中途退職わずか1名のSES企業が、エンジニアに「別に辞めてもいい」と言う理由
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エンジニアの人材不足が叫ばれるようになって久しい昨今。採用難易度が高まっていることはもちろん、各社が既存エンジニアのつなぎ止めに苦戦している様子がうかがえる。
十分な経験を持つエンジニアであれば、転職すれば十中八九給与が上がる今、自分のスキルをより高く買ってくれる会社へと移っていくエンジニアを引き留めるのは容易ではない。
そんな中、「中途入社のエンジニアのうち退職したのはわずか1名」という、極めて高い定着率を誇るSES企業がある。それが、今回登場するボンズテックだ。
なぜボンズテックは「エンジニアが辞めないSES」となれたのか。エンジニアたちとともにどんな未来を見据えているのか。代表取締役の中尾康之さんと、執行役員の中野智裕さんに話を聞いた。
辞められるくらいなら、何もかもオープンにしてしまえ
2016年7月に設立されたボンズテックは、この夏8年目に突入した。今日に至るまで、中途入社したエンジニアの離職者はたった1名。昨今のIT業界の状況を見ると、まさにトップクラスの定着率を実現している。
その理由を探ろうと掲載中の同社の求人を見てみると「案件単価の8割程度をエンジニアへ還元」「経験者は前職給与保証」「リモートワークや副業OK」など、エンジニアにとって魅力的なキーワードが並ぶ。なるほど、待遇や環境の整備に余念がないらしい。
「でも、もっと大事なことは他にあるんです」
そう語るのは、ボンズテックの代表取締役である中尾さんだ。
「確かに、当社ではエンジニアに対して個人の契約単価の大半を還元しています。ですが、還元率が高いことよりも『還元率が明らかになっていること』が大事だと思うんですよ。
当社は設立以来、会社の状況をできる限りディスクローズしていく、というスタンスを貫いてきました。会社の売り上げはもちろん、自分の単価もオープン。
給与と照らし合わせることで、会社が利益としてとっている割合がわずかであることが分かるし、自分の契約単価の多くが自分に還元されていることにも納得できるはずです。
SES事業を手掛けている企業の中には、エンジニアの契約単価を本人に伝えていないケースも多い。ここは、当社の大きな特徴の一つと言えるでしょう」(中尾さん)
中尾さんの言う通り、自身の契約単価を把握していないエンジニアは少なくない。会社の立場になってみれば、単価を開示することで利益の割合を増やしづらくなったり、還元率に不満を持たれたりとデメリットが多いのも理解はできる。
しかし、中尾さんにはそれ以上に「前職でのある経験」を繰り返すことの方が怖いと明かした。
「私は以前勤務していたIT企業で人事を担当していた時期がありました。その時、エンジニアからたくさんの不満を聞いたんです。
『同じプロジェクトに入っている他社のエンジニアより、自分は給与が安い』という嘆きもあれば、時には『会社が利益をふんだくっているのでは?』といったあらぬ疑いをかけられることも。結果、不満や不信感を募らせたエンジニアは次から次へと辞めていき、私が人事を担当している間だけで、200人近い社員を見送りました。
会社の情報が不透明だったばかりに、将来性のあるエンジニアたちから見放されてしまうことがある。前職でその怖さを実感しました。
だからこそボンズテックでは、エンジニアを不安にさせたり不信感を抱かせたりするくらいなら、最初から全てオープンにしてしまった方がマシだと思ったんです」(中尾さん)
会社に文句を言う前に「自分で稼ぐ努力」をできるエンジニアであれ
中尾さんの前職での苦い体験を生かし、エンジニアが納得して仕事に集中できる環境を築き上げてきたボンズテック。その成果は、前述した定着率の高さに表れていると言えるだろう。
しかし、「会社から与えられる待遇を期待しすぎるのは、エンジニアとしては危険」と役員の中野さんは指摘する。
「エンジニアは売り手市場が続いているので、転職をすれば基本的には年収が上がります。例に漏れず当社も経験者に対しては前給を保障していますしね。
ただ、それに満足しているようでは本当はダメなんです。提示された金額に不満を述べて、『もっとくれ』と言っていたってエンジニアとしてのキャリアに未来はありません。
エンジニアの給与は、契約単価の中から支払われます。つまり、実力と比例するわけです。
給与を上げたいのであれば、本来は自らスキルを上げる努力をしなければならないはず。それをせずに給与交渉ばかりするのは、スマートとは言いがたいと思いませんか?」(中野さん)
中野さんは、自身も30年以上のキャリアを持つエンジニア。だからこそ、受け身な姿勢のエンジニアを見ると、そのキャリアを危惧してしまうのだろう。
ただ、ボンズテックの環境下では受け身になりづらいはずだと中野さんはほほ笑む。
「先ほど中尾が言った通り、当社ではエンジニアの契約単価を本人に伝えています。なので、『自分はいくら払ってもらえるエンジニアなのか』が分かる。
自分の単価が分かれば、それを上げるためにはもっとスキルが必要だ、ということにも気付くでしょう。もちろん会社からも、伸ばすべきスキルのアドバイスはしていきますしね」(中野さん)
中野さんがボンズテックにジョインしたのは昨年末。現在はエンタメ関連のプロジェクトを担当するチームを率いている。このエンタメ関連チームは、中野さんのジョインを機に新設された。
「転職にあたっていろいろな企業とお話をさせていただきましたし、中には大手と言われる企業もありました。しかし、自由がきかない組織も多く、納得して働けるイメージが湧かなかったのです。
これまでお付き合いしてきたクライアントとの関係を大切にしたかったので、転職した先でもプロジェクトは継続させたかった。そのため、『御社でこの仕事をやらせてもらえますか?』と話して快く受け入れてくれたボンズテックを選びました。
長くエンジニアとして活動してきたベテランの方であれば、関係性の深いお客さまも多いでしょう。『今所属している会社では仕事がスムーズに回らない』と感じるのであれば、ボンズテックに場所を移してその仕事を継続することも一つの手です。そういう方法もあるのだということを、私の経験をもとにお伝えできたらいいですね」(中野さん)
「定着率が高い会社」が正解だとは思わない
事業の拡大とともに社員数も増加し、ボンズテックは今変革期に差し掛かっている。中尾さんは設立からのこれまでを「会社としての体力をつけるため、縦軸に事業を伸ばしていた時期」と分析し、次の展開を見据えている。
「今まではSES事業を主軸に業績を伸ばしてきました。しかし、それだけで満足しているわけではありません。現場のエンジニアとしても、事業の軸が一本しかないとなると不安が生じてくるでしょう。
今後は自社内開発のチームを拡大するほか、中野が率いるエンタメ関連チームや、マーケティング関連のプロジェクトを始動させるなど、事業を横軸にも広げていく予定です」(中尾さん)
さらに中野さんは「会社の風土も大きく変わっているのでは」との実感を語る。
「これまでは金融系のお客さま中心だったため、ボンズテック自体にも堅実な雰囲気がありました。しかし最近はエンタメやマーケティングといった多様な領域のプロジェクトを手掛けるようになったことで、さまざまな専門性を持つエンジニアがジョインしてきています。
それぞれのカルチャーが混ざり合い始めている時期です。コミュニケーションを深めてお互いの文化の特徴を理解していく必要がありますね」(中野さん)
この変革期を乗り越えるため、定着率の向上にさらに注力していくに違いない。しかし、そんな予想に中尾さんは首を振る。
中尾さんは「ボンズテックでしか通用できないエンジニアにならないように育てていきたい」とエンジニアの将来に目を向けていた。
「会社としては、長く働いてくれることはもちろんうれしいですし、今後も活躍してもらえるように環境整備に努めていくつもりです。ただ、定着率の良さを守り続けていきたいとは思っていません。
個人のキャリアを考えるなら、どこに行っても活躍できるようなエンジニアになってほしいんです。そのため、プロジェクトのバリエーションを増やし、ジョブローテーションなどで経験値を高めていけるような取り組みも検討しています。
本人のキャリアにとって良い選択なのであれば、背中を押して応援したい。実際、中途入社で唯一退職したエンジニアとは今もつながりがありますし、良い関係が築けています。
この業界は広いようでいて狭いので、会社を離れた後も一緒に仕事はできますからね」(中尾さん)
エンジニアの成長にどこまでも真摯に向き合うボンズテック。中野さんは若手エンジニアに向け、最後に一つアドバイスを送った。
「技術スキルを磨くことも大切ですが、自分と一緒に働く仲間やお客さまと良い関係を築くことにも意識を向けてください。
良いつながりができれば、もしも今いる会社を離れようと思っても、『次も一緒に働こう』『うちの会社に来ませんか?』と声を掛けてくれる人がたくさんいるはずです。
若いうちから信頼されるエンジニアになることができれば、自分のキャリアの選択肢が広がっていきますよ」(中野さん)
取材・文/キャベトンコ 撮影/桑原美樹 編集/秋元祐香里(編集部)
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