一部のクライアントとのやり取りについては、かなりつらいと感じることがありました。
クライアントの中には、普段からこちらのメンタルを削るような言動をする人もいて、元気なときは問題なく対応できていたのですが、うつ病になってからはそれを大きな負担に感じるようになってしまいました。
これは病気になって改めて感じたことなのですが、商談とはいえ、どの企業も取引先の相手の心を削るような振る舞いはしない方がいいですよね。
当時のクライアントは、私がうつ病だったことは知らなかったはず。でも場合によっては、彼らの言動が「知らなかった」では済まされない事態を引き起こしていたかもしれません。
【2022年記事ランキング発表!】エンジニアtypeで最も読まれたインタビューTOP10は?
いよいよ本記事が2022年最後の更新。ラストは、昨日の下半期ランキングに続き、22年の年間人気記事を紹介したい。
22年1月~12月の期間中に掲載したインタビュー記事の中から、多く読まれた上位10記事を発表していこう。
目次
- 【1位】うつ病になったIT企業経営者が全マネジャーに伝えたいメンタル不調のこと
- 【2位】登大遊の安寧を求めない生き方「日本で“大義”を持って働く選択は有利」
- 【3位】一休CTO・伊藤直也「学ばないための言い訳探しは辞めた」
- 【4位】CTOを3回退任→現場エンジニアになったLIG元取締役の“最良の選択”
- 【5位】メルカリジャパン新CEO・Jeff LeBeau氏/データドリブンなプロダクト開発の先に見据える“真のグローバルテックカンパニー”とは
- 【6位】池澤あやかが30歳で脱フリーランス→人生初の会社就職を選んだ理由
- 【7位】「年収1000万」夢見たはずが一文無し帰国も。駆け出しエンジニアの海外就職、明暗を分けるものは?
- 【8位】毎日コンビニ弁当でもOK? コンビニ飯の危険な選び方・いい選び方【管理栄養士監修】
- 【9位】田中邦裕×世界的インフラ企業CTO・澤橋松王/市場価値を高める三つの条件
- 【10位】カラー・鈴木慎之介「エヴァのデータを守り抜く」
【1位】うつ病になったIT企業経営者が全マネジャーに伝えたいメンタル不調のこと
下半期ランキングに引き続き、うつ病となったことを明かし話題となったIT企業アクシア代表兼トゥモローゲート社員の米村歩さんのインタビューが22年記事ランキングの1位に輝いた。22年10月公開ながら、読者からの反響はダントツだ。
まもなく訪れる新年に、自身の、ともに働く仲間たちのメンタルヘルスと向き合うきっかけとなれば幸いだ。
【2位】登大遊の安寧を求めない生き方「日本で“大義”を持って働く選択は有利」
第2位にランクインしたのは、著名なプログラマー・登大遊さん。
自ら経営するソフトイーサの代表取締役、筑波大学産学連携准教授、IPA技術研究室長、NTT東日本特殊局員と、4足のわらじを履くプログラマー・登さん。「パフォーマンスと自身のコンディションは、基本的に常に一定」と語る登りさんのインタビューから、ブレずに高い成果を出し続けることができる理由を探った。
そもそも私にとって人生の一番の目標は、コンピュータやインターネットなどサイバー技術の分野で、日本から世界の進化に役立つ大きな成果を出すことです。
自分自身も当事者として生み出したいですし、日本中のさまざまな組織に点在している優れた方々が、世界中に広く普及するサイバー技術を生み出すことができる仕組みを実現したいと願って仕事に取り組んでいます。
日本中の大企業や役所のような組織に点在するICT人材は、その潜在的能力が極めて高い。ですから今後、日本から米国のMicrosoft、Google、AWSなどに匹敵するような、システムソフトウェアやクラウドシステムの基盤技術の、より新しいものが多数出てくる可能性も十分あるでしょう。結果として、日本は、米中に続いて、3番目の ICT 大国になるかもしれません。
そのような目的を実現するためには、一度や二度の失敗でいちいちめげていられませんし、本気でやらなければ達成が難しいからこそ、日々の小さな浮き沈みにはとらわれていられないと考えられます。
【3位】一休CTO・伊藤直也「学ばないための言い訳探しは辞めた」
16年以降、宿泊・レストラン予約サイトを運営する一休のCTOを務めている伊藤直也さんの記事が第3位に。
「長く活躍できるエンジニアになるために必要なことは?」との問い掛けに、「学習し続けること」というシンプルな答えを返した伊藤さんのインタビューには、SNSでも多くの反響が寄せられた。
年が明ければ、新年の目標を立てるエンジニアも多いだろう。ぜひその前に、伊藤さんの「学び続ける姿勢」に触れてほしい。
一番まずいのは、学習を止めてしまったにもかかわらず、過去のアナロジーで今の技術を分かった気になることです。『これは昔のあの技術と同じだね』 とか、自分で自分を欺くかのように、分かったふりをする。その慢心が日々の仕事で間違いを生み、間違った意志決定につながってしまう。
エンジニアとして長く活躍したいなら、無知な自分と常に向き合い続けるしかありません。
【4位】CTOを3回退任→現場エンジニアになったLIG元取締役の“最良の選択”
続く4位は、CTOからマネジャー、そして一般社員へと降格し続けたLIGのエンジニア・づや(高遠和也)さんのインタビュー。
22年10月にLIG卒業を発表した元会長の吉原ゴウさん(@gosan)のブログでは、づやさんについてこんな紹介がされている。
「降格」と聞くと決してポジティブには捉えづらい事態に思えるが、当の本人であるづやさんはいたって明るい。それはなぜ?
等身大に、それでいて生き生きとしたづやさんの様子がうかがえる本記事は、キャリアに行き詰まりを感じているエンジニアにとって一筋の光となるかもしれない。
実際に手を動かして、目の前の課題を解決するのはすごく好きなんですよ。
CTOとしてはどういう技術を使って、どういう会社にしていくかを考えなきゃいけないのに、社内でうまくいってないプロジェクトを見つけると、どうしてもそれを助けたくなるし、自分で手を動かしてどうにかしたくなっちゃうんですよね。
(中略)
個人的な悔しさより、組織の足を引っ張りたくないという気持ちの方が大きかったんです。自分のスキル不足で会社の成長が頭打ちになるのが一番嫌だった。だから、自分が退くことで会社の未来がもっと良くなるなら、それでいいかなっていう考えでした。
【5位】メルカリジャパン新CEO・Jeff LeBeau氏/データドリブンなプロダクト開発の先に見据える“真のグローバルテックカンパニー”とは
22年1月1日にメルカリジャパンのCEOに就任したJeff LeBeau(ジェフ・ルボー)さんのインタビューが5位にランクインした。
Jeffさんが見据えるのは「真のグローバルテックカンパニー」。世界基準の技術、組織、カルチャーを持つ企業となることを目指すと取材で明かしてくれた。
就任間もない1月に公開されたインタビューを振り返ってみよう。
メルカリはすでにある市場の『何パーセントを取りにいく』という志向ではなく、新たな市場をつくり、大きく育てることに注力している会社です。目指す目標が大きいだけに、グロース志向のある方にとって、これほどやりがいのある環境はないでしょう。
このインタビューを通して、一人でも多くのエンジニアに、これからのメルカリのことを知っていただけたらと思います。
【6位】池澤あやかが30歳で脱フリーランス→人生初の会社就職を選んだ理由
タレントやWebライターとしても活動してきたエンジニアの池澤あやかさん。人生初の会社員生活を始めることを明かした直後のインタビューが6位にランクイン。
ライフステージが変わっても自分らしい働き方を「選べる自分」でいるために、池澤さんが大切にしていることとは?
フリーランス生活8年目、30代になった当時の彼女の決断からは、23年に新たな一歩を踏み出す勇気がもらえるかもしれない。
エンジニアは経験を重ねると、技術一本でやっていくか、マネジャーになって組織を束ねていくか、という二つの道に分かれていく傾向がありますよね。
このうち前者は技術力さえ磨けば引く手あまたなので、フリーランスでいた方が稼げる場合も多いでしょう。一方で後者は、フリーランスでは経験が積みづらいキャリアパスです。
もちろん、長期的にお付き合いできるクライアントを見つけ、チャンスをもらえばマネジメント経験を積むこともできるかもしれません。ですが、自分の立場が「外部の人」だと、関われることにも限界があります。
そう考えると、少しでもマネジメントの道に進む可能性を残したいのであれば、会社の中でその経験を積むのがベストなはず。
「技術の道に進むしかない」のではなく、技術の道も、マネジメントの道も、「両方選べる」ような自分になれたらいいな、と考えました。
【7位】「年収1000万」夢見たはずが一文無し帰国も。駆け出しエンジニアの海外就職、明暗を分けるものは?
北米留学・就労エージェント「Frog」を立ち上げ、代表を務めるSennaさんのインタビューがここで登場。
海外就職を検討している若手エンジニアに向け、「渡航後に『どうなりたいか』をしっかりイメージして」と語りかけたSennaさん。
海外に渡った駆け出しエンジニアの失敗事例を交えつつ、後悔しない海外就職をかなえるヒントを教えてくれた。「23年こそ海外へ」と意気込むエンジニアは、ぜひ今のうちに一読を。
日々いろいろなご相談を受けていると、海外就職うんぬんの前に、そもそも、どんなエンジニアでありたいか、エンジニアとして何がしたいのかすらぼんやりしている人もいます。
ただ、それだとどうしても、海外渡航後に「こんなはずじゃなかった」という状況に陥ってしまいがち。
勢いで海外に行って就活に失敗して帰国するというのも、経験ですから必ずしも「失敗」とは言えないかもしれませんが、やはり、気持ちもお金も消耗するケースが多いのは事実です。
そうならないために、まずはなりたい姿、手にしたいものをしっかり決めて、そのゴールに向かって情報収集をしてみましょう。自分が理想とする姿に近い状況にいる人に話を聞いてみるのはすごく有効だと思いますよ。
【8位】毎日コンビニ弁当でもOK? コンビニ飯の危険な選び方・いい選び方【管理栄養士監修】
お次は、エンジニアに向けた簡単ヘルスハック術を、ヘルスケアアプリ『あすけん』管理栄養士の道江美貴子さんに聞く連載「『Health Hack』コトハジメ」。
「コンビニ飯」をテーマにした本記事は、身近なテーマだけに関心を寄せるエンジニアも多いのでは?
「職場の周りに飲食店が少なく、お昼はコンビニくらいしかお店がない」エリアに配属されたときに役立つ、コンビニ飯の選び方ノウハウが紹介されている。
主食の単品食いは「炭水化物オンリー」になりがちですし、空腹時に炭水化物だけを食べると食後の血糖値が急激に上がってしまいます。
血糖値が急激に上下すると、眠くなったり集中力がなくなったりしてしまい、その後の仕事のパフォーマンスにも影響が出てしまうので要注意です。
そこでオススメしたいのは、主食が炭水化物だけにならないように、野菜や肉を合わせて食べるなど、自分でおかずをプラスする方法です。
コンビニに売っている単品のゆで卵、茶碗蒸し、豆腐系の商品など、タンパク質が摂れるおかずを一つ、小さいものでもいいので加えてみると栄養バランスが変わってきます。
【9位】田中邦裕×世界的インフラ企業CTO・澤橋松王/市場価値を高める三つの条件
こちらは、ITインフラサービス企業として世界最大級の規模を誇るキンドリルジャパンのCTO・澤橋松王さんと、国内有数のクラウドコンピューティング企業であるさくらインターネットの代表取締役社長・田中邦裕さんによる対談。
ここ10数年でオンプレミスからクラウドへの移行が進み、障害対応も次々と自動化。「インフラエンジニアという職業は先細っていく」といった説を目にする機会も増えた今、変化し続ける業界で常に求められる存在でいるためには、どうすべきなのか?
キャリア戦略の参考に、二人が考える「市場価値の高いインフラエンジニア」でい続けるための条件をぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
「一定の技術力があることは前提ではありますが、ビジネスでエンジニアリングに携わる以上、どこまでいってもお客さまあってこその営みになりますよね。
お客さまの要望を汲み取り、ニーズに合った企画を提案できるエンジニアであれば、時代が変わり、メインストリームの技術が移り変わっても「ビジネスパートナー」として求められる存在でいられるのではないでしょうか」(澤橋さん)
「保守的な選択をし続ければ仕事はスムーズに進むかもしれませんが、「小さい諦め」を続けていくと、いつか後悔する時がきますからね。
もちろん、お客さまにご迷惑を掛けたり、怒られたりすることを推奨するつもりはありませんが、失敗を恐れ過ぎるのも考えもの。起こってしまったものは仕方ない、自分がなんとかするんだという姿勢で臨むことで、失敗は貴重な学びの場に変わるのです」(田中さん)
【10位】カラー・鈴木慎之介「エヴァのデータを守り抜く」
最後は、アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの制作を手掛ける株式会社カラーの鈴木慎之介さんだ。
鈴木さんは高校在学中の2000年からドワンゴへ入社し、約22年ドワンゴの技術畑や新規事業の担当として活躍。動画共有サイト『ニコニコ動画』を開発したことで知られるエンジニア。カラーに入社してからは、アナログとデジタルによるアニメ制作の両立を検討している同社の現場でDX推進に取り組んできた。
「すべては作品の成功のため、裏方に徹する」という一貫した姿勢が印象的な鈴木さんが“裏方仕事”に向かう原動力とは一体何なのだろうか?
そもそもアニメーションスタジオはクリエーター達が中心となって構成されています。情報システム部門的な立ち位置の私たちの役割はあくまでも庵野(秀明)はじめ、クリエーターたちが本来集中すべき仕事に没頭できるように整えることなので、まずはクリエーターに光があたってほしいと考えています。
そもそも、エンジニアって物事がより良い方向に進むための手段として、課題解決が好きな人間が多い職業だと思うんですよ。私自身がまさにそうで。
問題が発生したり、困っている人がいれば、『どうしたどうした?』『次の面白いことは何だ?』ってその環境に身を置きたくなる。それはドワンゴ時代から変わらない性分です、もともと好奇心旺盛なほうなので、それに拍車が掛かっているかもしれません(笑)
この1年、エンジニアtypeではインタビューや寄稿、イベントレポートなどバラエティー豊かなコンテンツを約300本掲載してきた。
まもなく訪れる23年。編集部一同より良い記事を発信できるようにまい進していくので、ぜひ引き続きエンジニアtypeをチェックしていただきたい。
文・エンジニアtype編集部
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