株式会社リアルグローブの中途採用情報
開発エンジニア/分野・言語不問◆IoTやAIによる...
東大発ベンチャーに学ぶ、「長時間働かなくても、技術力は超一流」なエンジニアが育つ環境戦略
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世間では働き方改革が叫ばれるようになって久しいが、未だに長時間労働や徹夜作業が横行し、疲弊しているエンジニアは少なくないだろう。そして言うまでもなく、労働時間に比例して成果が出るわけでも、成長できるわけでもない。
では「短時間で効率よく、最大の成果を出す」ためには、どんな環境がベストなのか? そんな疑問を明らかにすべく、エンジニアtype編集部は水道橋に本社を構える、とある会社を訪ねた。
その企業とは、東大発の情報技術ベンチャー、リアルグローブ。AI・IoT・Roboticsなどの最新技術を用いて、日本の社会課題解決を行っている注目のスタートアップだ。同社の技術力は、総務省の「救急医療・災害対応におけるIoT利活用モデル実証事業」に選定されるなど折り紙付き。しかし、リアルグローブで働くエンジニアに話を聞いてみると「1日7時間も働いてない日もある」「働く上での制約がほとんどない」という答えが。
「長時間働かないが、技術力は一流」そんなエンジニアが同社に次々と育つ理由は一体何なのだろうか。代表の大畑貴弘氏と、リアルグローブで働くメンバー、奥西高氏・奥翔治郎氏に話を聞いた。
「ルールを守って、叱られないために働く」なんて無意味だ。リアルグローブが考える、真の働き方改革
リアルグローブが手掛けるのはドローンを活用した災害支援や、企業へのAI導入サポート、テスト自動化機械学習エンジンの開発など、最先端の技術を扱うものばかり。そしてその技術力を支えるのが同社のエンジニアだ。彼らに生産性高く働いてもらうには「エンジニア一人一人に裁量を持って働ける環境づくりと、長時間労働は評価しないというカルチャーが大切だと思う」と大畑氏は話す。
「だらだら働いても疲れてしまって集中力が続かないですし、基本的に人を奴隷のように使っても生産性なんて上がるわけがないんです。もちろん、猛烈に働きたい人は働いてもいいし、早く帰りたい人は帰ってもいいし。自分で考えて、やりたいようにやってもらうのが一番。最近はより効率的な働き方を模索する一環としてリモートワークも始めました。会社としては『みんなが幸せになるにはどうすればいいか』を大前提に考えて、働き方も選べるようにしています」(大畑氏)
技師の勤務時間が年々短くなっているという同社だが、実際に現場で働く技師はどう感じているのだろう。主幹技師の奥西氏に話を聞いてみた。
「実際に、働く時間や場所について会社に決められていることはほとんどありません。僕個人はちゃんと成果を出しているという自負もあり、会社での業務時間と成果を出すことはイコールではないため、会社に来る必然性がない時は会社に来ないようにしています。最近はリーダーの自分を見習って、チームメンバーもだんだん会社に来なくなりました(笑)。ルールが目的化していないので、やるべきことは自分で考える文化が根付いていると感じます」(奥西氏)
奥西氏は、リアルグローブに入社する前は大手SIerのエンジニアとして働いていた経験を持つが、「僕も以前は、長時間労働や無意味な仕事に追われて苦しんだ時期があった」と打ち明けてくれた。
「前職の時は、ルールを守ることが目的化していたり、叱られないために仕事をしていたんです。当時は働いた時間で評価がされていたので、例え4時間でその日の仕事が終わっても、帰ることができなかった。今は会社にいる時間は短くても、結果さえ出していれば問題ないですから気持ちも楽ですよ」(奥西氏)
さらに、奥西氏が会社にいる時間の中には「お金を生み出すためのクライアントワークの時間と、自身の興味がある分野や、自社プロダクトを研究開発する時間」が含まれる。仕事時間の20%は自分の好きなプロジェクトに使っていいというGoogle社の「20%ルール」のように、よりクリエイティブに仕事を進められるという。
「うちでは社員一人一人が、もはや個人事業主レベルで裁量を任されています。なので、クライアントには設計からサービスの在り方までどんどん提案していけますし、自分が決めた業務なら楽しくてモチベーションも上がる。生産性は自然と上がっていきますね」(奥西氏)
一方、to B向けアプリケーション開発チームを束ねる技師長の奥翔治郎氏は「技術者の中でも、一、二を争うほどオフィスにいる」と話す。
「私の場合は朝10時ぐらいから夜19時まで、開発に没頭しています。リアルグローブでは開発環境やフレームワークも全てプロジェクトリーダーに一任されているので、同じ会社でもプロジェクトごとに開発環境が全く違う。業務時間内で新しい技術がどんどん身に付くので、プライベートの時間に勉強する必要すらないと考えています」(奥氏)
「自分で考え、実行する」ことが、仕事を好転させる
働き方について個々の裁量に委ねられている部分が大きい仕事環境と、技術力の向上を両立させることができた理由を、大畑氏は以下のように語る。
「誰かに何か言われるからとおびえながら働いていても、技術力は上がりません。しばられないからこそ、自然とできるようになるんです」(大畑氏)
同社のコアバリューは「自分で考え、自分で決めて、自分でつくる」。それはつまり、顧客やプロジェクトに最適なものを自分で考え、そのために自分の意志で学び、自走できる者の集団だということだ。
「弊社のメンバーは、必ずしも何でもできる技術者である必要はありませんが、自走できる素質があるかどうかは重要視して採用しています。本当に誰も何も言ってくれないから、指示待ちタイプのエンジニアは入社後困ると思いますよ(笑)」(大畑氏)
大畑氏には、さまざまな技術観を持つ社員を、伸び伸び働かせる度量の広さがある。才能のある多種多様な人材を、どう一つにまとめているのだろう。そう聞くと「経営側からこういうことをやろうと言ったって、うまくいかないことが多いんです」と豪快に笑った。
「自分で考えられる人たちにああしろ、こうしろと言っても、僕の指示のほうが非合理的だったりすることも多いんです。現場でさまざまな難題に直面しているメンバーが、その時々で必要な行動を取ればいい。チームやプロジェクトをまとめるリーダーが優秀なら、自然と会社はうまく回るんです」(大畑氏)
そう誇らしげに胸を張った。エンジニアにとって幸せな状態を維持し続けることこそが、経営者としての責務だと大畑氏自身の考えを語った。
「コミュニティ型組織」で、仕事を自分ごとに捉える
そんなリアルグローブには、今驚くべき計画がある。これから5年で社員の給料を2倍にするというのだ。しかもそれが、事業計画にしっかり組み込まれ、ステークホルダーに公開されている。年収300万円の人が600万円に、年収400万円の人なら800万円になるわけで、ライフスタイルが激変してしまう一大事だ。
「実はこれも、当社の価値観に基づいて、主幹技師や現場担当の室長たちと一緒に考えて出てきた計画なんです。というのも、うちは成果に重きを置いた会社ではなく、技術を高めたい個人が集まってできた“コミュニティ型”の会社。一般的なスタートアップ企業だと、事業拡大や数字の達成が求められますが、うちではそれはあくまで結果論です。メンバーと価値観を共有して、それに則って事業を行うことを優先しています」(大畑氏)
今は開発やカスタマイズなど、受託案件が業務内容の中心となっているが、今後はライセンスや権利を活かしたビジネスへ転換していきたいと考えている。社員一人一人が同じように考え、開発を進めていった場合、今の給与の2倍を支払うことができるのではないかと考えたのだ。5年後に給料を2倍にするためには、年間15%の給与アップが必要だが、すでに今年度は24%アップを達成する見込みだという。もちろん、黒字経営も維持したままだ。
事業計画や価値観も社員とともに決める究極のボトムアップ型組織。その計画のコアとなるのが、クラウド型災害支援プラットフォーム『Hec-Eye(ヘックアイ)』だ。
「地球環境の激変にともない、大型台風や地震による災害が急激に増えています。その時、ドローンが撮影した映像を位置情報と共にスマートフォンやパソコンに集約するクラウドサービスが『Hec-Eye』です。これから人口減少が進む日本において、Hec-Eyeのような技術や、AIやRoboticsなどの最新技術を駆使すれば、豊かさと幸せに暮らせる社会を維持し続けることができます。これから5年で、国内300自治体と事例をつくって、2019年までには、発展途上国でのドローン活用にも乗り出したいと考えています」(大畑氏)
そのためにはより生産性を高めていかねばならないと、社員主導で生産性可視化ツールも開発した。
「生産性向上のためにリモートワークを導入するにあたり、現場では生産性を可視化できるようにしようという議論になりました。リモートワークを始めた途端、成果が上がらなくなったら元も子もありませんから。そのためのツールを自分たちで開発したのです。Githubと連携して、リモートワーク中の業務量や成果のデータを抽出して集計し、グラフ化するツールをつくりました」(奥西氏)
必要なものは自分たちで定義して、素早くつくる。それによって、さらに働きやすさを向上し、生産性を上げる。従来型の会社とは異なる「コミュニティ型」の組織であるリアルグローブでは、社員一人一人が、仕事を自分ごとに捉えているからこそ、真の意味での“働き方改革”が可能なのだ。
世界のすべてをWebAPI化することでより良い社会の実現を目指す。
東大発の情報技術ベンチャー・リアルグローブ
株式会社リアルグローブでは、『もっと自在に、ちょうどいい世界を』というミッションを掲げ、世界のすべてをWebAPIにすることで、適量生産適量消費で地産地消、持続可能な社会を実現することを目指しています。
HP:https://realglobe.jp/
取材・文/石川香苗子 撮影/赤松洋太
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