知的作業のほとんどは2026年の頭までにはほぼAIに置き換わるでしょう。
「考える仕事」の量が圧倒的に減り、AIが作業をするために必要な条件を整える「環境構築」が主な人間の仕事になるはずです。
もう一つ、人間に残されるのは「とげ作り」ですね。文章でも何でも、人が「面白い」と思うものには少しとがった部分、つまり論理的な飛躍の要素が含まれています。
ところが、AIはそれを考えるのが苦手です。基本的に学習データで出来ているので、「もっと面白くして」「もっと興味深くして」といった指示に答えるのはあまりうまくありません。したがって人間らしい「とげ」を生み出すことは、まだしばらくは人間の仕事であり続けると思います。
2024年も残り2カ月の今、振り返り&キャリアプラン作成時に読みたい【10月記事ランキング】
年末の足音が少しずつ聞こえてくる2024年10月。年の瀬に近づくにつれ、「今年やり残したことはないか」「来年こそキャリアの転機となる1年にできないか」と考え出す人も増えるだろう。
そんな10月、エンジニアtypeで人気を集めた編集記事をランキング形式でご紹介。自身の仕事ぶりを見直したり、キャリアプランを立てたりする際のおともにいかがだろうか。
目次
【1位】落合陽一「2026年にはほとんどの知的作業がAIに置き換わる」人間に残される仕事は“とげ作り”
アーティスト、科学者、大学教員、 経営者……いくつもの顔を持ち、デジタルと自然の融合で日本社会のアップデートを目指す落合陽一さんに、未来予想とこれからの時代を牽引するリーダーたちに求められるスキルやマインドを語ってもらった本記事が、2024年10月の1位となった。
生成AIの急速な進化は私たちの仕事や働き方にどのような影響を与えるのか。そして、近い未来にどんな変化が訪れるのか。落合さんの見解をぜひご一読いただきたい。
【2位】採用されない中高年の現実とは? 40代50代プログラマーが「年齢の壁」を突破する秘策
複数企業の採用・組織・制度づくりに関わる“流しのEM”久松 剛さんによる人気連載が2位にランクイン。今回のテーマは「『年齢』の壁と、その突破法」だ。
「30代も半ばを過ぎると、体力的にも精神的にもツラくなる」という、いわゆる「プログラマー35歳定年説」が一般的だった一昔前。「働き方改革」の波がIT業界全体を覆い尽くした今日においては、この説を耳にする機会は急速に減った。
では、プログラマーにとって「年齢」は、さしたる障害ではなくなったのか?
三顧の礼で迎えられるほどの実績も名声もない40代、50代はどうでしょう。年を経るごとに転職が難しくなる傾向は否めません。
特に厳しいのは、リーダーやマネジャー経験がないまま年を重ねてしまった中高年プログラマーです。
「生涯現役プログラマー」を名乗る人のなかには、組織の後ろ盾がなくとも会社員以上に稼げる人はもちろん大勢います。
事実、巷にはフリーランスに仕事を斡旋するエージェントはたくさんありますし、「手を動かせる人」を必要とする企業は引きも切りません。
であれば「転職が難しいなら、独立して起業するか、フリーランスになればいいのでは?」と、思うかもしれません。
しかし、安定したサラリーマン生活に区切りをつけ、起業やフリーランスに踏み切れる人ばかりではありません。特に転職経験がなく一つの会社に長く勤め続けた方であればなおさらです。
ひとたび会社を離れれば、定期的な収入の保証はなくなるわけですから「まだ何年も残っている住宅ローンを返しながら、子どもたちを大学にやるための学費を稼げるのか」と家族に問われ、確信を持って説得できる人はそう多くないはずです。
【3位】“最強PMO”が指摘する、会社で評価されない人が陥りがちな認識のズレ
3位は、「キャリアアップをしたいエンジニアはPMOという選択肢もアリ」と著書『DX時代の最強PMOになる方法』で伝える甲州潤さんによる連載。
仕事を覚え、次第に多くの仕事を任されてくると気になってくるのが「評価」だ。しかし、「会社の人間に評価されない限り評価は上がらない」というのもまた事実。では、会社で評価されるためにどうすればいいか? PMO的な視点で解説していく。
「会社からの評価」をもらいたければ、お客さんの要望をうのみにすることが答えではありません。会社も、クライアントも「双方が納得できる答えを探す」こと、そしてそれを実現することが求められていたのです。
評価されないのには必ず理由があります。その理由を理解し、改善していく。それが、「本当の評価」につながっていくのです。
【4位】中島聡「未知の開発言語の勉強を、楽しめるかどうか」Windows 95の父が考える、エンジニア向きの資質とは
続いては、『Windows 95』の生みの親である中島 聡さんが、「エンジニアに必要な素養」について語った記事をご紹介。中島さんに話を聞いていくと、「心から夢中になれる」からこその”強さ”が浮かび上がってきた。
そもそもエンジニアに向いている人というのは、数学の応用問題を解くのが楽しくて仕方がないような人だと思っています。周りと比べて知識量が多いとか少ないとかは大したことじゃない。知識は必要に応じて身に付ければそれで良い。大切なのは「新しい知識を素早く身に付ける力」です。
そしてそのプロセスそのものを「楽しむ」姿勢が何よりも重要だと、僕は思う。もし、そのプロセスが「苦行」と感じるようならば、残念ながらあなたはエンジニアの仕事に向いていません。
エンジニアを職業にしていれば、時には無謀なスケジュールに振り回されることもあるし、嫌な上司や顧客に無理難題を突きつけられることもある。自分が得意ではないことをやらされることだってあるかもしれない。
ただ本当にその仕事が好きなら「つらい、辞めたい」と思うよりも先に、「どうやって困難を乗り越えるか」と考えるものです。
【5位】コードを書かない管理職にはなりたくない、生涯プログラマー希望者のバイブル
最後は、業界の第一線で活躍する著名エンジニアたちが選んだ本について語る連載「プロフェッショナルたちの読書感想文」より、『プロを目指す人のためのRuby入門』(技術評論社)の著者、株式会社ソニックガーデンのプログラマー・伊藤淳一さん。
伊藤さんが「この業界でエンジニアとして生き残っていきたいと考えていた新人時代に、大事な指針を教えてくれた一冊」と語る、『MY JOB WENT TO INDIA』(オーム社)だ。
それまで私が読んできた技術書といえば、もっぱらプログラミング言語の文法やオブジェクト指向プログラミングの技法を解説するような本ばかりでした。しかし、この本はそういったジャンルの本ではありません。「開発者として、この先どう生き残っていくべきか」を論じた本です。この本を見つけたときの私の気持ちは「何これ? こんな本見たことないぞ!? でも、めちゃくちゃ面白そう!」でした。
家に帰ってさっそく読んでみると、本書は期待通りの、いや、期待を大きく上回る面白さでした。そして単に面白いだけでなく、当時はまだぺーぺーの新人だった私がこれからITエンジニアとしてどう歩んでいくべきか、その指針を教えてくれました。本書に出会っていなければ、私のキャリアは「どこにでもいる名も無きエンジニアのひとり」で終わっていたかもしれません。
伊藤さんは「自分がこれからどういうキャリアを歩んでいくべきか迷っている人」や「コードを書くのは好きだしずっと続けたいけど、このまま日々の仕事を続けているとそのうちコードを書かない(書けない)管理職に回されてしまうんじゃないかと漠然とした不安を抱えている人」にこそお勧めの本だと語る。
記事内では書籍の内容にも触れているので、まずは伊藤さんのコメントとあわせてご覧いただきたい。
編集/エンジニアtype編集部
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