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優秀なAIネイティブ世代に対して無力感抱えるEMの悩みに、澤円・村上臣・ひろゆき・久松剛が回答!

NEW!  働き方

目まぐるしく変化していくテクノロジーの渦の中で、自身のキャリアに「迷い」を持たずに立ち続けられるエンジニアがどれくらいいるだろうか。

「自分のスキルで今後も通用するのか?」「このままで転職できるのか?」「今の組織で自分に何ができるだろうか」ーーそんな悩みや不安は、解なき問いだからこそついつい後回しにしてしまいがちだ。

今回は、現役エンジニアから「薄っすらと(でもずっと)抱え続けているキャリアや転職の悩み」を募集。業界で活躍する識者たちに全3回にわたってぶつけてみた。

話を聞いてくれたのは、村上臣さん・澤円さん・ひろゆきさん・久松剛さんの4名。初回となる今回は、30代のEMから寄せられたこんな相談だ。

■ 今回の相談 <30代/経験年数10年/管理職>

現在、開発部⾨の管理職として数名のメンバーのマネジメントを担当しているのですが、AIネイティブな若⼿が増え、彼らの優秀さに圧倒されています。

疑問点は⽣成AIを活⽤して⾃ら解決していくので、業務⾯で何かを教えることが減りました。⾃⾛できる技術⼒を持っている若⼿たちに、どうやって組織への帰属意識を持たせたらよいか悩んでいます。管理職として何ができるでしょうか。

澤円さんの回答「『生成AI時代のマネジメント』に集中しよう」

澤円さん

若手の人たちは、あらゆる作業においてAIを使うことへの抵抗感がないですよね。これは、ちょっと前なら「連絡は何でもLINEでする」とか、さらに前なら「なんでも検索して答えを見つけようとする」とか、批判的なニュアンスで言われていたことに似てるなと感じています。

でも、あるものを使うのは当たり前ですし、それそのものを気にするのはあまり意味がないと思っています。

ということで、まずその状況を受け入れるというマインドセットを持つことが大事ですね。

マネジメントを担当しているんだから、メンバーよりも優秀でなくてはいけない、何かを教える立場でなくてはならない……というのは、ある種の呪いのようなものです。その呪いからまず自分を解放しましょう。

澤円さん

そして、生成AI時代のマネジメントに集中することですね。

生成AI時代のマネジメントは「人とうまくやっていくことのブリッジ役になること」だと思っています。他人との関係性を作るときのボトルネックになることを、徹底した観察の上で見つけだし、先回りしてそれを取り除くことです。

「それは甘やかしすぎではないか」と思う方もいるかもしれませんが、時代がそうなったんだから対応するしかないのではないかな、とボクは考えています。

澤円さん

以前は、高圧的なマネジャーや先輩からのプレッシャーに耐えることも仕事、って理屈が通用したかもしれませんが、今は違います。(昔だってこんなものは無意味だったとボクは思うんですけどね)

今は産業革命の真っただ中で、誰も正確な答えを持っているわけではありませんし、方法論が確立しているわけでもありません。だからこそ、「観察に基づいた調整」をマネジャーはしなくちゃいけないと思っています。

方法に目を向けるのではなく、まずはしっかりとメンバーを観察すること。会議や業務中の振る舞いを観察したり、メールやチャットの文言を観察したり。その上で、メンバー一人一人に最適なコミュニケーションをすることが求められます。

「若手」とくくるのではなく、メンバーごとに個別最適化されたアクションを心がける。これが一番大事だと思っています。

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株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)

立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。武蔵野大学専任教員。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。 著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)/『「疑う」から始める。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム社)/『「やめる」という選択』(日経BP社) Voicyチャンネル:澤円の茶話会ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム

村上臣さんの回答「管理職に求められるのは『ティーチング』ではない」

村上臣さん

優秀な若手がAIを駆使して自走できるなんて、素晴らしいチームです。それはあなたの教え方が悪いのではなく、時代の変化によってマネージャーの役割が変わっただけです。

これからの管理職に求められるのは「ティーチング」ではなく、「意味づけ」と「環境づくり」です。AIは「How」の解決は得意ですが、「Why」という文脈や、仕事の意義までは語れません。

「なぜこのプロダクトを作るのか」「このチームでやる意味は何か」というビジョンを語り、彼らの仕事が社会や会社にどう貢献しているかを接続するのがあなたの役割です。

村上臣さん

また、帰属意識は「教えてもらう関係」からではなく、「心理的安全性」と「横のつながり」から生まれます。メンバー同士が知見を共有し合える場を作ったり、キャリアの悩みに寄り添ったりと、人間ならではの「関係性」を深めることに注力してみてください。それが最強のチームを作る鍵になります。

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『転職2.0』著者
村上 臣さん(@phreaky

青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。2000年8月、株式会社ピー・アイ・エムとヤフー株式会社の合併に伴い、ヤフー株式会社に入社。2011年に一旦の退職を経て、2012年4月に再びヤフーに入社、執行役員兼CMOとしてモバイル事業の企画戦略を担当。 2017年11月にビジネス特化型ネットワークのLinkedIn(リンクトイン)日本代表に就任。同社の日本語版プロダクトの改善やユーザー増加に貢献し22年4月退任。同月、グーグル合同会社入社。日本における検索の開発責任者として日本独自機能の開発や生成AI活用などに貢献。2024年11月スマートニュース株式会社にVP of Consumer Productとして入社(現任)株式会社ポピンズ 及び株式会社ランサーズの社外取締役ほか複数のスタートアップの戦略・技術顧問も務める。主な著書に『転職2.0』『稼ぎ方2.0』(SBクリエイティブ)『Notionで実現する新クリエイティブ仕事術』(インプレス)がある

ひろゆきさんの回答「帰属意識を持つタイプの人を探すのはやめましょう」

ひろゆきさん

ありません。

AIやエンジニアに限らず、今の時代の若者は会社や組織に対する帰属意識を持つ人は少ないです。

数少ない帰属意識を持つタイプの人を探すより、帰属意識を持たない人でも業務をこなしてくれる仕組みだったり、エンジニアが頻繁に出入りしていもて、業務が回るようなフローを作ったほうが実利的だと思います。

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ひろゆきさん(@hirox246

本名・西村博之。1976年生まれ。「2ちゃんねる」開設者。東京プラス株式会社代表取締役、有限会社未来検索ブラジル取締役など、多くの企業に携わり、プログラマーとしても活躍する。2005年に株式会社ニワンゴ取締役管理人に就任。06年、「ニコニコ動画」を開始。09年「2ちゃんねる」の譲渡を発表。15年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。著書に『働き方 完全無双』(大和書房)『プログラマーは世界をどう見ているのか』(SBクリエイティブ)『1%の努力』(ダイヤモンド社)など多数。ABEMAで配信中の『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』も好評

久松剛さんの回答「『会社の魅力』を整理するところからはじめよう」

久松剛さん

採用にせよ定着にせよ、自社の魅力は何かということから整理することをお勧めしています。大筋で下記のいずれかになります。それぞれの注意点も記します。

・社長(次点で経営層)

・社員
いわゆる「ヒトが良い」というもので、売りにしやすいです。ただムードメーカーが退職したり、著しく事業が低迷すると大体悪化します。

・事業
事業会社であれば有効です。ただし事業が撤退すると社員は居なくなるリスクが高いです。

・裁量
開発職の裁量となると、技術選定や設計の自由度になりますが、現実問題難しいですね。

・キャリアパスの自由さ
キャリアチャレンジ制度などでキャリアチェンジできる仕組みです。自由度の高い企業も見たことがありますが、適性も踏まえて篩にかけてくれる企業の方が結果的に優しいですね。

・待遇
分かりやすいです。ただし大筋でもっと良い他社があります。

・働き方
社員ファーストな考え方であり、経営に余裕がなければクライアントファーストとしたいのが普通です。

久松剛さん

最も辞める可能性が低い社長に焦点をあて、「社長が好きだからついていく」という状態を作れればそれがベストではないかなと考えています。

社長さんがそういうタイプでない場合、離職リスクはありますが、他の経営層を立てることになります。それより下の人物では辞めるリスクとの天秤になります。参考までにどうぞ。

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博士(慶應SFC、IT)
合同会社エンジニアリングマネージメント社長
久松 剛さん(@makaibito

2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。動画転送、P2Pなどの基礎研究や受託開発に取り組みつつ大学教員を目指す。12年に予算都合で高学歴ワーキングプアとなり、ネットマーケティングに入社し、Omiai SRE・リクルーター・情シス部長などを担当。18年レバレジーズ入社。開発部長、レバテック技術顧問としてキャリアアドバイザー・エージェント教育を担当する。20年、受託開発企業に参画。22年2月より独立。レンタルEMとして日系大手企業、自社サービス、SIer、スタートアップ、人材系事業会社といった複数企業の採用・組織づくり・制度づくりなどに関わる傍ら、ITエンジニアや学生からのキャリア相談を受け付けている

>> 次回は20代の若手エンジニア方の「『強み』は作ろうと思って作るべき?」という悩みに回答します。お楽しみに!

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