エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! さまざまな領域で活躍するエンジニアやCTO、テクノロジーに関わる人々へのインタビューを通じて、エンジニアとして成長していくための秘訣を探っていきます。
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「行き当たりばったり」のキャリアでも道を踏み外さないためには?【カケハシ椎葉光行×ばんくし/聴くエンジニアtype Vol.46】
エンジニアとして、どんなキャリアを歩んでいこうか。どんな道を選ぼうか……ーー
そんな自問自答に悩む人は、きっと少なくないだろう。今回は、その問いをカケハシのフルスタックエンジニア・椎葉光行(Mitsuyuki.Shiiba)さんにぶつけてみた。
【ゲスト】
株式会社カケハシ フルスタックエンジニア
椎葉光行(Mitsuyuki.Shiiba)さん(@bufferings)
大学時代のアルバイトをきっかけにエンジニアとしてのキャリアをスタート。大手ECサービスの開発リード、組織サポート、CI/CDサービス開発のIndividual Contributorとして従事。2023年4月にカケハシに入社し、現在はフルスタックエンジニアとして新サービスの開発に従事している。 著書に『Jestではじめるテスト入門』(共著・PEAKS)
【MC】
エムスリー株式会社 VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish)
Sansan株式会社、Yahoo! JAPAN、エムスリー株式会社の機械学習エンジニア、チームリーダーの経験を経てCADDiにジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメント、MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2023年5月よりエムスリー株式会社3代目VPoEに就任。業務の傍ら、趣味開発チームBolder’sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナ等の活動を行っている
人や組織の流れを読めば自然と「しんどくない道」が見えてくる
ばんくし:前回はエンジニアリング・組織・プロダクトの話を聞きましたが、椎葉さんって「人」についてもいろいろな側面から捉えていますよね。
椎葉:僕のモチベーションとして、常に「楽をしたい」というのがあって。一緒に仕事をする人が能動的に動いてくれた方が自分も楽なので、「その人の気持ちが前向きになるようにするにはどうしたらいいんだろう」ということはすごく考えています。
ばんくし:良いものを、小さい工数で作るために人の気持ちを大切にしているということですね。
椎葉:そうですね。加えて、同じ結果を出すならしんどい道よりもしんどくない道を選んだ方がいいじゃないですか。自分が何かをすることでチームやメンバーがしんどくない道を選べるなら、そうしたいなと思っています。
ばんくし:「結果を出すこと」と「楽さ」って対立構造になりがちですけど、人の気持ちや組織の流れを良い方向に持って行くことで成立させているのですね。
椎葉:はい。「このプロジェクトを進めようとするなら、あっちのチームのプロジェクトは止めないといけないな」とか「あのチームとあのチームに先に交渉しておこう」とか、そういうことを自然にするようになりました。これはマネジメントをやって良かったことの一つですね。ずっとエンジニアのチームで仕事をしていたら、たぶんそうはなっていなかったと思うので。
ばんくし:先ほど「道」というワードを使っていましたが、「自分の目指す道がよく分からない」人って多いと思うんです。椎葉さんには自分の目指したい方向性みたいなものはありますか?
椎葉:「自分でコードを書いて良いものを作りたい」だけですね。すごいプログラマーになりたいとか、お金を稼ぎたいとか、そういう気持ちはあまりなくて。自分が書いたコードで誰かに喜んでもらえたらいいなという気持ちだけ。
というのも、いろいろなことをやるには時間が足りないなと思っていて。きっと自分はどんな道を選んでも楽しく過ごせるとは思うんですけど、だからといって全部の道を選ぶのは難しいじゃないですか。
僕が今一番やりたいのはソフトウェアエンジニアとして手を動かすこと。だからそれ以外の道は他の人に任せればいいかな、と思っています。
ばんくし:椎葉さんはやりたいことを見つけて、そこに向かって進んでいく能力がすごく高いんですね。やりたいことや道を見つけるコツはありますか?
椎葉:僕の人生は行き当たりばったりだったんです。とにかく目の前のことを楽しんでみて、面白そうだと思ったらもっと進むし、何となく違うと思ったらそれは来世に任せて今世では違うことをやる。気分で選んでいるので、今ここにいるのはたまたまかなと思います。一歩間違えると、崖から転がり落ちていた人生もあったような気もしますし。若い方には全然参考にならないかな(笑)
ばんくし:行き当たりばったりでも、崖から転げ落ちないテクニックが知りたいです。
椎葉:運が良いというのもありますが、目の前のものを楽しむことで自分を成長させてきたというのはあると思います。
マネージャーの話がきたときも、「自分のやりたいことじゃないからやりません」ではなく、一歩踏み込んだことで組織運営の視点が身に付いた。そんな風に目の前のこと一つ一つを全力で取り組むというのは、僕が気を付けてきたことですね。
ばんくし:「置かれた場所で咲く」ということですね。確かにその通りだと思います。目の前のことにしっかり向き合わないと、結局その後もそれがわだかまりとして残りますし、結果として別の分野でも成長できないことにつながったり……。私も思い当たる節があります。
次回も椎葉光行さんをお迎えし、お話を伺います。お楽しみに!
文/赤池沙希
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