エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! エンジニア読者が抱える仕事やキャリアのお悩みに、注目企業のCTOやさまざまな領域の第一線で活躍する技術者が回答します
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戸倉彩&あらたまが回答! 成長するなら大手とベンチャーどっちがおすすめ?【聴くエンジニアtype Vol.16/MC・キャディばんくし】
今回から新たなゲストを迎えてお届けする『聴くエンジニアtype』。エンジニアtypeではおなじみの戸倉彩さんと、以前インタビューでも登場したCake.jp CTO・新多真琴(あらたま)さんが、エンジニアからの相談に回答していく。
今回は、初めての転職を検討中の若手エンジニアからの相談だ。

【MC】
キャディ株式会社 Tech Lead
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish)

【Speaker】
日本アイ・ビー・エム株式会社 カスタマーサクセス部長
戸倉 彩さん(@ayatokura)

【Speaker】
Cake.jp CTO
新多真琴(あらたま)さん(@ar_tama)
【今回の相談】
新卒で300名規模のSES企業に入社して1年。仕事の基礎が分かってきたので転職を検討しています。
将来はプロダクトの企画から開発まで一貫してリードできるプロダクトマネジャーになりたいと思っているのですが、 大手企業とスタートアップ企業のどちらに転職したらいいでしょうか。
企業選びの前に「自分はどうなりたいか」という軸を明確にしよう
河合:あらたまさんと戸倉さんであれば、大手とベンチャーの両方の視点からの回答をいただけそうですね。
まずは戸倉さん、相談者さんへのアドバイスはありますか?
戸倉:ベンチャー企業にはスピード感がありますし、さまざまな仕事が経験できる点が特徴ですが、大手企業であればすでに多様なプロジェクトが存在していますし、新しい取り組みを立ち上げる体力もあります。
また、大手企業の場合は入社後に豊富な研修が提供されるケースも多いので、チャンスに恵まれやすい。社員数も多いので、あらゆるバックグラウンドを持つ人と出会える点も魅力です。
いろいろなリーダーシップを持つ人と関わって、いいとこ取りをすることができるので、 やりたいことのイメージがぼんやりとしている段階の方にはおすすめです。
さまざまな人と触れ合い、さまざまな経験を積むことで、「自分らしさ」もできてくると思いますよ。
あらたま:私は新卒でDeNAに入社したのですが、人数規模で言えば大企業だったと思っています。
一方、今私が所属しているCake.jpは社員数が50人に満たない小さな会社なので、大手もベンチャーもどちらも経験した立場としてお話しできればと思います。
相談者さんに「こんなことに取り組みたい」「こんな課題を解決したい」「こんな自分のスキルを生かしたい」といった明確なビジョンがあって、それをかなえられそうなスタートアップがあるのであれば、その企業を選ぶといいと思います。
ただし、スタートアップの多くは体制や制度が整ってない状態です。
仮に入社後に「思っていたのと違うな」とギャップを感じたときに、そのギャップを埋める力が自分にあるかどうかによって、スタートアップで成長できるかどうかが決まると思います。
そのギャップを埋めるためには、自分の中で理想像を描けていることが大事です。
理想像がない状態でスタートアップに飛び込むのは、RPGで例えるなら「ひのきのぼう」だけを持ってラスボスに挑みに行くようなもの。そうなると、結構つらくなっちゃうと思いませんか?
それが不安であれば、サポート体制が充実していて、新しいキャリアの可能性に気付ける機会が豊富な大手企業を選ぶのも一つの選択かな、と思います。

河合:おっしゃる通り、ベンチャー企業に入るのであれば「道のスライムを倒してお金を作っていくぞ」という精神が必要かもしれませんね。
あらたま:ベンチャーと一口に言っても、企業のフェーズにもよりますけどね。
創業期だと、プロダクトすらなくて「こんなサービスがいいと思うから作って!」という状態からのスタートになりますし、上場間近であれば大手企業も顔負けの体制が整ってるケースもありますし。
河合:ちなみに戸倉さんは、ご自身で若手社員向けの研修を担当されることもあるんですか?
戸倉:そうですね。外資系企業ですとグローバル目線かつ英語で行う研修が多いのですが、日本の文化に根付いた日本語の研修も必要な場合もあるので。
みんなで学ぶべき内容を話し合い、成長のために協力し合う文化が根付いている点は魅力的ですよ。
河合:みんなで勉強するような余裕がある点も、大手企業のいいところですね。
相談者さんは26歳なので、これからさまざまなことに挑戦していく時期ですよね。今のうちに大手企業で経験を積んで、そこで得たものをベンチャー企業で還元していくような成長の仕方もできそうだなと思います。
ただ、もしかしたら「大手だと成長が遅れるのでは」といった懸念があるのかもしれないと感じていまして。あらたまさんはDeNAに在籍していたとき、成長スピードに不安を感じたことはありましたか?
あらたま:まったくないですね。
むしろとてもストレッチを求められましたし、「その視野の広さじゃ足りないよ」と何度もフィードバックをもらいました。私としても、何としてでも食らいついていきたい、という思いがありましたしね。
その結果任せてもらえた仕事もありましたし、成長を実感できるシーンも多かったので、 一概に「大手だから物事の進みが遅い」「成長できない」といったことはないと思います。
それに、成長できるかどうかは環境ではなく自分のスタンス次第だと思うんです。
得たい経験や生かしたいスキルが明確にあって、それが「今の環境では実現できません」という状況なのであれば、環境を変えるという選択も必要ですけどね。
ですが、自分の軸が明確に定まってないまま、何となく毎日を過ごしてしまった結果「このままじゃダメかも」と思っているのであれば、自らアクションを起こすことで打開策が見つかるかもしれないですから。
河合:ベンチャー企業にも大手企業にもいいところはあるので、まずは「やりたいことが定まってるか」という部分が大事ということですね。
次回は3月16日(木)更新予定。テーマは「目標設定」です。お楽しみに!
文/まゆ
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