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ゲーム開発で必須のUnityとは?特徴からインストール方法まで、今さら聞けない基本を解説

エンジニア辞典

日本のみならず世界でも優秀なゲームエンジンとして親しまれているUnityですが、具体的に何が魅力なのか、特徴や環境構築の仕方など、詳しく知りたいという人は多いのではないでしょうか?

そこで今回は「今さら聞けないUnityの基本」を徹底解説。Unityエンジニアに興味がある人は必見の内容です!

Unityとは?

Unityとは、ユニティ・テクノロジーズが開発・提供するゲームエンジンで、2Dはもちろん3Dゲームを手軽に開発することができます。

Unityには、ゲーム開発をする際によく使う機能やツールがひとまとめになっており、いわば「ゲーム開発プラットフォーム」として親しまれています。

それでは、Unityは具体的にどんなゲームエンジンで、どれくらいシェアがあるのかなどを詳しく紐解いていきましょう。

Unityってどんなゲームエンジンなの?

Unityはゲーム開発に役立つライブラリや素材などが集まるゲームエンジンで、Unityさえあれば2Dや3Dのゲームを手軽に開発することができます。またUnityは視覚的に操作ができるため、初心者でも比較的簡単にゲーム開発ができるのが特徴です。

C#やJavaScript、Booなどのプログラミング言語を使用することでより本格的なゲーム開発も可能です。

Unityには月25ドルから使用できる有料版もありますが、無料版の機能もかなり充実しています。学生や初心者が個人使用する場合は過去12ヶ月の収益や調達資金が10万ドル以下の人が対象の無料版(Personal)で充分でしょう。

そもそもゲームエンジンって何?

ゲームエンジンとは、ゲームを簡単に開発するために作られた統合開発環境のことで、映像や音楽などの処理やデータ管理などの機能を備えたソフトウエアです。

個人利用向けに無料配布されているものから、商用利用向けに有料で使用できるものまで幅広くあり、開発工程の効率化やクオリティー向上に寄与しています。

もともとは各ゲームプログラマーが自社のゲーム開発用のソフトウエアを開発するのが一般的でしたが、ゲームのベースはほとんど変わらないにもかかわらずソフトウエアの実装には非常に高レベルなスキルが必要なことから、ゲーム開発の効率化やクオリティー向上のためにゲームエンジンが登場しました。

Unityのシェアってどれくらいあるの?

Unityはモバイルゲーム市場では約50%、AR/VRコンテンツにおいては約60%を超えるシェアを獲得しており、世界シェアNo.1のゲームエンジンです。

ゲームエンジンの世界においてUnityと人気を二分しているUnreal Engineの検索数と比較してもUnityの検索数が圧倒的に多く、特に日本では「ゲーム開発にはUnity」が根付いているといっても過言ではありません。

また近年では、自動車などの産業分野でもUnityが採用され、開発過程の3Dシミュレーションや自動運転、他デバイスとの連携といったデジタル化にも貢献しています。

UnityとUnreal Engineはどう違うの?

Unityと比較されるゲームエンジンとしては、アメリカのエピック・ゲームズが開発・提供する「Unreal Engine」があります。Unreal EngineはUnityよりも広範なプログラミングが必要ですが、そのぶん自由なカスタマイズができ、高グラフィックなゲーム開発が得意です。

Unityがモバイル市場やAR/VR市場において圧倒的なシェアを獲得しているのに対し、Unreal EngineはPCおよびコンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)でのシェアが高いのが特徴です。

それぞれ使用言語や得意分野などが違うため、自分のスキルや作りたいゲームに合わせて選択するのがいいでしょう。

Unity

Unityのメリット・デメリット

日本はもちろん海外でもゲーム開発に必須のソフトウエアとして親しまれ、AR/VRや産業分野でも活用が進むUnity。

Unityは初心者にとってもハードルが低く、「ゲーム開発=Unity」といっても過言ではないほどの地位を獲得していますが、実は苦手分野もあります。改めてUnityのメリット・デメリットを整理していきましょう。

Unityのメリット1:マルチプラットフォーム対応

従来のゲーム開発では、同じゲームであってもOSに合わせて一から開発をする必要がありましたが、Unityは作ったゲームをさまざまなプラットフォームに対応させることができます。iOSやAndroidはもちろん、MacやWindows、さらにはNintendo SwitchやPlayStationなど家庭用ゲーム機も対応可能。

C#の知識さえあれば、ほぼすべての端末で動くゲームを開発できます。

Unityのメリット2:充実したアセットストア

アセットストアとは、ユーザーが作った3Dモデルやキャラクターのイラスト、音楽やエフェクトなどのツールを公開・販売できるストアのことで、他のユーザーはそれらのツールを利用することで機能拡張や効率的な開発が可能となります。

Unityはアセットストアが充実しているため、初心者でも簡単にクオリティーの高いゲームを開発することができるのです。

Unityのメリット3:ノンプログラミングでゲーム開発ができる

これまでゲーム開発、特に3Dゲーム開発には高度なプログラミングスキルが必要でしたが、Unityを使えばプログラミングスキルがなくてもキャラクターを動かしたり3Dのゲームステージを設置したりすることができます。

簡単なゲームであればノンプログラミングでゲーム開発ができるため、初心者が「まずゲーム開発をしてみる」ことも可能。Unityは「初心者がゲーム開発する際のハードルを極限まで下げた」といっても過言ではありません。

Unityのメリット4:学習難易度が低い

先ほども述べたように、Unityを使えばプログラミングスキルがなくてもゲーム開発が可能です。操作方法などを覚えてしまえば、視覚的にゲーム開発ができるため、学習難易度は低いといえるでしょう。

また、Unityは世界はもちろん日本でも人気のゲームエンジンです。「Unity2018.1」以降のバージョンのエディタであれば日本語対応していますし、日本語の文献やWeb上の情報も豊富にあるため、学習する際のハードルが低いのも特徴です。

例えば、2020年に開催された全国の高校生・高専生(3年生以下)の学生を対象にしたUnityインターハイでは、Unity歴9ヶ月の現役高校生・えふぇ子さんが開発した弾幕ゲーム「Mathmare(マスメア)」が準優勝しました。このことからも、Unityでは経験年数が決して長くなくとも高クオリティなゲーム開発ができることが分かります。

Unityのデメリット:大規模・複雑なゲームには向かない

Unityにはデメリットらしいデメリットはほとんどありませんが、動作が遅いことはUnityのデメリットとして指摘されることの一つです。

また初心者にも使いやすいシンプルな作りになっているため、高度な処理を行いたい場合には複雑なコードになりやすい点もUnityのデメリットともいえます。

大規模・複雑なゲーム開発をする場合は先ほど登場したUnreal Engineが使われることが多いです。

Unityでできること

スマホゲームはもちろん、コンシューマーゲームなどほぼすべての端末で動くゲームを開発でき、初心者からプロまで誰もがゲーム開発を楽しめるUnityですが、具体的にどのようなプロダクトに使われているのでしょうか。活用例を紹介していきます。

ゲーム開発

Unityのアセットストアはライブラリや素材が充実しているため、グラフィックを追求した3Dゲームはもちろん、ドット絵を使ったレトロな2Dゲームを開発することも可能です。

<Unityで開発されたゲーム>
・白猫プロジェクト(コロプラ)
・LINE ポコパン(LINE)
・ファイナルファンタジーアギト(スクウエア・エニックス)
・ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君(スクウエア・エニックス)
・原神(miHoYo)

AR/VR開発

Unityの公式サイトではAR/VRのチュートリアルを公開しています。その充実度を見ても、UnityがAR/VR開発において大きな存在感を放っていることが分かります。

ARが導入されたゲームの代表格といえば『Pokémon GO』ですが、ゲーム以外にも自動車のデザイン設計や医療分野の教育現場などでも活用が進んでいます。

今後は宇宙分野での開発でもUnityの活用が見込まれており、ゲームエンジンとして以上の活躍が期待できそうですね。

ツール系のスマホアプリ

Unityで作ったアプリはバッテリー消費が激しい傾向があるため、「Unityでスマホアプリを開発するならゲーム」というイメージをお持ちの人は多いかもしれません。

しかしUnityはOSに依存されることなくさまざまな端末で動くアプリの開発ができるため、カレンダーやチャットといったような複数のプラットフォームで連携させるようなツールアプリの開発であえてUnityを使うこともあります。

Unityエンジニアになるには

2D・3Dゲームに加えてAR/VRなどの分野でも活用が進むUnity。ゲーム好きの人であれば1度はUnityエンジニアになりたいと考えたことがある人もいるのではないでしょうか?

そこで、Unityエンジニアになるにはどのような知識やスキルが必要なのか、Unityエンジニアとしての年収やUnityエンジニアの将来性などを見ていきましょう。

Unityエンジニアの年収って?

Unityエンジニアとして最も多い職種が、ゲームプログラマーです。

求人ボックス「給料ナビ」によると、ゲームプログラマーの平均年収は499万円。日本人の平均年収約440万円と比較するとゲームプログラマーの方が高めといえます。

全体の給与幅としては、326万円~790万円と幅広く、勤務先やスキル・経験などによって大きく差があることが分かります。

Unityを使ったゲーム開発は初心者にもハードルが低い一方で、収入アップを狙うには+αの知識や経験が必要でしょう。

市場価値の高いUnityエンジニアになるために必要な知識・スキルとは?

これまでに述べている通り、個人でUnityを使ってゲームを開発をするには高度なスキルや経験は必要ありません。

ただし、Unityエンジニアとしてのキャリアを考えるのであれば、C#を使った開発経験やUI・UXの知識は必要不可欠です。また、AR/VR関連の領域で活躍するのであれば医療や建築、自動車など自分の関わる業界の知識も必要となります。

さらに市場価値の高いUnityエンジニアになるには、イラストスキルや、2D・3Dモデルを制作するスキルがあるといいでしょう。これらのスキルがあれば、アセットストアにある素材に頼ることなくゲーム開発が可能になります。

Unityエンジニアの需要と将来性は?

結論からいうと、Unityエンジニアの需要・将来性ともに高いといえます。理由はやはりゲーム人気の高さ。特に高い人気を誇るスマホゲームはもちろん、『Nintendo Switch』や『PlayStation 4』など根強い人気のコンシューマーゲームの開発にも対応できるUnityエンジニアはゲーム会社にとってぜひ獲得したい人材でしょう。

Unityが使えるだけでUnityエンジニアとして採用できる状況ではありますが、先ほども述べたようにUnityエンジニアとしてキャリアを築いていくにはイラストスキルやモデリングスキルといった+αのスキルが必要です。また移り変わりの激しい業界だからこそ、最先端の技術をキャッチアップする姿勢も大切です。

Unityを始めるには

「Unityに興味が出てきた」という人は、まずはUnityをインストールしてみましょう。また、Unityには複数のバージョンがあるため、Unity HubもインストールしておくとさまざまなバージョンのUnityで動作検証ができます。

Unity、Unity Hubのインストール方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

Unityの開発環境はどうやって構築するの?

Unity Hubをインストールする時は、Unityストアからインストールしましょう。個人で利用する場合、無料プランのStudent、Personalがあります。該当する方を選び、その後手順従ってインストールしてください。

Unity Hubの初回起動時にUnityのインストール画面が表示されるため、こちらも手順に従ってインストールしましょう。正常にインストールができていれば、Unityの初回起動時にチュートリアルが表示されます。

Unityは英語表記がデフォルトとなっているため、日本語に変更したい場合はUnity Hubで日本語のLanguage Packsをインストールすると、Unityの設定画面で日本語選択ができるようになります。

Unityを効率的に学ぶ方法はある?

Unityはノンプログラミングでゲーム開発ができるツールですが、ゲーム開発について体系的に勉強したいならC#、JavaScript、Booといったプログラミング言語の知識があるといいでしょう。C#やJavaScriptは学習難易度がそれほど高くないためおすすめです。

まずはプログラミング言語を習得し、Unityの使い方を学び、実際にゲームを作ってみると自分のスキルレベルや課題なども見えてくるはずです。

動画学習サイト『ドットインストール』では、C#やJavaScript、Unityのインストール方法から操作方法、簡単なゲームの作り方まで順を追って学べます。

Unityは既に日本でもかなり普及しているゲームエンジンですので、書籍やWebサイト、勉強会なども豊富にあります。簡単なゲームを作れるようになったら、これらを活用しながらさらにステップアップを目指すのがおすすめです。

Unityエンジニアに向いている人って?

Unityエンジニアに向いているのは「ゲーム好きな人」というのは言わずもがなですが、好奇心の高さも大切な要素の一つでしょう。ゲーム開発にはプログラミングスキルだけでなくAR/VRなどの最新技術のキャッチアップやトレンドに対してアンテナを張っておくことも必要です。

学習意欲を高く持ち、常に新しい情報を吸収しようとする好奇心旺盛な人はUnityエンジニアに向いているといえます。

技術的には、JavaScriptやC#を習得している人は比較的早くUnityに馴染むことができるでしょう。Web系エンジニアからUnityエンジニアにキャリアチェンジする人もいますよ。

Unityはあらゆる業界で活用が進む万能なゲームエンジン

ゲーム業界ではトップシェアの実績を誇るゲームエンジンであるUnity。最近ではAR/VRなど新しい領域での活用も進み、ゲーム業界以外での活躍も目立つようになりました。

ノンプログラミングでも開発ができることから初心者にとってもハードルが低く、「誰もがUnityエンジニアとして活躍できる時代がきた」といっても過言ではありません。

「ゲームは好きだけどエンジニアになる自信が無い…」という人も、まずはUnityをインストールするところから始めてみてはいかがでしょうか?

文/赤池沙希

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