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Webアプリエンジニアよ、インフラという武器(知識)を装備して、開発をもっとクリエイティブにしてみないか?

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    5月17日、渋谷・マークシティにあるサイバーエージェントの会議室で、ゼロスタート主催のイベント『zs study~クラウド100台できるかな?Amazon EC2ハンズオン~』が開催された。

    クラウドサービスの台頭によって、Webアプリエンジニアでもインフラを手軽に扱えるようになった昨今。「インフラも扱えるようになりたい」という多くのWebアプリエンジニアたちの要望に応えられるようなイベントである。

    当日は、会場提供にも協力してくれたCyberXのインフラエンジニアがサポーターとして参加していた

    当日は、会場提供にも協力してくれたCyberXのインフラエンジニアがサポーターとして参加していた

    イベントの内容は、AWSのエバンジェリストである堀内康弘氏のレクチャーのもとで、実際にAmazon EC2を立ち上げてみよう、というもの。

    Webアプリエンジニア以外にも、企業の情報システム部門担当者やSIerのエンジニア、フリーランスエンジニアなど、さまざまなポジションのエンジニアおよそ70名が堀内氏のガイダンスに従って、無事EC2の立ち上げに成功した。

    その後の懇親会では、参加者からのAWSに関する疑問や相談を堀内氏が受け答えする場面もよく見られた。参加したフリーランスエンジニアの1人は、「英語でドキュメントが書かれているので、自分から進んでAWSを立ち上げるには少し労力がいるけど、エバンジェリストが立ち上げまでサポートしてくれるのはすごくありがたい」と話し、「趣味の延長で参加してみた」と話す社内SEは「ゆくゆくは仕事でクラウドを扱いたいと思っているので、とても勉強になった」と話すなど、盛況のうちに終わった。

    イベントを主催するゼロスタートは、「今回の『zs study』は、インフラなどの知識をこれから身に付けたいと思っているようなWebアプリエンジニアの方々でも気軽に参加できるようなイベントにしたかったんです。今後も、楽しくインフラを学べる場を提供していきたいですね」と話す。

    同社では、『zs study』のほかにも、OSやサーバ周りのチューニングをしてパフォーマンスを競い合う「チューニンガソン」を開催するなど、積極的にインフラに関するイベントを開催している。

    「『zs study』では、毎回違ったテーマでインフラに関する勉強会を開催しています。Webアプリエンジニアの方々には、まず『zs study』でインフラ・サーバの基礎知識を身に付けてもらい、ゆくゆくは『チューニンガソン』に出場できるようになってもらえるとうれしいですね」(ゼロスタート担当者)

    クラウドは、Webエンジニアの「かゆいところ」に手が届く

    今回のイベントで参加者が立ち上げたAWSのクラウドサービスは、ITスタートアップのような小ロットでWeb開発を行う企業から、クックパッドのような大規模Webサービスを運用する企業や大手メーカーまで、幅広い業界で活用されている。

    AWSエバンジェリストとして活躍する堀内氏も、gumiのCTOをやっていた時に、すべてのゲームをクラウド環境上で運用し、特にデータベースの運用コストを削減できる『Amazon Relational Database Service(RDS)』というサービスを活用していたという。

    gumiのCTOを退き、AWSエバンジェリストとして「少しでも多くの技術者に、開発の楽しさを伝えていきたい」と話す堀内氏

    gumiのCTOを退き、AWSエバンジェリストとして「少しでも多くの技術者に、開発の楽しさを伝えていきたい」と話す堀内氏

    「DBサーバの拡張やバックアップ等の煩雑な作業をやらなくて良くなったし、何よりデータを失う心配がなくなったことに感動しました。その分時間に余裕ができて、開発に集中できるようになったのがうれしかったんですよね」(堀内氏)

    堀内氏は、この経験をもとに、「もっとエンジニアが作りたいものをすぐ作れて、それをすぐに世の中に公開できるような環境づくりに貢献したい」と、AWSのエバンジェリストとしての活動を始めたという。

    クラウドサービスが広がりを見せる一方で、実際にクラウド環境を操作できるWebアプリエンジニアは、まだまだ少ない。しかし、今回の『zs study』や今年初めに行われた『infrapp2012』のように、Webアプリエンジニアでもインフラ分野に触れられる機会は少しずつ増えてきているようにも思える。

    「Webアプリエンジニアの方々にこそ、今日のようなイベントに積極的に参加してもらい、インフラもプログラムできるんだということを体感してもらいたい。そうすれば、インフラに明るいWebアプリエンジニアとして、自身のキャリアパスもきっと広がると思います」(堀内氏)

    堀内氏は、「同じAWSエバンジェリストの玉川(憲)も、『AWSなどのクラウドサービスを活用すれば、開発がもっとクリエイティブになる』と話すように、インフラ分野の知識や経験が、Webサービスやアプリ開発エンジニアのキャリアアップをきっとサポートしてくれる」という。

    『zs study』は、今後もさまざまなテーマで開催される予定だ。周りのWebアプリエンジニアたちと差をつけるためにも、今からこうしたイベントに参加してみるのも良いかもしれない。

    取材・文・撮影/小禄卓也(編集部)

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