type編集長が注目企業の人事にインタビュー
採用の裏側「エンジニアの代わりに聞いてきます!」総合転職サイト『type』編集長が、エンジニアの転職先として人気度・注目度が高い企業の人事に採用の裏側を取材。選考プロセスや「今」欲しいエンジニア像について、転職者が聞きにくいアレコレを代わりに聞いています!
type編集長が注目企業の人事にインタビュー
採用の裏側「エンジニアの代わりに聞いてきます!」総合転職サイト『type』編集長が、エンジニアの転職先として人気度・注目度が高い企業の人事に採用の裏側を取材。選考プロセスや「今」欲しいエンジニア像について、転職者が聞きにくいアレコレを代わりに聞いています!
今回エンジニア採用の実情を明かしてくれたのは、ファッションEC『ZOZOTOWN』をはじめ、ファッションコーディネートアプリ『WEAR』や『ZOZOSUIT』『ZOZOMAT』『ZOZOGLASS』などさまざまなファッションサービスやテクノロジーを展開するZOZOだ。
同社の採用ページをのぞくと、エンジニアと一口に言っても、実に多種多様なポジションで採用を行っていることが見て取れる。
それぞれのポジションによって求める経験やスキルは異なるが、同社で中途採用を担当する板敷奈緖さんは「エンジニア採用において、スキル面でのミスマッチはほとんどない」と語る。
ZOZO流の「エンジニアのスキルの見極め方」を、type編集長が聞いた。
株式会社ZOZO 人自本部(※) 採用企画・推進部
エンジニアキャリア採用ブロック ブロック長
板敷奈緒
さまざまな企業にて組織の立ち上げや新卒・中途採用などの人事業務に従事。2021年8月よりZOZOに入社し、現職
【聞き手】type編集長 三ツ橋りさ
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Womantype』の編集を経て、転職サイト『女の転職@type(現・女の転職type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。13年04月~15年12月まで『女の転職@type(現・女の転職type)』の編集長に就任。産育休を経て16年11月より転職サイト『@type(現・type)』の編集長として復職。19年10月より2度目の産育休を取得し、21年5月に復職。21年6月からtype編集長に就任し現在に至る
(※)ZOZOでは、「人事」のことを「人自」、「仕事」のことを「自事」と表記する。「人事(ひとごと)」ではなく、スタッフ一人一人が他人のことも自分のこととして考えるという意味と、「仕事(仕えること)」ではなく「自事(自然なこと)」であるという意味が込められているという
ZOZOではさまざまなプロダクトをお持ちですが、採用もプロダクトごとに細かく行っているんですね。
そうですね。プロダクトによって開発言語が異なるため、それぞれに適した人材を採用できるよう、分けて採用を行っています。
例えば『ZOZOTOWN』はリリースしてから20年近くたっているため、2017年からリプレイスプロジェクトを始動しています。これは、既存のシステムを稼働させながらの大型プロジェクト。全体のサービス開発を止めずに、長い期間をかけてリプレイスを進めています。
既存システム内で新規開発を行いながら、新しい技術でのリプレイスを行っているので、『ZOZOTOWN』にはレガシーな技術とモダンな技術が混在しており、双方のスキルが求められるんです。
このように、プロダクトや採用タイミングによって求められる技術要件がそれぞれ違うため、細分化して採用をしています。
なるほど。技術要件の違ったエンジニアをプロダクトごとに複数採用していくとなると、母集団形成にも苦労しそうです。特に難しいのはどのエンジニア層の採用ですか?
特にこの層という違いはあまりありません。ですが、新しい技術を使ってゼロからサービスを作りたいと考える方はスタートアップ企業なども視野に入ってきますよね。
採用市場において競合企業が多いかどうかは、採用難易度にも影響してきます。
とはいえ、年間購入者数1100万人超の大規模サービスである『ZOZOTOWN』をはじめ、ZOZOには膨大なファッション関連データが蓄積されています。大規模かつ安定したプロダクトだからこそできる挑戦を魅力に感じて、選考に進んでくださる方も多いです。
では、具体的な選考について伺います。プロダクトごとの採用だからこそ、技術力がプロダクトの求めるレベルを満たしているかが重要ですよね。
にもかかわらず、選考フローは書類選考と面接(複数回)のみと非常にシンプルですね。
当社の選考フローは書類選考と面接2回が基本。コーディングテストなどは行っていません。その代わり、スキル面は書類選考と面接でかなり深くチェックします。
面接担当は現場のメンバーやリーダークラスのエンジニア。「一緒に働きたいか」を双方が判断することができますし、技術に関してもより深い話ができるからです。
面接は誰が面接をしても適切な判断ができるように、開発部門共通のマニュアルを作成しているんです。特に技術面に関しては細かく質問を用意しています。
例えば、過去の業務で苦労された経験について「今ならどのように対応するか」を考えてもらう質問。一つの質問に対して、「この場合はどうしますか?」「こういったケースなら?」など、さまざまな角度から質問を重ね、振り返って考えたときどう対処するかの技術アプローチを聞いていきます。ここから、技術をどう使う方なのかがよく分かります。
マネジャーではなく、現場のメンバーが面接に出てくるのは珍しいですね。
コーディングテストのない採用で、入社後にスキル面でのミスマッチが生じることはないのでしょうか?
ほとんどないと認識しています。
面接でスキルを正しく把握するために、面接を担当するエンジニアが応募書類をじっくり読み込んでいるというのもミスマッチの回避につながっていると思います。仮に情報が足りなかったとしても「何を追加で聞くべきか」を事前にこちらでも準備しておけば、面接の場でより深くお話しすることができます。
このように、応募書類はしっかり読み込んでいるので、単に「Javaができる」という記載ではなく、業務でどのくらい使用していたのか、どのようなレベルなのか、詳しく書いてあるとうれしいですね。
ただ、この段階でスキルマッチに確証が持てなくても、面接を担当するエンジニアが書類を見て「会いたい」と感じた方であれば書類選考は通過となるケースが多いです。
二次面接では誰が何をチェックしているのですか?
部長・本部長クラスのエンジニアが、技術面に加え、ZOZOのカルチャーにフィットしているかどうかも見極めています。
「ZOZOに入って実現したいと思っていること」や「目指すエンジニア像」などについてお話しいただき、ZOZOの企業理念へ共感いただけるか、カルチャーと合うかどうかなどを見ています。
ZOZOは新しいことに次々と挑戦していく変化の多い会社です。その変化を楽しめる方かどうかも重視しますね。
「変化」と一口に言っても「変化」の感じ方は人それぞれ違います。どんな変化があるのかをしっかりとお伝えしてカルチャーギャップが起きないように注意しています。
技術力が高くても、カルチャーとフィットしないと思うようにパフォーマンスを発揮していただけない可能性もあると思います。だからこそ、ZOZOのことをしっかり知っていただくことも大切だと考えているんです。
活躍できる会社を見つけるために、求職者側の意識も重要ですよね。
転職活動は、自分のキャリアの棚卸しをする良い機会です。これまでのキャリアを振り返り、「今後自分が何をやりたいのか」を明確にしておくと良いと思います。そうすることで、面接でも自分なりの軸を持った話ができるはずです。
また、転職先を選ぶ際には、企業が掲げている企業理念を確認し、それに共感できるかどうか考えることも大切だと思います。
企業理念は、その企業が存在している意義や価値観を示すものであり、根幹となるものですから、企業選びの一つのヒントになるのではないでしょうか。
転職活動における面接の場は、自分自身がその企業について判断するための対話の場でもあります。気になることがあれば、ぜひ積極的に質問して理解を深めていただきたいと思います。
文/赤池沙希 取材・編集/三ツ橋りさ、秋元 祐香里(ともに編集部)
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