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「楽しくない」「眠れない」これってうつの初期症状? エンジニアのうつ病対策は“幸せホルモン”づくりから

働き方

    こんにちは、
    管理栄養士の道江美貴子です。

    連載第3回目のテーマは、自律神経の乱れ、うつ病予防についてです。

    うつや自律神経失調症などの病気の原因は、環境によるものや遺伝によるものがありますが、生活習慣に影響されるところも大きいものです。

    「よく眠れない日が続いている」
    「何だかんだやる気が湧いてこない」
    「以前は楽しかったことが、今は全然楽しくない」

    それらは体からのSOSサイン。第一には症状がひどくなる前に病院を受診することをお勧めします。また、自分でできる予防策として生活習慣を見直してみることも一つの手です。

    私からは、食事でできるメンタルケアについてエンジニアの皆さんにお伝えしていきます。

    「幸せホルモン」は食事からつくられる

    まず、メンタルケアに重要なキーワードとして覚えておいてほしいのが、セロトニンという、脳内で働く神経伝達物質です。一説には、このセロトニンの分泌量が減ると、うつが引き起こされるとも言われています。

    では、「幸せホルモン」とも呼ばれるこのセロトニンを、食事で増やすにはどうすればいいのでしょうか。

    実はこれ、タンパク質が決め手になります。

    セロトニンをつくるための原料は、トリプトファンというアミノ酸。トリプトファンは、食事から摂ったタンパク質が体内で分解されて作られます。つまり、幸せの原材料は、タンパク質ということ。

    第一回目の記事では、筋肉をつくるためにタンパク質を取りましょうというお話をしましたが、実は、幸せを感じたい人にもタンパク質は欠かせない栄養素なんです。

    外食でもいいので、お肉や魚、大豆や乳製品などが入ったメニューを意識的に選ぶようにしてみてください。

    アボカド、ナッツ etc.
    ブレインフードを味方につけよう

    また、タンパク質のほかにも脳の働きを支えるのが、ビタミンB6やマグネシウムなどのビタミン、ミネラルを含む食品。

    特に素晴らしいのが、アボカド。「ブレインフード」と呼ぶに相応しいくらい、タンパク質、ビタミンB6、マグネシウムなどのビタミン・ミネラルがバランス良く含まれています。ハンバーガーが好きな方なんかは、是非アボカドをトッピングしてみましょう。

    また、マグネシウムを豊富に含むナッツ類も、ブレインフードの代表格です。間食やおつまみで食べるなら、スナックより断然ナッツがオススメです。ただ、食べ過ぎるとカロリー過多になるので要注意。1日、こぶし一握りくらいの量が適量です。

    フルーツでは、バナナが万能。果物の中では珍しく、セロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンが含まれています。さらに、その生成を助けるビタミンB6まで豊富。「朝バナナ」はダイエットで注目されましたが、メンタルケアの助けにもなりそうです。

    仕事上の人間関係でイライラしたり、長時間働いてストレスがたまっているエンジニアの方は、こうしたブレインフードを味方につけてみてください。

    朝の行動が夜の安眠をつくる!?

    食事改善に加えて、エンジニアの皆さんにオススメしたいのは、光の調節です。メンタルケアには質の高い睡眠が欠かせませんが、実は、朝の行動が夜の安眠につながっているという意外な事実をご存知でしょうか?

    まず、朝食を食べて日の光を浴びて体内時計がリセットすると、、脳内でセロトニンの生成がスタート。そこから14~15時間後に、メラトニンというホルモンが分泌されるようになります。メラトニンは、副交感神経を優位にし、気持ちをリラックスさせるホルモンなので、安眠を促す上では非常に重要となるのです。

    要は、朝食抜き、朝起きても光を浴びないという生活スタイルだと、夜ぐっすり眠れず、うつ病などの不調の原因になることも。ギクリとしたエンジニアの方も、多いかもしれませんね。

    朝に浴びる光は、太陽光じゃなくてもOK。蛍光灯でもいいので、強い光をあびて体内時計をリセットすること大事です。

    今は、 IoT で自動的にカーテンが開く商品なんかもヒットしているそうですね。起床時間になったらガーッとカーテンが開いて、自動的に光が部屋の中に入るようにしてみるのも面白いかもしれません。

    朝バナナを食べて光をしっかりあびて出勤。お昼はしっかり、肉や魚などタンパク質がとれる定食を。間食するならナッツを食べて、夜はサラダにアボカドを加えて……なんてことができたらメンタルケアもばっちりできそうですね。

    毎日は難しいかもしれませんが、楽しんでできるところから始めてみてください。

    次回は、「頭痛対策」についてお伝えしたいと思います。
    お楽しみに。

    プロフィール画像

    食事管理サービス『あすけん』管理栄養士
    道江 美貴子(みちえ みきこ)さん

    女子栄養大学栄養学部卒業後、フードサービス大手の(株)グリーンハウスに入社、これまで100社以上の企業で健康アドバイザーを務める。2007年、事業立ち上げに参加した『あすけん』は、栄養士のアドバイスが受けられるダイエットサポートサービスとして、280万人以上が利用する国内最大級のサービスに成長。現在、『あすけん』の事業統括責任者を務めるかたわら、テレビ・雑誌の出演や栄養監修等、幅広く活躍中。著書『なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のほか、監修書多数
    >>食事管理サービス『あすけん』

    取材・文/栗原千明(編集部) イラスト/石山好宏

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