IT用語はアメリカ発の言葉がほとんど。でもいざ英語で書こうとすると「何と書いたらいいのか分からない……」という時もあるはず。そこで“コピペでOK”なIT英語表現を紹介!
DirectorやSEじゃ伝わらない!? 外国人に仕事内容を正しく伝える方法
4月は、多くの日本企業にとって節目の季節。異動や中途採用で入社した外国人に同僚や上司の紹介をしたり、業務内容を伝えたりする場面が増える時期だ。また、海外企業との合同プロジェクトのキックオフミーティングなどで、お互いの担当者を紹介し合う場面もあるだろう。
今回はシンガポールで働くDさんに、「担当業務を説明する際に使える表現」を教えもらった。引き継ぎ用のメモやメールを作成する際にも使えるので、ぜひ参考にしてほしい。
自分やチームメンバーを外国人に紹介する場合
in charge of 「~を担当する」
(例)He is the person in charge of sales.
(訳)彼は営業担当です。
(例)The person in charge of this matter is me.
(訳)この件についてはわたしが担当です。
「この人は◯◯の責任者です」と、少し厳格な意味合いを含ませて伝えたい場合は、in charge ofの代わりに「be responsible for~」を使うことが多いです。
(例)She is responsible for this project.
(訳)彼女はこのプロジェクトの責任者です。
【担当する業務内容を表す単語がある場合】
業務内容を示す単語がある場合は、以下の単語を使って紹介することもできます。
(例)
保守担当:maintainer
開発者:developer
プログラマー:programmer
エンジニア:engineer
(例)He is one of the developers of this application.
(訳)彼はこのアプリケーションの開発者の一人です。
既出記事にも書いた通り、「SE」だと海外では伝わらない可能性が高いので、「system administrator」、「programmer」、「application developer」、「software engineer」など、実際の業務内容に合わせた表現を使った方がよいでしょう。
【役職の場合】
役職者を紹介する場合も、役職を示す単語がある場合はそれを使います(会社によって呼び名が異なることがあります)。
(例)
社長:president(of the company) / managing director(主にイギリス英語の場合)
最高経営責任者:CEO
最高執行役員:COO
最高技術責任者:CTO
副社長:vice president
取締役・役員:director
事業部長:general manager
課長:manager
主任:chief officer/assistant manager など
(例)She is the president of our company.
(訳)彼女はわが社の社長です。
既出記事で執筆しましたが、日本のWeb業界の役職でよくある「ディレクター」は、上記の通り「役員・取締役」の意味になるので、注意しましょう。
(例)You are in charge of this job.
(訳)あなたはこの業務の担当です。
※ 参考:JobとWorkの違いについて
Jobには「職務上の義務、責務」という意味があり、つまりポジションや業務内容について示しています。workは「労働」、「働くということ」という意味合いが強いです。伝えたいニュアンスに応じて使い分けるとよいでしょう。
(例)Who is charge of this task? / Who is responsible for this task?
(訳)誰がこのタスクの担当ですか?
(例)This job is under the charge of another person.
(訳)この業務は別の人が担当しています。
上記を参考に、ぜひ自分の担当や役職、相手にお願いしたい業務内容を伝えてみてほしい。
日本でよく使う「名前+役職」の表記はあまり使わない
ちなみに、日本の場合は「◯◯課長」、「◯◯マネジャー」と役職を下につけて呼ぶことが多いが(Web業界だとこの風習が少なくなっている印象もあるが)、海外では役職名をつけて呼ぶことはほとんどない。
外国人同士は役職が上の人に対しては「Mr.」や「Ms.」をつけ、同僚の場合は呼び捨てのことが多いようだ(ちなみに、外国人の方は日本人に対しては男女問わず「~さん(san)」をつけて呼んでくれる人が多い)。
日本人としては違和感があるかもしれないが、これは習慣の違いなので仕方のないこと。英語スキルの向上だけでなく、そういう習慣の違いも体感することが、グローバルで活躍するための一歩なのかもしれない。
取材・文/大井 あゆみ(『シンガポール経済新聞』運営 Diversolutions.Ptd.Ltd代表取締役)
編集協力/岡 徳之
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