搭載されており、OSが使われています。

パソコンなどは、さまざまなアプリケーションをインストールすることが前提で、ユーザーによって自由な使い方ができる汎用性があるため「汎用OS」と呼ばれます。汎用OSは処理を完了するまでの期限がありません。

対して電化製品などのように、特定の機能に特化し、マイコンなどの組み込みシステムを制御するOSには即時応答性が求められます。そのため、「リアルタイムOS」が使用されています。

OSがないとどうなる?

OSはユーザーの要求を伝えたり、処理を表示させたりする機能があるため、OSがなければコンピューターは全く機能せず、キーボードでの文字入力やマウスの操作はもちろん、電源のON/OFFすらもできません。つまり、コンピューターを使う際は何かしらのOSがインストールされていることが必要条件なのです。

OSには複数の種類があり、それぞれ強みや特徴などが異なります。1台のコンピューターに複数のOSを入れることも可能で、起動時にOSを選択して使用することができます。

パソコン向けの主なOSの種類

先ほども述べたように、OSには複数の種類があります。ここでは、主なパソコン向けOSの種類とその特徴を解説します。

Windows OS

Windows OSは、Microsoft社が1985年に発売したOSです。パソコン向けOSのなかでもっともメジャーなOSの一つで、長年トップシェアを誇っています。

Windows OSはマウスやキーボードを使ったGUI機能に優れており、誰でも操作しやすい点が特徴です。またユーザー数が多いぶん、対応ソフトウエアが豊富だったりインターネットや書籍などから得られる情報が多かったりするのも魅力の一つです。

一方で、デメリットはウイルスの感染リスクが高い点です。Windows OSを使用する際はセキュリティリスクに充分注意を払いましょう。

mac OS

mac OSは、Apple社が1984年に発売したOSです。当初はApple社のコンピューターであるmac(マッキントッシュ)用のOSとして開発され、世界に先駆けて始めてGUIを搭載したOSとして話題になりました。つまり、mac OSの登場によりマウスを使ってコンピューターを操作できるようになったのです。

mac OSはApple製品との相性が良く、同期やデータの転送がしやすい点が特徴です。表計算ツールなどの便利なアプリが最初から搭載されているため、mac OSさえあればさまざまな作業ができます。

ただし、mac OSは基本的にApple製品でしか使えません。Apple製品は比較的高価なものが多いため、初期コストがかかる点がデメリットです。

Chrome OS

Chrome OSは、Google社がLinuxをベースに開発したOSです。GUI操作を強化している点が特徴でマウス操作も簡単にできます。Webブラウザ「Google Chrome」上で操作することが前提となっており、他のアプリをインストールせずとも多くの機能が使えます。Chrome OSは「Chrome book」というパソコンがあれば使用できます。比較的安価なデバイスなので、手が出しやすいのもメリットです。

ただし、Webブラウザ上での操作が前提ということもあり、オフラインでの使用用途が限られる点がデメリットとなります。

UNIX

UNIXは、1968年にアメリカのAT&Tのベル研究所で開発されたOSです。主要なOSのなかでもっとも古く、サーバーの始祖ともいえるOSです。UNIXから派生・互換したOSは「UNIX系OS」と呼ばれ、「mac OS」、「Linux」などさまざまなものがあります。

シンプルな構成ですが、高い安定性があることや特定のハードウエアに依存しないことから、今も世界中で使用されています。

一方で、UNIXは文字中心の画面となっており、Windows OSやmac OSのGUIと比較すると見づらいのが特徴です。また、すべての操作にコマンドが必要なことから、一般ユーザーには使いづらい点がデメリットといえます。

Linux

Linuxは、当時ヘルシンキ大学の学生だったリーナス・トーバルズ氏が開発したOSです。当時UNIXは高価なライセンス制限があったため、自身の学習や趣味のためにUNIXのソースコードを模してLinuxを生み出しました。

LinuxはオープンソースのOSなので、世界中のエンジニアが改良を加えて発展してきました。そのため、セキュリティやネットワーク面でも安定しており、無料で導入できる点が特徴です。Windows OSのベースになったほか、サーバーや組み込み系、スーパーコンピューターにも使用されています。

一方で、UNIXと同じく文字中心の画面で、すべての操作にコマンドが必要となります。操作性の面ではWindows OSやmac OSのほうが親しみやすいといえるでしょう。

スマホ・タブレット向けの主なOSの種類

続いて、スマートフォン・タブレット向けの主なOSについて紹介します。モバイル市場はandroidとiOSに二分されており、その他のOSが参入してもあまり普及にいたらず販売終了となるケースが多いのが現状です。

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android

androidは、Google社がスマートフォン向けのOSとして開発したオープンソースのOSです。Apple社以外のモバイル端末に広く使われています。Google社が開発したOSなので、Googleのサービスと連携しやすいのが特徴です。

androidはオープンソースのOSということもあり、各メーカーによる開発が進められています。デバイスによって機能や強みが異なる点が特徴で、デザインも豊富です。ユーザーのニーズや好みに合わせて端末を選べるのがandroid OS端末のメリットといえるでしょう。

iOS

iOSはApple製品のモバイル端末に搭載されているOSです。ほとんどの操作をタッチパネルでおこなうことができ、操作性が高いのが特徴です。

androidはGoogle社が提供するアプリストア「Google play」以外からもアプリケーションをダウンロードできるのに対し、iOSはApple社が提供するアプリストア「App Store」からしかアプリケーションをダウンロードできません。

androidであれば使用できるアプリケーションがiOSでは使用できないことがある点がデメリットですが、「App Store」では一定の審査をクリアしたアプリだけが提供されているため、セキュリティに強い点がメリットといえるでしょう。

OSのバージョンを確認するには

OSは常に提供元により新しいバージョンが開発されています。古いバージョンのOSでも使用できないことはないですが、利便性が低かったりサポートがなかったりするケースもあるため、定期的に最新のバージョンにアップデートしましょう。

自身のOSのバージョンを確認する手順は以下のとおりです。

Windows OSの場合

2024年4月時点での最新のWindows OSのバージョンは「Windows 11バージョン 23H2」です。以下はWindows 10以降の方のOSのバージョンの確認方法です。

【1】「Windowsキー」を押す/もしくはスタートメニューをクリック
【2】設定>システム>バージョン情報を選択
【3】「Windowsの仕様」の「バージョン」を確認

macOSの場合

最新のmac OSに関する情報は公式サイトを確認してください。以下はmacOS Catalinaの場合のOSのバージョンの確認方法です。

【1】画面左上のAppleアイコンをクリック
【2】「このMacについて」をクリック
【3】「mac OS」を確認

自分に合うOSの選び方

先ほど紹介したとおり、OSにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や強みが異なります。開発用のコンピューターではなく、一般ユーザーが自宅で使用するコンピューターであれば、「Windows OS」か「mac OS」を選べば間違いないでしょう。以下にそれぞれのOSにマッチする人を紹介します。

初期コストを抑えたい人やゲームユーザーならWindows OS!

Windows OSは世界的にもっともメジャーなOSですので、「迷ったらWindows OS」と考えても問題ないでしょう。会社や学校で使われているケースも多く、Windows OSの操作に慣れておいたほうが役立つ場面が多いからです。またWindows OSはアプリが豊富なので、コストをかけることなくさまざまな機能を利用できます。Windows OS対応のコンピューターは種類が多いため、安価な製品や好みのデザインの製品を選択することも可能です。

さらに世界中のほぼすべてのゲームはWindowsに対応しています。小規模なゲームメーカーのゲームであればmac OSで購入できないケースも珍しくないため、ゲームユーザーならWindows OSをおすすめします。

Apple製品が好きな人やデザインにもこだわりたいならmac OS!

mac OSの最大のメリットはApple製品と組み合わせて使う際の利便性です。iPhoneやiPadなどのデバイスデータが自動的に同期されるため、どのデバイスでもストレスなくデータにアクセスできます。

近年はWindows OSでもクリエイター向けのソフトウエアが充実してきましたが、かつては「クリエイティブ=mac」のイメージが強く、今でも制作系の仕事をする人は会社からmacが支給されることが珍しくありません。もし会社でmacを使用しているなら、操作に慣れるためにもmacを選択するのが得策です。

Apple製品は機能性はもちろん、見た目のシンプルさも大きな魅力です。持っているだけでサマになるため、コンピューターを使った作業のモチベーションを上げるのにも役立ちます。

まとめ|OSがなければコンピューターはただの箱

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OSは日本語では「基本ソフトウエア」と呼ばれ、コンピューターを作動するのに欠かせないシステムです。一口に「OS」と言っても、パソコン向け、スマートフォン向けなどさまざまな種類があり、それぞれ強みや特徴も異なるため、自分の用途に合ったものを選びましょう。

またOSを使いこなすことは、コンピューターへの理解やエンジニアとしてのステップアップにもつながります。ぜひこの機会にOSの仕組みを理解し、よりコンピューターに親しんでみてはいかがでしょうか。

文/赤池沙希 編集/エンジニアtype編集部

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