悩みもニュースも、言葉にしてスッキリ
澤円の「モヤモヤ言語化ラボ」元・日本マイクロソフト業務執行役員であり、“プレゼンの神”こと、澤円さんが、エンジニア読者のモヤモヤや気になるニュースを、分かりやすく“言語化”。「どう考えたらいいか分からない」を「そう考えればいいのか」に変える、頭と心の整理の場です。あなたが前に進むためのヒントを一緒に見つけていきましょう。
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悩みもニュースも、言葉にしてスッキリ
澤円の「モヤモヤ言語化ラボ」元・日本マイクロソフト業務執行役員であり、“プレゼンの神”こと、澤円さんが、エンジニア読者のモヤモヤや気になるニュースを、分かりやすく“言語化”。「どう考えたらいいか分からない」を「そう考えればいいのか」に変える、頭と心の整理の場です。あなたが前に進むためのヒントを一緒に見つけていきましょう。
皆さんこんにちは、澤です。
今回の相談は、キャリア2年目のエンジニアさんのお悩み。
これは本当にあるあるだな・・・!
相談内容
2年目のエンジニアですが、上司からの「これは急ぎだから最短で頼む」というプレッシャーに弱く、悩んでいます。
厳密な納期はあっても、実作業の工数見積もりに対して
「もっと巻けない?」
「この部分だけは今日中に終わるよね?」
と言われると、不測のバグや考慮漏れをバッファとして積む勇気が持てず、無理なスケジュールを飲んでしまいます。
結果、焦りで仕事の質が落ちる悪循環に陥っています。
若手の立場で、角を立てずに根拠のある工数を主張し、ペースを維持するコツやマインドセットを教えてください。
わ〜、分かる~!
上司とやらがノンテクな人だったり、あるいは天才肌のエンジニアだったりすると、相談者さんのような若手の人の気持ちに共感してくれなかったりしますからね。
そして、上司に対して物申すなんて、まだ自分には早いよな・・・と思っちゃいますよね。
(澤、深く頷く)
まず、ボクが気に入らないのは「上司」って言葉。
これがボトルネックになってるとさえ思ってます。
「上」なんて文字がついてるのがよくない。
上下の意識を持ってしまうが故に、本来最も重視されなくてはいけない部分が蔑ろにされてしまうわけです。
これは、マネジメント側の問題(今回であれば相談者さんの上司)に多くの責任がありますが、助長するという意味で考えると、相談者さん側も必要なアクションというものはあります。
今回であれば
「もっと巻けない?」
「この部分だけは今日中に終わるよね?」
このような問いがマネージャーから発せられた場合、すぐに「できるか・できないか」に加えて「メリット・デメリット」を語れることが、シゴデキエンジニアの必須条件となります。
今回は、「もっと巻けない?」「この部分だけは今日中に終わるよね?」の二つのオーダーによって「時間短縮」が求められています。
時間短縮は、他のことに着手することができるという意味でもメリットはあります。
そして、相談者さんにとっても、早く仕事が終われば早く帰れるというメリットが発生します。
その一方で
「不測のバグや考慮漏れ」
というデメリットが発生するリスクを、相談者さんは認識をしています。
このデメリットを説明するのは、他でもない相談者さんの「仕事」です。
「無理なスケジュールを飲んで」、そのまま黙って進めてしまい、結果として焦りで仕事の質が落ちるのであれば、厳しい言い方をすればそれは「まともに仕事をしていない」ということになります。
「無理なスケジュールであることは相手に伝えなくてはならない仕事」と考えましょう。
これを納得してもらわないことには、次のステップに進めません。
もし「それはちとスケジュール的に無理ですね」と伝えても、必殺の大技「いいからやれ」が繰り出されるかもしれません。
これ、防御魔法を知らないと、ドラクエでいうところの「つうこんのいちげき」になって、HPゼロになりかねません。
なので、この呪文を授けますね。
「では、その指示をメールでいただいてもいいですか?」
これです。
つまり、無理なスケジュールを要求したエビデンスを残すわけです。
そもそも無理させてるわけですから、その責任はマネジメント側にあります。
ただ、口頭でのやり取りだけだと、後でその責任を明確にはできません。
ということで、証拠が残るようにすればいいのです。
その上で、バグだらけになろうと、無理すぎてスケジュール遅延が発生しようと、指示した側に責任あるよねってことにできますからね。
ボクは開発の現場にそこそこ長いこといましたが、急いでる時ほど「口頭のコミュニケーション」が横行します。
結果的に、仕様書に書かれていない機能が追加されていたり、意図のわからないコード修正がされていたりという不幸な場面を何度も目撃しました。
「メールで指示してほしい」と言っても面倒がる人もいますよね。
今は、Web会議ツールで簡単に録音や録画もできます。
もしもZoom会議の最中とかに無理なこと言ってきたら、「指示を忘れると困るので録音しますね」と録音ボタンをポチッとしてもいいと思います。
中には「いやいや、証拠なんて残さないでくれ」みたいなヤバい奴もいるかもしれませんね。
そういう輩の指示に従うのは、キャリア上もプラスになるとは思えません。
角が立つかどうかを気にするよりも、エンジニアとしてクオリティの高い仕事をする方が、キャリアの上でははるかに大事です。
無理を強いるくせに責任を取らないマネージャーのとこで仕事してても、幸せになることはありません。
拙著「The Giver 〜人を動かす方程式〜」にも書かせてもらいましたが、他人の時間を無闇に奪う連中は「テイカー」と呼ばれる搾取人種で、関わっちゃダメです。
もしそんな場所から逃げ出したい・・・!って思ったら、ぜひエンジニアtypeで新しい職場を探してみましょう!
AI時代のできる人は、Giver(=与える人)である
元・マイクロソフト業務執行役員で「伝説のマネージャー」「プレゼンの神様」の異名をとる著者が放つ、令和版『人を動かす』決定本!
まわりのメンバーが「思うように動いてくれない」と苛立ったり、頑張って準備をした提案が「相手の心を動かせなくて」凹んだ経験は誰もがあるはず。本書は、“人を内発的に行動へと促す”鍵となるGiverというマインドセットで、あなたの仕事の捉え方とスキルを刷新します。
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株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。武蔵野大学専任教員。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。 著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)/『「疑う」から始める。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム社)/『「やめる」という選択』(日経BP社) Voicyチャンネル:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム
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