メルカリ新卒は入社前に昇給しちゃう!? あまり知られていないメルカリの「再オファー制度」が結構いい件
「新卒はみんな同じ初任給」――そんな前提を静かに覆しているのが、メルカリの新卒採用だ。
同社には、内定を出したあと、入社までの約1年の間に学生のスキルが伸びた場合、再び評価を行い、初任給を見直す「再オファー制度」が存在する。
対象は、入社日から6カ月以上前にオファーを受けた学生。内定後の期間に、インターンや研究、技術イベント登壇などを通して能力を磨いた場合、その成果を報酬に反映するという仕組みだ。
同社のTalent Acquisition マネージャー 久保木 誉延さんに話を聞くと、この制度の背景には、メルカリがカルチャーの中心に据えるバリューの一つ、「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」があるという。
メルカリが考える“プロフェッショナル”とは、単なるスキル保持者ではありません。 専門性に加え、学び続ける姿勢や責任ある行動、高い倫理観を備えた人のことを指します。
つまりメルカリでは、「スキルを磨くこと」自体が、すでにプロとしての行為なのだ。
メルカリは創業当初から、学歴や新卒・中途といった区分にとらわれない職種別・実力主義の採用を行ってきました。報酬も「新卒一律」ではなく、個々のスキルや市場価値に応じて提示されます。
再オファー制度は、その延長線上にある仕組みであり、「努力と成長を適切に評価する文化を制度で体現する」取り組みだ。学歴や雇用区分といった枠ではなく、スキルと成長を見て評価する。
メルカリの文化は、形式的な“平等(equal)”よりも、結果と努力に基づく“公正(fair)”を重んじている――そう言い換えてもいいだろう。
そうした発想が、採用段階から制度として明確に設計されている点に、メルカリらしい合理性がにじむ。
変化のスピードが速いテクノロジー業界では、1年前のスキルセットがすでに過去のものになってしまう。
だからこそ、スキルの“最新状態”を評価するために、入社までの期間を「待機」ではなく「アップデート期間」と定義する。この発想は、スキルを「時価」で評価するエンジニア文化に通じている。
努力を見逃さず、成長を報酬で可視化する。 「プロであること」を信じる組織が作る制度は、やはりフェアで、そして少し先を行っていると言えそうだ。
文・取材・編集/玉城智子(編集部)
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