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アクセンチュアのメンバーが10年後の武器となるテクノロジーを予測。新プロジェクト『Technology EDGE』が示す日本の未来とは?

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次々に生まれる新たな技術やテクノロジートレンドは、欧米発のものがほとんど。日本においては「国外」で生まれた技術を“輸入”することが当たり前になっており、ビックテックに並ぶ企業はまだ生まれていないと言える。

テクノロジーを企業活動のコアに据えた組織が育たない日本の状況を変えるべく、総合コンサルティングファームであるアクセンチュアの日本所属メンバーが2021年に立ち上げたのが、『Technology EDGE』だ。

この『Technology EDGE』は、「日本の10年先」に影響を与えるであろうテクノロジーを解き明かすことを目的としたプロジェクトで、同社テクノロジー コンサルティング本部マネジング・ディレクターの山根圭輔さんが発起人となってスタートした。

有志メンバーが中心となって取り組む『Technology EDGE』では、日本のテクノロジー領域の未来をどう読み解いたのか。本プロジェクトの全貌について、山根さんに聞いた。

プロフィール画像

アクセンチュア株式会社 テクノロジー コンサルティング本部
インテリジェント エンジニアリング サービス統括
マネジング・ディレクター
山根圭輔さん

東京工業大学生物工学科・東京大学大学院生化学専攻出身。金融機関を中心に、先端テクノロジーおよびプロジェクトマネジメントのスペシャリストとしてコンサルティング&エンジニアリングを実施。デリバリーは基幹系エンタープライズアーキテクチャからFinTech分野にわたり、プロジェクトマネジメントは大規模統合プログラムマネジメントからエンタープライズ・アジャイルまで幅広く推進する

10年後の日本をつくる、エッジの効いた武器を模索する『Technology EDGE』

―― 新プロジェクトの『Technology EDGE』について、立ち上げの背景を教えてください。

『Technology EDGE(テクノロジー・エッジ)』は、アクセンチュア ジャパン独自のプロジェクトです。このプロジェクトを正しく説明するためには、まずはアクセンチュア グローバルが行っている『Technology Vision(テクノロジー・ビジョン)』についてお話しする必要があります。

アクセンチュアのグローバルでは、20年以上前から『Technology Vision』と呼ばれるテクノロジートレンド予測をレポート化して毎年発表してきました。これはテクノロジー領域でビジネスを展開する企業やテクノロジー人材に向けて、この先数年間に起こる変化と、それに対する備えを提言するために行っている取り組みです。

アクセンチュア ジャパンにおいても、ここ4~5年間は私が中心となり、この『Technology Vision』を日本向けにローカライズしたレポートを毎年発表してきました。2022年のテーマは「メタバースで会いましょう」。先日、メタバース上での発表会を終えたばかりです。

しかし、これまで発表してきたものはあくまでもグローバル全体で見た際のテクノロジートレンドの話が中心。対象範囲となるエリアが広く、企業のCxO向けに解説することを主眼にしている分、どうしてもハイレベルで丸まっている部分がありました。

そこで、最先端の部分をそのまま、今の若手=次世代のリーダーシップが牽引していく世界向けの文脈でテクノロジーの未来を語る場があっても良いのではないかと考え、21年8月に始動させたのが『Technology EDGE』です。

『Technology EDGE』は、その名の通り、先端=エッジの効いたテクノロジートレンドを予測し、レポート化するプロジェクト。日本の10年後を動かしていく次世代が、「武器」として使えるテクノロジーを明文化することが目的です。

今年の10月にはカンファレンスの開催も予定しており、発表に向けて目下準備を進めています。

―― 最新技術や開発手法に関するレポートを一般的に発表するイメージでしょうか?

そうでもあり、それだけではないのが『Technology EDGE』の特徴です。

テクノロジーが今後どう進化していくかという分析も行っているのですが、プログラミングやソフトウエアエンジニアリングだけが今後のテクノロジー領域を牽引していくのか、というと決してそうではない。

なぜなら、近い将来、日本のすべての企業は 「テクノロジー企業」 にならなければならないからです。

アクセンチュア

初回となる2022年の『Technology EDGE』では「Digital Infused」というスローガンを掲げている

今はまだ、テクノロジーやデジタルを「事業やサービスに活用する手段」と捉えている企業がほとんどでしょう。しかし、それはもう時代遅れ。マーケット人口を占めるデジタルネーティブ世代の比率が増していくこれから先の社会で優位性を持つためには、テクノロジーを企業活動の核に据えて、サービスや商品を開発していく必要があります。

となると、エンジニアだけがテクノロジーを扱う時代はもう終わり、今後はすべての人がテクノロジー人材になっていくでしょうし、そうであってほしい。テクノロジーと、テクノロジー以外の要素を組み合わせることで、新たな価値が生まれるようになっていくはずです。

『Technology EDGE』では、あらゆる企業や人材がテクノロジーを扱うようになった未来、10年後を生き抜くために必要なエッジの効いた武器を残したいと思っています。

―― エッジの効いた武器、というと、例えばどのようなものでしょうか?

具体的には、20のテーマに分けてレポーティングしています。

例えば、「組織×テクノロジーアーキテクチャ」だったり、「アート×デジタル」だったり、「SF×デジタル」だったり……異なる要素がテクノロジーと融合することで、企業活動はどう変わるのか。人々の暮らしにどんな変化が起こるのか。その際に企業やテクノロジー人材に求められるものとは何か……といった技術軸でのレポート。

他にも、テクノロジーの進歩によって「働き方」はどう変容していくのか、といった社会活動・企業活動そのものに関わるような角度から考察したレポートもあります。

これらのレポートをアクセンチュア社内に留めることなく、社外にも広く伝えていくことで、日本企業の今後の企業活動に役立てる後押しをしたいですね。

Technology EDGE

現在レポート化が進んでいるテーマ一覧。カンファレンスは10月に開催予定。

エンジニア・非エンジニアの協働で+αの価値を

―― 『Technology EDGE』の運営体制を教えてください。

プロジェクトを推進するのは、アクセンチュア ジャパンの有志メンバーたちです。

先にも申し上げた通り、『Technology EDGE』では異なるもの同士の掛け合わせによって生まれる「エッジ」を大切にしています。なので、このプロジェクトも部署・職種の垣根を越えた多様なメンバーで運営しているのです。

―― テクノロジーに関するプロジェクトにも関わらず、さまざまな部署からメンバーを募った理由は何でしょうか?

これから先、すべての企業がテクノロジー企業になっていくと仮定すると、エンジニアと非エンジニアの境界もあいまいになっていくことが予想されます。

もちろん、エンジニアがテクノロジー領域のエキスパートであることに変わりはありませんが、新たな価値を生み出すためには+αの知見が不可欠です。

アクセンチュア

しかし、人生は有限ですし、自分一人で多くの+αをインプットすることはなかなか難しいのも事実。だからこそ、あらゆる分野のエキスパートとのコラボレーションがより重要になってくる。『Technology EDGE』が組織横断で行われているのも、それが理由の一つです。

エンジニアだけでなく、UI/UXデザイナー、ビジネスストラテジスト、事務やオペレーションを専門としている人だから見えるものがあるかもしれない。エンジニアも、エンジニア以外の人もチームに混ざりながら対話していくことで、ポスト・デジタル時代に生き残る「+α」の付加価値につながっていくのです。

また、この取り組み自体が、次世代のリーダーシップを育成するためのトレーニングの位置づけでもあります。若手スタッフからシニアなマネジング・ディレクターまで、フラットなチーミングの中の同じ目線で、エッジテクノロジーが世界をどう変えていくのかを調査し、議論し、学んでいくことでつくり上げてきました。

「テクノロジードリブン」のDNAと、挑戦を受け入れるカルチャーで“日本発”の取り組みを後押し

―― 『Technology EDGE』は有志メンバーでの推進とのことですが、何名程集まったのでしょうか?

テクノロジー部門の社員はもちろんのこと、デザイナー、コンサルタントなど、数十名で運営しています。

役職を意識することなく、メンバーが主体となり推進していくことを大切にしているプロジェクトなので、私を含め明確な「管理者」を設けることはしていません。レポート化するための役割分担はありますが、議論を交わす上では全員が対等です。

アクセンチュアでは『Technology EDGE』の他にも、部署を超えた有志メンバーによる課外活動的なプロジェクトが豊富にあるんですよ。

アクセンチュア

―― 有志メンバーかつ領域横断でのプロジェクト推進は決して容易ではないように思うのですが、なぜアクセンチュアではそのような活動を活発に行うことが可能なのでしょうか?

理由は大きく分けて二つあります。

一つは、アクセンチュアで働く社員は、テクノロジーをコアに物事を考えるDNAを共通して持っていること。

例えば、新卒社員は配属部署に関わらず、技術を学ぶ『Tech Boot Camp』と呼ばれる研修に約2カ月弱参加。複数言語を用いたプログラムの開発工程をひと通り体験できるカリキュラムを組み、最終的にはクラウド上に一つのサーバーをつくります。エンジニアリングやテクノロジーの基礎を学ぶと共に、「テクノロジーの学び方」を学ぶのです。

私のようなエンジニアリングサイドの人間はもちろん、デザイナーや戦略コンサルタントも全員が同じテクノロジードリブンなDNAを持っている。ゆえに、『Technology EDGE』のように異なるスキルを持つ人材が集まったとしても、テクノロジーを主語にした議論が可能となっています。

そしてもう一つの理由は、チャレンジを歓迎するアクセンチュアのカルチャーです。

私自身、約20年間にわたりアクセンチュアでアーキテクチャデザインをしてきましたが、お客さまに価値を提供できるものであれば何でもWelcomeなカルチャーに魅力を感じています。

実を言うと、『Technology EDGE』や新人研修の『Tech Boot Camp』も私が自主的に始めたもの。そこに「価値がある」という認知を得られれば、すぐに正式採用されることも多いのです。

これは私がマネジング・ディレクターだからではなく、発案者が誰であっても同じ。より良い環境を構築していくために全社で試行錯誤できる環境があります。

アクセンチュア

世間的には、アクセンチュア ジャパンはグローバル組織の一部と見なされることが多いかもしれません。でも、これからは「日本発、グローバルへ」の取り組みも増やしていきたい。今回の『Technology EDGE』で議論したテーマも、その一例となっていったらと考えています。

<8月26日(金)には『Technology EDGE』のプロジェクトメンバー4人のインタビューを掲載。彼らがプロジェクトへの参加を通じて学んだことを詳しく明かす>

>>アクセンチュアのエンジニア採用に関する情報はこちら
>>『Technology EDGE』カンファレンスの開催レポートは下記をご覧ください ※2022年12月20日追記
Accenture Technology EDGE (techplay.jp)

取材・文/阿部裕華 撮影/吉永和久 編集/秋元 祐香里(編集部)

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