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プロンプトエンジニアとは?注目の仕事内容から必要スキル、目指す方法まで詳しく解説

IT用語集

ChatGPTをはじめとするジェネレーティブAI(生成AI)の登場から注目を集めている、プロンプトエンジニアという職業をご存知でしょうか?

プロンプトエンジニアとは、AIが高品質なコンテンツを生み出せるように指示を出すエンジニアのこと。需要が高まっていますが、まだ新しい職業のためまだ具体的なイメージがわかないという方も多いかもしれません。

この記事では、プロンプトエンジニアとはどのような職業なのか、具体的な仕事内容から必要なスキルなどを詳しく解説します。

※この記事は2023年9月4日に公開し、2024年10月に内容を更新しております

プロンプトエンジニアとは

プロンプトエンジニアとは、AIから最適な答えを引き出すために、メッセージやコマンドなどを使用して指示を出すエンジニアのことです。AIに対する調教師のような役割を担います。

一躍トレンドとなったChatGPTなどのAIサービスは、人間のリクエストに応じてテキストや画像などのコンテンツを生成することができます。しかし、時にはAIから想定外の答えが返ってきたり、イメージが伝わらなかったりする場合があります。これは、AIにリクエストを送るプロンプトが適切ではないためです。

AIが生成するコンテンツに対しても、高い正確性が求められるようになってきています。こうした背景から、適切なプロンプトを設計して目的のコンテンツを生成するプロンプトエンジニアという職業が登場しました。

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そもそもプロンプトとは

プロンプトとは、コンピュータやAIに対してユーザーが入力する命令や指示のことです。たとえばChatGPTなら、ユーザーがテキストボックスに入力する質問や指示などがプロンプトに該当します。ChatGPTはこのプロンプトを分析し、回答を生成しているのです。

つまり、プロンプトによってAIの生成するコンテンツや実行するタスクの内容は左右されます。人間が意図する回答を得られるように、最適なプロンプトを開発するのがプロンプトエンジニアの仕事です。

プロンプトの要素は、下記とされています。

要素 詳細
Instruction(指示) 生成AIに実行させたい特定のタスク、または指示
Context(文脈) 生成AIの出力精度を高めるための追加情報や、考慮すべき背景
Input Data(入力) 生成AIに回答させたい質問
Output Indicator(出力形式) 生成AIからの出力形式

※参照:Prompt Engineering Guide「プロンプトの要素」

プロンプトエンジニアが注目される理由

ここ数年でAI技術は大きく進化し、さまざまなツールやサービスが登場しています。企業でもAIを活用する機会が急増している一方で、AIを扱う人材は不足しているのが現状です。特にChatGPTなどの生成AIで業務の効率化や新たな価値の創出を狙う企業は多く、AI人材の中でもこれらを実現するプロンプトエンジニアの市場価値が高まり注目を集めています。

また、プロンプトエンジニアの需要は日本だけでなく世界中で高まっています。アメリカのニュースメディアBloombergで、「プロンプトエンジニアの職に就けば年収33万5000ドル(約4500万円)も夢ではない」と報じられたことでも話題になりました。

出典:年俸4500万円の求人も、「AI訓練士」需要急増-ChatGPTブームで – Bloomberg

プロンプトエンジニアが活躍できるシーン

プロンプトエンジニアはさまざまなコンテンツ制作や業務改善が必要なシーンで活躍できます。AIに的確な指示を出すことで、具体的に次のような業務を高い品質を保ちながらスムーズに実行することが可能です。

・自社製品の紹介文
・イメージ画像の制作
・メールの文面の作成
・データ分析・予測
・ソフトウェア開発のサポート

これらはほんの一部で、シーンに合わせたプロンプトを作成することで、あらゆるコンテンツを思い通りに生み出せます。また、定型業務の効率化も期待できるため今後さらに活躍の場は広がるでしょう。

プロンプトエンジニア

プロンプトエンジニアの仕事内容

続いて、プロンプトエンジニアの具体的な仕事内容について見ていきましょう。

プロンプトの設計・開発

プロンプトエンジニアは、目的のコンテンツ生成やタスク実行のために最適なプロンプトの設計・開発を行います。AIに的確な指示を出すことにより、回答の精度を高めることが可能です。効果的なプロンプト作成には以下のようなポイントがあります。

・解決したい問題を明確に定義し、正確なクエリを指定する
・具体的で理解しやすい表現を使用する
・なるべく多くの例文を与える
・トラブルが発生した際の対応を指定する

AIモデルの分析

AIサービスやAIツールはそれぞれ目的の機能を実現するためのAIモデル(数学的なモデルやアルゴリズム)が搭載されています。たとえばChatGPTには、大量のテキストデータを使ってトレーニングされた大規模言語モデル「GPTシリーズ」が使用されています。

プロンプトエンジニアは、プロンプトの精度を向上させるためにこのAIモデルを分析することも重要な仕事です。あらゆるプロンプトを用いてテストを行い、客観的なデータを収集してAIモデルの傾向やパターンを把握します。

プロンプトの改善

プロンプトは一度開発したら終わりではありません。コンテンツの生成結果を検証し、評価を行い改善することで精度を高めることもプロンプトエンジニアの仕事です。AIモデルの分析結果などをもとに、よりパフォーマンスの高いプロンプトへと継続的に改良します。

また、ユーザー満足度向上のために実際のユーザーにヒアリングを行い、フィードバックを参考にプロンプトを最適化することも重要です。

プロンプトエンジニアに必要なスキル

プロンプトエンジニアとして業務を行うには、次のようなスキルが求められます。

AIの知識

プロンプトエンジニアはAIに指示を出してタスクを実行するため、AIについての基本知識は必要不可欠です。AIがどのように学習を行い回答を導き出すのか、仕組みを理解しておきましょう。また、どのような種類のAIモデルが存在するのか、それぞれの得意分野と苦手分野などを把握しておくと業務に役立ちます。

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自然言語処理(NLP)の知識

自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)とは、人間が日常的に使っている言語(自然言語)をコンピュータで処理・分析する技術のことです。AIが回答を生成する際にも使われます。

自然言語処理の基礎知識を習得することで、コンピュータが自然言語を理解する仕組みを理解でき、スムーズで効果的なプロンプトの作成に活かせます。

プログラミングスキル

プロンプトエンジニアはプロンプトを作成することがメインの業務ですが、基本的にはプログラミングスキルも求められます。特にAI開発でよく用いられるプログラミング言語のPythonは、AIフレームワークの利用や自然言語処理の実装、データ分析などで活用されます。

また、AIは指示を受けてコードを生成したり、人が作成したプログラムのエラーを発見したりすることも可能です。そのため、プロンプトエンジニアにプログラミングの知識があれば、AIと対話しながらプログラムを開発・テストすることもできます。

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言語化スキル・文章スキル

プロンプトエンジニアは、AIに的確に指示を出すために思考やアイデアを正確に言語化するスキルが必要です。また、AIが理解しやすいようにテキストを組み立てる文章力も求められます。日頃から読書をしたり、論理的に考えて言語化したりなど、伝える力を高められるよう意識しましょう。

英語力

最近では日本語に特化したAIモデルも登場していますが、AIモデルの多くは英語を中心に学習しています。そのため、英語でプロンプトを作成した方がAIが参照する情報量が多く、より正確な回答を期待できます。プロンプトエンジニアに英語力があれば、より高品質なコンテンツを生成しやすいため市場価値が上がるでしょう。

創造力

より良いプロンプトを開発するには、まったく新しいアイデアや発想の転換が求められます。そのため、プロンプトエンジニアには柔軟な創造力が必要です。固定観念にとらわれずさまざまな人の価値観や情報を取り入れ、広い視野で物事を考える力が求められます。

プロンプトエンジニア

プロンプトエンジニアになる方法

では、プロンプトエンジニアを目指すには何から始めたら良いのでしょうか。ここでは、プロンプトエンジニアになるための具体的な方法について解説します。

プロンプトを開発してみる

まずはChatGPTなどのAIツールを使用して、実際にプロンプトを開発してみましょう。さまざまなプロンプトを作成して指示を出し、回答を確認することでプロンプトを使いこなすイメージを掴みやすくなります。ツールは1つだけでなくさまざまな種類を使用してみて、それぞれの特徴を理解することもおすすめです。

自然言語処理・プログラミングスキルを習得する

プロンプトエンジニアに必要な自然言語処理の知識やプログラミングスキルを習得します。書籍や学習サイトなどで独学したり、スクールに通ったりなど、自分に合った方法で基本的な知識を身につけるのがおすすめです。

プロンプトエンジニアに関連する資格を取得する

プロンプトエンジニアに資格は必須ではありませんが、関連する資格を取得することで体系的に知識を習得できるほか、転職時には効果的なアピール材料となる場合もあります。

具体的には、Pythonエンジニアとしての基礎力が問われるPython 3 エンジニア認定基礎試験や、ディープラーニングの基礎知識が問われるG検定、AIエンジニアとしてのスキルが問われるE資格などがおすすめです。

ポートフォリオを作成する

プロンプトエンジニアに限らず、エンジニアの転職では実績や経験が重視されます。基本的な知識やスキルを習得したら、自身で開発したプロンプトや、成果物などをまとめたポートフォリオを作成しましょう。

エンジニアの転職でポートフォリオはどう書けばいい? 作成のメリットや効果的な作り方のポイントを解説! https://type.jp/et/feature/19836/
エンジニアの転職でポートフォリオはどう書けばいい? 作成のメリットや効果的な作り方のポイントを解説!

プロンプトエンジニアの求人に応募する

ポートフォリオを用意できたら、プロンプトエンジニアの求人情報を探し、応募します。プロンプトエンジニアはまだ新しく認知度が高くないため、求人数は少ないかもしれません。ITエンジニアやAIエンジニアとして募集されている場合もあるため、範囲を広げて探してみることもおすすめです。

プロンプトエンジニア

プロンプトエンジニアの将来性

AI技術の発展はまだまだ収束することなく、さらに拡大していくことが予想されます。これに伴いAIを扱うプロンプトエンジニアの需要は一層高まり、市場価値は増すでしょう。高年収も期待でき、将来性は非常に高いと言えます。

しかし、IT技術やトレンドの移り変わりは非常に激しいです。最先端のスキルを習得しても、あっという間に時代遅れになってしまう可能性があります。そのため、プロンプトエンジニアとして長く活躍するには、常に新しい情報や技術をキャッチアップし、アップデートし続けることが重要です。

プロンプトエンジニアのキャリアパス

プロンプトエンジニアは魅力的な職業ですが、その経験を生かして別のキャリアへステップアップすることも可能です。具体的には、プロンプトエンジニアとして習得したAIの知識を活かして、AIを使ったシステム開発を手がけるAIエンジニアなどが挙げられます。

また、データ分析の経験を活かし、ビジネスへ応用するデータアナリストや、高精度なデータ分析モデルを構築するデータサイエンティストを目指すこともキャリアパスの選択肢となるでしょう。

まとめ:プロンプトエンジニアはたくさんの可能性を持つ注目の職業

プロンプトエンジニアは、AIに対して指示を出すプロンプトを開発し、良質なコンテンツを生成したりタスクをこなしたりする新しい職業です。AI技術が発展しさまざまなサービスが登場している近年、非常に需要が高まり注目を集めています。

現在はまだ認知度は高くありませんが、今後さらに市場価値は高まっていくでしょう。あらゆる可能性を秘めたプロンプトエンジニアを目指すには、この記事で紹介した必要なスキルを一つずつ習得していくのがおすすめです。

文/江副杏菜 編集/エンジニアtype編集部

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