海外有名テック企業の大量解雇や採用停止、円安の影響による海外就労人口の増加など、ITエンジニアを取り巻くニュースが多かった2022年下半期。「日本のテック企業やエンジニアへの影響を考えた」という方も多いだろう。そこで『エンジニアtype』では各識者や最前線にいるエンジニアたちにインタビュー。2023年のIT転職市場は一体どうなるのか。少し先の未来を考えてみた。
人材・IT業界のプロが2023年のエンジニア転職市場のトレンドを予測! 五つの記事で読み解くエンジニア採用の未来
2022年12月から23年1月にかけて、エンジニアtypeでは「ITエンジニア転職 大予測2023」特集をお届けしました。
外資系企業で続々と発表されるエンジニアのレイオフや採用縮小のニュース。コロナ禍や円安の影響を受けて変わるエンジニア採用のニーズ……。人材業界・IT業界の識者は、2023年のエンジニアの転職市場がどのように変化すると読み解いたのでしょうか?
この記事では、「ITエンジニア転職 大予測2023」特集に掲載した記事を、5本まとめてお届けします。
欧米テック株暴落に日本は続くのか? 2023年のエンジニア採用トレンドを解説
欧米で起きているテック株大暴落や、大手IT企業での人員削減、採用の縮小は日系企業にも影響する?
23年のエンジニア採用市場の変化や今後日本のIT企業で必要とされるエンジニア像を、企業経営や人材採用の動向にくわしいキープレイヤーズ代表の高野秀敏さんが解説します。
現在でも求人が多いのはPMやPdM(プロダクトマネジャー)で、今後も高い需要が続くでしょう。それと比較すると数は少ないですが、CTOやVPoEを探している企業も増えています。
注目したいのは、いずれの職種においても企業は開発のバックグラウンドを持つエンジニア出身者を求めている点です。DX関連のプロジェクトが急増しているので、技術を理解した上で案件や組織をリードできる人材にはニーズがあります。
開発経験を軸としつつ、サービス企画やデザイナーへのディレクションもできると、市場価値の高い人材として評価され、報酬も上がりやすくなります。
>>【解説】GAFAの株価さえ急落……欧米で進むレイオフの波は日本にもやってくる? 2023年エンジニア採用トレンド/高野秀敏
エンジニアの転職活動はどう変わる?「SNS×ダイレクトリクルーティング」の時代が本格到来
転職サイト、SNS、リファラル、ダイレクトリクルーティング……転職活動のスタイルが多様化する中、エンジニア採用のシーンでこれからやってくるトレンドは? また、転職後に後悔しない「自分らしく働ける会社」と出会うための方法とは?
「いい転職」をかなえるためのポイントを、1本目の記事に引き続き、キープレイヤーズ代表の高野さんが紹介する。
私がお勧めするのは、「ビジネスサイドと開発サイドをつなぐ情報」を発信することです。
例えば、技術に詳しくないビジネスサイドの経営者や管理職に向けて、「Web3とは何か」を分かりやすく解説する。
つまり技術的な専門知識がない人でも理解できる言葉で翻訳する力があると、そのエンジニアの市場価値はものすごく上がります。これを私は“池上彰力”と呼んでいます。
>>“池上彰力”を磨いて発信せよ。エンジニアの転職・採用活動にSNS×ダイレクトリクルーティングの時代が本格到来/高野秀敏【後編】
駆け出しエンジニアにありがちな転職の思い込み五つ
2023年に転職活動を本格化させる前に、駆け出しエンジニアが払拭しておきたい「転職の思い込み」とは? キャリアアドバイザーのえさきまりなさんに、五つのポイントで紹介してもらいました。
ただ、何となくで「自社開発の会社に行く方が成長できる」「キャリアアップできる」と思い込んでいるなら、少し冷静になるべきだと思います。
受託開発と自社開発、それぞれメリット・デメリットがあるので、どちらの環境がベストかは人それぞれ違うもの。
受託開発の方が、さまざまなプロジェクトに入ることができ、多様な技術に触れることができるためエンジニアとして成長しやすいとも言えますし、時期によって違うプロジェクトにアサインされるため、わずらわしい人間関係に悩まされないという側面があったりもします。
>>「売り手市場なのに採用されない」駆け出しエンジニアにありがちな転職の思い込み五つ【キャリアアドバイザー えさきまりな】
スタートアップが続々報酬アップ!?その傾向が意味する“シビアな実情”【Ubie×ゆめみ】
給与水準で上場企業を上回るようになった日本のスタートアップ。そこでエンジニアに求められるものとは一体何なのだろうかーー。
ゆめみCTOの大城さん、Ubieのソフトウエアエンジニア長澤さんに、スタートアップの「給与アップ」が意味するものを聞いた。
多くの会社では、役職が高くなると権限が増え、他のメンバーの評価に携わる体制、つまりは役職=権限=評価者となるシステムが採用されています。
しかしこのシステムは、それぞれのメンバーがコト(事業の目的)ではなくヒト(上司や他のメンバー)に向かって仕事をするリスクもあると考えています。
OKRに照らして「〜すべき」「〜してはならない」を判断するのではなく、「この人に気に入られるために、〜をしよう」と判断してしまうこともあるのではないでしょうか。
>>スタートアップ採用激化でエンジニアの給与水準は上昇傾向に。報酬アップが意味する“シビアな実情”とは【Ubie×ゆめみ】
目立つ実績がなくても企業からスカウトされる人・されない人の職務経歴書は何が違うのか
ITエンジニア向けスカウト型転職サービス『Direct type(ダイレクトタイプ)』のPMを務める前田直哉が、2023年の駆け出しエンジニアの採用・転職トレンドについて解説。
「駆け出しエンジニアでも採用したい」企業は増えているけれど、求めるスキルレベルは高くなっている傾向が……!?
職務経歴書には、過去の経験と実績をなるべく分かりやすく記載してください。
例えば、少しでも実務経験がある人なら、過去に触れてきた開発言語や、使ってきた開発のフレームワーク、これまでの開発環境や自分が担当した案件・プロジェクトの内容、その成果などについて客観的にまとめてみましょう。
実際、『Direct type』に登録しているエンジニアの状況を見ても、過去に手掛けた仕事の実績など職務経歴書が充実している人の方が、企業からより多くスカウトを受け取っています。
>>【駆け出しエンジニアの採用トレンド】 目立つ実績がなくても企業からスカウトされる人・されない人の職務経歴書は何が違うのか
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