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プログラミング的思考は最強のライフハック? ひろゆきら4人が語る「プログラマーでよかった瞬間」

スキル

プログラミングを通じて身に付いた思考法や習慣は、家事や育児、趣味など、日常生活の中で思いがけず役立つことがある。

そんな「プログラマーでよかった瞬間」について、ひろゆきさん、河合俊典(ばんくし)さん、吉羽 龍太郎さん、伊藤淳一さんの4名に実体験を聞いた。

どんなシーンで「プログラマー脳」が生きたのだろうか。早速、見ていこう。

【ひろゆきさん】コードを書くように、人間にも誤解のない指示を出せる

ひろゆきさん

仕事でスタッフに指示を出すときは、できるだけ箇条書きにしています。コードを書くように、1行ごとに分かりやすく書く癖がついているからか、こちらの意図を誤解されることが少なくて楽です。

例えば、

●Aさんに空いてる出演日を確定してもらう
●出演日に作業が出来る人を複数探し、見積もりをもらう
●一番安い見積もりの人に、営業部から発注してもらう

みたいな感じで書いてます。

ひろゆきさん

さっきの内容を電話で指示すると、こんな感じになるんすよね。

「Aさんに空いてる日を確認して、空いてる作業者を複数人探して、見積もりが安かった人に営業部から発注してね」

ただこれだと、1つの文章に複数の行動が詰め込まれてるからか、混乱が起きやすい。「発注を営業部ではなく自分でやってしまう」とか「作業の順番を取り違える」とか。。。あと、そもそも記録が残らないので見直すことができなかったり。。。

というわけで、人間への指示出しもコードと同じようにした方がお互いに楽ですよ、、、と。

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ひろゆきさん(@hirox246

本名・西村博之。1976年生まれ。「2ちゃんねる」開設者。東京プラス株式会社代表取締役、有限会社未来検索ブラジル取締役など、多くの企業に携わり、プログラマーとしても活躍する。2005年に株式会社ニワンゴ取締役管理人に就任。06年、「ニコニコ動画」を開始。09年「2ちゃんねる」の譲渡を発表。15年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。著書に『働き方 完全無双』(大和書房)『プログラマーは世界をどう見ているのか』(SBクリエイティブ)『1%の努力』(ダイヤモンド社)など多数。ABEMAで配信中の『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』も好評

【ばんくしさん】「無ければ作る」精神で日常生活をアップデートできる

ばんくしさん

プログラマーでよかった瞬間を一つ挙げるとすれば、「無ければ作る」ことが出来る、でしょうか。

面倒なPC作業、自分のかゆい所に手が届くアプリ、子どものちょっとした遊び道具……すべてプログラミングに精通していることで「あったら便利そうだけど、今この世には無い。じゃあ自分で作れば良いな」と思えるのです。

実際、私の家ではSlack botがさまざまな作業を自動化してくれていますし、子どもの遊び道具も、AIを使ったものから3Dプリンタで作ったおもちゃまで、自分で用意することができます。

ばんくしさん

調べてみると「無ければ作る」という標語は、1982年から95年の間に刊行されていた、X68000の専門雑誌『Oh!X』から来ているそうです。

私も学生の頃、口酸っぱくこの言葉を先生方から言われたのを覚えています。歴戦のプログラマーが、「無ければ作る」を伝承することでITを切り開いてきたのです。

この力はまさにプログラミングの面白さの一つであり、生活に役立つ考え方であり、未来を作るエンジニアの皆さんに最も感じてもらいたいコトでもあります。

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エムスリー株式会社
VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

Sansan株式会社、Yahoo! JAPAN、エムスリー株式会社の機械学習エンジニア、チームリーダーの経験を経てCADDiにジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメント、MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2023年5月よりエムスリー株式会社3代目VPoEに就任。業務の傍ら、趣味開発チームBolder’sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナ等の活動を行っている

【吉羽 龍太郎さん】毎日の何気ない不便も、自作スクリプトで快適に

吉羽さん

20年以上プログラミングをしていますが、「ここが一番よかった!」と特別に思い出せる瞬間は正直ありません。

けれどそれは、プログラムを書かない自分を想像できないほど、プログラミングが自分の思考や行動パターンの一部として当たり前に根付いているからだと言えます。

例えば、執筆や翻訳の作業で不便を感じたら、迷わず自作スクリプトを作ってしまう。不便を我慢するより仕組みを作って快適にするのが当たり前になっているのです。

吉羽さん

結果的に仕組みづくりに時間をかけすぎて、我慢した方が早く終わった……なんてこともあります。まあ、プログラミングしている時間そのものが楽しいですし、作業のストレスもなくなるので問題はないのですが(笑)

「特別な瞬間」として切り取れなくても、日常のあらゆる場面が少しずつ「プログラマーでよかった」と思える時間になっているのだと思います。

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株式会社アトラクタ
Founder兼CTO/アジャイルコーチ
吉羽 龍太郎さん(@ryuzee

野村総合研究所、Amazon Web Servicesなどを経て現職。アジャイル開発、DevOps、組織開発を中心としたコンサルティングやトレーニングが専門。Scrum Alliance認定スクラムトレーナー。著書に『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』(翔泳社)など、訳書に『ダイナミックリチーミング』『Tidy First?』『プロダクトマネージャーのしごと』『エンジニアリングマネージャーのしごと』『スクラム実践者が知るべき97のこと』『プロダクトマネジメント』『みんなでアジャイル』『レガシーコードからの脱却』『カンバン仕事術』(オライリー・ジャパン)『チームトポロジー』(日本能率協会マネジメントセンター)『ジョイ・インク』(翔泳社)など多数

【伊藤淳一さん】デバッグ思考のおかげで、日々のトラブルもスムーズに解決

伊藤さん

僕は趣味でギターを弾いています。ある日、エレキギターをアンプにつなぐと、「キーン」という耳をつんざくようなノイズが発生しました。普通なら「アンプが壊れたかな?」で終わるところですが、プログラマーの僕は「デバッグ」のように原因を切り分けることにしました。

まず「ギター本体が悪いのか?」と疑い、別のギターに替えて試す。結果は同じ。次に「アンプの故障か?」と考え、新しいアンプを購入。やはりノイズは消えません。では「家の家電が干渉しているのでは?」と疑い、電子レンジや冷蔵庫などを片っ端からオフに。しかしノイズは鳴り続けました。

伊藤さん

こうして仮説と検証を繰り返すうちに、ある法則に気付きます。ノイズが鳴るタイミングと、お隣さんが庭で高圧洗浄機を使っているタイミングが、きれいに一致していたのです。

まさかの真犯人は、ギターでもアンプでも家電でもなく、隣家の高圧洗浄機でした。専門的なことは不明ですが、どうやら電気信号が乱れて電線を伝い、わが家のコンセントを経由してアンプにノイズを送り込んでいたようです。

この問題は個人の力では解決のしようがないので、電力会社に相談してわが家専用の柱上トランス(いわゆるマイ電柱)を取り付けてもらい、ようやく解決することができました!

伊藤さん

ギターアンプに限らず、電化製品や電子機器の調子が悪くなったときは、冷静に仮説と検証を繰り返す、デバッグの考え方が役に立つ場面が多いですね。

このギターアンプの件はかなり特殊な原因だったので自力で解決することはできませんでしたが、少なくとも「これとこれは原因ではない」という、原因の切り分けにはとても役立ちました。

あー、プログラマーでよかった!

長年の悩みだったギターアンプのノイズが「マイ電柱」で直った件 blog.jnito.com
長年の悩みだったギターアンプのノイズが「マイ電柱」で直った件
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株式会社ソニックガーデン
伊藤淳一さん(@jnchito

1977年生まれ、大阪府豊中市出身。SIer、外資系半導体メーカーの社内SEを経て、2012年ソニックガーデンに入社。保守性、拡張性の高いシンプルなコードを追求するプログラマーであり、プログラミングスクール「フィヨルドブートキャンプ」でメンターも務める。ブログやQiitaなどでプログラミング関連の記事を多数公開している。将来の夢はプログラマーをみんなの憧れの職業にすること。主な著書に『プロを目指す人のためのRuby入門』(技術評論社)などがある

編集/今中康達(編集部)

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