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エンジニア的ではない『Pythonボルダリング部』の楽しみ方【対談:法林浩之×鈴木たかのり】

ITニュース

    お酒を片手に「一流エンジニアの人生論」を紐解くトークイベント『TechLION』のファシリテーター・法林浩之氏が旬のエンジニアを招き、ゲストの「オン(仕事)とオフ(プライベート)の考え方」からキャリア形成のヒントを掘り起こす連載企画。今回は『PyCon JP 2014』の座長を務める鈴木たかのり氏をゲストに招き、Pythonを使うようになった経緯や趣味であるボルダリングについて聞いた。

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    法林浩之

    大阪大学大学院修士課程修了後、1992年、ソニーに入社。社内ネットワークの管理などを担当。同時に、日本UNIX ユーザ会の中心メンバーとして勉強会・イベントの運営に携わった。ソニー退社後、インターネット総合研究所を経て、2008年に独立。現在は、フリーランスエンジニアとしての活動と並行して、多彩なITイベントの企画・運営も行っている

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    鈴木たかのり氏

    釧路工業高等専門学校を卒業後、中堅SIerに就職。現在はビープラウド所属。『PyCon JP 2014』座長。中堅SIer勤務時に社内のサイトを作るためにPythonを使い始める。『Python mini Hack-a-thon』の主催者の1人でもある。『Pythonボルダリング部』の部長も務める。北海道出身。2014年6月に開催される『TechLION vol.17』にも登壇予定

    法林浩之のトップエンジニア交遊録

    法林 たかのりさんと初めてお会いしたのは、去年の『カンファレンスカンファレンス』が初めてでしたよね。『カンファレンスカンファレンス』に参加したのは、実はPyConの方からお声掛けいただいたからなんです。

    鈴木  『PyCon JP』は後発なので、やっぱり運営のノウハウを教えて欲しかったんですよ。最初はRubyKaigiの角谷(信太郎)さんにいろいろ聞いていたんですけど、どうせなら、ほかの皆さんのも参考にさせていただきたいと思って。

    法林  次回の『TechLION』もそんなご縁から豪華なメンバーにお集まりいただくことになりました。たかのりさんはずっとPythonエンジニアとしてやってこられたんですか?

    鈴木  もともとはSIerでプログラマーとして働いていて、最初はC言語、途中で個人的にPerlも勉強しました。そしてJavaが流行り始めてきたころ、わたしは社内での情報共有ツールを検討していました。その時、Zopeというフレームワークを見つけたんです。

    法林  なるほど、Pythonで書かれたツールですね。Pythonにはどんな経緯ではまっていったんですか?

    鈴木  最初はZopeのカスタマイズからですかね。バリバリ拡張していき、Zopeベースの社内システムの構築を、仕事として任せてもらえるようになりました。その成果を自分のサイトで公開したのが、外とのかかわりの最初ですね。

    法林  じゃあ、それを見たPythonエンジニアの方とコンタクトを取られるようになって、という流れですか。

    鈴木  そうですね。そのころからZopeなどのコミュニティに参加するようになりました。

    法林  わたしたちがLLイベントを開始したのは2003年なんですが、当時のPythonは”未知の言語”という存在で、イベントの参加者たちもみんな興味深々でした。言語系イベントでは”未知の言語”は注目を集めるので得だと思ったのを覚えています(笑)。最近は人数も増えましたよね。ここ10年で1番人数を増やした言語ではないでしょうか?

    イベントへのスポンサー企業増加などから、Python人口の増加を感じているという鈴木氏

    イベントへのスポンサー企業増加などから、Python人口の増加を感じているという鈴木氏

    鈴木  Pythonを使っている会社は増えましたね。あとは、『PyCon JP』にスポンサーしていただける企業も増えました。

    法林  なるほど、Pythonに価値を感じてくれている企業が増えたということですね。今の会社に入られたのは、PyConつながりですか?

    鈴木  ええ、知り合いがいた会社ですね。この人が離れない会社なのだから、良い会社なのだろう、と考えて転職しました。

    意外と頭を使うボルダリング

    法林  たかのりさんといえば、やっぱりボルダリングのことを聞かずにはいかないでしょう。『Pythonボルダリング部』があるくらいPythonコミュニティではボルダリングが盛んですが、始めたきっかけは何ですか?

    鈴木  きっかけは『Python mini Hack-a-thon』のあとの飲み会で、わたしが「ボルダリングやらない?」とその場にいた人を誘ったことですね。興味はあったんですが、1人ではなかなか始められなかったんです。

    法林  そういう風に誰かを引き入れて、新しいことを始めるということは、カンファレンス運営者としては重要だったりしますよね。

    鈴木  いつの間にか部にも新しい人が増えて、今では営業職の人や大学生もいたりします。どうやって『Pythonボルダリング部』を見つけてきたのか分からないんですけど(笑)。

    法林  集客ルートが興味深いですね(笑)。ボルダリングはどのように楽しむんですか?

    鈴木  登るルートごとに設定された難易度があるんです。それをクリアするのも楽しみ方の1つです。

    法林  難易度ってどのように設定されているんでしょう? 高さとか、角度とか、パッと見て分かるんですか?

    鈴木  パッと見では分からないですね。数値化されているものではなく、誰かが設定しているんだと思います。

    法林  まったくエンジニアリング的ではないですね(笑)。

    鈴木  確かにそうですね(笑)。わたしが面白いと思っているのは、いかに楽に登るか、です。人の登り方を見て、「あっ、そこに足掛けるか」や「そのルートがあったか」などの発見から、引き出しを増やしていくという感じです。実際やってみると分かりますが、けっこう頭使いますよ。

    法林  なるほど、ただの筋力勝負ではないんですね。

    PyConのスムーズな運営に活かされるコンサート開催の経験

    鈴木  そういえば(かばんの中からフライヤーを出す)わたし、吹奏楽のコンサートやるんですよ。トランペットは中学校からやっています。法林さんも楽器やってらっしゃったんですよね。

    コンサート運営の経験が今のイベント経験に大いに役立っていると語る法林氏

    コンサート運営の経験が今のイベント経験に大いに役立っていると語る法林氏

    法林  わたしも高校ではブラスバンド、大学ではバンドでドラムをやっていました。演奏会というイベントを運営するという経験はカンファレンス運営に大いに役立っています。たかのりさんはそういう経験ありませんか?

    鈴木  たしかに、当日の運営の仕方などはすごく今に活かされていますね。

    法林  あと、イベントで楽器使うのもお勧めですよ。昔LLイベントのLTの時に巨大な銅鑼を使ったことがあって。参加者にも当日まで秘密にしていたので反響大きかったですね。PyConでもぜひ!

    鈴木  あっはっはっは(笑)。

    取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)

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