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LINEエンジニアの働き方、ホントのところを大公開!「つくることを楽しもう」

働き方

    IT業界で活躍するエンジニアたちが次々にLINEへの転身を遂げている。きっと他企業が用意できていない「エンジニアファースト」な環境や可能性が、そこには隠されているに違いない!そんな予感を胸に、エンジニアtype編集部が様々な角度からLINEを検証していく。

    様々なバックグラウンドを持つエンジニア3人に「なぜLINEに入社したか」というホンネを聞いた前回。今回は、「LINEのエンジニアって、実際どんな働き方をしているの?」という一歩踏み込んだ疑問について、2018年7月に開催された「LINEエンジニア採用の日」の様子から探ってみました。

    結果、エンジニアの働きやすさに寄り添った制度が充実しているだけでなく、その制度を活用しつつも自らの力で理想の働き方を実現しようと日々邁進するエンジニアたちのリアルな姿が見えてきました。

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    これまでも同社がテックにフォーカスしたミートアップイベントを行うことはあったものの、今回はど直球の採用イベント。イベントを企画したLINE株式会社 Developer Relationsチームの齋藤善哉氏は、実施の背景を次のように説明します。

    「まずは当社が大規模にエンジニア採用をやっているということをストレートに伝えたいというのが一番の目的です。かつ、LINEのエンジニアに興味を持ってほしい。僕自身、入社以前は海外で仕事をしてきた中で、多種多様な方と接してきましたが、、当社のエンジニアはすごく面白くて魅力的な人が多い印象です。純粋にものづくりが楽しくて仕方がない、子供みたいな大人。『やばい、魔法使いだなー!』って思うし、この会社のエンジニアが好きだから、彼らの魅力を伝えたい。そんな気持ちもあいまって今回のイベントを実施しました」(齋藤氏)

    現在のLINEのグループ全体の社員数は約6000名で、そのうちエンジニアは約1700名。今後は3000人までエンジニアの人数を増やし、“CLOSING THE DISTANCE”と銘打ち、コンテンツやエンターテインメント、フィンテックなど、生活に根ざしたあらゆるサービスの拡充を進めていく計画なんだとか。

    さて、本レポートでは「LINEでの働き方」をテーマとしたパネルディスカッションの一部を紹介します。

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    左から、
    Developer Relationsチーム/Culture Evangelist 櫛井優介氏(モデレータ)
    LINE Fukuoka開発2室/室長 新田洋平氏
    LINE開発1室/マネジャー 佐藤春旗氏
    LINE KYOTO開発室 ミラーチップアダム氏
    LINE KYOTO開発室 上野賢一氏
    人材開発チーム マネジャー/Developer Relationsチーム 薮田孝仁氏

    理想の働き方を実現したいなら、自分に合ったスタイルを見つけて

    櫛井 LINEのエンジニアは裁量労働制ですよね。どういったものか改めて教えてもらえますか?

    薮田 それぞれに理想のワークスタイルを叶えてほしいと思っているので、裁量労働制を導入しています。実際労働時間に関わらず、42時間分の残業を含み、1日9.5時間労働とみなしています。残業が42時間を超える場合は、申請を出しています。皆さんのことを信頼して行っている制度ですが、実際のところ時間管理をどうしているのかは僕も聞いてみたいですね。

    上野 僕の平均労働時間は6~7時間ですね。集中していいコードが書けるのは3時間くらいだと信じているので、意識的に労働時間を短くしようとしています。そうすると、MAXの力が出せるその3時間を無駄にできないと考えるんですよ。体調を万全にしようと思うし、どう効率化するのかも考える。

    アダム 僕は日によって違いますけど、早起きは苦手なので昼前くらいから仕事を始めます。早い日で10時くらいに出社して、帰りは18~19時かな。

    佐藤 私はだいたい10時台に会社に来て、帰りは19~20時くらい。もうちょっと遅くまでいることもありますが、用事があれば容赦なく帰りますね。

    新田 僕は朝型なので、6時に起きます。でも会社に行くのは10時ぐらい。子供と一緒に遊んだり妻ととりとめのない話をしたりしてから会社に行って、19時ぐらいに帰る感じかな。

    櫛井 このホワイト感は何なんでしょう? ちゃんと仕事しているんですかね?(笑)

    薮田 42時間を超えて残業申請するのは、東京のエンジニア約500人中10人程度ですね。佐藤さんと新田さんはマネジャーですが、部下の労働時間を把握したりもしているんでしょうか?

    佐藤 出勤と退勤時間はざっと見ていますね。最近忙しそうだなと思ったら声をかけますが、最近だと「日本語の勉強がしたいから朝早く来てやっています」っていう海外のメンバーもいます。

    新田 福岡は帰るのが皆早いので、「働き過ぎじゃない?」って声をかけることはほとんどないですね。

    櫛井 東京と福岡はリモートで一緒に仕事をする機会が多いと思うんですけど、どんな感じでやっているんですか?

    佐藤 我々のチームの開発メンバーは東京と福岡に各10人弱いて、3年間この体制でやっています。拠点をリモートでつなぐ場合は相手の空気感を感じられることが大事だと思っているので、席の横のディスプレイにLINEのビデオ通話を繋げっぱなしにしていますね。空気感を共有するツールとして活用しています。

    櫛井 みなさん出張で東京や福岡などの他拠点に行くこともあるんですよね?

    新田 月に1回くらいは行っていますね。開発室にアシスタントがいて、その人にお願いすると出張の手配をしてくれる。開発業務に集中できる環境があって助かっています。

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    エンジニアを評価するのはエンジニア。「イケてるコード」で自己アピールも可能

    櫛井 LINEには社内公募というシステムがありますよね。

    薮田 そうですね。年に1回募集をかけたい部署が採用ポジションを出します。社員は自分の上司に知られずに応募することができ、面接で受かったら異動する権利がもらえます。エンジニアから企画にいく人もいますね。あとは最近はじめたのですが、例えば「実家の福岡で親の面倒を見たいから異動したい」といった相談ができる「リロケーション窓口」ができました。

    櫛井 地方勤務だと給料が下がるケースも一般的にはありますが、LINEの場合はどうですか?

    薮田 東京でも福岡でも京都でも、場所によって給料が変わることはありません。あくまで技術レベルで給与を決めています。

    櫛井 昇給や評価のシステムはどうなっているんですか?

    薮田 半年に1回査定があって、どういう成果を出したのかを見る「P(Performance)Review」と、360度評価の「C(Co-work)Review」の2つの評価軸があります。LINEはエンジニアはエンジニアの組織、デザイナーはデザイナーの組織と、ファンクションごとに組織が分かれています。​エンジニアを評価するのはエンジニアだし、フロントエンドやデータベースなど、専門分野もいろいろ分かれているので、より専門的に評価が得られるような組織体系になっています。

    アダム 僕は「C Review」、好きですね。一緒に働いている人からフィードバックをもらえるのはすごく良い機会だと思います。コメントは匿名なので、正直な意見がもらえるから助かります。たまに誰が書いたか分かることもありますが(笑)

    新田 「あのコードが良かった」みたいな具体的なところを褒めないと意味がない部分もあるので、具体的に書けば書くほど誰が書いたか分かるんですよね。一方で僕はマネジャーなのでPレビューの評価者でもあるんですけど、フォームに評価される本人がアピールポイントを書く欄があるんですよ。そこにURLだけポンと貼っている人がいて、見てみるとイケてるコードだったりするんです。そういうところで評価ができるので、エンジニアの上司がエンジニアであることは大事だと思っています。

    佐藤 キャリア形成の仕組みとしては「レベル制度」を用意しています(下図参照)。技術的に成長しましょうということで、左側の“I”のレベルは全員にあります。一方で私や新田さんはマネジャーでもあるので、右側の“M”もある。技術力の“I”とマネジメントの“M”の双方を持っています。

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    薮田 マネジャーは、プレイヤーとしては“I5”でマネジメントは“M2”みたいな感じで、足し算になります。マネジメント、いわゆる管理職にならないと給料が上がらない会社もあると思いますが、プロフェッショナルとしてキャリアを築くコースもあるのがLINEの特徴です。

    採用基準は「好奇心があって、楽しく技術の議論ができて、自走できる人」

    櫛井 私のイメージですけど、LINE のエンジニアは大人の感覚をきちんと持っていますよね。大きい約束事を決めて、お互いそこを守ってやる。会社と社員との信頼関係が前提としてあるのを感じます。

    上野 エンジニアのカルチャーとして“TAKE OWNERSHIP”、“TRUST AND RESPECT”、“BE OPEN”というのがありますが、これが根底にあるから回っていると思います。与えられた環境そのままで仕事をするのではなく、「こうあるべきじゃない?」って思ったことをやるとか、他の人がやっている仕事に興味を持つとか、そういう姿勢があります。普段の業務でお互いのコードをチェックするサイクルの中で、だんだん信頼し合っていくっていうようなイメージですね。良いプレッシャーが常にかかっていて、良いコードを書いたら「やったぞ!」って気持ちよく周りに言える環境があります。

    櫛井 周りが見てくれている安心感があるということですね。それはエンジニアとしての能力が高い人たちが揃っている前提があるから成立するのかなと思いますけど、採用基準はどういう感じなんですか?

    薮田 採用基準は人事ではなく開発の現場に決めてもらっています。基本的にエンジニアの皆さんが選考をしているので、どういうポイントを見ているのかは僕も聞いてみたいです。

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    上野 僕が特に気にしているのは、好奇心。失敗した理由を追求したり、プログラミングコンテストで一番すごいコードは何だろうって調べたり、そういう探究心がどのくらいあるのかは見ています。

    アダム 好奇心は僕も見ています。能力はもちろんですが、一緒に働きたいと思えるかが大事ですね。

    佐藤 面接で楽しく技術的な話ができるかは気にして見ていますね。技術的な質問に興味を持って教えてくれたり、議論ができたりするのは、一緒に仕事をするときに重要かなと。

    新田 僕は3人が言ったことに加えて、LINEのカルチャーに合うかは見ています。当社は大きいタスクをまるっと渡されて、それをこなしていくみたいな仕事の進め方なんですよね。「アルバイトのサービス作ろう」くらいのざっくりしたミッションをポンと渡されるところからスタートする。​そういう時に受け身ではなく、自走できる人がすごくいいなと思います。

    理想の働き方を実現するために、エンジニアに求められることとは

    今回の参加者約100名のほとんどが転職希望者。これまでの転職活動は求人サイトやエージェントからの紹介が主流だったが、ダイレクトリクルーティングにリファラル採用、そして今回のような1社単独の採用イベントなど、転職のルートは多様化している。そのような中でより良い仕事を掴むためにはどうすればいいのか?

    「世界的にエンジニアは引く手数多で、技術力の高いエンジニアであれば、自分から探さなくても自然といい仕事のオファーは来ることも多いと思います。これはかなり個人的な考え方ですが、LINEのエンジニアはアスリート的な部分とアーティスト的な部分を持っていると思っています。エンジニアリングが純粋に好きで、勉強しないことが耐えられないくらい、エンジニアリングをやりたくてしょうがない人たちというか。ストイックでもあり、独自の感性を大切にしているような雰囲気を感じています。サイクルが激しい世界なのでスキルをブラッシュアップをすることだけでなく、 “他の人がやっていないぐらい”何かを極めたり、”他の人にない”感性を磨くことが今後エンジニアのキャリアという意味では求められていくのではないでしょうか」(齋藤氏)

    優れた技術と高い情報感度を持ったエンジニアと接点を持つことは、いまの自分に足りないスキルを見つけたり、理想の働き方をイメージしたりと、今後のキャリアを考える上でのヒントとなるはず。積極的にキャッチアップをする意識を持つことが、 “引く手数多のエンジニア”になるための第一歩となりそうだ。

    ※次回「LINEエンジニア採用の日」は2018年9月8日(土)に大阪にて開催!
     詳細はこちらでご確認ください

    >>次回特集は2018年9月上旬公開予定です!

    取材・撮影・文/天野夏海

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