『Udemy』は、世界中の人がオンラインで学び、教えることができる学習プラットフォームです。プログラミングやAI、デザイン、ビジネスなど、さまざまなジャンルのスキルを習得することができます。
Udemyを最大限に活用するには、基本的な使い方を理解し、適切なコースを選択することが重要です。この記事では、Udemyの概要から専門家による評価やおすすめコース、料金構成まで詳しく解説します。
【記事の監修者】
シリコンバレ―エンジニア 酒井 潤さん(@sakaijun)
北陸先端科学技術大学院大学、情報科学専攻修士。2004年NTTドコモ入社、05年に米国ハワイで起業。その後複数社での勤務を経験し、12年には米国本社Splunk, Incで株式上場を経験。ソフトウエアエンジニアとして活動し現在に至る。Udemyのプログラミング講師としても絶大な人気を誇り、受講者数18万人以上。同志社大学在学時にはサッカー大学日本代表に選出され、2001年の東アジア競技大会で金メダルを取得。プロのオファーを受けるが、膝の靭帯断裂による怪我のため断念。著書「シリコンバレー発 スキルの掛け算で年収が増える 複業の思考法」(PHP研究所 )他多数
【1】Udemyとは
2009年にアメリカでサービス提供が開始された世界最大規模の動画学習プラットフォームです。米・Udemy社は、アメリカや日本をはじめ、世界中の「学びたい人」と「教えたい人」をオンラインでつなぐ事業モデルをグローバルに展開しています。
【1-1】世界最大級のオンライン学習プラットフォーム
Udemyは世界で6,200万人以上のユーザーがおり、そのうち日本のユーザーは130万人以上になります。公開されているコース数は21万本以上にのぼり、世界最大級の規模です。
また学習できるジャンルはプログラミング、データサイエンス、AI、マーケティング、デザイン、Excel、写真、音楽など、ビジネスから趣味に関するテーマまで幅広く扱われています。
Udemyは、学びたい人と教えたい人をつなぐ、業界をリードするグローバルマーケットプレイスです。世界中の非常に優秀な講師の授業を、どこからでも受けることができます。
Udemy 公式
【1-2】Udemyの主な機能と特徴
Udemyはスキルやノウハウを教えたい人がコースの動画をアップロードし、学びたい人が好きなコースを購入して学べるシステムです。
Udemyではコースごとにカリキュラムに沿ってコンテンツが提供されます。講義動画だけでなく、クイズや実践的な演習など、インタラクティブなコンテンツも多く含まれています。プラットフォーム上で直接講師に質問することも可能です。
コンテンツは基本的に買い切り型のため、一度購入したコースは時間や費用を気にせずに、自分のペースで繰り返し学習できることも大きな特徴です。
酒井さん
UdemyにはQ&A(質疑応答)ダッシュボードというものがあり、受講しているコースの講師に直接質問できます。また、他の受講生からの講師への質問も掲示板形式で表示されているので、その内容を通してより理解度を高めることもできます!
【1-3】Udemyの利用者層と利用目的
Udemyの利用者は新たなスキルを身につけたい社会人や学生、キャリアチェンジを目指す人、趣味や興味を深めたい人などさまざまです。Udemyでの学習を通じてスキルを向上させ、キャリアアップや転職に成功した人も多くいます。
またオンラインで手軽に学習できることから、忙しい社会人でも学習を継続しやすいことが特徴です。技術革新やビジネスモデルの変化スピードが増していくにつれ、リスキリングの重要性が高まっていることもUdemyの利用人気を後押しする要因となっています。
【2】使用するメリット・デメリット
次に、Udemyを使用するメリットとデメリットについてそれぞれ詳しく解説します。
【2-1】《メリット》多様な学習オプションがある
20万以上のオンラインコースの中から、自分の興味や必要に応じてさまざまなコースを選べます。またそれぞれのコースは、初心者向けや上級者向けなどレベル別に各種用意されているため、自分に最適なものを見つけられるでしょう。
【2-2】《メリット》コストパフォーマンスに優れている
Udemyのコースは、高品質ながらも比較的低コストで提供されています。買い切り型で繰り返し学習できることもポイントで、従来のスクール型の学習に比べてコストパフォーマンスに優れています。
頻繁に行われるセールを利用することで、さらにお得にコースを購入することもできます。
詳しいセール情報は、Udemy公式X(@UdemyJapan)などでチェックできます!
酒井さん
個人的には、いつでもどこでも好きな時に学べること、繰り返し見返せることが最大のメリットだと感じています!スピード調整もできますので、自分のペースでじっくり学習を進められることも嬉しいポイントです。
【2-3】《デメリット》コースの質にばらつきがある
Udemyは誰でも講師として動画をアップロードできるため、コースの質にばらつきがあります。多くのコースは非常に高品質で適切な情報を提供していますが、一部のコースは内容が薄い、または情報が古く不正確なケースも見受けられます。
そのためコースの購入前には、受講者による評価やレビューコメントをしっかりと確認することがコース選びに失敗しないコツです。
酒井さん
コースの内容は常に最新の情報へアップデートされているとは限りません。購入したコースの情報が古くなっている場合は、新しい内容へと更新してもらうように、コースを作成した講師へお願いしなければなりません。
【2-4】《デメリット》対面式学習の欠如
オンラインが基本のUdemyではメッセージ機能を使って講師に質問できるものの、対面式学習で得られるような直接的なフィードバックは望みにくいです。そのため充実したサポートを望む方には、Udemyでの学習は適していない可能性があります。
また自己学習が苦手な人にとっては、学習を続けるモチベーションの維持が難しい場合があります。
【3】Udemyはこんな人におすすめ!
ここまではUdemyの基本的な情報についてお伝えしてきました。では、一体どんな人がUdemyでの学習に向いているのでしょうか?Udemyを利用することをおすすめできる人の特徴について解説します。
【3-1】技術的・専門的なスキルを磨きたい人
プログラミング、データサイエンス、デザインなど、社会的に需要の高い技術や専門知識を学びたい人や強化したい人に最適です。
Udemyには最新の技術トレンドに対応したコースが豊富に用意されており、初心者から上級者まで自分のレベルやニーズに合わせて学習できます。実践的な演習などを通じて、理論だけでなく実際に市場で求められるスキルを身につけられるでしょう。
【3-2】全く異なる業種・職種への転職を目指す人
現在の職種から全く異なる分野への転職を考えている人にとって、Udemyは新たなスキルを習得するための強力なツールです。
例えばソフトウエアエンジニアがデータサイエンスに興味を持った場合や、販売員がデジタルマーケターに転向したい場合など、Udemyにはそれぞれの分野の基礎から応用までをカバーするコースが提供されています。
【3-3】趣味や個人的な関心事を深掘りしたい人
ビジネスだけでなく、趣味や個人的な関心事に関して、より深い知識や技術を身につけたい人にもUdemyはおすすめです。写真撮影や音楽制作、健康・フィットネス、料理といった分野のコースも充実しており、趣味をさらに楽しむためのアイデアや技術を学ぶことができます。
エンジニアtype編集部
酒井さんはエンジニアに関係するもの以外にも、何か受講されているコースってありますか?
酒井さん
エンジニア系以外はあまり受講したことがないのですが、ギターやドラムなどの演奏解説、絵画の基礎を学べるコースなど、Udemyには多様なジャンルのコースが投稿されていますね。
【4】評判・口コミ
本章では、Udemyを実際に利用したユーザーの口コミをご紹介します!Xに投稿されているユーザーの口コミをまとめました。
配信コンテンツならではのコストパフォーマンスの良さや、利便性の高さを評価するコメントが多い印象でした。
コースの質にばらつきが見られることを懸念するコメントも散見されました。コースを購入する前には、ユーザーレビューをしっかり確認することが大切ですね!
【5】おすすめコース紹介
「実際にどんなコースがあるのか知りたい」という方のために、Udemyのおすすめコースをいくつかご紹介します!
酒井さん
Pythonは広く日本に普及し始めており、既に多くの企業でシステム開発に使われています。プログラミング初心者の方でも、基礎を理解することが比較的簡単な言語ですので、プログラミング学習で一番初めに習う言語としてもおすすめです!
酒井さん
主にビジネスパーソンへ向けたスライドでの説明形式が中心のコースですが、ERC20のトークンを発行したり、ERC721のNFTトークンをデプロイする手順を紹介したりもしているので、エンジニアの方にも楽しんでもらえるのではないかと思っています!
エンジニアtype編集部
ちなみに、酒井さんが現在受講しているコースってどんな内容のものですか?
酒井さん
私の仕事と直接的には関係ないのですが、個人的にフロントエンドやアプリなどにも興味があるので、ReactやAndroidなどのジャンルで評価が高い英語のコースをいくつか受講しています。
エンジニアtype編集部
どんな風に活用しているか、教えてもらってもいいですか!?
酒井さん
コードは書かずにただ早送りで見るだけですが、ある程度どんなものかを知ることができて楽しいです。実際の仕事で使用しないけれども、知っておいた方が良いなと感じるものがある方は、2倍速ぐらいでコードを追うだけでもすごく勉強になると思います!
【6】Udemyの基本的な使い方
この章では、Udemyの基本的な使い方や講師として利用する際の手続きについて解説します。
【6-1】サイトへの登録方法
Udemyを利用するには、公式サイトからアカウント登録をする必要があります。登録の手順は次の通りです。
《1》Udemy公式サイトへアクセスします。
《2》画面右上の「新規登録」をクリック。
《3》氏名・メールアドレス・パスワードを入力。
《4》「新規登録」をクリック。
【6-2】コースの購入~視聴する方法
登録が完了したらログインし、次の手順でコースを購入・視聴します。
《1》トップページに並ぶカテゴリを選択したり、キーワードで検索したりして学びたいコースを探します。
酒井さん
検索結果が多すぎる場合は、画面左側の「評価」「トピック」「言語」「レベル」などのフィルターを利用して絞り込むと便利です!
《2》気になる動画を選択し、レビューやプレビュー動画を確認して問題なければ「カートに入れる」をクリックします。
《3》カートに移動し、決済方法を入力して精算。トップページから「マイラーニング」をクリックすると、購入したコースの一覧が表示されます。
【6-3】講師としてコースを出品する際の手続き
次に、講師としてUdemyにコースを出品する際の手続きについて解説します。
《1》トップページ右上のアカウントアイコンを選択し「Udemyで教える」をクリック。
《2》「講師登録(無料)はこちら」をクリック。
《3》講師登録後、講師ビューに切り替えて「コースを作成」をクリック。必要事項を入力して、コースを作成しましょう。
【7】料金構成とプラン
ここではUdemyの料金構成とプランについて解説します。お得に利用する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【7-1】コース料金と価格設定
Udemyでは登録は無料で、購入するコースごとに料金が設定されています。コースは1,000円台から用意されており、1〜3万円程度のものが多いです。予算や目的に合わせて選択できます。
【7-2】Udemy Business
Udemy Businessは従業員のスキルアップと継続的な教育をサポートする法人向けのサービスです。20名から利用可能で、Udemyのコースのなかから厳選された8,800以上の人気コースが見放題になります。
また学習進捗の管理や学習データの抽出・加工、自社内で作成したオリジナルコースの登録など、法人専用の機能も用意されています。料金は要問い合わせとなっているので、企業での導入を検討されている方はぜひ問い合わせてみてください。
【7-3】セールと割引
Udemyでは頻繁にセールや割引キャンペーンが行われます。
定期的なセールは月に2、3回ほど開催され、ほかにも新春セールやブラックフライデーセールなど、季節やイベントのタイミングで行われるセールがあります。セール時はコースの料金が50〜90%以上オフになることもあるため、お得に購入するためにセール情報を見逃さないようにしましょう。Udemyの公式Xをフォローしておくことも、セール情報に気づきやすくなるのでおすすめです。
【8】Udemyでの学習効率を高める方法
続いては、Udemyの効果的な学習方法や、活用テクニックなどをご紹介します!
【8-1】ユーザーレビューで高評価のコースを受講する
Udemyでは、基本的に検索上位に出てくるものはユーザーからの評価が高いコースである可能性が多いです。とはいえ質の高いコースを受講するためにも、星マークの評価などをしっかりと確認しましょう。
【8-2】Udemyアプリを活用する
スマートフォン用の専用アプリを使用し、コースを事前にダウンロードしておくことで、オフラインの場所でも学習を進められます。外出先や電車内などのちょっとした隙間時間を有効活用しましょう。
Udemy Businessは、iOSとAndroidの両方で利用できます。
メモ:
●Udemy Businessアプリは専用のアプリであり、Udemy BusinessアカウントにUdemy.comモバイルアプリからアクセスすることはできません。
●Udemy Business Androidモバイルアプリは、ChromebookやChrome OSデバイスには対応していません。
●現在、Leadership Academyを通じたコホート学習には、Udemy Businessモバイルアプリからはアクセスできません。
Udemy 公式
酒井さん
私はお風呂に入りながらスマホで受講するのが好きですね(笑)
【8-3】メモ機能を使って復習効率をUP
動画の再生中にメモを残せるのもUdemyのいいところ。後で見返したい箇所や、すぐに理解できなかったポイントなどをメモしておくと、メモを書いた部分のタイムスタンプから動画をスムーズに再生できます。
【9】Udemyについてよくある質問
最後に、Udemyについてよくある質問と回答をまとめました。より詳細なQ&AはUdemy公式のよくある質問からご確認ください。
※本記事の情報は2024年2月時点の内容に基づきます
※出典:Udemy公式
(監修)酒井 潤 (文)江副杏菜 (構成・編集)エンジニアtype編集部
▼酒井 潤氏 書籍『シリコンバレー一流プログラマーが教える Pythonプロフェッショナル大全』(KADOKAWA)
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