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家入一真×内藤裕紀が対談!76世代企業の逆転成功パターンに見る、10年後も生き残る企業の条件【特集:76世代の今 1/4】

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    特集:76世代の今

    1/4:家入一真×内藤裕紀が対談!76世代企業の逆転成功パターンに見る、10年後も生き残る企業の条件
    2/4:技術力とは「企画を実現できる力」。企画がなければ高い技術を持っていても意味がない
    3/4:グリー、はてな、ドリコム…現場を束ねるエンジニア三人が教える、変化適応の技術
    4/4: 「エンジニアはサービス業」を実践するドリコム開発部長が明かす、雇いたくなるエンジニアの見分け方

    今から約10年前、Web2.0の波に乗り、大きく成長してきた「76世代」がトップを務める企業たち()。ただ、すべての企業が常に順風満帆だったというわけではない。Web2.0ブームの終焉とともに下降線をたどったり、業界トレンドの変化に適応できず消えていったIT企業も少なくない。

    では、現在も日本のWeb業界で大きな存在感を持つ76世代企業は、いかにして波乱の時代を生き抜いてきたのか? 時代の趨勢をとらえ、変化の渦中をサバイブし続ける企業とヒトの特徴を知るべく、76世代の代表格であるパーティカンパニー社長の家入一真氏とドリコム社長の内藤裕紀氏に話し合ってもらった。

    ※1976年前後に生まれたIT起業家やエンジニアが設立した企業。代表的なものとして、はてな(代表・近藤淳也氏 1975年生)、ミクシィ(代表・笠原健治氏 1975年生)、グリー(代表・田中良和氏 1977年生)、チームラボ(代表・猪子寿之氏 1977年生)などが挙げられる。

    株式会社パーティカンパニー 代表取締役社長
    家入一真氏 (@hbkr

    1978年福岡県生まれ。2001年、paperboy&co.の前身である合資会社マダメ企画を設立し、個人向けレンタルサーバー『ロリポップ!』の提供を開始。2008年12月に当時史上最年少でジャスダックに上場を果たし2011年に退任。現在はパーティカンパニーにてON THE CORNERなどのカフェやレストランを展開している

    株式会社ドリコム 代表取締役社長
    内藤裕紀氏 (@no7110

    1978年生まれ。京都大学在学中の2001年にドリコムを設立。ブログサービス事業で業績を大きく伸ばし、2006年に東証マザーズ上場を果たす。現在はソーシャルゲームの企画・運営や広告サービス、ソーシャルラーニングなどの新たな領域に挑戦し、業績を伸ばしている

    ドリコムがブログサービスをやめた時、内藤君は引退するんだと思った

    ―― お二人が最初に会ったのはいつごろですか?

    家入 確か、2003年くらいだったかな。僕が福岡から上京したのと、内藤君が京都から出てきたのがちょうど同じ時期だったんだよね。

    内藤 確か、僕がやったブログコンテスト『Blog of the Yeah!』に、家さんが賛同してくれたんだよ。そこからの付き合いだから、だいたい10年くらいか。当時の僕らが、今の「86世代」の人たちと同じくらいの年齢だね。

    ―― このところ、「86世代」にスポットライトが当たる機会が増えています。しかし、その先輩格にあたる「76世代」も、業界の中で大きな存在感を発揮し続けていますよね。

    家入 「76世代」っていうと、はてなの近藤淳也さんとか、ミクシィの笠原健治さん、グリーの田中良和さんとかか……。

    内藤 確かに、この世代の人たちとは仲が良いよね。この前も、グリーの田中さんを含めた同世代で飲んだなあ。誕生日などのイベントがあると、よく集まったりするね。

    ―― ただ、76世代が立ち上げた会社の中でも絶好調なところもあれば、そうでないところもありますよね。その差は、どこにあるんでしょう?

    家入 いや、僕らにも分からない(笑)。例えば、うちの会社もそうだったけど、今は絶好調のグリーだって、既存のやり方だけでは行き詰った時期も時期があったんじゃないかな。

    内藤 2004~5年くらいだっけ? その後、ビジネス系ソーシャルからモバイルに移って、そこから良くなったよね。

    家入 そうそう。今振り返ると、あそこで思い切って方向転換したのが良かったんだと思う。この世代って、最後の最後で粘りがきくよね(笑)。

    だって内藤君も、Web2.0とかでガーッと盛り上がった後、ブログサービスとか全部手放したじゃない? あの当時、僕は勝手に「内藤君は引退モードなの?」って思ってたもん。

    内藤 当時、家さんとしばらくぶりに会ったときに、「内藤君、引退するかと思ってたよ~」って言われたよね(笑)。

    思い切った事業転換に踏み切ったところほど、今も成長している

    家入 でも、そのときの飲み会で、内藤君が酔っ払いながら「オレはドリコムに命掛けてんだ~!」って言ってたのを覚えてるよ。これは株を買うべきだって思った。まあ、結局買ってないんだけどさ(笑)。

    内藤 うーん、強いて言えば、僕のところも含めて、思い切った方向転換に成功したところはうまくいってるかもしれないね。

    グリーにしても、SNSという大きな枠組みは変わってないけど、フォーカスする場所をモバイルに変えて成功した。逆に、それまでに成功したサービスとか、ビジネスモデルに固執し過ぎているところほど、今苦しんでるのかも。

    ――ビジネスモデルの潮流が変わってきた、と。

    内藤 僕らがWeb2.0で脚光を浴びた2003~2005年ごろって、ビジネスモデルの基本は広告だったよね。ただ、広告モデルって難しい。SNSみたいな場所って、いろんな人の感情が入り交じったものがコンテンツになってるじゃない?

    そういう場所に広告を載せるのって、広告主からすればリスクがあるんだよね。だから、「ヤフーのトップページに広告出す方が安全だ」ってことになりやすい。

    家入 確かに、広告モデルで大きく成長した企業って、あまり思い浮かばないね。ヤフーなんかは別格として、ベンチャー系でこのところ元気なのは、課金型モデルの企業ばっかりだ。

    内藤 僕らのところも含め、ユーザーから直接お金をもらうビジネスにシフトする企業が増えている。

    そういうサービスは、ユーザー1人あたりのトラフィック量が、以前とは比較にならないくらい大きい。だから、昔に比べて、大規模トラフィックを運用できるエンジニアは重要になっているよね。

    (2/4に続く)

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