株式会社ウエディングパーク
+Creation本部 エンジニア
野村 吏璃星(りりほし)さん
ウエディングパークの新卒1年目エンジニア。7月に研修を終え、現在はSEO領域の開発を担当している
技術力をさらに伸ばすべきか、マネジメントスキルを磨くべきかーー。将来のキャリアについて考えたとき、悩むエンジニアは多いだろう。
そんな人たちに、2022年11月2日に開催された『Women Developers Summit 2022』から、株式会社ウエディングパークのチーフエンジニア3名が登壇したセッションを一部抜粋して紹介したい。
このチーフエンジニアという役割は、エンジニアのキャリアにとってどんな選択肢なのだろうか。
【ファシリテーター】
株式会社ウエディングパーク
+Creation本部 エンジニア
野村 吏璃星(りりほし)さん
ウエディングパークの新卒1年目エンジニア。7月に研修を終え、現在はSEO領域の開発を担当している
【スピーカー】
+Creation本部 チーフエンジニア
髙嶋 葵(あおい)さん
2017年、ウエディングパークに新卒入社。広告運用チームでの開発を経験した後、同社「Wedding Park DRESS」のチーフエンジニアとして開発全般を担当。WPPJという社内活性化組織のリーダーとして全社カルチャーの推進、浸透のための取り組みも行う
社長室 チーフエンジニア
永井 美波(みなみ)さん
2018年、ウエディングパークに新卒入社。「Wedding Park 海外」で開発全般を担当。20年7月のPHPバージョンアップPJを経て、21年1月からは「Ringraph」のチーフエンジニアとしてオプション新規開発やパフォーマンスチューニング、PHPバージョンアップなどサイト全体の開発を担当。テクニカルプランナーとしてクライアントに直接ヒヤリングを行い、技術を用いた付加価値の創出にも取り組んでいる
+Creation本部 エンジニアマネジャー チーフエンジニア
若宮 奈々(みーや)さん
2017年、ウエディングパークに新卒入社。クライアントとなる結婚式場が使うtoBサービスの運用開発やリニューアルを担当し、19年からは部署初となるフロントエンド推進プロジェクトを兼任し、PLも担当。20年から、チーフエンジニアとして担当サービスの開発リード、品質に責任をもつ役割も担当し、現在はエンジニアマネジャーとしてプロダクト開発だけでなく、エンジニア組織づくりにも取り組んでいる
りりほし:このセッションでは、いつも通り社内の呼び名で皆さんのことを呼ばせていただきますね。
まず、チーフエンジニアの役割について、みーやさんからご説明をお願いします。
みーや:前提として、ウエディングパークのクリエイター部門には、「クリエイターズトライアングル」という行動指針があります。
これは、「プロダクト」「チーム」「スキル」の三つのバランスを保ちながらミッションを遂行することがウエディングパークのクリエイターのあるべき姿だと定義するものです。
そして、チーフエンジニアはこの行動指針に従い、プロダクトを理解して、技術力とチームへの貢献で開発を推進する存在です。
ウエディングパークでは、2020年12月からこのチーフエンジニアという役割を設けて、プロダクト開発を行うようになりました。
りりほし:皆さんはチーフエンジニアになった時のことを覚えていますか?
あおい:はい。上司から「チーフエンジニアになってほしい」と言われた時は、率直にうれしかったです。
当時は社内のプロダクトの数やメンバーの人数はどんどん増えていった時期だったのですが、リリースまでのフローは変わっていなかったため、開発スピードが落ちている状況でした。
その点をもどかしく感じていたので、私がチーフエンジニアとして働き掛けることでその問題を解消できるのではないかと思い、わくわくしました。
みなみ:私もうれしかったですね。チーフエンジニアになるお話をいただいたのは、入社3年目のころでした。
開発を一通りできるようになってきていたので、新しいことに挑戦する機会をもらえてありがたかったし、責任をもってスキルを向上させたいと思いました。
みーや:二人と同じく、私も期待と責任の両方を感じましたね。
チーフエンジニアは担当する事業の成長、技術に責任を持つ新しい役割でしたから。
りりほし:いま、皆さんはチーフエンジニアとしてどんな業務をしているのでしょうか?具体的に教えてください。
みなみ:以前は担当する案件の開発に責任を持つのがメインでしたが、チーフエンジニアになってからは案件単位ではなくプロダクト全体にまで責任の範囲が広がりました。
さらに、開発部分に加えて技術の選定やリリース作業、レビューも含めて担当しています。
あおい:最近、担当しているサービスのロードマップ作成を行いました。
ロードマップづくりでは、技術的な視点だけでなくどうやって事業を成長させていきたいかまでビジネス視点で深く考えるので、プロダクトの全体像を理解し、外部環境のキャッチアップを行うことも必要になります。
いちエンジニアとして部分的に開発に携わっていた頃は、そこまで深くプロダクトのことを考えられていなかったので、難しさを感じることはあります。ただ、プロダクトの未来を考える作業は、わくわく感もあって楽しい。やりがいがすごく大きいですね。
りりほし:皆さんがチーフエンジニアになってから、開発にはどんな変化はありましたか?
みーや:リリースの権限をマネジャーからチーフエンジニアに移譲したり、レビューの担当をチーフエンジニアに集約したりすることで、開発やリリースのスピードが上がりましたよね。
りりほし:確かにそうですね。皆さん自身にも何か変化はありましたか?
あおい:考え方が大きく変わりました。
これまではエンジニアとしてとにかく技術を伸ばすことにフォーカスしていましたが、チーフエンジニアを経験してみて、事業を伸ばすためにはプロダクト視点もあわせて持つことが重要なんだ、と気付いて。
これまでとは比べ物にならないくらい、視野が広がったと思います。
みなみ:私も同じです。コードレビュー一つとっても、以前は「プログラムとして問題ないか」という視点がメインで、プロダクトを部分的にしか見ていませんでした。
でも、チーフエンジニアになってからは、ビジネスリスクや運用中に不都合がないかといった目線でもレビューするようになりました。物事の見方が広がったと思います。
みーや:ビジネス目線はかなり養われましたね。社内のテックリードに技術選定について相談する際も、技術そのもののメリット・デメリットだけでなくビジネス目線での良しあしを考えるようになりました。
りりほし:皆さんが今後、やりたいことや考えていることは?
みーや:いまチーフエンジニアとエンジニアマネジャーを兼務しているので、後輩の育成について考える部分が大きいです。
私自身チーフエンジニアを経験して個人の成長につながったと実感しているので、そろそろ後輩のメンバーにも挑戦してみてほしいですね。
あおい:私は「Wedding Park DRESS」というウエディングドレス選びに役立つクチコミサイトを担当しているのですが、事業の成長にしっかりコミットしていける環境にとてもやりがいを感じています。
ですから、今後もチーフエンジニアとして、ディレクターや営業のメンバーと一緒にドレス探しをもっと幸せなものにしていけるよう頑張りたいです!
みなみ:エンジニアとしてキャリアを積み上げていくと、スペシャリストになるかマネジャーになるか、という話がよく出ますよね。私も現在進行形で悩んでいるのですが……。
ただチーフエンジニアとして働いていると、技術力で貢献しつつ、プロダクト目線を持つことで事業や組織にも貢献している感覚があって。
スペシャリストかマネジャーか、という二軸で考えなくてもいいんじゃないのかなと思っています。今やれることに全力で取り組み、多方面から組織に貢献していきたいですね。
りりほし:スペシャリストかマネジャーか、という話はエンジニアによくある悩みだなと思うのですが、どちらかにこだわらず必要なことをやっていくチーフエンジニアならではの考え方、エンジニア一年目の私にもささりました……!
皆さんチーフエンジニアになったことで技術はもちろんビジネス目線も身に付けられて、その変化が組織の成長にもつながっていることがとても印象的です。
このチーフエンジニアという働き方が、世の中の組織づくりやキャリアに迷っている方の参考になればいいなと思います。
文/まゆ
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