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「地方創生は大企業が成すべき使命」専門組織を持つNTTデータ東北が挑む、地方DX最前線

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少子高齢化による人手不足や、地域経済の縮小。さまざまな課題が顕在化する地方において、地方創生の切り札として注目が集まるものーーそれがDXだ。

2000年代に入ってから誕生した概念にもかかわらず、急速に認知を拡大し、企業が競争力を高める上で必須の施策となっている。

地方創生というテーマにおいても期待されるDXだが、思うように進まない地方が多いのもまた事実。地方DXを推進する上で、何が障壁となっているのか。その壁を打ち破るには、どんな解決策があり得るのか。

デジタル技術を活用して地方創生や地元企業のビジネス変革をサポートするNTTデータ東北の専門組織・DXOの相場 映希さんと佐々木 光宏さんが、地方DXを取り巻く課題とその解決に向けた道筋を解説する。

NTTデータ東北 DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス)の相場さんと佐々木さん

NTTデータ東北
DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス) 部長
相場 映希さん(写真右)

2007年、NTTデータ東北に新卒で入社。Iotや防災・減災ソリューションの商品開発などに携わった後、NTTデータ本社に出向し総務省や消防庁のCRを担当。帰任後は自治体CRやコンサルティング営業に携わりながら、要介護認定支援AIサービス『Aitice』の商品開発をリード。23年4月より現職

DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス)
地方創生・CX変革担当 担当部長
佐々木 光宏さん(写真左)

2003年、NTTドコモ入社。米国留学や本社販売部で代理店戦略部門の事業計画策定に携わった後、宮城県仙台市で起業。経営コンサルティングや教育事業を手掛ける。事業売却後、地場企業の建設会社や人材派遣会社で経営に携わり、24年にNTTデータ東北に入社。24年5月より現職

地方DXを阻む「デジタルリテラシー」と「投資対効果」の壁

業種・業界や組織の規模を問わず、あらゆる企業や公共団体において推進が求められているDXだが、大都市圏と地方を比較すると、その進捗には差があるのが現状だ。

東北地方についても「まだまだ道半ばというのが実感」と相場さんは話す。

「国内全体で見ればDXやAI関連の市場は急拡大していますが、NTTデータグループの売上を見ても、シェアの大半は首都圏や東名阪が占めています。そもそも新たなテクノロジーの利活用については、東京でトレンドになってから2年ほど経ってようやく東北で動き出すこともしばしば。どうしてもタイムラグが生じます。

特に中小企業の場合、まだペーパーレス化や基幹系システム刷新も進んでいないケースがあり、DX以前の“IT化”の段階にあることも少なくありません」(相場)

地方DXが進みにくい要因は何なのか。そこには、地方特有の事情が障壁としてそびえ立っている。一つ目が、デジタルリテラシーの問題だ。

「DX推進には業務改革やCX変革が伴います。経営者はもちろんのこと、導入した技術やツールを実際に使う現場の方たちのリテラシーを高めなければ変革に取り組む機運は醸成されませんが、まだ十分とは言い難いのが現状です。

またデジタルリテラシーは意思決定のスピードにも影響します。先ほど話したタイムラグが生じるのも、東京の動きを見た企業や自治体が意思決定するまでに2年かかるためです。

もともと東北の地域性として、新しいものに対して真っ先に手を挙げるのではなく、しばらく様子を見て『これなら大丈夫そうだ』と一定の信頼性が得られてから動く傾向があります。そのため、他地域と比べてもDXのハードルが高くなりやすいのです」(相場)

NTTデータ東北 DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス)の相場さん

意思決定に時間がかかる理由は、個人のリテラシーの問題だけではない。少子高齢化に伴う人手不足や市場の縮小といったマクロ要因も大きく影響している。

これらは日本全体が直面する課題ではあるものの、他地域よりも高齢化率が高く、「課題先進地域」と呼ばれる東北地方では、状況はより深刻だと佐々木さんは指摘する。

「東北は少子高齢化が進行している地域なので、マーケットがシュリンクするスピードも他地域より速い。そこへ人材不足が重なり、多くの中小企業は現業を維持するのに精一杯で、新しいことにチャレンジする余力はないのが実情です。

特に規模の小さい会社にとって、DXへの投資を決断するのは勇気が要ります。私は東北の地場企業で経営に携わった経験がありますが、中小企業では、基幹系システム刷新やデジタル投資の投資対効果を予測できないという実情があると思っています。

今はエンジニアの人件費が上がっていることもあり、むしろデジタルへの投資が大きな負担になるのではないかと不安を抱く経営者が多く、それが意思決定を躊躇する要因となっています」(佐々木)

発展途上のデジタルリテラシーと、投資対効果の不透明さ。地方特有の難しさが東北のDX推進にはつきまとう。

しかし、都市部以上に少子高齢化や人材不足が加速する地方だからこそ、テクノロジーの力を活用して効率化や生産性向上を図らなければ、地域課題解決や地方創生の実現はあり得ないのも事実だ。

DXへの挑戦意欲を醸成する「仲間づくり」という仕掛け

立ちはだかる障壁を打ち破り、地方DXを前へ進めるには何が必要か。「それには経営者や現場の方たちの意識を変え、変革に取り組む意識を地域全体で醸成していく他ない」と相場さんは話す。

そのための施策として、今注目を集めているのが「ローカル・ゼブラ企業」を中心に地域の包括的成長を促すエコシステムの形成だ。

中小企業庁の定義によると、ローカル・ゼブラ企業とは「事業を通じて地域課題解決を図り、社会的インパクトを創出しながら、収益を確保する企業」を指す。もともとは米国で提唱された概念で、社会課題解決と経済成長の両立を白黒模様になぞらえ、群れで行動するシマウマに例えて命名された。

「この施策で重要なのは、個々の企業や組織が単独で行動するのではなく、“群れをつくる”という点。経営者が一人で意思決定するのが難しいなら、地域の関係者と連携して仲間を増やし、『みんなで挑戦すればできる』と勇気を持てる環境をつくることで壁を突破できます」(佐々木)

NTTデータ東北が目指すこれからの企業のあり方

出典:中小企業庁 地域課題解決事業推進に向けた基本指針2024年3月より抜粋(一部NTTデータ東北にて加工)

NTTデータ東北もローカル・ゼブラ企業群の一員として、地元企業や自治体、教育機関、スタートアップなどと共創しながら、社会課題解決やDX人財の育成への貢献を目指している。その取り組みをリードするのが、デジタル技術の活用によって企業のビジネス変革や地方創生を支援する専門組織DXOだ。

DXOは2018年に設立された全社横断型の組織で、AIやデータ活用、クラウド、新規事業創発支援など、多様な技術や手法を用いて東北のDXを後押ししている。

例えばベンチャーキャピタルと連携し、日本全国のスタートアップと東北の企業をマッチングしてイノベーション創出につなげたり、地場大学・地場企業・NTTデータ東北の三者が組んで新規事業のアクセラレーションプログラムを検討中だ。また東京のスタートアップが運営する官民共創プラットフォームを活用し、東北の自治体と共に事業を創出する取り組みも進めている。

さらに東北は農林水産業の従事者が多く、かつ人手不足が顕著な業種だ。このことから、一次産業のバリューチェーン上にいる企業とNTTデータ東北が連携し、新たな事業機会の創出に取り組む計画もある。

NTTデータ東北 DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス)の佐々木さん

「一次産業は事業単体でマネタイズするのが特に難しい業界なので、NTTデータ東北がハブになり、生産・流通・加工・消費を含むバリューチェーン全体で事業機会を探索したい

例えば東北には、土産物として全国的に有名な菓子や水産加工品が多数あります。こうした地域で目立つ地場企業と共にDXやAIに取り組み、小さくてもいいのでクイックウィンで成功事例を作れば、われわれの取り組みへの注目度も高まり、他の企業や組織にDX推進の機運が波及する効果が期待できます」(佐々木)

地方DXは体力のある大企業が取り組むべき使命

地方DXの支援やコンサルティングを手がける企業は多数存在するだろう。だが、産官学を含めた幅広い関係者や地域内外のステークホルダーを巻き込みながら、地方全体の成長につながるエコシステムの形成をリードできる存在は限られる。NTTデータ東北のDXOがその役割を果たせるのは、同社ならではの強みがあるからだ。

「NTTデータグループは世界50カ国の拠点で約19万人が働くグローバルカンパニーです。DXOもその一員として、グループが持つ先進的な技術事例や豊富なノウハウを活用できる。これは他社にはない大きな優位性といえるでしょう。

また、NTTデータ東北は、常に地域のお客さまへの貢献を第一に考えてきた会社です。私たちならではの技術や知見を活かし、難しい課題やトラブルにも責任を持って対処することで、地域社会から信頼を獲得してきた実績も強みだと自負しています」(相場)

そもそも地域課題解決や地方創生といった取り組みは、すぐに売上や利益に直結するわけではない。従来は国や自治体などの公共セクターが担ってきた領域であり、一般の民間企業からは「儲からない領域」とみなされてきたテーマだ。だからこそNTTデータ東北が取り組む意義があると佐々木さんは語る。

「地方創生のためのDX推進は、目先の利益にとらわれなくても事業を回していけるだけの体力がある会社でなければ手が出せない領域です。だからこそ、NTTデータグループのような大企業がチャレンジすべきであり、地方DXの推進は私たちの使命だと考えています。

さらにはグループの中で課題先進地域に深く根ざしたNTTデータ東北が動くことで、東北の実情を踏まえたフレキシブルできめ細やかな対応が可能です。

私たちが目指すローカル・ゼブラ企業のあり方として、NTTデータ本体や大企業、国などを『親ゼブラ』、NTTデータ東北、地場中堅企業、地方銀行、地方自治体などを『兄ゼブラ』、地場中小企業、ベンチャー企業、NPO、個人事業主などを『子ゼブラ』と位置付けています。中間にいる兄ゼブラが親ゼブラと協力しながら、地域内外のステークホルダーと子ゼブラをつなぎ、子ゼブラが大きく育つよう支援していく。そんな世界観の構築を目指しています」(佐々木)

NTTデータ東北 DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス)の佐々木さん

地域密着型のテクノロジー企業として、地元が抱える課題解決に取り組んできたDXO。設立から7年が経ち、すでに大きな成果がいくつも生まれている。その一つが全国初の要介護認定支援AIサービス『Aitice』の開発だ。

これは行政が行う要介護認定業務において、最も手間と時間がかかる認定調査票の確認作業を人間に代わってAIが行い、作業効率化と職員の業務負担軽減を実現するサービス。開発が始まったきっかけは、福島県郡山市から相談を受けたことだった。

「高齢化が進む中、要介護認定の申請件数は増加していますが、行政職員も人手不足が進んでいる。申請から認定まで原則30日以内で処理するよう法令で定められていますが、実際は大幅な遅れが生じているのが実情とのことでした。

課題があることは分かったものの、どうすれば解決できるか見当もつかない。そこでお客さまと共に現場に入り、さまざまな調査や情報共有を行いながら業務への理解を深め、課題の解像度を上げていきました」(相場)

その結果、業務フローの中で認定調査票の確認作業がボトルネックになっていることを突き止め、人間が目視で行っていた記入内容のチェックをAIが代替し、整合性が取れているかを判定するシステムを構築。前例の無い新しいサービスをいちから作り上げた。

ローンチ後は郡山市以外の市町村にも導入され、ある自治体では、それまで要介護認定の処理に1件あたり平均45日かかっていたのが、約10日も短縮されるなど業務効率は劇的に改善。これも地域に密着したNTTデータ東北だから成し得たDX事例といえるだろう。

他にもDXOでは、自治体向けの災害情報報告サービス『Disarepo』、地域資料や行政文書を登録・共有できるデジタルアーカイブ『ANEGE』などを自社開発。また信用金庫向けソリューション『Cconnector』、電力小売事業業務システム『ECONO-CREA』など、金融業界や各種法人を対象とした独自サービスも提供している。

地域課題が「自分ごと」になるからこそ、情熱を持てる

大都市圏で働くエンジニアでも、DX案件に携わることはできる。だが相場さんは言う。「地方で取り組むからこそのやりがいがある」と。

NTTデータ東北 DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス)の相場さん

「エンジニア自身も地方に暮らす一員として、地域課題を自分ごととして捉えられる。だから解決できた時は大きな達成感が得られます。

先ほどの要介護認定支援AIサービスも、都道府県別の高齢化率で上位を占める東北に拠点を置くDXOだからこそ、他社が目を向けない介護分野の業務改善に取り組み、それまで誰も手をつけなかった課題を解決できました。

地域課題とダイレクトに向き合い、お客さまに貢献できたときのやりがいは非常に大きいと私自身も実感しています」(相場)

相場さんの話に、佐々木さんもうなずく。

「個人的には、DXを通じて地域を活性化し、東北という魅力ある地域を未来へつないで行きたいという思いがあります。私は海外経験もありますが、東北ほど人生を豊かにしてくれる土地はないと思っているんです。東北には美しい自然があり、海の幸や山の幸が豊富。おまけにお米もうまいですからね(笑)

愛着を持てる場所で働きながら、デジタルやAIを用いてイノベーションを起こし、地域をさらに発展させていける。そこに楽しさを感じています」(佐々木)

今後もDXOは地方創生やCX変革の取り組みを推進し、社会的インパクトの大きい事例の創出を目指す。

「DXは『こうすれば正解』という答えがない世界。その専門部署であるDXOに一員になれば、自分のやりたいことを通して社会貢献につながる仕事にチャレンジできますよ」と微笑む相場さん。

地域の課題に最前線で向き合い、東北地方のDXを牽引するリーダー役として、DXOの存在感はますます高まっていきそうだ。

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NTTデータ東北 DXO(デジタルトランスフォーメーションオフィス)の相場さんと佐々木さん

取材・文/塚田有香 撮影/竹井俊晴 編集/秋元 祐香里(編集部)

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