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注目のWeb3起業家Gaudiy石川裕也のキャリア軸「報酬や社会貢献より、夢があるかだけで選ぶ」

働き方

今、日本で最も注目されているWeb3スタートアップGaudiy。2022年8月には、シリーズB総額34億円の資金調達に成功し、目覚ましい成長を見せている。

そんなGaudiyを立ち上げたのが、同社代表取締役の石川裕也さんだ。19歳でAI企業を立ち上げた後、23歳にしてGaudiyを創業。

その他にも、毎日新聞の技術顧問や『LINE Pay』のブロックチェーン技術顧問、バンダイナムコグループが開発する『ガンダムメタバース』の技術顧問などを歴任している。

2度の起業、そして大手各社でアドバイザーを務める石川さんは「自分にはキャリア戦略のようなものは何もなくて、ただ自分がワクワクすることを仕事にしてきた」と話す。

プロフィール画像

株式会社Gaudiy 代表取締役
石川裕也さん(@yuya_gaudiy

1994年、東京生まれ。19歳でAI関連企業を創業のち売却。2017年にブロックチェーンに出会い、その翌年、Gaudiyを創業。個人ではガンダムメタバースやLINE Pay、毎日新聞などでブロックチェーン関連の技術顧問なども兼任。20年には慶大教授・坂井氏らとブロックチェーンに関する論文も発表。22年5月と8月に実施したシリーズBで総額34億円を調達

報酬や社会貢献性よりも「夢があるか」で仕事を選ぶ

——石川さんは10代でAI企業を立ち上げ、その後Gaudiyを創業されました。もともと起業家になりたかったのでしょうか?

石川:絶対に起業家になりたいと思っていたわけではなかったし、未来から逆算して今のキャリアをこういうふうにしなきゃ、と考えたこともありません。

きっと、そういうことを考える性格だったら、起業なんかせずに就職していたんじゃないかな。だって、その方が安全じゃないですか。

——では、どんな立場で何を仕事にするのかはどうやって選んできたのでしょうか?

僕の意思決定の軸はシンプルに「面白いか、面白くないか」です。

より分かりやすく言うと、「報酬がタダでも引き受けたいくらい面白いモノ・コトであるか」を仕事選びの基準にしています。

しかも、ここで言う「面白い」は、「夢がある」とか「ワクワクする」とか、そういう意味に近い。逆に、何かプロダクトを作ることで「儲けを出したい」とか、そういうことには全く興味がないんですよね。

——そして、石川さんが「夢がある」と感じたのが、AIやWeb3、メタバースの世界だったのですね。

石川:そうです。ご存じの通りWeb3やメタバースは世界的なトレンドワードで、Meta社(旧Facebook社)が参入するなど市場の動きも活発です。

慎重派の多い日本ではまだまだ“怪しげなもの”とみなす風潮もありますが、今やさまざまな大手企業がWeb3に可能性を見いだして『Gaudiy Fanlink』を活用してくださるようになりました。

石川裕也さん

『Gaudiy Fanlink』では、IPごとの課題に応じ「ファンの熱量向上を科学的に実現する」ことができる

Web3に注目されるようになった背景には、もちろん新たな経済活動の基盤になることが期待されているからだと思いますが、単純に「どんな可能性があるのか、ワクワクするから」という好奇心もある気がしています。

少なくとも僕はWeb3に夢を見ているから、もうかるのかとか、ちゃんと普及するのかみたいなことはそこまで気にしていません。

「なぜWeb3にコミットするのか?」なんて議論は必要なくて、ただ面白いからやろうよ、というスタンスです。

ちなみに、「報酬より面白さが大事」っていうのは口先だけじゃなくて、実際に僕の技術顧問報酬はものすごく安いと思います(笑)。お金とか、キャリアアップを目的に物事を決めたくないんですよね。

まあ、こんなことを言えるのは僕に守るべき家族がいないからかもしれませんが……。少なくとも現時点では、「こんなにワクワクできるなら、お金はいらないや」と思えるような仕事しかしていません。

エポックメーキングな瞬間に立ち会いたい

——さまざまな企業で技術顧問を兼任しているのも、企業や組織の垣根を超える働き方の方がワクワクするからなのでしょうか?

石川:そうです。特に、最近僕が技術顧問になった『ガンダムメタバース』にはかなり夢があると思いますね。

これは、世界中のガンダムファンが集えるメタバースコミュニティーなのですが、IPコンテンツでありながらファンによるUGC(User Generated Content、ユーザーによる制作物)を許諾し、C to Cでの売買を促進する構想もあるところが面白い。

UGCに限定するとはいえ、C to Cの取引を公式が許諾するなんて既存のIPビジネスでは考えられないことです。もし構想が実現したら、「ガンプラ職人」が一種の職業になり、それで食べていく人が出てくるかもしれない。それってすごくワクワクするじゃないですか。

そこに技術顧問としてコミットできるのは楽しいし、その中でもし、エポックメーキングな瞬間に立ち会えたらこんなにうれしいことはない。ただそれだけのシンプルな理由で、あちこちに首を突っ込んでいます。

——石川さんは以前から、ワクワクをベースに仕事や働き方を選択してきたんですか?

そうですね。きっかけをたどれば、友人たちの影響でしょうか。新しいもの好きで優秀な友人を持つと、意識せずとも「面白いな」と思える情報が入ってくるものです。

その中から自分が「これは夢があるぞ」と思う方向に突き進んでいったら、おのずとこういう人生になりました(笑)

「新しいこと」に挑戦すれば、刺激的な仲間とめぐり合える

——石川さんはどうやって、自分がワクワクすることを見つけてきたんですか?

面白い人が集まっているところに首を突っ込むことですね。探すべきは、どこか常識外れで、ともすればクレイジーだと思われるような根っからのイノベーターたちです。

なぜなら、こうした人たちは嗅覚が優れていて、本当に“流れが来る”モノやコトをいち早くキャッチして熱狂する傾向があるから。

彼ら・彼女らが今、熱狂しているコミュニティーに飛び込んでいけば、ワクワクするモノやコトに高い確率で出会えるはず。

——人から与えられる影響は大きいですよね。

ええ。さらに言えば、自分自身も友人たちに何か刺激や影響を与えられるような人であることも大事かなと思いますね。

例えば、僕の場合は、Gaudiyでチャレンジしていることが「面白いこと」に当たります。新しいことって、成功するにせよ失敗するにせよ、やれば何らかの知見は手に入るじゃないですか。

その知見に興味を持ってくれたり、必要としてくれたりする人たちにGiveできるものをGiveしていきたいなと思うんですよね。

——石川さんが面白いと思う人とは?

やっぱり、他の人があまりやっていないようなこととか、新しいことに挑戦している人とか、「その人だけがよく知っている」みたいなことがある人ですかね。

エンジニアであれば、クリプト系の言語であるSolidityやRust、ゲームエンジンであるUnreal Engine 5にいち早く飛びついたような人はイノベーター気質があって面白そうだなって感じます。

僕は常々、人間関係は「鏡」だと言っています。オシャレな人たちのまわりにオシャレな人が集まってくるように、面白い人のまわりには面白い人が集まってくる。

だからこそ、良い友人を持つためには、まず自分自身が面白い存在になって、彼ら・彼女らから選ばれる存在にならなきゃいけない。

もし、今「まわりに面白い人がいない」と感じている人がいたら、「まずは自分から変わってみよう」と伝えたいかな。

技術的なことでもいいし、自分の興味のあることでいいから、自ら手を動かして、実験して、検証して……を繰り返していれば、おのずと刺激を与えてくれるような仲間ときっとめぐり合えるだろうし、お互いに高め合えるようなコミュニティーが形成されていくはずです。

僕もまた、そういうサイクルの中に身を置くために、今後もいろいろな実験を繰り返していきたいです。キャリアのことなんて偉そうなことは何も言えないけれど、こういう生き方が自分の性に合っているんですよね。

文/夏野かおる

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