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システムエンジニア(SE)とは? プログラマーとは違うの? 仕事内容や年収、将来性を解説!

IT用語集

IT関連の仕事の代表格ともいえる「システムエンジニア(SE)」。この記事では、システムエンジニアの仕事内容や年収を徹底解説。おすすめの資格や、キャリアパスについても紹介します。

※この記事は2021年9月13日に公開し、2024年7月31日に内容を更新しております

システムエンジニアとは

システムエンジニアは、ソフトウエア開発の現場においてプログラムの仕様書やソフトウエアの設計書を作成したり、プロジェクトの管理を行ったり、実際の開発やテストを行う人のこと。「SE」と略されます。

システムエンジニアの業務範囲は多岐にわたるため、転職を考える際には、その企業のシステムエンジニアがどんな仕事を担っているのかをしっかりチェックしましょう。

システムエンジニアとプログラマーの違い

企業によってはシステムエンジニアがプログラマーの仕事を兼任していることがあります。

プログラマーは、その名の通りプログラミングを専門とする職種で、「PG」と略されます。システムエンジニアの主な役割がクライアントとの折衝や仕様書・設計書の作成であるのに対し、プログラマーはシステムエンジニアが作成した仕様書や設計書を基にコードを書いたり、システムが正常に稼働するかのテストをしたりする役割を担っています。

主な仕事内容

システムエンジニアの仕事内容を、工程ごとに説明します。

要求分析・要件定義

クライアントへのヒアリングを通して、どんなシステムをどのように開発していくのか、予算や開発期間など、各要件を決定します。

基本設計(外部設計)

要件定義で決めたシステムを開発するために、どのような機能や構成が必要かを検討し、システムの基本的な仕様を決定します。

詳細設計(内部設計)

基本設計で決めた機能を実装するために、「機能仕様書」や「データフロー図」などのより専門的な資料を作成しながら開発工程に進むための設計書を作成します。

テスト

開発工程が終わったら、仕様書や設計書で決めた内容が満たされているか、それぞれの機能がきちんと作動するか、システム全体に不具合がないかなどのテストをおこないます。

保守・運用

導入後のシステムに障害が発生した場合のシステム復旧のほか、システムの改修やアップデートなど、システムの安定稼働に必要な対応をします。

システムエンジニア、SE

必要なスキル

システムエンジニアになるにはどのようなスキルが必要なのでしょうか? ここでは、特に重要な五つのスキルについて紹介します。

コミュニケーションスキル

例えばクライアントへのヒアリングやシステムに関する説明・提案、プログラマーへの指示出しやメンバー管理など、システムエンジニアはさまざまな立場の人とコミュニケーションをとる機会が多く、対人スキルは必須です。

また一般的にシステム開発のプロジェクトはチームで進めていくため、「なるべく人と関わりたくない」という人には向いていない仕事と言えるでしょう。

プログラミングスキル

システムエンジニアは厳密にはプログラマーと異なるポジションですが、システムエンジニアであっても技術的な知識・スキルは必要です。クライアントのヒアリング時に、技術的な説明や提案を求められるケースが多くあるためです。加えて、プログラマーに正確な指示を出す上でも技術的な知識は欠かせません。

マネジメントスキル

メンバーの特性に合わせて人員配置したり、プロジェクトの進捗を把握したりするマネジメント業務はシステムエンジニアの大切な業務内容の一つ。メンバーに過度な負担が掛からないように環境を整備する、労務管理スキルも重要です。

論理的思考力

システムエンジニアの仕事では、チームのメンバーに分かりやすく説得力のある指示を出すためにも論理的思考力が求められます。またクライアントの課題に対する解決策を導き出す際や、プロジェクト進行中に発生したトラブルに適切に対応する際にも、論理的な思考が大切になります。

システムエンジニアになるには?

未経験からシステムエンジニアを目指す場合、技術力を身に付け、経験を積む必要があります。まずはプログラマーとして開発業務を経験し、徐々に上流工程へと業務の範囲を広げてシステムエンジニアへキャリアアップすることが一般的です。

システムエンジニアはプログラミングのガイドラインとなる設計書を作成するため、プログラマーの経験は非常に重要です。未経験でシステムエンジニアを目指す場合、まずはプログラマーとして経験を積むことが一番の近道といえるでしょう。

すでにプログラマーとして働いている場合は、要件定義や設計など上流工程の業務に携われる機会を積極的に探しましょう。プロジェクトマネジャーやシステムエンジニアと協力して作業を行うことで、上流工程の知識と経験を身につけるチャンスになります。

社内でのキャリアアップが難しい場合は、転職することも有効な手段です。その際は、今までの実績を証明できるポートフォリオを用意しておきましょう。

以下では、システムエンジニアを目指す上でのおすすめの学習法を紹介します。

おすすめの学習法【1】書籍で学ぶ

独学でIT知識やプログラミングを学ぶ場合の定番は、技術書の活用です。システムエンジニアの業務に役立つ情報がまとめられた書籍を繰り返し読み、実際に自分で手を動かして開発してみると良いでしょう。

書籍で学ぶメリットは、体系的に知識を習得できる点や、忙しい人でも自分のペースで学習を進められる点です。一方で、分からないことがあっても自分で調べて解決しなければならないため、モチベーションを保つためには工夫が必要です。

★システムエンジニアを目指す方におすすめの書籍

この1冊ですべてわかる 新版 SEの基本(日本実業出版社)

タイトルのとおり、システムエンジニアの基本が学べる書籍です。基本的な仕事内容から心構え、必要なスキル、実務の流れなどが網羅されています。システムエンジニアとはどのような仕事なのか、全体像を把握したい方におすすめです。

SEの教科書 【完全版】(技術評論社)

システムエンジニアの仕事の中でも、特にコミュニケーションとマネジメントを中心に解説している書籍です。著者の実体験をもとに執筆されているため、実務に活かせる内容が充実しています。未経験の方はもちろん、すでに現場で働いている方にとっても参考になるでしょう。

おすすめの学習法【2】学習サイトで学ぶ

オンラインの学習サイトを利用して学ぶことも効果的です。ゲーム感覚で楽しく学習できるものや、移動中などの隙間時間にスマホやタブレットから学べるものもあります。ただし、書籍と同じく分からないことがあった際には自分で調べる必要がある点は注意しなければなりません。

★システムエンジニアを目指す方におすすめの学習サイト

おすすめの学習法【3】スクールで学ぶ

独学が難しい方や、効率的に学びたい方は、スクールに通う方法もおすすめです。学習カリキュラムが用意されており、分からない点はすぐに講師に質問できるため、時間を無駄にせず効率的に学ぶことができます。独学よりも費用は掛かりますが、一人で学習するよりも挫折しにくい点は大きなメリットでしょう。また就職・転職サポートを行っているスクールもあり、スムーズに仕事選びができる点もポイントです。

おすすめの資格

基本的に、システムエンジニアとして働く上で必須とされる資格はありません。しかし、業務に関連する資格を取得することで体系的に知識を習得できたり、就職・転職時に自分のスキルを証明できたりすることは大きなメリットです。

ここでは、システムエンジニアの業務に役立つ資格について解説します。すべてIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する国家資格です。

基本情報技術者試験

情報技術の基本的な知識とスキルを持つ技術者を対象とした試験です。IT業界における基礎的なスキルが評価されるため、システムエンジニアの登竜門のような位置付けになっています。プログラミング、データベース、ネットワークなどの幅広い基礎知識を習得できるため、未経験の方がまず取得すべき資格といえるでしょう。

応用情報技術者試験

基本情報技術者試験の上位に位置する試験で、より高度なIT知識とスキルを持つ技術者を対象としています。システム開発や運用の実務に役立つスキルが評価されるため、数年実務経験を積んだ後、スキルアップのために取得する人も多いです。ほかにもプロジェクトマネジメントやシステム設計、セキュリティなどの幅広い知識が求められます。

システムアーキテクト試験

システムの要件定義や設計など、上流工程に関わる知識が問われる試験です。課題を分析した上で、的確にシステム設計・提案を行うスキルが求められます。技術面だけでなく、ビジネスに必要な知識が問われることも特徴です。未経験の方はもちろん、プログラマーが上流工程を目指すためにも役立ちます。

プロジェクトマネージャ試験

ITプロジェクトの企画・立案、進行管理、リスク管理など、プロジェクト全体を管理するための知識とスキルを評価する試験です。プロジェクトの成功に必要なリーダーシップやコスト管理、リスク管理のスキルを習得できるため、システムエンジニアの業務にも役立ちます。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティに関する幅広い知識とスキルが問われるスキルです。具体的には情報セキュリティの管理、サイバー攻撃の手法、セキュリティ対策、関連法規などの知識を証明できます。システムエンジニアにとっては、セキュリティ対策やリスク管理の知識がシステムの安全性を確保するために役立つでしょう。

データベーススペシャリスト試験

データベースの設計・構築・運用に関する高度な知識とスキルが問われる資格です。データベースはシステムに必須であるため、システムエンジニアも携わる機会が多くあります。データベースの専門家としてのスキルを証明できるこの資格を取得すれば、作業を効率化でき、業務の幅も広がるでしょう。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークに関する専門知識とスキルを証明できる資格です。ネットワークシステムの構築・運用などの実務スキルのほか、ネットワークサービスの動向などについての知識も問われます。

データベースと同じくネットワークもシステムに必須です。システムエンジニアの業務においても、ネットワークの最適化やトラブルシューティングが可能になれば、システムの信頼性向上のために役立ちます。

平均年収

求人ボックス「給料ナビ」によると、システムエンジニアの平均年収は約496万円で、日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。全体の給与幅としては、363万円~1,070万円と幅広く、経験やスキル、会社によって大きな差があることも分かります。

年収アップを目指すなら、まずはスキルを磨くことが先決です。先ほど述べた「コミュニケーションスキル」「技術に対する知識」「マネジメントスキル」「論理的思考力」などを重点的に意識してみましょう。

代表的なキャリアパス

システムエンジニアのキャリアパスとしては大きく「マネジャー」か「シニアエンジニア」の二つに分けられます。それでは、それぞれどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

マネジャー

システムエンジニアのキャリアパスとして最もメジャーなのが、プロジェクトリーダー(PL)プロジェクトマネジャー(PM)などのマネジメントポジションに就くことです。

特にプロジェクトマネジャーはプロジェクト全体を統括するポジションで、システム開発における知識はもちろん、上流工程における経験やメンバー管理、プロジェクトの進捗管理など高いマネジメントスキルが求められます。

プロジェクトマネジャーを目指すには、上流工程の経験や数人規模のチームをマネジメントするプロジェクトリーダーとしての経験が必要不可欠です。もし今在籍している会社が上流工程やリーダーとしての経験を十分に積めないのであれば、次の職場への転職も視野にいれた方が良いかもしれません。

シニアエンジニア(ITスペシャリスト)

シニアエンジニアは、特定の分野における豊富な経験や深い知識を持ったエンジニアのことで、プロジェクトの第一線で技術者として活躍するポジションです。

シニアエンジニアを目指すなら、特定分野における専門性が必要不可欠。またシニアエンジニアは技術面におけるスペシャリストではありますが、年齢を重ねるほど必然的に自分よりも経験の浅いエンジニアと同じチームで働くことも増えるため、マネジメントスキルもある程度必要です。

企業によってはシニアエンジニアのキャリアが選択できなかったり、狭き門だったりすることもあるため、入社前にしっかり確認することが大切です。

キャリアチェンジする際のポイント

もしマネジメントポジションやシニアエンジニアでは希望の働き方や待遇などを手にできないと感じたのなら、キャリアチェンジするという方法もあります。

システムエンジニアがキャリアチェンジをする時に大切なポイントを三つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

将来性のある分野にキャリアチェンジ

「常に最先端の技術に触れていたい」「今後需要が高まる分野で活躍したい」と考えるなら、AIやビッグデータ、IoTなど第四次産業革命を後押しする技術に関わるエンジニアとしてキャリアチェンジするのがおすすめです。VRやセキュリティに関する分野も今後成長が見込まれるでしょう。これらの分野は需要に対して人材が足りていないため、好待遇で働ける可能性が高いのもポイントの一つです。

(例)
●AIエンジニア
●セキュリティエンジニア
●データサイエンティスト

親和性の高い職種にキャリアチェンジ

システム開発に関する技術的な知識を活かしてエンジニア以外の仕事がしたいと感じたなら、システムエンジニアと親和性の高い職種にキャリアチェンジするのがおすすめです。特に開発工程よりもクライアントとの折衝業務の方が好きな人は、キャリアチェンジも効果的な選択肢といえます。

(例)
●ITコンサルタント
●セールスエンジニア

自分に合った働き方を求めてキャリアチェンジ

エンジニアは働く場所やクライアントによって働き方が大きく変わる職種です。「自分のライフスタイルに合った働き方がしたい」「幅広い業界・分野の開発に携わりたい」など、働き方に関する希望があるのなら、その企業がどんな特徴があるのかを見極めることが大切です。

(例)
●上流工程の経験が積める「SIer

●さまざまな業界・分野のシステム開発に携われる「SES企業

●ワークライフバランスがとりやすい「自社開発企業

システムエンジニアの将来性

現在システムエンジニアの需要は非常に高く、将来性も抜群に高いです。金融機関や流通、製造業など、これまでIT化が遅れていた業界で急速にIT化が進んでおり、システム開発案件が急増しているほか、モバイル関連のシステム開発やAI、セキュリティ関連など、新たな需要も生まれています。またニーズの増加に対してIT人材が不足しているため、専門知識を有している人や先進的な技術に精通している人は今後さらに需要が高まっていくことが予想されます。

ただしIT業界は移り変わりがとても早いため、システムエンジニアとしてキャリアを重ねていくには日々新しい知識やスキルをいち早くインプットし続ける努力が必要不可欠。時代に応じてアップデートしていける人こそが「市場価値の高い人材」として重宝され続けるでしょう。

文/赤池沙希、江副杏菜 編集/エンジニアtype編集部

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