事情通・久松剛がいち早く考察
最近HOTな「あの話」の実態〝流しのEM〟として、複数企業の採用・組織・制度づくりに関わる久松 剛さんが、エンジニアの採用やキャリア、働き方に関するHOTなトピックスについて、独自の考察をもとに解説。仕事観やキャリア観のアップデートにつながるヒントをお届けしていきます!
事情通・久松剛がいち早く考察
最近HOTな「あの話」の実態〝流しのEM〟として、複数企業の採用・組織・制度づくりに関わる久松 剛さんが、エンジニアの採用やキャリア、働き方に関するHOTなトピックスについて、独自の考察をもとに解説。仕事観やキャリア観のアップデートにつながるヒントをお届けしていきます!
かつては「スキルさえあれば食える」と言われた時代もありました。
しかし今は、AIがコードを書き、ツールが業務を最適化する。スキルだけでは差がつかない時代に入っています。
にもかかわらず、私が日々、複数の企業でエンジニア採用や組織づくりに関わる中で感じるのは、「言われたことだけをやるエンジニア」がむしろ増えているという現実です。
彼らは一見、ミスもなく効率的に仕事をこなしているように見えますが、変化の速い現場では最もリスクの高い存在になりつつあります。
なぜ、指示を待つ働き方が危険なのか?
どうすれば抜け出せるのか?
この記事では、AI時代を生き抜くための三つの力と、現場で本当に評価されるエンジニアの共通点についてお話しします。
先日、ある人事から「うちのエンジニアは向上心がないし、働かないんですよ」と嘆いていました。どういうことか詳しく聞いてみると、彼は苦笑いしながら、こんなエピソードを話してくれました。
「雑談ベースで話してくれた内容が、『今月もう1時間も残業しちゃいましたよ』なんですよ。どうしたもんかと思いました」
働き方改革が進んだ世の中とはいえ、たった1時間の残業で嘆かれてしまうとマネジャーからすれば冗談にもできません。
さらに話を聞くと、そのエンジニアは「これ以上頑張るのはタイパが悪い」と言い、今の居心地の良いポジションにとどまり続けているというのです。
マネジャーとしては「このままだと困る」のだけれど、本人に問題意識がない。結果として、誰も手を打てない――そんな状況が静かに出来上がっていたのです。
とはいえ、こうした指示待ち人間が生まれる背景には、時代そのものの変化があります。1992年の新学力観に基づいた学習指導要領が施行されて以降、個性尊重教育が広がりました。
高校教師に話を聞くと「学生を叱っても何も響かない」と嘆きます。そのまま社会人となり、教師が上司に変わってもやはり響きません。強い指導をするとパワハラ扱いされてしまうので最小限の指示に止まるケースも多く見られます。
加えてタイパ思考も問題です。契約時間外での業務遂行である残業時間は彼らに取ってはタイパの悪い働き方です。時間内にお互いに合意したタスクが完了すれば問題有りませんが、残業せずに帰ってしまうという相談も多く頂きます。
本来、何もない時間は、人が「次に何をするか」を考えるための余白です。でもその余白を失うと、行動の起点を外部に委ねる人間が増えていく。「誰かが言ってくれるまで動かない人」が、時代に量産されているのです。
私たちの世代と比べると、今の若い世代は「無料で暇を潰せる環境」が圧倒的に整っているのです。
漫画アプリは広告を見れば無料で続きを読めるし、動画も次々とおすすめが再生される。自分で考える時間や機会が、意識しない限りどんどん奪われています。そうした「自分中心の世界」が成立してしまうのが、現代の特徴なのです。
また、健康な方であっても動画すらも見ていない、究極的に何もしていない方も複数お会いすることがあります。もしかして悟っているのではないか?とも思うのですが個人的に理解するのにまだ時間が掛かりそうです。
もう一つ見逃せないのが、「低収入でもこのままでいい」と受け入れてしまうマインドセットが出来上がっていることです。この状態こそ、最も危ういポイントだと感じます。
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編集/玉城智子(編集部)
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