【事例】3人のエンジニアに見る、転職満足度を高める「自分はこうしたい」視点の大切さ
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「転職したい」と思うとき、そこには何らかの理由があるはずだ。「あんな仕事がしたい」「こんな環境で働きたい」と、理由は人それぞれだが、実際に会社を選ぶとなるとその判断は案外難しい。
そこでカギとなるのが、「自分にとって何が大切か」をきちんと把握した上で、転職先を見極めること。例えば、同じ会社で充実したキャリアを築いている社員を比較してみても、その原動力や満足度の理由は一人一人異なるだろう。
今回は、エンジニア採用に注力しているアクロシステムで働く3人のキャリアにフォーカス。それぞれがこの会社を選んだ理由、そして今現在充実したワークライフを送れている理由を探った。
3人の事例から、会社を選ぶ上での自分にとって大切なものは何か考えてみよう。
【Case01:久保田さんの場合】
「やりたい仕事」ができる案件の自由度が高い会社へ
久保田 和真さんはアクロシステムに転職してすでに9年。ECサイト構築パッケージのカスタマイズを一括請負する部署に在籍し、テスター、プログラマーと順調にステップアップ。現在はPMとして複数の案件を担当している。
そんな久保田さんが転職で重視したのは「自分で仕事を選べるかどうか」。新卒で入ったSES企業ではテスト工程の担当ばかりで、仕事を選べない状況が続いていたからだ。
「学生時代からプログラムを書くのが好きだったので、『好きを仕事に』という気持ちでこの業界に入りました。
ですが、実際に働き始めてみると担当業務はテスト工程中心。プログラミングがしたい、エンジニアとして成長したいという希望を伝えても、なかなか状況が変わらなくて……。
その上、アサインされる案件は炎上しているケースが多く、自分自身が消耗していくような感覚がありました。そこで、やっぱり自分が『やりたい』と思える仕事がしたいと思い直したんです」
自分がやりたいと思える仕事……すなわち「プログラムが書きたい」一心で、転職活動を始めた久保田さん。そんな中、アクロシステムの代表である齋藤晃央さんと出会い、同社について知った。
「それまではSES企業でテスト工程のためだけにアサインされるケースが多かったのですが、アクロシステムの場合は一括請負がメイン。プログラムを書くチャンスが多そうだと感じたことに加え、部署間の異動も柔軟にでき、案件の希望が出しやすそうな印象を晃央さんの話から受けました。
ある程度自分で仕事を選べそうな部分が決め手になり、アクロシステムへの応募を決めました」
その後無事入社となった久保田さんは、希望していた通りプログラミングを中心に担当。「やっと、エンジニアとしてやりがいを感じる仕事ができるようになった」と充実感も高かったという。
現在はPMとなり、業務内容もマネジメントが大半となっている。今でも「やりたい仕事」ができている実感はあるか。聞くと、晴れやかな表情でうなずいた。
「最初はプログラムを書くだけで満足していましたが、お客さまと対話しながら要件定義からリリースまで一貫して担当することが増えるにつれ、少しずつモチベーションの源泉が変わっていくことを感じました。
今は、お客さまが求めていることに対して何ができるかを考えたり、システムをよりよく使っていただくために最適な提案をしたりすることが楽しいんですよね」
長く働く中で、仕事に対するモチベーションが変わることは誰にでも起こり得ること。やりたい仕事を選ぶ中で、エンジニアとして働くことに新たなおもしろさを感じるようになった久保田さんにも同様のことが言えるだろう。
久保田さんは、今後の目標について次のように語った。
「PMとしてのスキルを磨いて、よりよいソリューションをお客さまに提案できるようになりたいです。転職当初は、自分が『PMとして活躍したい』と思う日がくるとは思っていませんでした。環境が変わると、こんなふうに視点まで変わるんだなと驚いています」
【Case02:小沢さんの場合】
スキルが習得できるフォロー体制の整った会社へ
現在はプロジェクトリーダーとして久保田さんと共に働く小沢さん。大学では情報系を専攻し、プログラミングの基礎も学んでいたが、就職時に選んだのはエンジニアではない道だった。
「新卒で入社した会社では、自社のECサイトへの商品掲載や問い合わせ対応など、サイトの運用管理をしていました。
バックオフィス業務と呼ばれる仕事でしたが、商品画像のインポート時に一括でファイル名を変えられるマクロをExcelVBAで作るなど、自分なりに工夫しながら働いていたんです。
ちょっとした業務効率化のつもりでしたが、自分が意図した通りに動くとやっぱりうれしいんですよね。次第に、もっとものづくりに関わってみたい、エンジニアとしてシステム開発にチャレンジしたいという気持ちが大きくなっていきました」
しかし、中途採用の多くは即戦力募集。実務未経験からのキャリアシフトは、スキルはもとより心理的なハードルも高い。そこで小沢さんは、教育やフォロー体制が整っていることを会社選びの軸に据えた。その軸にマッチしたのがアクロシステムだった。
「アクロシステムは当時30名程度の規模ながら、毎年新卒を採用していました。小規模ならではの小回りのきく教育制度やフォロー体制があるに違いないと考えたんです。
採用面談でも、今の自分にできることや今後やってみたいことを話すと丁寧に聞いてくれて。ここでなら成長できるかも、と思えました」
小沢さんの予感は的中。社員に目が届くからこそサポートが手厚く、小沢さんは入社直後、グループ企業が行う技術研修を約1カ月受講する機会を得た。その他、技術習得のための費用補助なども豊富。小沢さんは制度を活用して、入社後に応用情報技術者とデータベーススペシャリストの資格を取得した。
久保田さんの話にもあった通り、アクロシステムは一括請負が中心のため、先輩に相談がしやすい点も成長の支えになる。
現在はリーダーとしてチームを率いているが、積極的に手を挙げて上を目指してきたわけではないと謙遜する。そんな彼女の背中を押したのは、周囲からの「やってみない?」という声だ。
「社長の晃央さんをはじめ周りの人が、自分が思っている以上にエンジニアとしての私を評価をしてくれるんです。でも、みんな『やってみたら?』 と後押ししてはくれるものの、決して無理強いはしなくて、私がやろうと思えるまでサポートしながら待ってくれるのもありがたかったですね。
経験を積みながら、できることを一つ一つ増やす。やってきたのはその繰り返しですが、上司や先輩の期待に少しずつ応えられるようになったかなと思えるようになってきました。これからもさらに経験を積み、スキルを磨いていきたいです」
【Case03:伊藤さんの場合】
理想のワークライフバランスを実現できる柔軟な会社へ
伊藤円香さんは新卒でアクロシステムに入社したが、キャリアチェンジを目指して2年目に転職。営業職やWebサイトの企画職を経て、アクロシステムに再入社した経歴を持つ。
「一度は他の業界を経験してみたくなったものの、その結果『エンジニアとしてものを作ることが好きなんだな』と気付き、IT業界に戻りたくなったんです。
転職先を探す中で、私が重視したのは働きやすさ。前職の制作会社は出社が必須だったのですが、今後、結婚や子育てをしていくかもしれないと考えたときに、フルリモートをはじめ働き方が柔軟に選べる会社だと心強いと思いました」
転職を考えた時に、伊藤さんは代表の齋藤さんに希望を打ち明けた。退職後も齋藤さんやアクロシステムの社員と交流のあった伊藤さんは、同社の環境が年々向上していることを知っていた。
「私がアクロシステムを離れてから、時短勤務や週休3日制、副業の解禁、フルリモートなどさまざまな制度が導入されていました。中には社員の声を受けて生まれた制度もあると聞き、『長く働けそう』と感じたんです。
実際、再入社後に妊娠が分かった時も、晃央さんが『復職後も働きやすい環境を作っていく』と宣言してくれて。寄り添ってくれる姿勢が心強かったですね。社長が率先して現場の人の声を聞いてくれるのは、当社の大きな魅力だと思います」
アクロシステム初の産休・育休取得者となる予定の伊藤さん。周囲のロールモデルとなるべく、先を見据えている。
「まずは仕事と育児の両立を目指したい。その姿を見せることで、周囲の人にも女性が長く働ける魅力的な会社だと感じてもらえたらうれしいです」
今回登場した3人は全員同じ会社で働いている。にも関わらず「会社の選択軸」や「キャリアの満足度が高まった理由」が全く異なることが分かるだろう。
満足のいく転職を叶えるためには、人の価値観ではなく「自分にとって何が大切か」をしっかりと理解することだ。「自分は何がしたいのか」「どんな環境で働きたいのか」。自分の軸を定めておくことが、よい会社との出会いを引き寄せるだけでなく転職後の成長や満足度を高めることにもなりそうだ。
取材・文/古屋江美子 撮影/桑原美樹
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