売り手市場が続くエンジニアだけれど、希望の企業の内定を得られるかどうかは別の話。そこでこの連載では、転職者・採用担当者双方の視点から“理想の転職”を成功させる極意を探る
エンジニア未経験は面接で何をアピールすればいい? 大手人材会社人事が明かす「自分と企業の共通点」の見つけ方
【PR】 転職
企業の製造・開発現場にエンジニアを送り込み、日本のものづくりを支援するアウトソーシング事業を手掛ける株式会社ワールドインテック。
同社のテクノ事業部は、半導体や電子機器、自動車関連などの分野で、日本を代表する大手メーカーや上場企業の案件を数多く手掛けている。
そんなワールドインテックでは、ものづくり現場での人材需要の高まりとともに未経験者の採用に力を入れ、手厚い研修やOJTを通じて一人前のエンジニアへと育て上げる体制を整備。2021年に入社した上野さんも、前職は飲食業で技術職はまったくの未経験だった。
同社では、未経験者を採用する際にどのようにして技術者としてのポテンシャルを見極めているのか。またエンジニア経験のない転職者は、何を自分の強みとしてアピールすればいいのか。
採用担当者の中島さんと異業種から転職した上野さんに、それぞれの立場から「未経験転職に成功する秘訣」を聞いた。
【中途入社者】株式会社ワールドインテック
システムエンジニア 上野さん
飲食業でホールキッチン業務から店長代理まで経験をした後、2021年にワールドインテックへ入社。入社後は大手半導体メーカーの開発現場にジョインし、半導体製造における施策業務などに従事し、活躍
【採用担当】株式会社ワールドインテック
中島さん
歯科助手として診療アシスタント・受付業務を経験した後、2017年2月にワールドインテックへ入社。多くのエンジニアのキャリアアップをサポートしている
採用担当者の中島さんに聞いた「内定のポイント三つ」
・熱心な企業研究から感じた製造業やものづくり現場への強い興味と感心
・「未経験だけどがんばりたい」「昇給を目指したい」という率直な答えから見受けられた成長意欲
・前職の接客業務で磨いた、物腰柔らかで多様な年代や立場の人と話せるコミュニケーション能力
企業HPを読み込み、業務内容と自分の方向性の一致点を探す
――上野さんはエンジニア未経験で転職活動をされたそうですが、前職ではどのような仕事をされていたのですか。
上野:喫茶店でホールキッチン業務を担当していました。調理から接客まで一通り経験した後、店長代理を任されて店舗の運営全般を担うようになりました。
――エンジニア職とは全く異なる分野の仕事をされていたのですね。転職活動を始めたきっかけを教えてください。
上野:新型コロナウイルスの流行が拡大し、喫茶店の客数が落ち込んだことで、飲食業界の先行きに不安を抱いたからです。
このままでは給与も下がり、自分の将来が不安定なものになると感じ、より安定した事業を手がける企業で働きたいと考えるようになりました。
――次のキャリアを考える際に様々な選択肢があったと思いますが、なぜエンジニア職を目指そうと考えたのですか。
上野:私の父がエンジニアとして半導体の製造現場で働いていて、仕事の話を聞くうちにものづくりの仕事に興味を持ったからです。私も喫茶店で製菓などを担当した経験があり、手を動かして何かを作るのが好きだったので、父親と同じ道に進みたいと考えました。
そこで転職サイトに掲載されていた求人を「製造業」で絞り込み、その中から「現場で経験を積めること」「単純作業ではなく、自分で考えながらものづくりができること」を条件に、さらに転職先の候補を絞り込んでいきました。
――候補の中から何社くらい応募したのですか?
上野:実は、採用選考を受けたのはワールドインテックだけなんです。第一志望の会社に応募したら、幸いにも内定を頂いたので。
――そうなんですね! ものづくり系エンジニアの求人が多数ある中、ワールドインテックを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
上野:一番の決め手は、主な担当分野に「半導体製造業」が含まれていたこと。父と同じ半導体を扱うチャンスがあることに強く惹かれました。
転職の動機になった給与についても「昇給年1回・賞与年2回」と記載があり、自分の成長に応じて給与が上がる仕組みがあるなら、高いモチベーションで仕事に取り組めるだろうと考えました。
――とはいえ前職は飲食業で、製造業や技術職はまったくの未経験です。書類選考や面接を通過するために、工夫や努力をしたことはありますか。
上野:一つは、ワールドインテックの企業HPを隅から隅まで読み込み、会社の情報をとことん調べたことです。
入社したらどのような業務を担当するのか、どんな現場でどのような人たちと働くことになるのか。こうした情報を具体的に把握し、それが自分のやりたいことや目指すキャリアとどのようにマッチするかを整理した上で面接に臨みました。
先ほども話したように、私には「自分で考えながらものづくりがしたい」という思いがありました。
一方で、ワールドインテック入社後の業務を調べると、お客さまのニーズに合わせて製品を試作するプロトタイプ開発など、まさに考える力を必要とされる作業が多く、自分のやりたいことに一致するとわかりました。
これらの要素を志望動機として話せるように準備したことで、面接でも「なぜワールドインテックに入りたいのか」について説得力のある回答ができたと思います。
もう一つは、前職で培った経験やスキルの中で、入社後に生かせる強みを探したことです。
喫茶店の店長代理をしていた頃は、お客さまやスタッフ、外部業者など、多様な年代や立場の方たちと円滑にコミュニケーションを取ることが求められました。
周囲の人たちと適切に意思疎通したり、良好な関係を築く力は、業界や職種を問わず、社会人なら誰もが求められるはずです。
きっとこの経験は製造業の現場でも生かせると考え、面接で自分の長所を聞かれた時も「誰とでもコミュニケーションできること」と回答しました。
面接では「成長意欲」「コミュニケーション力」を重視
――では中島さんに伺います。上野さんのようなエンジニア未経験者を採用する時、選考ではどのような点を重視していますか。
中島:主に2点あります。一つは「将来的に成長できる人材か」という点です。
上野さんが所属するテクノ事業部では、技術職の未経験者や異業種からの転職者を積極的に採用しており、入社後の研修や現場での実務を通じて一人前のエンジニアになれるよう手厚くサポートしています。
未経験で現場に入っても、ただの作業者で終わるのではなく、自分で判断しながら物事を進めていける技術者へとキャリアアップしてほしいというのが私たちの願いです。
よって面接でも、成長意欲や上昇志向があるかを重視します。「将来は上流の設計に携わりたい」「大手企業の案件に入りたい」「収入アップしたい」など、どんな目標でもいいので自分が成し遂げたい成長のイメージを明確に描けているかをお聞きします。
――もう一つは何でしょうか。
中島:上野さんの話にもあった「コミュニケーション力」です。当社が手がけるのはお客さま企業の製造業務を組織的に支援するアウトソーシング事業であり、現場でも必ずチームを組んで動きます。
ですから一緒にチームを組むワールドインテックのメンバーはもちろん、お客さま企業の技術者の方たちとも的確な言葉のやりとりができる力が求められます。
加えて未経験者が成長していくためにも、コミュニケーション力は重要です。入社後に担当するのはマニュアルを読めばできるような単純作業ではないので、疑問に思うことや分からないことがあったら、現場で周囲の人たちに質問しながら解決していく必要があります。
その場合も、自ら積極的にコミュニケーションできる人なら、知識やノウハウをどんどん吸収して自分を成長させていくことができます。
現場や製品のことを理解しようと努力するエンジニアは、お客さまからも高く評価されるので、それがモチベーションとなってさらに自分を成長させていけるという好循環が生まれます。
――今挙げて頂いた2点は、上野さんが採用選考に向けて準備した内容と重なりますね。
中島:おっしゃる通りです。コミュニケーション力については、前職で接客業務を経験していることに加え、面接の場でも柔らかい物腰ながら的確な言葉で話すのを聞いて、どのチームに加わってもうまくやっていけるだろうと感じました。
成長意欲があることもしっかり伝わってきました。上野さんに転職理由を聞いた時、「昇給を目指したい」という率直な答えが返ってきたのですが、昇給するには仕事で成果を出して周囲から評価されることが必要なので、これも成長意欲の表れだと受け止めました。
また本人が話したように、事前に弊社の事業や業務内容を詳しく調べていることが受け答えからも分かったので、入社後も疑問に思ったことは自分で学び取りながら成長していく力が備わっていると判断しました。
面接前に提出してもらった職務経歴書には「パソコンのスキルや半導体の専門知識はまったくありません」と正直に書かれていましたが、「未経験の業務や学習にも一生懸命取り組んでいきたい」と意気込みが記されていて、新しいことにチャレンジする意欲も十分あると感じました。
様々な現場や業務を経験しながら、技術者としての武器を増やせる
――実際に入社して、上野さんが「転職でかなえたかったこと」は実現できていますか。
上野:ええ、入社後は大手半導体メーカーの現場に配属され、興味があった試作を担当することになりました。半導体製造に関わりたいという希望がかなったのは嬉しかったですね。
試作の業務は、クライアントからメールで送られてきた依頼内容に基づいて細かな条件を設定し、専用の装置で実際にものを作って寸法や形状を計測し、規格を満たしているかをチェックするという流れで行いますが、最初のうちは一連の工程がうまくいかないこともありました。
技術的に難しい作業なので、知識量が少ないうちはどうしても何らかのエラーが出てしまうんです。 だからうまくいかなかった時は、同じ現場で働く人たちにどんどん質問して解決策を探りました。
もちろん独学でも勉強しますが、実務で役立つ知識を身に付けるなら経験者に聞くのが一番早い。現場ではワールドインテックとお客さま企業のエンジニアが一つのチームを組んで動くので、クライアント側のエンジニアにも遠慮せずどんどん質問しました。
知識量が増えるにつれてエラーも減り、試作を完璧にこなせるようになった時は大きな達成感がありました。
――自分の強みであるコミュニケーション力をフルに発揮されていますね。どんな時に仕事の面白さややりがいを感じますか。
上野:飲食業から転職した自分にとって製造業の仕事は初めてのことばかりですが、新しいことにチャレンジして、今までの自分にないスキルや知識を身につけていくのはやりがいがあります。
現在は配属先が変わり、別の現場で設計業務の担当としてCADのスキルを磨いているところです。
実は半導体の現場に入って1年半ほどたった頃、「チームリーダーにならないか」と打診を頂いたんです。
もちろん光栄なことですし、そのまま同じ現場で経験を積む選択肢もありましたが、その頃には半導体に関して一定の知識が身についたという手応えを感じていたので、また新たな分野や業務に挑戦してみたいと思い始めていました。
そんな時に現在参画しているプロジェクトを知り、以前から興味があった設計を担当できると聞いて、ぜひ自分もこの現場に入りたいと手を挙げました。
「今はリーダーになるより、技術者として幅を広げたい」という私の意向を会社も理解してくれて、希望通りの配属が叶いました。
――今後の目標を教えてください。
上野:今はとにかく色々な技術を習得して、エンジニアとして将来の武器になるものを増やしたいという思いが強いですね。
だからこそ様々な業界や業務を経験できるワールドインテックでの働き方は私に合っていますし、自分が思い描くキャリアを実現するにはとても良い会社に入ったと感じています。
これからもっと自分の武器を磨いて、業界・業種を問わずどんな現場でも貢献できるエンジニアになる。それが今の目標です。
取材・文/塚田有香 写真/ワールドインテック提供 編集/玉城智子(編集部)
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