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【2025年版】エンジニアに注目された記事は? 記事ランキングTOP10

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2025年は、エンジニアにとって「AIとどう付き合うか」が単なる技術的興味を超え、死活問題となった年であった。AIエージェントがコードを書き、スキルの定義が変わり、働き方の前提が崩れる。そんな激動の1年の中で、エンジニアtypeで最も読まれたのはどのような記事だったのか。

エンジニアとしての「価値の本質」を問い直すインタビューから、具体的な生存戦略まで、エンジニアtype編集部が企画した記事の中から、2025年の年間PVランキング・トップ10を紹介する。

【10位】批判期から一転、万博チケット1800万枚突破へ!落合陽一が語った「本質的意義」

批判期から一転、万博チケット1800万枚突破へ!落合陽一が語った「本質的意義」 type.jp
批判期から一転、万博チケット1800万枚突破へ!落合陽一が語った「本質的意義」

2025年を語る上では外すことのできない大阪・関西万博。盛況のうちに幕を閉じた万博だが、開幕前は建設費の増加や準備の遅れ、集客への不安から「本当にやる意味があるのか」という懐疑と批判が渦巻いていた。

その当時を振り返って読んでいただきたいのが、落合陽一さんのこの記事だ。万博のテーマ事業プロデューサーを務めた落合さんは、開催前からこの一大イベントの本質を見据えていた。

万博は、背後に込められたメッセージを理解することが重要なイベントだと思います。日本人にはなかなかそれが伝わらない。そこに日本という国の貧しさが表象されている気がします。
<中略>
万博は「世界で一番面白いもの」が揃うところです。でも、「面白いもの」と言ってもそれは、ハリウッドのような分かりやすいエンターテインメントではありません。各国が「文化的に」面白いと思うものを持ってきている、とでも言ったらいいのかな。
<中略>
エンジニアリングの基本原則も「世界で一番面白いものを作ろう」ということじゃないでしょうか。そう考えて作られているものがどれだけあるかが、おそらく一番重要なこと。技術者が万博を楽しめるかどうかは、そこをどう考えるかではないですか?

【9位】「社員よりAIを守る国、アメリカ」Z世代のMLエンジニアonodelaが見た“AIの国”の働き方

「社員よりAIを守る国、アメリカ」Z世代のMLエンジニアonodelaが見た“AIの国”の働き方 type.jp
「社員よりAIを守る国、アメリカ」Z世代のMLエンジニアonodelaが見た“AIの国”の働き方

「AIが仕事を奪う」と騒がれている日本。その先の段階である「AIが人を選別する社会」がすでに始まりつつあるアメリカでフリーのMLエンジニアとして働くonodelaさんのインタビューがランクイン。

AIによる効率化が「さらなる仕事量」を呼び、成果を出せない者は容赦なくレイオフされる。「アピールしない=何もしてない人」とみなされる厳しい文化の中で、生き残るための戦略を生々しく語った。

特にGAFAMに勤務している知人に聞くと、仕事のペースについていけない人から順にリストラされていくような状況ですね。周りが残業しているなら、自分もしないとクビになる。そんな空気があります。
<中略>
アメリカは企業の倫理観や社員への配慮が、日本よりずっと弱いと感じます。日本では『会社が社員を守る』という価値観が一定あると思いますが、アメリカは違う。『AIでできるなら、人はいらない』と判断するスピードがすごく速いです。

【8位】ゆめみ突然の「原則出社」宣言に社内は猛反発? 代表の胸中と真の狙いとは

ゆめみ突然の「原則出社」宣言に社内は猛反発? 代表の胸中と真の狙いとは type.jp
ゆめみ突然の「原則出社」宣言に社内は猛反発? 代表の胸中と真の狙いとは

コロナ禍に突入するより前の2019年に「リモートワーク先端企業」を宣言していたゆめみ(現・アクセンチュア)が、今年2月に突如として放った「原則出社」の衝撃。事の真相を赤裸々に語ってもらうべく、代表取締役である片岡俊行さんに直接取材を実施した。

「これは世間に先駆け、ゆめみがいち早くAIフレンドリーな組織へと生まれ変わることの宣言でもある」と語った片岡さんの言葉を、ぜひ振り返ってみていただきたい。

われわれが「リモートワーク先端企業宣言」をした当時見据えていた2030年まで、残り5年。ここからはおそらく、リモートと出社のハイブリッドで、どういう形が最適なのかを各社が探るフェーズに入ると思います。だとしたらわれわれもまた、今まで以上にダイナミックに最適化を進める必要があります。

その際、リモートワークを所与の条件、つまり変えられないものだとしてしまうのは、ある種の思考停止。最適化を進める上での妨げになると考えたのです。

【7位】ジョブ型雇用の限界? 世界は既に「スキルベースドハイヤリング」の時代へ 『転職2.0』著者・村上 臣

ジョブ型雇用の限界? 世界は既に「スキルベースドハイヤリング」の時代へ 『転職2.0』著者・村上 臣 type.jp
ジョブ型雇用の限界? 世界は既に「スキルベースドハイヤリング」の時代へ 『転職2.0』著者・村上 臣

学歴や職歴といったノイズを排し、保有スキルを評価する「スキルベースドハイヤリング」の波が押し寄せている。この採用のグローバルスタンダードの変化を、『転職2.0』の著者であり、LinkedInやGoogleで世界の採用を見てきた村上 臣さんに解説していただいた。

なぜ世界の企業は、ジョブ型雇用の「その先」を目指すのか。そして、AIが進化し続ける時代に、本当に求められる「スキル」とは何なのか。新たな年を迎える前に読み返したい記事だ。

日本では、いまだに年功序列で年齢と共に給料が上がるという感覚が根強いですが、海外では30歳から60歳まで給料が変わらない人も珍しくありません。

アメリカをはじめとする諸外国は「給料を上げるにはポジションを上げるしかない」文化なので、ある程度のところまで行くと「私はこの仕事を極めたいので、これ以上の出世は望みません」という人が、ごく普通に存在するのです。

近年、日本でも若年層を中心にワークライフバランスを重視する人が増え、年齢に応じた出世を望まない方も見かけるようになりました。

この傾向が続けば、「同じジョブをずっとやり続ける」といった本当の意味での「ジョブ型雇用」、引いては職務遂行能力に基づく「スキルベースドハイヤリング」に近づいていくのではないでしょうか。

そうなれば、採用において年齢というファクターは、もはや意味をなさなくなります。「20代だろうが50代だろうが、この仕事ができるなら問題ない」といった形で、より本質的な評価につながりますね。

【6位】「AIで頭悪くなる人はもともと馬鹿」大塚あみが切り込む“AI万能感”の罠

「AIで頭悪くなる人はもともと馬鹿」大塚あみが切り込む“AI万能感”の罠 type.jp
「AIで頭悪くなる人はもともと馬鹿」大塚あみが切り込む“AI万能感”の罠

巷に広がる「生成AIを使えば使うほど、人は考えなくなってしまうのではないか」という不安に対して「生成AIを使うから考えなくなるんじゃなくて、もともと考えない人が生成AIを使い始めただけじゃないですか?」と一言。著書『#100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった』(日経BP刊)が話題となった大塚あみさんのインタビューだ。

大塚さんは、実体のある成果物を生み出さない「情報収集だけの状態」の危うさを指摘し、地に足のついた実績の重要性を説いた。

昔から、ネット検索したものをコピペするみたいなことは普通にありましたよね。AIになっても構造は同じですよ。生成AIの出力がまだ稚拙だから「考えてない人の浅さ」がすぐにバレやすくなったとは思います。
<中略>
そうですね。そもそも現状の生成AIよりうまく書ける人なんて、人口の10%くらいだと思います。大多数の人にとっては生成AIに書いてもらった方が、分かりやすくてちゃんとした文章になる。

もともと思考力がない人が、AIに頼って中途半端な出力で満足しているだけで、思考力の低下をAIのせいにするのは違うと思いますよ。

【5位】早期退職の嵐、予兆はどこに出る?「ネットで“自分”を公開」がパニック回避に

早期退職の嵐、予兆はどこに出る?「ネットで“自分”を公開」がパニック回避に type.jp
早期退職の嵐、予兆はどこに出る?「ネットで“自分”を公開」がパニック回避に

久松剛さんの人気連載『最近HOTな「あの話」の実態』より、2月の記事が年間ランキングにもランクインした。

この回のテーマは、リストラ時代のサバイバル術。業績不振だけでなく、働きにくい環境を作って自然退職を促す「サイレント・リストラ」の予兆を解説。今すぐ始めるべき三つの準備をアドバイスした。

待遇の悪化の背景に事業不振があるのか、それとも裏の目的があるのかを確かめる術は現場の従業員にはありません。

だとすると、現職にしがみつくことに時間を割くより、心機一転、転職してしまったほうがスッキリしそうですが、安易な退職は禁物です。

会社を辞めても思い通りの転職ができる人がいる一方、何の準備もないまま丸腰で転職市場に飛び込んでも、想像以上に長い浪人期間を過ごす羽目になったり、意に沿わない転職先を選ばざるをえない状況に陥ったりするリスクが高まるからです。

では、いつまでにどのような準備をすべきなのでしょうか。

もし、転職しようと考えていないのであれば「今がそのタイミング」です。

サイレント・リストラを察知したり、退職勧奨や指名解雇を受けてから動くよりも余裕を持って準備に臨めるからです。いざ退職勧奨を受けるとパニックになり、冷静な判断ができなくなってしまう人も沢山いますからね。

【4位】t-wadaが説く、今あえて“自分の手”でコードを書く理由「バイブコーディングは、エンジニアのためのものではない」

t-wadaが説く、今あえて“自分の手”でコードを書く理由「バイブコーディングは、エンジニアのためのものではない」 type.jp
t-wadaが説く、今あえて“自分の手”でコードを書く理由「バイブコーディングは、エンジニアのためのものではない」

「バイブコーディングをはじめとするAIの活用によって「開発生産性」が高まった結果、本来は開発規模が大きくなったり長期化したりしたときに出てくるはずの問題が、ごく短期間で発生するようになっただけ」

そう冷静に状況を分析するのは、テスト駆動開発(TDD)の第一人者・t-wadaこと和田卓人さん。バイブコーディングの熱狂は、プロフェッショナルなエンジニアにとって何を意味するのだろうか。和田さんの話から、そのヒントを探ろう。

バイブコーディングは、あくまでも「ソフトウエアエンジニア以外の人々」に対する革命です。これまで障壁となっていたコーディングという作業が、AIを用いることで簡単に突破できるようになり、ソフトウエア開発の裾野がどんどん世界中に広がっていきました。
当然、裾野が広がれば広がるほど、その頂上は高くなります。プロフェッショナルなソフトウエアに求められる品質やインパクトは、これまで以上に高くなっていくのです。私たちは、その頂上が高くなった世界でどう戦っていくのかを考えなければなりません。
バイブコーディングは、われわれソフトウエアエンジニアのためのものではなかったのです。

【3位】Ruby父 まつもとゆきひろ「出社させたがるのは、マネジャーの怠慢でしかない」

Ruby父 まつもとゆきひろ「出社させたがるのは、マネジャーの怠慢でしかない」 type.jp
Ruby父 まつもとゆきひろ「出社させたがるのは、マネジャーの怠慢でしかない」

「出社回帰」という言葉を耳にするようになって久しい。そんな中、この潮流を「ソフトウエア開発企業にとっては、明確な後退でしかない」と一刀両断するの、まつもとゆきひろさんに話を聞いた。

「自然な会話や雑談の中から、新しいアイデアが生まれる」「顔を合わせることでチームワークが高まる」との見方もある中で、なぜオフィスが「非効率な場所」になり得ると語るのだろうか。

マネジャーはメンバーを管理するのが仕事ですから、自分の目の届く範囲にメンバーがいないと不安になる。「家にいるとサボっているかもしれないけれど、オフィスにいれば働いている」と、安易に判断できるわけです。

ですが、メンバーが「働いている姿」を見て自分が安心感を得るためだけに出社を強要し、結果として会社全体の生産性を下げるのは、ほとんどの場合において正当化されません。

メンバーを出社させるための大義名分として「リモートだとイノベーションが生まれない」「対面のコミュニケーションが重要だ」と言っているだけに過ぎないのではないでしょうか。

でもそれって、怠慢ですよね。メンバーを信頼して、成果で評価する努力を放棄している。これは本当に良くないと思います。

【2位】PC画面の数は“脳の可動域”と一緒!? 澤円が語る、視界と思考の深い関係

PC画面の数は“脳の可動域”と一緒!? 澤円が語る、視界と思考の深い関係 type.jp
PC画面の数は“脳の可動域”と一緒!? 澤円が語る、視界と思考の深い関係

公開早々から大きな反響を呼んだのが、澤 円さんが「視界の設計」の重要性について解いたこの記事だ。

普段から7枚のモニターを併用している澤さん。今回の記事では、USB-Cケーブル1本で最大5画面に増設できるマルチディスプレイ『Wisee Cockpit Monitor 15.6inch』を体験しながら、「思考を止めない」ために欠かせないというモニターの重要性について解説してもらった。

視線の切り替えはできても、思考の切り替えはそう簡単ではありません。
<中略>
だからこそ、同時に目に入っていることが重要なんです。(ディスプレイが)3枚以上あると、視線を動かすだけで必要な情報を並べて把握できる。ウィンドウを切り替えることなく、頭の中で複数の思考がつながったまま流れていく。その感覚が、今の時代の情報処理には不可欠だと思います。

人間って、情報の8割以上を視覚から得ているって言われているんです。だから、視界に出しっぱなしにしておくのがかなり大事。必要な情報が“見えている”状態と、“隠れてる”状態では、思考の滑らかさがまるで違うからです。

1回の視認で得られる情報量を最大化して、“知るまでの時間”をどれだけ短くできるかが、集中の密度にも直結するんですよ。

【1位】日本のVR第一人者・GOROmanはなぜ「消滅」したのか/プライドも、サンクコストも捨てろ「健康診断」しないエンジニアは死滅する

日本のVR第一人者・GOROmanはなぜ「消滅」したのか type.jp
日本のVR第一人者・GOROmanはなぜ「消滅」したのか
プライドも、サンクコストも捨てろ「健康診断」しないエンジニアは死滅する type.jp
プライドも、サンクコストも捨てろ「健康診断」しないエンジニアは死滅する

前後編からなるこの記事まとめて紹介させていただきたい。2025年に最も注目が集まったのは、ナル先生(GOROman)こと近藤義仁さんのインタビュー記事だ。

ナル先生は、Oculus Japanの立ち上げに関わり、その後は光学レンズメーカー・HOYAからスピンアウトしたスタートアップ・ViXionのテクノロジー・エバンジェリストを務めるなど日本のVR黎明期を牽引した一人。

現在は生成AIにどっぷり浸かっている「LLM無職」であるナル先生が、LLMが発展した未来におけるエンジニアの役割や求められる資質について、自身の考えを語ってくれた。

職人気質の人はプライドがあるから、AIをバカにしがちなんですよ。さらに、サンクコストもあるから、それを途中で止められない。ずっとバカにし続けるしかない。「すごいすごい言ってるけど、こんなこともできないのかよ」って。

ただ「こんなこともできねえのかよ」が1週間でできるようになるのが、今のAI界隈なんですよね。プライドが高いと、そこに追いつこうとしない。これはかなりまずいです。

3年前のChatGPT GPT-3.5のイメージで「ハルシネーションが〜」とか言い続けていると、完全に取り残される。だから俺は毎日AI、しかも出たばっかりのツールや機能を触ってAIとの距離感を測る“技術的な健康診断”をしてる。

要は「今、どのツールが伸びてるのか」「何が使い物になるのか」を、毎日チェックしてる。いわば超高頻度のサンプリング。サンプリングレートが超高い。

ほとんどの人は年1回しか診断しないから。2年前に最後に健康診断した人と、月1で健康診断してる人、どっちが健康ですか?って話です。

2025年の年間ランキングは、技術論を超えて「AI時代の生き方」そのものを問う記事や、働き方を見つめ直すきっかけとなる記事が上位にランクインした。自分の人生やキャリアをどう構築していくか。そんなテーマに、2026年も編集部を挙げて向き合っていきたい。

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