もともと興味があったのは、マーケティングや 個人のお客さまにも影響を与えられるような仕事。 前職でエクセルやアクセスベースでデータを扱うことはあったものの、 ビッグデータといわれるような大規模なデータを 扱うような仕事は経験がありませんでした。
データアナリストになる方法~コンサル型かエンジニア型か?ビッグデータ時代に市場価値を上げる2つの道
「直接お客さまにかかわる仕事がしたかった」と話す深田さんは、2006年にシステム開発会社からブレインパッドへ転職し、データアナリストへと転身した。
今でもそうだが、統計や分析、マイニングといった分野に長けている人材が圧倒的に足りないとされる中で、データアナリストとしてのポテンシャルを見込んで採用を進める企業は少なくない。彼女自身、素養を認められて転職した一人だ。
わたしたちが担当するビッグデータを活用した分析は、 CRMの現場に近い部分から経営的な判断を下す部分まで、 お客さまによってさまざま。 その中でもわたしは、長期的なプロジェクトにかかわることが多いですね。 入社してすぐに携わったのは、ある証券会社さまのプロジェクト。 クライアントからいただいた取引履歴や顧客属性などのさまざまな データを統合・分析して、自分で立てた仮説をもとに顧客への アプローチの効率化を支援するのが目的でした。
エンジニアでもマーケッターでもなかった深田さんだが、どのようにしてデータアナリストとして必要な知識を身に付けていったのだろうか。
前職では管理部門の仕事をしていたため、 データ解析に必要な技術知識を身に付けるのは今でも大変です。 わたしの場合、入社後に受けた2週間の研修で、 SQLや自社で扱う分析ツールに関する基礎知識を学び、 その後は実践で身に付けていきました。 入社当時は毎晩のようにSQLが夢に出てきたりして苦しかったですが(笑)、 新しい知識が身に付いてる充実感と、 一つ一つ課題をクリアしていく満足感を得られるのは楽しかったですね。
ビッグデータが注目され始めたここ数年。顧客ニーズの多様化が加速し、それにつれて学ぶべき技術や知識がますます増えてきているという。
そんな中で深田さんが実感するのは、エンジニアがデータアナリストになることの優位性だ。
マーケティングに精通した人や、 より高度な統計モデル構築を得意とする人など、 データアナリストによって得意とする分野はさまざま。 そんな中でも、最近では技術的な素養の高い人が 優位なんじゃないかと感じます。 普段の業務でも、データアナリストが手作業でやっていることを システムで実装するなど、エンジニアとしての経験は大いに活かせますから。
どの分野を自身の強みとして持つにしても、技術的なバックグラウンドはデータアナリストとしての能力をベースアップしてくれるということかもしれない。では、未経験者がこれからデータアナリストの世界に飛び込むとして、今現場で求められていることは何なのだろうか。
複合的なデータ分析力、そして翻訳力じゃないでしょうか。 前者に関しては、例えばECサイトの購入者の特性を調べるのに、 サイト内の行動履歴や購買結果、単価など、 扱おうと思えば無数にデータは出てきます。 その中で、お客さまの課題解決につながりそうな データだけを抽出して分析する。 しっかり仮説を立てた上で、手元にあるデータを最適な形で活用する力は、 データ量が肥大化しているからこそ重要だと思います。 後者の翻訳力というのは、データ分析を行う上で、 システム部門とマーケティング部門の両方と 話をしなければいけない時に重要です。 システム部門の話を噛み砕いてマーケティング部門に 分かりやすく伝えるブリッジングができなければ、 必要な情報を収集できなかったり、 作業時間をロスしてしまったりしますからね。
データアナリストは、決して簡単な仕事でも、ハードルの低い仕事でもない。それでも、このビッグデータ時代には欠かせないポジションであることに違いはない。
はじめにお話をさせていただいた証券会社さまのプロジェクトは、 今では規模が拡大して営業店舗支援的なコンサルティングまで 担当させていただいています。 営業店の仕事は、個々の営業担当の経験やノウハウによる部分が強く、 プロジェクト初期ではデータマイニングが 受け入れられにくい領域であったと記憶しています。 それが、次第にデータ活用の機運が高まり、 今では受注確度向上のための支援もさせていただいている。 お客さまの抱える見えない課題を解決するヒントが、 膨大なデータの中に隠れていて、その中から最適解を導き出す。 データで解決できることが増えてきているからこそ、 そんなデータアナリストを目指したいですね。
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