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この10年でAIは分野から業界へ拡大。「AIの応用」はエンジニアの必須スキルになる?【連載:ばんくしのAI業界ウォッチャー】

働き方

機械学習エンジニアばんくしの

AI業界ウォッチャー

キャディのAIチーム『CADDi AI Lab』を立ち上げた機械学習エンジニア「ばんくし」こと河合俊典さんが、AI業界の最新情報や注目の技術者を紹介! AIニュースの考察とあわせてソフトウエアエンジニアの仕事に役立つ「AIのあれこれ」をお届けします

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キャディ株式会社 Tech Lead
河合 俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

Sansan、ヤフー、エムスリーを経て、2021年にキャディにジョイン。機械学習を扱うソフトウエアエンジニアとして、『CADDi AI Lab』の立ち上げ、マネジメントに従事。XGBoostやLightGBMなど機械学習関連のOSSのRust wrapperメンタ―を務めるなどの活動を行っている。21年12月よりエムスリーエンジニアリングフェロー

はじめまして、「ばんくし」ことキャディの河合です。

エンジニアtypeさんとはインタビューやイベントなどでのご縁があり、その延長として、連載コラムの寄稿というかたちでご一緒することになりました。

初めての連載ということで、緊張とワクワクが入り交じっておりますが、私が10年以上AIの分野でキャリアを積む中で見えてきた世界観を言語化し、皆さんと共有できると思うと楽しみで仕方ありません。

今回は初回という事で、自己紹介を兼ねて、私ばんくしが見ているAI業界への所感と、この連載に込める思いについて、書かせていただこうと思います。

AIはこの10年で「分野」から「業界」に拡大

私は、高等専門学校の4年次、皆さんで言う大学1年生の頃に機械学習の技術に出会ってから10年。大学院での研究活動や受託開発、Webサービス開発企業での機械学習エンジニアとしての経験を経て今に至ります。

私が機械学習に触れた頃は、ソフトウエアエンジニアはいわゆる「キツい仕事」の一つで、機械学習エンジニアは大企業の研究所に行くくらいしか、活躍できる場所は無かったように記憶しています。

周囲がさまざまな職に就いていく中、どういった形で職を得るのが良いのか、全く分からないまま大学に進学した記憶が今でも鮮明によみがえります。

ものの見事に10年間でソフトウエアエンジニアの業界は大きく盛り上がり、待遇改善が進む傍ら、「AI」という言葉もバズワードになったことで、機械学習の周辺の分野も一変しました。

統計や最適化などを扱うコンピューターサイエンス業界からだけでなく、物理や数学、経済といったさまざまな分野から優秀な研究者、ソフトウエアエンジニアが流れ込み、ビジネス上での価値も大きく認知された事で、「分野」から一つの「業界」が生まれていきました

10年前の私に伝えても、全くピンとこない事態だなと思います。

新しい方々が、自分が最も興味のある所に参入してくれるというのは非常に喜ばしいことです。

AI

一方で、一つの業界として大きくなるということは、AI業界内のグラデーションの幅が広くなるだけでなく、AI業界外への影響も非常に大きくなるということとイコールだと感じています。

今や、普通に生活する中でAI技術から離れて暮らすのは非常に難しいと言えるでしょう。その上で、翻訳や自動運転、ロボットなどさまざまな分野で「“AI”がサービスのコアになる」というニュースが続いています。

今後、こういった技術が発展する先には、AI業界にいない一般的なソフトウエアエンジニアが作るものや、その作り方にも強く影響を与えるようになると、私は確信しています。

未来のAI業界の在り方について考える

AI業界とソフトウエアエンジニアの両面から眺めてみると、最初こそ「AI」という言葉に良い印象を持っていなかった人たちも、今では落ち着いて一つの抽象的な言葉として扱っている印象があります。私もその一人です。

これは、AIという言葉がビジネスにまで浸透し、技術としても成熟した一つの体系になってきている証拠ではないでしょうか。

こういった中で、このAI技術の本質的な理解と共に、応用を考えることは、ソフトウエアエンジニアの一つの必須技能になってくるのではないかとも思っています。

そこで本連載では、さまざまな人やニュースを題材に、ソフトウエアエンジニア、AI業界の両面から私の見え方を提供できればと思っています。

ぜひとも、未来のソフトウエアエンジニア、未来のAI業界の在り方について一緒に考えていきましょう!

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