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老舗インフラ屋が実感した、クラウドネイティブ時代にも通用する「経験と人材」とは?

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DX推進の流れを受けて、クラウド導入に乗り出す企業が増えている。そんな中、クラウド・サーバー・インフラに関する各種ソリューションを提供する企業として、顧客から確かな信頼を集めているのが、ディーネットだ。

AWSの導入・運用支援の分野では、2021年に「AWS アドバンストティアサービスパートナー」に認定。高い技術力を持つエンジニア集団による柔軟な支援体制が好評を集め、各社から引き合いの絶えない状況が続いている。

だが、今でこそクラウドサービスで成長を遂げている同社にも、かつてはホスティングサービスを中心に手掛けていた時代があった。

さらに言えば、「クラウド事業に乗り出した時期は、業界内でも一足遅かった。ただ“本格的に乗り出そう”となれば社員の切り替えと順応は案外早かった」と同社COOの谷好高さんは明かす。なぜ、円滑に主力事業をシフトできたのだろうか。

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株式会社ディーネット
COO
谷好高さん

大学卒業後、20代はフリーターとして飲食店や塾講師などさまざまな職業を経験。職業訓練校でITの知識を身に付け、パナソニック系企業のITアドバイザーを経て、コンサルティング会社の情シス部門および管理部門マネジャーを経験する。2011年にディーネット入社、2016年より現職

クラウドシフトの波に乗り遅れるも、追いつくのは早かった

—— クラウド導入・運用支援の事業に乗り出す以前、ディーネットではどんなサービスが主力事業だったのでしょうか?

クラウドが主流になるまでは、自社内でサーバーを設置(オンプレ)したり、自前のサーバーをデータセンターに導入したり、ホスティングサービスを提供する会社からサーバーをレンタルしたりしている会社がほとんどでした。

なので、当時はディーネットの主力事業も、サーバーをレンタルしたい企業にサーバーの導入から設計・構築・運用に関する技術支援を提供するホスティングサービスだったんです。

ーー世の中のクラウドシフトが始まったのはいつ頃でしたか?

『ニフティクラウド』(現ニフクラ)がサービスを開始したのが2010年、AWSの日本リージョン開設が11年ですから、その頃からですね。

ただその時、その波にはスムーズに乗れなかったんですよ。なぜなら、既存のホスティング事業が収入の柱でしたし、当時はまだクラウド移行を望まないクライアントも多かったので。

一部ではクラウドに関するサービスも提供し始めてはいたんですが、長年懇意にしていただいてるクライアントのためにも、ホスティングサービスを中心に事業を続けていこうという判断をしていました。

谷好高さん

——そこからクラウドを主力事業へシフトしたのは何がきっかけだったのでしょう?

きっかけは、当社が運用してきた関西のデータセンターの閉鎖が決まったことです。

それを受けて、クライアントのシステムを移行しなければならなくなり、クラウド導入の支援を行う案件も出てきたのです。

これを機に、事業の中心をクラウドにシフトし、長年実績を積んできたデータセンター運用とクラウドと、ハイブリットでやっていこうと決断しました。

クラウド事業、特にAWS事業に本格的に取り組むようになったのは19年くらいからで、業界内で見たら一足遅かったと思います。

ーーでも、後発ながら堅調にクラウド事業を成長させていますよね。なぜディーネットではそれが実現できたのでしょうか?

長年ホスティング事業で培ってきた経験が功を奏しました。というのも実は、クラウド化といっても、サーバーを設計・構築・運用するという意味においては基本的には同じなんです。

オンプレであれ、ホスティングであれ、クラウドであれ、必要とされるインフラの基本概念など根本的な部分では同じなんです。

例えば、導入する際に「セキュリティー対策はこうしておいた方がいい」「接続・回線まわりはこれが安全」といった知見は、長年サーバー・ネットワークの構築から運用までワンストップで提供してきた経験があるからこそ、「ここまで考えておいた方がいいよね」と先を見据えた構築を提案することができます。

特に、ここ最近はなかなかIT活用やDXに踏み切れなかった小さな企業もオンプレミスからクラウドへ移行するケースが増えてきました。

ホスティングサービス時代からサーバー・ネットワークの運用実績を積み、サーバーのマイグレーション作業もすでに何千件とこなしてきたノウハウこそが、スムーズに変化に対応できた要因でした。

「他社が手を伸ばせない」「人間しかできない」部分にも目を配る老舗の底力が強みに

——ディーネットが過去にホスティング事業で培ってきた経験が生かされているわけですね。

はい。また、インフラの設計・構築はもちろんのこと、長年「24時間365日の運用」に取り組んできた実績があることも、われわれの強みの一つです。

一口に「運用」と言っても、他社ではシステムだけで自動監視していたり、メール対応だけするということも多いんです。仮に担当者を置いていても、技術者というよりは、単に連絡応対しかできない人だったりもします。

谷好高さん

一方ディーネットでは、夜間も社内エンジニアが常駐し、トラブルへの一次対応だけでなく、原因を切り分けて再起動するまでの二次対応。いわば、クライアントの技術者に代わって24時間対応しているようなもので、クライアントからは高く評価いただいています。

——クラウドを導入してからも運用面に力を入れているんですね。

そうですね。優れた技術者たちの手で安定した運用を実現し、クライアントの事業を守る姿勢は、ホスティングサービスを主力にしていた頃から変わりません。

機械にできることは機械に任せることもありますが、人にしかできない部分は人がやる。そのバランスに気を配りながら、柔軟に対応しています。

——クラウドは、テクノロジーの進化が非常に早い分野ですよね。そこに対応していく難しさもあるのでは?

はい、ただ、ディーネットのエンジニアは学習意欲が高く、新しいものに興味を持って意欲的に学ぶ人が多くいます。そうしたエンジニアたちの存在が、クラウド事業への移行を後押ししてくれました。

実際、会社全体でAWS事業に注力するようになってまだ2~3年ですが、すでに全従業員の8割以上が何らかのAWS認定資格を取得しています。

——ディーネットでは、エンジニアが学びやすい環境なのでしょうか?

谷好高さん

そう思います。エンジニア同士のコミュニケーションが活発で、聞けば何でも気さくに教えてくれるベテランエンジニアも多数在籍していますから、先輩社員からたくさんのことを学べます。技術ブログなどもエンジニア主導で頻繁に更新しているんですよ。

また、会社としては、外部研修費、資格取得にかかる受験費やその教材費(書籍・WEBコンテンツ等)、また、有償の検証環境等を提供することで、社員の「学びたい」を支援する制度も設けていて、現場で活用されています。今後もエンジニアの「学びたい」意欲を会社として支援していきたいですね。

ビジネス視点×クラウドで、企業の成長戦略に貢献するクラウドインテグレーターへ

ーークラウド事業が主力となった現在、どのような部分に注力していますか?

単純に今あるサーバを、オンプレからクラウドへ移行するというより、今後のビジネス拡張を考慮したクラウドへの移行を、クライアントと一緒にいちから考えたり、場合によっては、クラウドネイティブな設計手法で移行の提案から運用まで幅広く手掛けたいと考えています。

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現をインフラ面から後押しすることで、クライアントの成長戦略に貢献しています。

谷好高さん

ーークラウドネイティブな時代に突入しています。そんな中、ディーネットではどんなエンジニアを育てていきたいと考えていますか?

いまわれわれに求められているのは、単にクラウドを用意するだけでなく、クラウドをどうやってビジネスに生かすかという視点です。

そのため、クラウド分野で活躍できるエンジニアの幅も広がっており、これまでにプロダクトやサービスをビジネス視点を持って作ってきたようなプログラマやシステムエンジニアから、クラウドエンジニアへのキャリアチェンジ採用なども増やしていきたいです。

——採用で重視するのはどんなポイントですか?

技術力はもちろんのこと、それ以上に大切にしたいのは好奇心や向上心、チャレンジ精神です。なぜなら、変化の激しい時代には、過去の自分のやり方に固執していると取り残されてしまうから。

私自身、就職氷河期で新卒時は上手くいかず、将来性のあるIT業界に何とか入りたくて、必死で技術を身に付けてエンジニアになりました。ただ、時代の変化とともに必要とされることを学び、管理部門のマネジャー職などを経て、今は会社全体を統括するCOOとなっています。

新しい技術が次々に登場するクラウドの世界で腕を磨きながら、自分らしいキャリアを築いていってほしいですね。

谷好高さん

>>>ディーネットの中途採用情報はこちら

取材・文/高田秀樹 撮影/赤松洋太 編集/玉城智子(編集部)

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