IT業界で活躍するエンジニアたちが次々にLINEへの転身を遂げている。きっと他企業が用意できていない「エンジニアファースト」な環境や可能性が、そこには隠されているに違いない!そんな予感を胸に、エンジニアtype編集部が様々な角度からLINEを検証していく。
ギークなエンジニアたちがLINEを選んだ理由とは? ホンネとタテマエ座談会
「LINEは人気企業だから、人材が集まるのは当然でしょ?」なんてお考えの方もいるかもしれませんが、世の中は空前のエンジニア不足時代。優秀なエンジニアの元には、「おいしい転職話」が次から次へと舞い込んできているはずです。なのになぜ、LINEを選ぶエンジニアは後を絶たないのでしょうか。
そこで、シリーズ第1回の今回は、経歴も年齢も様々なエンジニア3人に集まってもらうことにしました。「ここがLINEの良いところだよ!」というタテマエはもちろん、「でも実際はね……」というホンネを聞き出そう、という魂胆で。
LINE株式会社 開発Dチーム マネージャー
栗原由樹氏
製造業でインターネット部門の新設を担った後、2001年にオン・ザ・エッヂ(後のライブドア~LINE)へ入社。主に受託Web開発プロジェクトのサーバーサイドを担ってきた。LINEにジョインして以降はファミリーアプリ開発に携わり、13年にはLINEマンガのサービス立ち上げにも貢献。現在はベトナムでのオフショア開発など、新規事業を手掛けている
LINE株式会社 LINE開発2室 室長
若狭建氏
サン・マイクロシステムズ、ソニー、Googleで、一貫してハードウェア(携帯電話やAV機器)関連のソフトウェア開発を担当。Googleでは2010年以降、Android OSの開発チームでフレームワーク関連の開発に携わった。15年へLINE入社し、一度他社への転職を経て、1年半後に再入社。現在はグローバル開発体制と、エンジニアリング・カルチャーの確立を担っている
LINE株式会社 Data Labs Data Scientist
丸尾大貴氏
大学院で量子力学に関する研究をした後、NTTデータへ入社。2016年10月にLINEへ入社し、立ち上げ間もない社内データ分析チームに所属。LINEが展開しているサービスのKPIツリーの見直しなど、データアナリシスによる可能性追求を担っている
エンジニアが口をそろえる「良い人揃い」の真相
―― みなさん様々なご経歴をお持ちですよね? まずはLINEに入社した経緯や、当時の思いを聞かせてください。
栗原 私の場合、2001年にオン・ザ・エッヂへ入社した後、自ら転職したわけではないので他の二人とはちょっと違います。ライブドア、NHN Japan、そしてLINEと、会社の方が変化していきました。
―― その間、いろいろありましたよね……?
栗原 会社が変化していく中で、その都度「新しい体制になったら自分たちはどうなってしまうのか」という不安も多少なりともあったのですが、いつの時代にも「エンジニアやデザイナーをすごく大事にしてくれる」というカルチャーが存在していました。LINEになってからも、その居心地の良さは変わらないですね。
若狭 LINEの成り立ちも含めて、いろんなバックグラウンドを持ったメンバーが集まっている会社なので、それぞれが持ち寄った良いカルチャーが融合されている気がします。私も様々な会社を渡り歩いてきましたが、組織が大きくなればなるほど、その組織独自のルールやカルチャーが存在するんですよね。一方で、LINEは良い意味でニュートラルだな、と。
丸尾 僕も転職してきて最初に同じ感覚を持ちました!「なんて良い人がたくさんいる会社なんだろう」というのが、当時の率直な感想です。
例えば、業務でわからないことや気になることがあった時、ベテランのエンジニアの方や他部署のマネージャーにも気軽に質問できますし、当たり前のように親切に答えてくださるんですよね。
栗原 役職意識、みたいなものがあまりないのかも。管理職としてのマネージャーをやりたくてやっている人が少ない気がするので、「俺はマネージャーなんだぞ」という妙なマウント意識が発生しないのかもしれません。
若狭 私は外資系の企業に長くいたので、フラットな組織や人間関係には慣れているつもりだったんですが、LINEはそういった企業と比べてもコミュニケーションがオープンですね。
LINEにしかない、世界を相手取れる環境で働ける面白み
―― サン・マイクロシステムズ、ソニー、Googleと華々しいご経歴を持つ若狭さんですが、LINEに転職しようと思った理由は何だったのでしょうか?
若狭 強力なグローバルプレイヤーと本気で戦おうとしている姿勢に興味を持ちました。
最初は、「LINEはすでに成功しているサービスだし、私が入ってもやることなんてないのでは」と思ったりもしました。ですが、よくよく話を聞いてみると「サーバー側のインフラは確かに強い。でも、クライアント側はまだ試行錯誤の段階で荒削りだから強化したいんだ」という具体性のある答えが返ってきたんです。高い基準を目指すその姿勢に、心が動きました。当時はAndroidデバイス向けが本当に荒削りな状況だったので、まずはコードの大掃除からはじめました(笑)。
―― 丸尾さんは、なぜLINEへ?
丸尾 僕、大学院で物理の研究をしていたんですね。それで、趣味でデータ分析に興味があったんです。物理とデータ分析は使う数学が似てるので。
若狭 最近多いよね、AIに詳しい若手の人材。
丸尾 そう、そのパターンです(笑)。なので社会に出てからも、最先端のデータ分析に携わっていきたいと思っていたのですが、最初に入社した会社で配属されたのが、金融系の運用プロジェクトに携わるチームで……。そこで、半年で転職を決めました。
―― 入社してから気付いたLINEの良さってどこでしょうか?
丸尾 まず、自分でキャリアを築いていけるところですね。大企業だと、自分でコントロールしきれない要素が多い気がするのですが、LINEはこちらの意志を最大限尊重してくれます。
あとは何よりも、データを扱う仕事をするならLINE以上の環境はないと感じています!これほど膨大なデータを保有しているサービス、国内だと他にはないんじゃないかな、と思うので。それをダイレクトに事業に活用していけるわけですから、本当に魅力的だし、世界のプレイヤーと戦える気持ちになります。新しいデータもどんどん増えますしね。
栗原 長いことこの会社にいますが、同じことをし続けているという感覚は全くないですね。新しいことにチャレンジする機会に恵まれていて、飽きないです。
「エンジニアがLINEで働く理由」を、自らの手で生み出していきたい
―― ここまでLINEの魅力をたくさん教えていただきましたが、「ここはまだまだなんだよな~」という点もぜひ聞いてみたいのですが……。
若狭 実は、LINEに入社する時に「エンジニアリング・カルチャーを作ってほしい」というミッションを与えられていたんですよ(笑)。先にも言った通り、LINEは様々なカルチャーが混ざり合ってできた組織なので、独自のカルチャーというものがあまりないんです。それでも、みんな良い人たちだからこれまでは上手くいっていた。ですが、やはり組織を拡大していく過程では、ある程度のカルチャーやルールが必要になってきますね。
栗原 あとは、組織の規模が大きくなったことで、「これについては誰に聞けば良いのか?」と迷ってしまうケースが増えてきた気もしています。情報共有の仕組みについては、これからも模索していかねばという状況でしょうか。
―― それを踏まえて、今後の展望をお伺いできますか?
若狭 強力なグローバルプレイヤーと戦っていくためには、LINEなりのこだわりが必要です。今後は、「LINEのエンジニアとして目指すべき姿」や「そのために求められている働き方」というものを明確にしていきたいと考えています。それが、エンジニアにとっての「LINEで働く理由」になれば、より良いですね。
栗原 私は長くこの会社にいるので、誰に聞けばどういうことがわかるかとか会社の文化とか、長くいるからこそ教えてあげられることもあると思います。そこは、マネージャーとしてというよりも、一人のエンジニアとして伝えていきたいです。
―― 丸尾さんも、個人的な目標などあればぜひ教えてください。
丸尾 私は新設の部署にいるので、もっと実績を増やしていきたいですね。豊富なデータに触れられる環境にはいるものの、活用できているのはまだ8割程度かな、と思っているので。もっとデータを使った施策を実施していきたいです。
>>次回特集は2018年8月中旬公開予定です!
取材・文/森川直樹、秋元祐香里(編集部) 撮影/小林正
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