成田:自分はこのために生きている、だからこういう仕事をしている、それで何を果たしていきたいっていうのを、どういうストーリーに乗っけて語るかが「キャリア」なんじゃないかと思うんですね。
例えば、僕の場合はクックパッドという場所で、これから先もこの会社やプロダクトが世界中に影響を及ぼして、「毎日の料理を楽しくする」というミッションを成し遂げたい。 そのためにクックパッドの成長にコミットしたいし、僕がここにいたことによってそのミッションが成し遂げられましたという状態をつくりたい。これが、今の僕が働くシナリオ。
そのシナリオを完成させるためなら、その時々で、CTOやマネジャー、人事だってやる。こうじゃなきゃいけないという役割は決めず、常に柔軟でありたいとは思っています。
GWにじっくり読みたい! CTOたちの思いと仕事ぶりに刺激をもらえる記事5選【まとめ】
2023年が始まって、早いもので4カ月。今年に入ってから、エンジニアtypeではさまざまなCTOのインタビューを掲載してきた。
まだじっくり読めていないエンジニアに向けて、今年1月~4月に公開されたCTOのインタビュー記事の中から5本ピックアップしてご紹介。
業界の最前線で活躍するCTOたちが奮闘している様子や挑戦の軌跡から、刺激をもらえること間違いなしだ。
目次
【クックパッド新旧CTO 成田一生&星北斗】「見たい未来をつくる」ために今、何をすべきか
まず初めに紹介するのは、今年1月にCTOの交代が発表されたクックパッドより、旧CTO・成田一生さんと新CTO・星北斗さんのインタビュー記事だ。
新しくCTOに就任した星北斗さんは、10年からアルバイトとしてクックパッドで働き始め、13年に新卒入社。セキュリティー、インフラ領域の保守運用、英国ブリストルの拠点での海外向けサービス開発などに取り組んできた。
ここ6年間同社でCTOを務めた成田一生さんは、全ての経営・マネジメントポジションから退き、『クックパッドマート』の開発チームのいちメンバーとしてコードを書く仕事に取り組んでいくという。
CTO交代に踏み切った経緯、それぞれのキャリア選択の裏側にある思いとは? 新体制でのスタートを切る二人に話を聞いた。
【電通サイエンスジャム・イーライフ 取締役CTO 満倉靖恵】人と違うからイノベーティブな研究・開発ができる
続いてご紹介するのは「私自身が人の感情が分からな過ぎたから」と、研究・開発に取り組む理由を話してくれた電通サイエンスジャム、イーライフなどで取締役CTOを務める満倉靖恵さん。
満倉さんは、工学・医学博士として人間の脳波について研究。世界初の脳波によるリアルタイム感情認識ツール「感性アナライザ」を開発し、人の感情を可視化することで広告やマーケティング分野のビジネスに応用している。
職場で自分と違う属性や価値観の人に囲まれて肩身の狭い思いをしているエンジニアに向けて「それはそれでいい」と伝えたいと語る満倉さんの考えとは?
日本人には特有の歩調の合わせ方のようなものがあると思うのですが、私はそういった気質とは少し異なる、特殊なタイプ。ただ、無理にそういう自分を変えようとしなくてよかったな、と思います。なぜなら、研究者もエンジニアも、新しいものを生み出すのが仕事。
みんなが一緒だったら多様なアイデアは生まれないし、イノベーティブなものづくりもできない。私が感性アナライザを開発できたのは、「人と違う」ことをやめなかったからです。
【ABEMA CTO 西尾亮太】10年先も成長を続けられるエンジニアの条件
次に登場するのは、2022年に日本中が沸いた「FIFA ワールドカップ カタール 2022」の放映を支えたAbemaTVのCTOを務める西尾亮太さん。
「W杯のリアルタイム配信は『将来的にやりたい』とは思っていたけれど、技術的な難易度が非常に高く、まさかこんなに早く『ABEMA』で実現できるとは思っていませんでした」と語る西尾さんに、手掛けてきた開発組織づくりと、エンジニア育成のビジョンについて聞いた。
大前提、僕自身は「技術を使って何かを成したい人」と仕事がしたいと思っています。
「技術は手段だから目的にしちゃいけない」みたいな話ってよくあると思うんですけど、それともまたニュアンスがちょっと違って説明が難しいんですけど……。
僕がイメージしているいいエンジニアというのは、「技術を正しく手段として使うために、技術をちゃんと手に持ってる人」なんです。その上で、どうしても達成したい「何か」を持っているような。
そういう人にはすごい熱量、パワーがありますから。『ABEMA』のエンジニアたちにも「技術を正しく手段として使うために、技術をちゃんと手に持ってる人」を目指してもらいたい。
【ラブグラフ執行役員CTO 横江亮佑】予定調和を“あえて崩す”働き方
4人目に紹介するのは、出張撮影サービス『Lovegraph』を展開するラブグラフの執行役員CTO横江亮佑さんだ。
UUUMやコインチェックでエンジニアとして活躍した後、30歳でラブグラフのCTOとなった横江さんだが「もともと偉くなりたいなんて思うようなタイプの人間じゃなかったんですけどね」と語る。
そんな横江さんがなぜCTOという役職に就いたのか。その理由を紐解くと「自分が幸せじゃなかったからじゃないですかね」と意外な答えが……。
若い頃に味わった苦労や悩みが、月日を経て、エンジニアとしてキャリアを築く原動力になることもあると気付かせてくれるインタビュー記事だ。
思い返せば、高校時代に初めて自分がうつだと分かったのも『mixi』のような日記サービスに「精神的にしんどい」と書き込んでいたら、それを読んだ人から「それ、うつかもしれませんよ。一度病院に行ってみると良いですよ」と教えてもらったことがきっかけでした。
それで初めて精神科に行って薬をもらって症状が回復して。ネットや『mixi』に救われた人間が、今このネット業界で、しかもMIXIグループでエンジニアをしている。
人生って面白いですよね(笑)
【SHE CTO 村下瑛】キャリアとは、自由でカオスなもの
最後にご紹介するのは、日本最大級の女性向けキャリアスクール『SHElikes(シーライクス)』を運営するSHEでCTOを務める村下 瑛さんだ。
東京大学在学時にAIの世界にのめり込んだという村下さん。ファーストキャリアに選んだIndeedでは「およそ1億人の検索ログをもとにしたデータ活用によって、人材と企業のマッチングを最適化するミッションに心躍らせる毎日だった」というが、入社6年目で退職。
自分にとってぴったりだと感じていた職場を離れ、当時創業2年目だったSHEに転職した理由とは?
本来、人のキャリアというものはそんなにシンプルではない。
語学力もなかった私がアメリカで働くことになったように、これまでとは全く異なる新しいことに挑戦する機会が訪れたり、自分でも説明がつかないような選択をしてみたり、偶発的な出来事で広げていくものだと思うんです。
そう考えた時、私が作っているプロダクトで全ての人を幸せにしているのだろうか、という疑問が生まれました。
文・エンジニアtype編集部
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