ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者
基本情報技術者試験 対象者像 - 独立行政法人 情報処理推進機構 公式HP基本情報技術者試験とは? 試験の難易度やおすすめの勉強法を解説!
基本情報技術者試験は、ITに関する基礎的な知識や技能が問われる国家試験の一つ。この記事では、基本情報技術者試験の内容や取得のメリットなどについて徹底解説します!
目次
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験「情報処理技術者試験」の一つです。情報処理技術者試験の中で最も基礎的な知識・技能を問われる試験であり、ITエンジニアの登竜門的資格といわれています。
新人教育の一環で本試験の合格が推奨されているIT企業やカリキュラムに組み込まれている学校も珍しくなく、年間10万人以上が受験する人気資格です。
基本情報技術者試験が注目される理由
プログラミング教育の必修化やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進などにより、IT化の潮流は今後ますます加速していくことが予想されます。そのため、ITリテラシーに関する基礎的な知識を学べる基本情報技術者試験は、年齢・職種問わずさまざまな方の「ITへの一歩」を後押しする試験として改めて注目を集めています。
さらに試験形式がCBT化されたことにより、通年で受験が可能となりました。長文問題がなくなったことで合格率も向上しており、受験料や勉強時間などの負担が少ないことから「コスパの良い国家試験」としても認知されつつあります。
ITパスポート試験との違い
基本情報技術者試験と同じく独立行政法人情報処理推進機構が運営する国家試験であり、どちらもIT初心者向けの試験であることから混同されやすいのが「ITパスポート試験」です。
経済産業省と情報処理推進機構が策定した「共通キャリア・スキルフレームワーク」では、ITパスポート試験はレベル1、基本情報技術者試験はレベル2に設定されています。
つまり、基本情報技術者試験はITパスポートよりもワンランク上の知識が必要です。具体的には、ITパスポートでは情報技術や情報処理の基礎的な知識が問われるのに対し、基本情報技術者試験の試験内容にはプログラミングも含まれます。
とはいえ、どちらの資格も初学者向けであり、独学で短期合格することが可能です。スモールステップで着実にレベルアップしたい方はITパスポート試験から、試験勉強が得意な人やスピーディーにプログラミング知識を身につけたい人は基本情報技術者試験から受験するのがいいでしょう。
試験の概要
基本情報技術者試験の内容について、詳しく見ていきましょう。なお、下記の内容は情報処理推進機構の公式サイトより確認できます。
※本項目は、全て2024年9月時点での情報です
対象者
基本情報技術者試験は、受験する上での必須条件はなく、年齢・学歴・実務経験問わず誰もが受験できます。冒頭でも述べたとおり、ITエンジニアの登竜門的な試験であり、IT企業を目指す学生やIT部門に配属された新入社員、IT活用を目指す担当者など幅広い人が対象となっています。
公式サイトでは、基本情報技術者試験の対象者像を以下のように定めています。
出題範囲・出題数・試験時間
基本情報技術者試験は二つの試験で構成されており、それぞれの試験で6割以上の点数を取る必要があります。
科目A試験 | 科目B試験 | |
---|---|---|
試験時間 | 90分 | 100分 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
出題範囲 | テクノロジ系 – 基本理論 – コンピュータシステム – 技術要素 – 開発技術 マネジメント系 – プロジェクトマネジメント – サービスマネジメント ストラテジ系 – システム戦略 – 経営戦略 – 企業と法務 |
1 プログラミング全般に関すること 2 プログラムの処理の基本要素に関すること 3 データ構造及びアルゴリズムに関すること 4 プログラミングの処分や適用に関すること 5 情報セキュリティの確保に関すること |
出題数 | 60問 | 20問 |
合格基準点 | 600点/1000点満点 | 600点/1000点満点 |
合格率
情報処理推進機構が発表した統計資料によると、令和6年度7月の基本情報技術者試験の合格率は41.7%でした。新制度に変わった2023年4月は合格率が55%程度と高めの水準でしたが、徐々に調整が進み、現在は40~45%程度で推移しています。
試験日・試験会場
2023年3月以前は春と秋の年2回の実施のみでしたが、2024年4月の新制度からCBT化され、通年好きなタイミングで受験が可能となりました。試験会場は全国47都道府県にあるテストセンターです。
試験申込時に自分で試験日時や会場を選択できます。
受験料
基本情報技術者試験の受験料は7,500円(税込)です。支払い方法は以下の3通りです。
●クレジットカード決済
●ペイジー(Pay easy)
●コンビニ利用 ※払い込み手数料は受験者負担
申し込み方法
申し込み方法はインターネットによる個人申し込みのみとなります。試験概要ページにアクセスし、手順に従って入力してください。
なお、初めてCBT-Solutionsで申し込みをする場合は利用者ID(マイページアカウント)が必要です。「ITパスポート試験の利用者ID」「令和2年度から令和4年度に実施した情報セキュリティマネジメント試験(SG)・基本情報技術者試験(FE)でのID」は使用できないため注意が必要です。
有効期限
基本情報技術者試験には有効期限はありません。一度取得すれば更新することなく恒久的に資格を証明できます。
取得難易度
基本情報技術者試験は、国が定めるITスキル標準において7段階中レベル2に該当しています。これは「一定範囲の作業であれば独力で担当できるレベル」を指し、国家試験でありながらも非常にハードルが低い試験であることがわかります。
初学者におすすめの勉強法
基本情報技術者試験は初学者向けの試験ですので、独学で合格することも可能です。とはいえ、情報処理システムの開発やプログラミングについてなど、開発者として幅広い知識を求められるため要点を押さえてしっかり勉強することが必要です。
以下では、初学者におすすめの勉強法を紹介します。
まずは用語の意味を調べる
基本情報技術者試験はIT人材の登竜門にあたる試験ですので、「まず何から始めたら良いかわからない」という人も多いでしょう。IT分野は専門用語が多いため、初学者や文系の人はまずテキストや参考書でよく出てくる単語の意味を調べるところから始めましょう。用語集を一冊手元に置いておくのがおすすめです。単語の意味を理解しておくと、理解がスムーズに進むようになるはずです。
アプリやWebサービスを活用する
アプリやWebサービスを利用すれば、通勤時間などのスキマ時間に勉強することが可能です。過去問題を中心に取り組むものや一問一答タイプ、解説が丁寧なものなどサービスによって特色があるため、口コミなどを参考にしつつ自分に合ったサービスを選択しましょう。
取得を目指すメリット
基本情報技術者試験の取得および、取得に向けて勉強することは非常に大きなメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。
IT人材へのファーストステップになる
これまで何度も述べているとおり、基本情報技術者試験は文系出身者や非エンジニアなど初学者におすすめの試験です。必然的にテキストや参考書も初学者向けのものが多いため、勉強を通じてIT人材としての基礎をしっかりと固められるでしょう。技術者としての知識はもちろんITビジネスの全体像理解にもつながるはずです。
就職・転職時のアピール材料となる
今やIT業界はもちろん、一般企業でもITスキルは必須スキルの一つとなりました。基本情報技術者試験はIT人材としての基礎スキルを証明するのに非常に有効ですので、就職や転職時に有利に働く可能性があります。また向学心のアピールにもつながるでしょう。
資格手当や一時金の対象になることがある
企業によっては、基本情報技術者試験の取得が資格手当や一時金の対象になることがあります。収入アップは試験勉強において大きなモチベーションにもなるため、ぜひ勤め先企業の福利厚生や規定をチェックしてみましょう。
基本情報技術者試験の取得が直接的に収入アップにはならなくとも、上司に「向学心がある人材」と判断されればキャリアアップの後押しとなることも。受験料は7,500円(税込)と、テクノロジー系の資格としては比較的安価で受験できるため、非常にコスパが良い資格といえるでしょう。
取得後に目指したい上位資格
基本情報技術者試験に合格したら、次に目指したい資格として代表的なものは「応用技術者試験」です。応用技術者試験は基本情報技術者試験の上位試験であり、出題範囲は基本情報技術者試験の延長となります。
応用情報技術者試験の合格は高い技術力や知識の証明となるため、就職や転職にも非常に有利になることが期待できます。基本情報技術者試験に合格したら、ぜひ取得を目指しましょう。
まとめ|基本情報技術者試験は初学者におすすめ!
基本情報技術者試験は、IT業界でのキャリアスタート時に有効な試験の1つです。受験者はIT企業の新入社員や文系出身者、学生など幅広く、これからIT業界を目指したい人におすすめの試験であることは間違いありません。
また受験料や必要な勉強時間が少ないわりに一度取得すれば生涯有効であることや合格率が高いことから、「コスパの良い資格」でもあります。「IT業界に就職したいけど、何から始めたら良いかわからない」という人はぜひ受験を考えてみてはいかがでしょうか?
文/赤池沙希
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