「二次請けSIerから元請け企業へ」念願のキャリアアップを叶えたテプコシステムズ大平さんに聞く“転職成功の極意”
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自身が手掛けたサービスやシステムによってユーザーに価値を届けられることは、ものづくりを担うエンジニアにとって、大きな醍醐味の一つだ。
そのやりがいを得るために、二次請け、三次請けのSIerやSESから元請け企業へのキャリアアップを目指すエンジニアも少なくないが、そうした転職ではどんなスキルやマインドセットが求められるのだろうか。
そこで本記事では、実際に二次請けのSlerから東京電力のシステムを担う株式会社テプコシステムズ への転職を叶えたインフラエンジニア、大平健さんを取材した。
東京電力グループである同社が扱うのは、「電力」や「原子力」といった生活インフラ。人々の生活の基盤であり、高い技術力が求められるはずだ。大平さんはどのようにして転職を成功させたのだろうか。
エンドユーザーの前に立つことでしか得られないやりがいに気付いた
ええ。IT業界の将来性に魅力を感じ、24歳の時に未経験でも応募可能な中小のSlerに入社して、10年ほどネットワークやサーバーの構築を担当していました。それで、入社してから数年間は目の前の仕事を覚えることに必死だったのですが、一人で案件を担えるようになってきたころから少しずつ視野が広がってきて。
あるとき、私が担当していた案件の元請け先にインフラに詳しい社員がいなかったことから、私がインフラの担当として依頼主と直接やり取りする機会に恵まれたんです。その時にエンドユーザーと近い立場で働くことにやりやすさやおもしろさを感じたんですよね。
設計書通りにシステムを作って、案件が終了したら終わり、といったこれまでの仕事のスタイルではなく、身に付けた技術を活かしてお客さまと折衝したり、システムへの反応を直に得られたりするポジションで働きたい。そのために、元請けの会社に転職したい。そう考えるようになったのが、入社7年目くらいのころでした。
それまでの経験やスキルでは元請け企業への転職は難しいと感じていたため、転職を考え始めてからの2〜3年間は、準備期間としてスキルアップや実績を積むことに注力しました。その後、転職エージェントに相談をし、元請けの会社だけに的を絞って転職活動を進めました。
トータル15社ほどに応募した中で結果的に3社の内定をいただき、最終的にそのうちの1社である、テプコシステムズへの入社を決めました。
1万人規模のリモートワーク移行を推進。転職して感じる「社会貢献性」
事業の「社会貢献性」に最も惹かれたからです。基本的にインフラは影の仕事で、一般の方には何をやっている仕事なのか説明しづらいのですが、「東京電力のシステムのインフラをやっている」と言えば、分かりやすいじゃないですか。それまで、子どもに「お父さんは何の仕事をしているの?」と聞かれたとき、いつも答えに困っていたんです(笑)
また、扱うものが人々の暮らしを支える「電気のインフラ」ということもあり、規模やセキュリティーの面で技術的なチャレンジも多く、スキルアップが見込める点も魅力でした。待遇面、将来性に関しても申し分ありませんでした。
一つ例を挙げるとすれば、昨年のコロナ禍に伴う東京電力グループ全体のリモートワーク移行でしょうか。
それまで当社では、電力の利用状況など外部に漏洩できない機密データを多く預かっていることから、ほとんどの社員が出社して働いていました。しかし、緊急事態において働き方を変える必要があるとの判断から、東京電力社員の1/3にあたる1万人が在宅で働く方針が打ち出されたのです。
そこで、私が所属する基盤技術グループが主体となって、安全にリモートワークができるシステムの改修やセキュリティー対策を2カ月弱で実施しました。これまでは社内からのアクセスがほとんどだったため、外部からのアクセスに耐えられるように帯域を調整したり、電気を停止するような重大なシステムには社外からアクセスできないように設定したりと、やることは山積みでしたね。
またリモートワーク移行にともなって、テキストでのコミュニケーションが迅速にできるよう、チャットツール導入し、社内システムに連携する処理なども担いました。
とにかく急ピッチな対応でしたが、大々的にプレスリリースが出たり、周囲から「すごく便利になった」という声が聞こえたり、社内の業務がスムーズに回っていたりするのを見ると、自分が担当した仕事の価値を感じられますよね。
これまで東京電力グループ内で大きな影響が出ていないのも、こうして早い段階でリモートワークへ移行できたことがポジティブに働いているのではと思っています。
問題解決力を養う努力が、転職を成功に導いた
自分自身が転職して感じるのは、やはり二次請けと元請けでは求められるスキルが異なるということです。後者では、決められたものを作り上げるスキル以上に、お客さまの叶えたいことをどうしたらベストな形で実現できるのかを、壁打ちしながらすり合わせていく顧客折衝力やビジネス思考が求められます。
ただ、二次請け以降の現場にいると、基本的に普段の仕事で顧客折衝を担当する機会は多くありません。私はそうしたポジションに就ける案件があれば、自ら手を挙げるようにして、できる限りの経験を積むことを心掛けていましたね。
また、その他にも転職後にさまざまな案件に対応できる力を付けるために、常日頃からネットワークやセキュリティーに関する勉強をし、資格を取得していました。インフラの領域はWeb系のように日々新しい技術が出てくる世界ではありませんが、その分基礎をしっかりと身に付けることが、応用力に直結しますからね。
資格を取得したこと自体も、これまでにどんな経験を積んできたのか、どんなスキルを持っているのかを証明することにつながり、自身が満足いく転職ができたポイントだったと思います。
たしかに、お客さまと直接話せるポジションに就けるかは運次第なところもあると思います。もしどうしてもそうした経験が積めない場合は、「問題解決力」を磨くことに注力するといいかもしれません。
結局のところ、顧客折衝のシーンで最も重要なスキルは「問題解決力」です。お客さまのニーズをどうしたら叶えることができるか。それを考えて導き出す仕事ですからね。
問題解決力を高めるためには、「人・モノ・金」の三つの視点で考える癖を付けることが大事だと感じています。大規模なプロジェクトになるほど自分の技術力だけでは解決が難しく、他の解決法を見出す必要があります。そんな時、先輩や同僚など周囲の「人」に助けを求めてもいいし、あるいは予算をかけて「お金」で解決できる場合もあるかもしれない。最先端のツールなど「モノ」が役立つ場合もありますよね。
こんなふうに、あらゆるチカラを使って難解な課題を解決するトレーニングを積み重ねることが、お客さまと直接対峙する立場で働く際の助けになるはずです。
やはりテプコシステムズで働いていて最もやりがいに感じるのが「社会貢献性」なので、今後はもっと、世間でニュースになるような数百億円規模のインフラ設計をしてみたいですね。
最近では弊社のオリジナルサービスであるユーザー企業コミュニティ型クラウドサービス『TEPcube(テプキューブ)』や、コールセンター部門を在宅勤務にするためのネットワーク構築など、さまざまなプロジェクトを同時進行で進めているんです。
これらも取り組みの規模としてはかなり大きいですし、今後もクリーンエネルギーの普及や電力自由化など昨今の社会の動きもあり、弊社で取り組める案件の幅がさらに広がっていくだろうと期待しています。
「東京電力のグループ会社」というと、歴史が古くレガシーなイメージがあるかもしれませんが、決して古くて狭い世界ではなく、どんどん新しいことにチャレンジできる風土も魅力なんですよ。
前職で二次請けのSIerに10年間勤めていたからこそ、エンドユーザーに直接関わることができる今のポジションでしか味わえないおもしろさを日々噛みしめています。今後も「電気のインフラ」の中心役として、ITを支えていきたいですね。
取材・文/小林香織 撮影/赤松洋太 編集/河西ことみ(編集部)
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