変化への対応力を養うヒントがここに
「10年プロダクト」の生生流転移り変わりの激しいIT・Web業界において、プロダクトやサービス、そしてエンジニア個人が「生き続ける」のに必要なものは何か。否応なく起こるさまざまな変化への対応力はどう養ったらいいのか。「10年以上続くプロダクト/サービス」が歩んできた歴史から答えを探る
変化への対応力を養うヒントがここに
「10年プロダクト」の生生流転移り変わりの激しいIT・Web業界において、プロダクトやサービス、そしてエンジニア個人が「生き続ける」のに必要なものは何か。否応なく起こるさまざまな変化への対応力はどう養ったらいいのか。「10年以上続くプロダクト/サービス」が歩んできた歴史から答えを探る
6社の事例とDeNA元CEO守安功さんの総論によってお届けしてきた本特集。
「10年以上続くプロダクト/サービス」といってもそれぞれが乗り越えてきた障壁はさまざまだ。
改めて、各社の事例から導き出された「変化に対応して時代をサバイブできるエンジニアの条件」をまとめた。
目次
20年以上続く元祖フェムテック・ルナルナ強さの秘訣「“今の姿”にこだわっていたら、最善の選択はできない」
女性のライフスタイルの変化、そして「妊娠・出産だけが女性の幸せではない」と考える人が増えるなど価値観の多様化が進んだこの10年。『ルナルナ』は、単なる「生理日管理ツール」から「さまざまなライフステージの女性をサポートするツール」へと成長してきた。
サービス開発の方向性をすり合わせるディスカッションでは、「サービスの話ではなく社会の話から始める」のだとか。
「目の前のサービスをどうするか」だけではなく、「このサービスは将来どうなっているべきか」を日頃から考え続けるプロダクトチームの姿勢が変化への対応力の要となっているようだ。
>>『ルナルナ』が時代を先取り過ぎて受け入れられなかった機能とは? 記事全文でチェック!
『pixiv』が海外ユーザー40%超えを果たしたワケ――「データ」と「外国人エンジニア採用」で正しく握るインサイト
イラスト・漫画・小説によるコミュニケーションサービス『pixiv』は、この2~3年、海外ユーザーの伸び率が顕著で、アクティブユーザーにおける海外ユーザー比率は2020年4月時点で40%を超えた。
海外ユーザーにも満足できるサービスであり続けるために、BigQueryを導入し、社内の全てのデータをBigQuery上で分析できるようにするなど、ユーザーの現状を把握し、理解することを徹底しているという。
何をしたらユーザーが喜ぶのかを考え、仮説と検証を繰り返す中で、日本人ではどうしても想像しきれないディテールの差を埋めるため、日本のコンテンツに関心の高い海外エンジニアを積極的に採用するなどその徹底ぶりには底知れない。
>>海外エンジニアの意見を取り入れて開発された機能とは? 記事全文でチェック!
技術的負債を抱える長寿システム「決断の時」にエンジニアはどう動いたかーー『はてなブログ』誕生秘話
技術的負債によって、引き継いできた現場の困りごとが増えるのは「Webサービスあるある」かもしれない。リリースから10年を迎えたサービスでその問題に正面から立ち向かったのが『はてなブログ』だ。
リニューアルか新サービスかーー。揺れる社内で「なぜ今これを作る必要があるのか」を分かってもらうために、ユーザー向けベータ版よりもかなり前から、社内向けアルファ版をリリースし、「巻き込む」ことで社内の空気を動かしたという。
技術的負債を溜めないことの重要性を教えられたと同時に、長く生きるサービスをつくるエンジニアが持つべき「その努力はユーザーに価値を届けているか」というマインドも提示された記事となった。
>>技術的負債を溜めないために意識されている「返済」の数字とは? 記事全文でチェック!
大きな方向転換が 「したくてもできない」。老舗サービス『ロリポップ!』を救った“エンジニアの雑談”
レンタルサーバー事業は、ここ数年で大きく外部環境が変わったビジネスである。
ユーザーの制作環境はWordPressなどのCMSを使ってブラウザ経由で制作されるようになり、記憶媒体がハードディスクからSSDに変わった。通信環境は暗号化されたTLS接続が主流になり、クラウドサービスが台頭……『ロリポップ!』のユーザー離れは起こるべくして起こっていたのだ。
しかし、そんな中でも新しい概念のサービス『ロリポップ!マネージドクラウド』をリリースできた裏側には、気軽なアウトプットを重視する組織文化があった。インプットが大事とはよく言われるが、それと同じくらいアウトプットも大事にしていたからこそ、ビジネスを続けられる起死回生の一手が打てたのだ。
「任された開発領域の外側に広がる世界へ目を向けよ」日本最大級のファッション通販サイト『ZOZOTOWN』スケーラビリティ対応への道
日本最大級のファッション通販サイト『ZOZOTOWN(ゾゾタウン)』が生き続ける上で直面したのが、スケーラビリティの課題であった。
「年商100億円に耐えられるサイトを作ってくれ」というオーダーに対し、年商500億円程度のトランザクションにも耐えうるシステムを作っていたが、オープンから10年で限界が近づいた。
さらに成長し続けるサービスにしていくために理想的なリプレイス方法を選択できたのは、まさに技術と知見を備えたエンジニアのジョインが不可欠だったという。エンジニアの確保、採用の生々しいエピソードも必読の価値。
>>サービス初期にエンジニアを確保するためにしていた窮余の策とは? 記事全文をチェック
「コロナ禍で感動の再会も」シリーズ初MMORPGが19年続く奇跡の裏側
『ファイナルファンタジーXI 』は、1990年代後半頃から海外で盛り上がり始めたMMORPGの波に乗って、「3~5年の稼働」を想定して作られたソフトだった。
開発環境や根本的なシステム、開発手法は20年前から変わらない上に、「メインストーリーなどにも関わるサービスイン当時の資料がほとんど残っていない」という衝撃的な事実が明かされた本記事だが、そこから得られる学びは実に本質的だ。
「いきなり20年続くシステムを作ろうと思っても、それは無理な話です。大切なのは、最初に『余白』を持たせたシステムを作ること」
プロデューサー、ディレクター、エンジニアと立場が異なる三者に聞いたことで、開発チームはどう協業すべきか、そんな理想の関係性も見えてきた。
>>開発当時の資料がない中で新ストーリーはどう作られてる? 記事全文でチェック
ブラウザゲームの衰退、新規事業の躍進…激動の10年を振り返って分かった理想のエンジニア像【DeNA元CEO守安功】
守安功さんと言えば、SEとしてDeNAに入社し、ソーシャルゲームサービス『モバゲータウン(現:Mobage)』を成功へと導いた立役者でもあり、CEO就任から激動の10年間をインターネット業界のトップランナーとして走り続けてきた人だ。
そんな守安さんには、6つの事例とは異なる切り口で、直接的にこれからの時代に求められるエンジニア像を語ってもらった。
「変化に対応するために何かするというより、成長するためには変化せざるを得ない。逆にいうと、変化を楽しめる人じゃないと、この業界は難しいかもしれない」
インターネット業界の事業規模が拡大し、エンジニアの分業が進んだことで、「すべてが分かるエンジニア」の希少価値が上がっていると分析する守安さんからは、守備範囲の広いエンジニアを目指すのも、この時代を生き抜く方法だと提案された。
>>「全体が分かるエンジニア」になるにはどうしたらいい? 記事全文でチェック
文/根本愛美(編集部)
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