Cloud Digital Leader
Cloud Digital Leaderは、Google Cloud 認定資格の中で最も初歩的な資格です。推奨の実務経験は無いため非エンジニアでも受験することが可能であり、クラウドに関する基礎的な知識があれば合格可能です。
低コストで導入可能な点や運用負荷が軽減される点など、さまざまなメリットから多くの企業で導入が進んでいるクラウドサービス。それに伴い、クラウド人材の需要も急激に増加しています。
中でもGoogle Cloudは世界的に見てシェアが大きいサービスであり、Google Cloudの知識やスキルの有無は市場価値に直結するといっても過言ではありません。
そこでこの記事では、Google Cloudに関するスキルを証明するのに役立つGoogle Cloud 認定資格について紹介。取得のメリットや試験の概要などを詳しく解説します。
目次
Google Cloud 認定資格(旧GCP認定資格)とは、その名の通りGoogle Cloudに関する公式の認定資格のことです。2024年9月現在、Google Cloud 認定資格は11種類あり、難易度に応じて三つのカテゴリに分かれています。
Google Cloud 認定資格は世界的にも需要が高く、取得に向けて勉強することで市場価値の向上にもつながります。クラウドエンジニアはもちろん、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアも取得しておきたい資格の一つといえるでしょう。
現在Google Cloud 認定資格は、難易度によって次の11種類に分けられています。受験料とともに一覧でまとめますので、ぜひ参考にしてください。
それぞれのGoogle Cloud 認定資格の内容について、カテゴリ別に詳しく解説します。
FOUNDATIONAL(基礎レベル)は、Google Cloud 認定資格の中で最も難易度が低いカテゴリです。該当する試験は「Cloud Digital Leader」のみで、クラウド初学者や未経験者を対象としています。
Cloud Digital Leader
Cloud Digital Leaderは、Google Cloud 認定資格の中で最も初歩的な資格です。推奨の実務経験は無いため非エンジニアでも受験することが可能であり、クラウドに関する基礎的な知識があれば合格可能です。
FOUNDATIONALの次のステップがASSOCIATEです。該当する試験は「Associate Cloud Engineer」のみで、6ヶ月以上の実務経験がある人を対象としています。ただし、必須条件ではないため受験自体は誰でも可能です。
Associate Cloud Engineer
Associate Cloud Engineerは、基礎的なクラウド知識を備えた上で、アプリケーションのデプロイ、モニタリング、クラウドソリューション環境の設定、実装、運用など幅広い分野の知識が問われます。クラウドエンジニアとしてある程度実務経験を積んだ人であれば、合格は難しくありません。
PROFESSIONALは、Google Cloud 認定資格の中で最も難易度が高いカテゴリです。クラウド業界での実務経験3年以上、特にGoogle Cloudを使用した実務経験が1年以上あるのが望ましいとされており、試験は分野ごとに9種類に分かれます。
Professional Cloud Architect
Professional Cloud Architectでは、組織がGoogle Cloudの技術を活用できるよう設計・開発・管理できる知識が問われます。インフラ分野はもちろんエンタープライズクラウド戦略やソリューションの設計、さらにはデータアナリティクスやセキュリティーなど、幅広い分野に精通していることが求められます。
Professional Cloud Architectを取得することは、Google Cloudの技術者として一人前のスキルや知識を有することの証明となります。
Professional Cloud Developer
Professional Cloud Developerは、Googleが推奨するツールとベストプラクティスを用いて、スケーラブルで可用性の高いアプリケーションが開発できることの証明となります。既出のAssociate Cloud EngineerやProfessional Cloud Architectと比較すると、問題数が多いのが特徴です。
Professional Data Engineer
Professional Data Engineerは、その名の通りデータエンジニアリングに関する問題が出題される試験です。データ処理システムの設計、構築、デプロイのほか、セキュリティ保護や監視、機械学習なども出題範囲となっています。
Professional Cloud DevOps Engineer
Professional Cloud DevOps Engineerでは、Googleの提唱するSRE(サイト・リライアビリティ・エンジニアリング)の基本的な理解と、アプリ開発やCI/CD パイプラインの構築、サービス監視・インシデント管理などサービスの安定稼働における知識が問われます。
Professional Cloud DevOps Engineerの試験内容はProfessional Cloud Developerと重複する箇所もあるため、続けて取得を目指すこともお勧めです。
Professional Cloud Security Engineer
Professional Cloud Security Engineerは、その名の通りセキュリティーに特化した資格であり、Google Cloud上で安全なインフラ環境を設計、構築できるエンジニアであることの証明となります。
Professional Cloud Security Engineerの試験内容は、Associate Cloud EngineerやProfessional Cloud Architectの発展版です。重複する箇所もあるため、これらの資格を先に取得しておくことでコスパ良くProfessional Cloud Security Engineerの合格を目指せるでしょう。
Professional Cloud Network Engineer
Professional Cloud Network Engineerは、その名の通りネットワークアーキテクチャに関する問題が出題される試験です。ネットワークサービスやVPC、ハイブリッド・マルチクラウドの実装についてなど高度な知識が問われます。
Professional Google Workspace Administrator(旧:Professional Collaboration Engineer)
Professional Google Workspace Administratorは、Google Workspace(旧:GSuite)の導入や運用に関する知識が問われる試験です。Google Workspaceの管理者としての知識だけでなく、企業ITに関する幅広い知識も求められるため、Google Cloud 認定資格の中でも難易度が高めの試験とされています。
Professional Machine Learning Engineer
Professional Machine Learning Engineerは、Google Cloudの技術や従来のベストプラクティスを用いて機械学習モデルの設計、構築、実装ができるエンジニアであることを証明します。
Google Cloud 認定資格の中では珍しく、Googleが提供する技術やサービスについての出題が少なく、機械学習に特化している点が特徴です。2024年現在、Professional Machine Learning Engineerは日本語対応していないため、専門的な用語を英語で理解していることも求められます。難易度としては、非常に高いといえるでしょう。
Professional Cloud Database Engineer
Professional Cloud Database Engineerは、その名の通りGoogle Cloudのデータベースに関する知識が問われる試験です。
他のPROFESSIONALカテゴリの試験と異なり、2年以上のGoogle Cloudの経験および5 年以上のデータベースとITに関する実務経験がある人を想定しており、データベースに関して深い知識やスキルが求められることが分かります。
Google Cloud 認定資格の申し込みはWebページからのみとなります。初めてGoogle Cloud 認定資格を受験する場合はアカウントの作成も必要になるため、余裕を持って申し込み手続きを進めましょう。以下で詳細な手順を解説します。
初めてGoogle Cloud 認定資格を受験する際は「Google Cloud Webassessorアカウント」と呼ばれる受験アカウントを作成する必要があります。以下の手順で登録を進めてください。
1:Google Cloud認定資格の公式ページから受けたい資格を選び、「登録」をクリック
2:右上にある「新規アカウント作成」をクリックし、必要な情報を入力する
3:各項目の入力後、「保存」をクリックした後、登録確認メールが届いていたら登録完了
受験アカウントが作成できたら、公式ページからログインし、Google Cloud 認定資格の申し込みに進みます。以下の手順で登録を進めてください。
1:受験したい資格を選択してクリックし、希望する受験形式(遠隔監視orオンサイト監視)の「今すぐ購入」ボタンをクリック
2:オンサイト監視の試験を選択した場合、希望の会場を選択し、日程や開始時間を決定する
3:同意書の内容を確認し、チェックを入れたら「選択」をクリック
4:支払い画面にて、必要な情報を入力し「Submit」をクリック
5:「Google Cloud 認定試験への登録完了のお知らせ」というメールが届いていたら、申し込み完了
Google Cloud 認定資格を受験する際は、いくつか注意すべきポイントがあります。事前に把握し、対策や心構えをしておきましょう。
Google Cloud 認定資格は日本語対応しているものがほとんどですが、「Professional Machine Learning Engineer」「Professional Cloud Database Engineer」の二つは日本語対応していません(2024年9月時点)。英語での受験となるため、専門用語の理解や読解力など、英語力を身に付けておく必要があります。
「FOUNDATIONAL」「ASSOCIATE」は3年、「PROFESSIONAL」は2年が有効期限となっているため、更新通知が届いたら期限内に再認定試験を受験するようにしましょう。
Google Cloud 認定資格は、不合格になっても再度受験することができます。ただし、受験回数には上限があり次回受験までにはインターバルが必要となるため、再試験ポリシーを確認しておきましょう。
2024年9月時点の再受験ポリシーは以下の通りです。
カテゴリ名 | 受験回数の上限 | インターバル |
---|---|---|
FOUNDATIONAL | 1年間に最大10回 | 14日 |
ASSOCIATE | 2年間で最大4回 | 1回目・・・14日 2回目・・・60日 3回目・・・365日 |
PROFESSIONAL | 2年間で最大4回 | 1回目・・・14日 2回目・・・60日 3回目・・・365日 |
Google Cloud認定資格は国内外問わず活かせる資格であり、取得するメリットが多いことが特徴です。
Google Cloud認定資格はGCP(Google Cloud Platform)についての実践的な知識・スキルはもちろん、クラウドサービス全般についての知識が問われます。Google Cloud認定資格の学習を通じてクラウドに関する幅広い知識や実践的なスキルが身に付くため、エンジニアとしてレベルアップする上で非常に役立つでしょう。
Google Cloud認定資格を取得することは、GCPやCloudサービスに関する知識があることの証明となります。そのため、昇進・昇格や年収アップを後押しするきっかけになることは間違いありません。
Google Cloudの公式HPには「Google Cloud 認定資格を持つ4人に1人以上が、以前より責任ある仕事やリーダーの役割を任されています」と記載があります。
またアメリカのGlobal Knowledge社が2021年に発表した「年収が高いIT関連資格ランキング」では1位に「Google Certified Professional Cloud Architect」、2位に「Google Certified Professional Data Engineer 」がランクインしています。このことからも、同資格が年収アップに貢献することが分かります。
Google Cloud認定資格に合格すると、以下のような合格者特典が受けられます。
●Google Cloud 認定資格ディレクトリに登録される
●Google Cloud Certifiedコミュニティーに参加できる
●限定グッズが手に入る
特にGoogle Cloud Certifiedコミュニティへの参加は、技術者同士のネットワーク作りにも寄与し、さらなるスキルアップの機会を得ることにもつながります。
Google Cloud 認定資格は受験回数に上限があります。また、受験料も決して安くはないため、効率的に勉強して合格したいところです。以下では、Google Cloud 認定資格の取得を目指す人向けにお勧めの勉強法をご紹介します。
Google Cloud トレーニングとは、Google Cloudのトレーナーとして認定を受けている代理店が提供している講座のことで、プロの講師による講座を直接受けられます。ただ講義を受けるだけでなく、質問したりアドバイスをもらえたりするため、効率的に学習できます。
Google Cloud 認定資格の公式サイトでは無料の模擬試験を提供しており、模擬試験に対する解説を読むことも可能です。受験前には必ず模擬試験を受験し、本番のイメージトレーニングをしておきましょう。
Google CloudはAWSやAzureと並んで高いシェアを誇るクラウドサービスであり、Google Cloud 認定資格を取得することはGoogle Cloudに関する実践的なスキルの証明となります。
試験はカテゴリ、分野ごとに細かく分かれているため、クラウドエンジニアだけでなくインフラエンジニアや開発エンジニアなど、スキルアップを目指す人にお勧めの資格といえるでしょう。合格によるメリットも大きいため、ぜひチェックしてみてください。
文/赤池沙希
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