・「ナル先生のインタビューめっちゃおもろい。やはり最新テクノロジーに対する行動派キチガイ(最高の褒め言葉)は最強」(参照)
・「これはすごいぞ.最初は知ってる話ばかりだから,そうめんをつるつる食べるみたいな感じで読んでたら,後編で,どんどん濃厚味噌ラーメンに味が変わってきて,食べたことのない味になる」(参照)
・「全く最近絡めてないけど、元GOROmanさん相変わらずやってんなぁ~って感じで面白い」(参照)
・「めちゃくちゃおもろい」 GOROmanそんなことになってたとは(参照)
・「あかん、今年一番くらいに面白すぎる!」(参照)
・直近読んだAI系のインタビュー記事で1番面白かった。一気に大ファンになってしまった…LLM無職とはまさにこの人のことや。(参照)
・「前半マジめちゃくちゃだけど、後半にかけてめちゃくちゃ本質情報だった。「立つ鳥うんこブリブリ」で5分くらいツボってました。」(参照)
・「エンジニアtypeの記事をこれだけ笑いながら読んだのは初。即サブスク登録しました」(参照)
「素材が9割を思い知った」編集担当が振り返る2025年記事ベスト5選
NEW! ITニュース
こんにちは。エンジニアtype編集長の玉城です。
2025年も残すところあと3日。
毎年恒例の「編集担当が選ぶ、今年特に印象に残った記事」を公開して、今年の仕事納めをしたいと思います。
今年は、どんな経緯でその記事を作ったのか、どんな判断や迷いがあったかなど、少しだけ裏話も交えながら振り返ります。
エンジニア読者のみなさんの仕事やスキルに直結する話ではないかもしれませんが、「こんなふうに作られていたのか」と年末年始の空き時間に気楽に読んでいただけたらうれしいです。
目次
素材が9割、を思い知ったナル先生の記事
エンジニアtypeで「2025年最も読まれた記事」でもあった、ナル先生のロングインタビュー前編・後編。
公開初日から怒涛の勢いで読まれ、Xでは感想とともにシェアしてくださる方がとても多かったのが印象的でした。
Xではこんなコメントがありました。ナル先生が周囲の人から愛されていることが分かります。
なぜこんなに多くの人に読まれたのか。
その要因は細かく挙げればいろいろありますが、
正直なところ、ほぼ9割は「ナル先生だったから」に集約されると思っています。
素材となる生の話がとにかく面白いので、あとはテーマに沿って整理し、読みやすく、読まれやすく整えていくと、面白い記事が一丁上がります。
「素材が9割」とは、たぶんこういうことなんだろうな……と、取材を通して思い知らされました。
(素材が9割、はどこかで誰かが言っていた気がするだけで出典は知りません)
“タイミング”もちょうど良かった
もちろん、そのほかの要因も雑多に絡み合っていました。
まず大きいのは、「なぜ今?」という問いに、かなり早いタイミングで答えられたこと。
ナル先生が前職を辞め、「LLM無職」を名乗り始めた直後の取材だったため、先生を知る人ほど
「なぜ辞めたのか?」
「次は何を企んでいるのか?」
が、聞きたい時期だったのではないでしょうか。
加えて、ここ数年はナル先生のキャリアそのものにフォーカスした記事がほとんど出ていなかったことも結果的に効いた気がしています。
界隈に溜まっていた「聞きたい問い」に対して、ちょうどよく答えられた。そんな形になったのかもしれません。
強い言葉が、そのまま届いたこと
もう一つは、AI時代の仕事や働き方に、多くの人がなんとなく不安を感じているタイミングだったことでしょうか。
そんな中で、
「俺は無職をゆく!」
「仕事なんかクソくらえだ」
のような強い言葉が、文章としてストレートに届いたことも大きかったと思います。これはもう、無職……いや、ナル先生だからこそ成立した表現であり、結局のところ、ここでも「ナル先生だったから」に帰結します。
ほかにも、「LLM無職」というキーワードがポツポツと聞こえ始めていた時期だったことや、写真が最高にイケてることなど、細かな要素も後押ししたのだと思います。
個人的に特に気に入っているのは、やはりサムネイルです。「1PLAY100円」と書かれたTシャツを着たナル先生が、166万円もするMac Studioを小脇に抱える非対称っぷりがいいですよね。カメラマンの桑さん、いつもありがとうございます!
慌ててブレーキ! 転職サイトとして“無職”に抗った記事
そんな記事が公開初日から爆発的に読まれていく中で、一抹の不安がよぎりました。
「LLM無職スゲー」
「俺もLLMに賭ける!」
そんな風に傾倒してしまう人も出てきそうな気配を感じつつ、
「転職サイトとして“無職”を全力で肯定していいのか?」
「いや、これは“無職を勧めている”わけではなく、一つのキャリアのあり方を提示しただけなのだよ」
と、相反する感情の間を行ったり来たり。
その結果、慌てて公開したのがこちらの記事です。
「無職」は慎重にいいいいいい!!!
と、大文字にして連呼したことで、転職サイトとして果たすべき役割は……たぶん、果たせたはずです。(ほんまかいな!)
「画面=思考」澤さんのガジェットレビュー記事
エンジニアtypeではわりとめずらしい、ガジェットレビュー系の記事も、ナル先生の記事に負けず劣らずヒットしました。
「面白いマルチディスプレイが発売されるらしい」と聞きつけ、大のガジェット好きであり、連載でもお世話になっている澤円さんにレビューしてもらったら面白いのでは、という発想から生まれた企画です。
レビューしてもらうモニターは最大5画面構成。「画面を増やすとこんな発見や感動があった!」みたいなことを話してもらおうと、メーカーさんとともに澤さんの事務所へモニターを持参して取材に向かったのですが、早々にまさかの事実が発覚します。
澤さん、普段から常時7画面ユーザーだったのです。(知るのが遅いw)
「2画面で仕事してと言われたら、僕、発狂しますよ」
そこから、「なぜ画面数が必要なのか?」をひも解いていく中で印象に残ったのが、画面数は作業効率だけでなく、思考そのものを整理するためのものという捉え方でした。
特に強く残ったのが、「AIエージェント1人分につき、一画面が必要な時代だよね」という一言。会議ツール、AIツール、業務用ツール、コミュニケーションツール……あらゆる画面を同時並行で立ち上げるのが当たり前になった今だからこそ、ものすごく腑に落ちる言葉でした。
結果的にこの記事は、エンジニアtypeで年間2位の閲覧数を記録。読まれた要因は、エンジニアに限らず、多くの人が潜在的に感じていた「画面が足りない」「思考が散らかる」という違和感に、うまく言葉を与えられたのかもしれません。
世の中の空気が、あとから追いついてきた落合陽一さん記事
掲載当時のサムネイルと記事タイトル。現在のサムネイルとタイトル、リード文(冒頭部分)は、万博が開幕し盛り上がった8月に一部修正・更新されており、公開当初の文言そのままではありません。
今や「大阪万博=大成功」というポジティブな記憶になっている方も多いと思いますが、この記事を取材したのは、まだ情報がほとんど出回っていなかった頃。
当時のニュースは、建設費の増加や準備の遅れ、集客への不安といった話題ばかりでした。
実際、関東在住の私の周りでも、
「万博?たぶん行かない」
「何が面白いの?」
「USJのほうがいい」
という声が多く、かなりの無関心ムード。
そんな空気感の中での取材でした。
3月初旬、落合さんへお送りした取材依頼書
身を粉にして、手弁当でnull2を作り上げている落合さんに「世の中では批判的な声や無関心な人も多いですが、それでも今エンジニアが万博に行く意味は?」と切り出すのは、正直かなり勇気が要りましたが、ご本人は「え?そうなんですか?」とまったく気に留めていない様子。
それどころか「そもそも万博というのはですね」と万博のイロハから丁寧に説明してくださり、ありがたい気持ちしかありませんでした。
逆風ムードの大阪万博。しかし、世界各国の英知と先端技術が集う場は本来、エンジニアにとって訪れる意義があるはず。
このまま、批判と無関心でいても良いのでしょうか?
落合陽一さん(@ochyai)に「それでも万博に行くべき理由」を聞きました。https://t.co/DIDPT217Kv#expo2025
— 『エンジニアtype』編集部 (@Etype_mag) March 31, 2025
後日、報道ステーションさんが、1年にわたって落合さんに密着取材した特集番組を放送されているのを「いいなーすごいなー」と指をくわえながら見ていたのですが、内容をみてみると「問いとしては、ほぼ同じものを聞いてるのかも?」となり、一人でニヤついたのはここだけの話です。
2026年も世の中が「Aだ」と言っていることに対して、「本当にそうなのか?」「BやCの可能性はないのか?」と立ち止まって考える視点を大切にしながら、エンジニア読者のみなさんにとって刺激や学び、ヒントになる記事を届けていきたいと思います。
「神」認定された、FF14吉田直樹さん×今井翔太さん対談
最後の印象に残るヒット記事を紹介する前に、一つ質問をさせてください。
みなさんは、誰かから
「あなたは神です」
と本気で称えられたことはありますか?
友達や社内から言われる「神すぎる~」ではなく、
お取引先など真面目な関係性からの「あなたは神だ」の方です。
手前味噌で恐縮ですが、私はあります。
それが今年1月末に公開したこちらの記事での出来事でした。
FF14の吉Pこと、吉田直樹さんとAI研究者・今井翔太さんの対談記事です。
この企画の出発点は、そもそも今井さんが筋金入りの吉Pファンだったことにあります。
以前今井さんを取材した際、FF愛の深さと、吉Pへの超絶リスペクトを知り、「それなら、いっそ対談してもらったら面白いのでは?」と思い立ち、企画しました。
取材当日は、今井さんのFF愛あふれるマシンガントークが炸裂し、吉田さんの話す割合がやや少なくなってしまったのはご愛敬。
取材テーマは「ゲーム開発にとって生成AIは驚異か、それとも希望か」でした。話の流れで今井さんがふと、こんなことを仰ってくれたのです。
「例えば、編集者の仕事も代替されない仕事ですよ。こうやって僕と吉Pを引き合わせて、記事という形でクリエイトする編集の仕事はなくならない」
その瞬間は「いやいや、私なんかのことはいいから吉田さんと話してくださいいい……!」と心の中でタジタジになったのを覚えていますが(笑)、取材後の今井さんは、憧れの吉Pと自身の研究テーマであるAIについて語り合えたことを心から喜んでいて、
「これはもう、1000万円払ってもいいくらいの価値がある。御社の仕事を1000万円分、ただでやってもいいくらい僕にとって最高の機会でした。玉城さんは神です」
と鼻息荒く、笑ってしまうくらい熱烈な感謝の言葉をギブしていただいたのです。
もちろん今井さんのキャラあっての言葉とは思いますが、その様子をみて、取材後しばらく経ってからじわじわと「たしかに、人と人を引き合わせて、新しい何かを生み出むのは編集の仕事だよな」と思うようになりました。
そしてもう一つ腑に落ちたことがありました。
私自身、人と人をつなぐことは苦手でも嫌いでもなく、好きだし得意な方かも!ということです。編集という仕事の矜持というと大げさですが、この記事をきっかけに、自分にとってのこの仕事の面白さを感じるポイントが一つ増えた気がしています。
私にとっても貴重な機会になりました。こちらこそありがとうございました、今井さん。
最近はテレビや講演に引っ張りだこで、私からの依頼なんてどこ吹く風かもしれませんが、2026年もぜひよろしくお願いいたします!1000万円分の仕事を!(笑)
おわりに 2026年に向けて
2025年、エンジニアtypeは「今この話を聞く意味があるか」「エンジニアのキャリアや仕事観に、何か一つでも問いやヒントを残せるか」を大切にしながら記事を作ってきました。
2026年もこのスタンスは変わりません。有名か無名か、肩書きがあるかどうかではなく、「この人の話は、今聞かれるべきか」を基準に、取材を重ねていきたいと思っています。
読者のみなさんからの
「このテーマを取材してほしい」
「この人の話を聞いてほしい」
という声も、両手を広げてお待ちしています。
2025年も、たくさんの取材や企画にご協力いただき、本当にありがとうございました。
2026年も、どうぞよろしくお願いいたします。
文・編集/玉城智子(編集部)
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