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新連載! 澤円が仕事がスムーズに進むコミュニケーションのヒントをエンジニアに伝授【「コミュ力おばけ」への道】

スキル

「プロジェクトの途中でトラブルがよく起こる」「自分の説明が伝わっていない気がする」そんな“技術以外”の課題の背景にあるのは、ひょっとして「コミュニケーション」の問題かもしれない。プレゼンの神・澤円が自身の経験やノウハウをもとに、仕事がスムーズに進むコミュニケーションのヒントを伝授!

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株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)

立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。武蔵野大学専任教員。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。 著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)/『「疑う」から始める。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム社)/『「やめる」という選択』(日経BP社) Voicyチャンネル:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム

連載アップデート! テーマは「エンジニアのコミュニケーション力」

皆さんこんにちは、澤です。

エンジニアtypeさんでの連載もすでに55回目!
ということで、ちょっとしたテーマのアップデートをしてみたいと思います。
ずばり「エンジニアのコミュニケーション力」です!

仕事のトラブルの多くは、コミュニケーションに起因することではないでしょうか。

この連載では、エンジニアのコミュニケーションスキルアップのためのヒントをあれこれ紹介していきたいと思います。

今回は、「エンジニアと非エンジニアはプロトコルが違う」について考えてみましょう。

多くのエンジニアの方は、非エンジニアの人にこんなことを言われたことがあるでしょう。

「ちゃちゃっと作ってくれない?」
「いい感じの見た目に仕上げておいて」
「あんまりちゃんと動かないから調べておいて」

そして、こんな反応も……

「なんでできないの?」
「もっと早く作ってよ」
「そんなに工数かからないでしょ」

……「それなら、あんた自分でやんなさいよ」って言いたくなりますよね、わかります。

エンジニアと非エンジニアの仁義なき対立は、いつの世にも発生しています。

ボクがIT業界に入った30年前(当時は情報処理業界なんて言ってましたね……)から、脈々とこの流れは続いてます。なんてこった。

唐突ですが、ITエンジニアの皆様方に起きましては、コンビニで512円のお釣りをもらうと「お、なんかキリがいいな」とか思いませんか?

あるいはホテルなどで10階の24号室の部屋にチェックインすると「1024か、1Kだな」とか思ったりしませんか?

ボクはします。そして多くのITエンジニアの方々は「分かる」と言ってくれます。

他にも「255がしっくりくる」「むしろ1023の方が」なんて議論も出てきたりするわけですが、一般的に見たらどれも「半端な数字」です。

この感覚は、非エンジニアには全く分かりません。

これをボクは「プロトコルが違う」と言っています。

プロトコル、つまりは通信規約が違うんだから、話がなかなか通じないのは自然なことです。

どうやってプロトコルを合わせればいいかを考えられるのが、一流のエンジニアになる必須条件と言ってもいいでしょう。

「え? 非エンジニアにも歩み寄って欲しいんですけど?」って思う方もいるかもしれませんね。

確かに、エンジニア側だけが歩み寄る努力をするのはフェアじゃないようにも見えます。

ただ、エンジニアの持っている知識やスキルは、一朝一夕には得られないものであることは、エンジニアである皆さんがよく分かっていることでしょう。

そして、非エンジニアの人たちの中には、一定数「ITが分からないことをバカにされるのではないか」と恐れを抱いている人が含まれています。

そして、役職や立場が上の人たちの方が、そういうタイプが含まれている割合が高いように感じています。

となると、そういう人たちを敵に回してしまうと、結構めんどうなことになる可能性が高まります。

日本という国では、未だ年功序列の傾向が強く、かつ管理職が名誉職的位置付けになっている会社が数多く存在します。

そして、名誉職的であるが故に、自分のポジションに極端にプライドを持ちがちだったりします。

そういう人たちは、「知らない」ということをなかなか言えなかったりしますし、進歩の早いITは、まさに鬼門だったりするわけです。

そんな人たちに、「テクノロジー側にプロトコルを合わせてください」と言っても、ちょっと無理があるんですよね。

非エンジニアとコミュニケーション力はキャリアプランのプラスになる

ということで、エンジニアは生存戦略として、非エンジニアの人たちのプロトコルに合わせてあげることが求められます。

そして、そのプロトコルを持つと、技術力以上にキャリアにとっては有利になったりするわけです。

これは、ボク自身が体験したことなのです。

ボクはエンジニアとしては超ポンコツでした。

1993年に文系出身でプログラマになり、全く使い物のならない状態で2年過ごしました。

このままだとまずいよな~……と思っていたら、インターネット時代が突然幕を開けてくれちゃいました。

多くの人たちが、「よく分からんけどパソコンを買おう」ってことになり、世の中にはパソコン初心者が大量に発生することになります。

そのおかげで、ボクは相対的に「コンピューターに詳しい人」というポジションを取ることができました。

ほんの2年前まで超初心者だったボクは、多くの「パソコン初心者」とプロトコルがかなり近かったので、いろんな人たちにパソコンの使い方やネットの知識を提供することができました。

これは技術力ではなくプロトコルのおかげで得られた幸運です。

技術で勝負できる人は、非エンジニアとのプロトコルの違いを気にする必要はないかもしれません。

ただ、技術力の高さだけを競い合うのは、これだけ流れの早くなってしまったITの世界においてはリスクになりかねないな、と思っています。

それなら、ちょっとでもいいので非エンジニアとコミュニケーションができるようなプロトコルを身につけておくことが、キャリアプランではプラスに働くように思います。

何せ、そのプロトコルのいいところは、めちゃくちゃたくさんの人に「ありがとう」って言ってもらえる確率が跳ね上がるんですよ

魅力的だと思いませんか?


澤円
▼澤円氏 書籍『「やめる」という選択』(日経BP)

自分に嘘をつかない、
無理はしない。
だから、可能性が広がっていく。

マイクロソフトを卒業して、
自分らしく生きる僕が大事にしていること

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