利益優先SESが生む“本末転倒”な結末。業界の闇を見た代表は「エンジニアが成長する会社」をどう作った?
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「希望を考慮したアサイン」「エンジニアの成長にコミット」
エンジニアであれば、少なからずそんな謳い文句を目にしたことがあるだろう。しかし、売上や利益が重視され、名ばかりの「希望のヒアリング」がアサインに反映されることはない……という現場が今もまだ残っているのが実情だ。
そんな中、De-Lifeの創業者であり代表の肝付純平さんが説く「エンジニアの自己成長を支援したい」という言葉は、理想論に聞こえるかもしれない。しかし、IT業界での営業経験を持つ肝付さんは、エンジニアの納得感の欠如がもたらす結末を知っているからこそ、ビジョンを語るだけで終わらない。
社員定着率99%という数字の裏側に隠された、エンジニアの自己実現力を伸ばす組織の姿にスポットをあててみよう。
De-Life株式会社
代表取締役社長
肝付純平さん
美容師として働いたのち、家業である内装業を経験。その後SES企業に就職し、営業職として高い成績を上げ、2年目で課長、3年目で部長に昇進。2022年、De-Lifeを設立
利益優先型SESで見た“本末転倒”な状況
ーー肝付さんはIT業界の営業職を経て、De-Lifeを創業したとか。
創業前はSES企業で働いていまして、営業の管理職としてマネジメントも担当していました。営業だけでなくエンジニアと会話する機会も多く、その中で「会社がエンジニアのキャリアや成長に寄り添えていない」と感じていたんです。
というのも、前職では売上や利益の確保が最優先。「どんなプロジェクトでもいいから、どんどん現場にエンジニアを送ろう」という経営方針でした。
もちろんそれも企業経営の一つです。企業として成長し、エンジニアに還元していくためには売上が重要であることも間違いありません。
でもエンジニアからすれば、なぜ自分はこのプロジェクトにアサインされ、何のためにこの業務を担当するのかが分からないので、将来のキャリアが全く見えない状態です。その結果、不安を感じるエンジニアが増え、「今のプロジェクトを離れたい」「会社を辞めたい」といった相談を度々受けるようになりました。
ーー肝付さん自身も会社の経営方針に違和感を持つようになっていったんですね。
売上のための方針とはいえ、その結果離職者も多く出てしまって。人が定着しなければ、経営は安定せず、結局売上や利益も伸びません。これでは本末転倒だと思いました。
社員のキャリアや成長を第一に考えて本人の意思を尊重すれば、エンジニアも長く安定的に働き続けることができ、結果的に会社の業績も伸びていく。そんな良いサイクルを作りたいと考えて創業したのがDe-Lifeです。
ーー創業時から明確なビジョンがあった、ということですね。
はい。なのでその思いを込めた「自己実現力」「成長」「幸福度」の三つを経営理念に掲げています。
「自分は何がやりたいのか」「エンジニアとして目指すゴールはどこか」などを、自身で意思決定してほしい。自分がやりたいことならモチベーション高く取り組めますからね。自分の人生を自ら選んでいけるように、というのが私の願いです。
エンジニアの成長ドライバーの正体
ーー経営理念に「成長」とありますが、De-Lifeではエンジニアの「成長」をどのように捉えているのでしょうか。
前提として、私は成長のペースやプロセスも自分自身で決めるべきだと考えています。ひと口に成長と言っても、一つずつ着実に身に付けていきたい人もいれば、駆け足でステップアップしていきたい人もいる。5段、10段を一気に飛び越えたい人もいるでしょう。
ですから「自分がどう成長していきたいか」はエンジニアが自分で考え、会社はそれを実現できるような環境を提供するのが良いと思っています。
これも前職で、個人の志向と会社が与える環境とのミスマッチにより、思うように成長できないエンジニアをたくさん見てきたことで持つようになった考えです。
ーーエンジニア自身の志向に合った成長を実現するためには、どのような環境が必要だとお考えですか?
とにかく「対話」と、エンジニア個人の目標に合わせた「アサイン」に尽きると思います。そのためには、会社とエンジニアがコミュニケーションを密にとり、その時々の状況や思いをしっかり把握することが必要不可欠。
特に私たちは、おそらくSES業界でトップクラスのコミュニケーション量だと自負しています。
ーー評価のタイミングで面談を行うなど、エンジニアと会話する機会を設けている企業は多いですよね。
私たちは評価のタイミングに限らず、定期的な面談を設けています。
まずは、入社前の三者面談。これは営業課長と技術部門のマネジャーが同席し、本人から「どんなプロジェクトに参画したいか」「どのようなキャリアを描きたいか」、そして「どんなペースで成長していきたいか」などをヒアリングする場です。
もちろん採用面接でも同じ質問をしますが、面接では自分をよく見せたいという心理が働いて、本音を言えないこともあると思うんです。それは自然なことなので、面接時の話だけで入社後の配属を決めるようなことはしません。
ーー入社が決まってから改めて本人の意思を確認する、と。
そうすることで、その人に合ったプロジェクトにアサインできるのでミスマッチの軽減につながるんです。
その後も2カ月に一度の面談を行いますし、プロジェクトや業務内容が変わる時も三者面談を実施するなど、定期的にエンジニアとコミュニケーションをとります。
ーー面談には肝付さんも参加するんですか?
私は半年に一度、エンジニアを含めた全社員と個別に話す機会を設けています。
創業して間もない頃は私と社員の距離がとても近かったのですが、90名近くに増えた今は、どうしても「代表」はちょっと遠い存在に感じられやすくて。ですが、それでは悩みや問題があったときに、会社に相談しにくい空気が生まれかねません。なので、社員との信頼関係を築きたいと考えて面談させてもらっているんです。
ーー他の面談とは目的が違うんですね。
私の面談では、「この半年間でどれだけ成長できたか?」をテーマにしています。
なぜこの問いかけをするかと言えば、自分の成長に気付いていない人が多いから。「全然成長できませんでした」と答えるケースが多いんです。
でも私が「じゃあ、この半年間でやってきたことを聞かせて」と尋ねると、出てくるエピソードからはしっかりと成長が見られるんですよ。それを本人に伝えると、「自分は成長できていたんだ」と実感できるし、他者から成長を認めてもらえた嬉しさも感じられる。それが一つの成功体験になり、さらなる成長へとつながっていくと思っています。
理想は「変わることを前提」にして向き合う
ーー確かにDe-Lifeのコミュニケーション量はかなり多いですが、そこまで頻繁に面談を行うのにはどのような意図があるのでしょうか?
現場で経験を積むにつれて、キャリアプランも変化して然るべきだからです。
特に未経験者や経験の浅いエンジニアの場合、現場に出て初めて業務や技術について理解が深まるので、入社前のIT業界とは考えが変わることも珍しくありません。もちろん、経験を持つ若手エンジニアにも同じことが起き得ます。
ですから定期的に直接話を聞き、キャリアプランの変化に合ったプロジェクトにアサインするといった対応をとります。これが、成長を支援する上で重要なもう一つの要素である「アサイン」につながります。
ーーとはいえ、顧客からのニーズや、増員が必要なプロジェクトもあるはずです。全てをエンジニアの希望通りにアサインするのは難しいのでは?
それでも、本人が納得できない案件には絶対にアサインしません。
おっしゃる通り、エンジニアの希望に合った案件をいつ何時用意できるとも言い切れませんし、マネジャーから見てより成長につながるプロジェクトがある場合もあります。
そういったときは、「こういう理由でこのプロジェクトを候補として考えていますが、どう思いますか?」と必ず本人の意思を確認します。本人が納得していない状態で強制することはありません。
万が一希望するプロジェクトが用意できなかったとしても、「〇カ月後には希望通りのプロジェクトにアサインする」と約束しています。
本人の意思に反してこちらの都合を押し付けたままにすれば、前職と変わらなくなってしまいますから。
サポートを“寄り添い”で終わらせない
ーーエンジニアに寄り添う姿勢は感じとれたのですが、成長を実現するためには具体的なサポートも必要ですよね。
そうですね。せっかく面談で悩みや希望を打ち明けてくれても、マネジャーが口でアドバイスするだけの会社も多いかもしれません。
ですが私たちの場合は、経営層や管理職が社員のために解決策を考えて実際の行動に移します。
ーー実際の行動、というと?
例えば、あるネットワークエンジニアが初めてPLとして現場に入った時のこと。本人の意思によるアサインだったものの、未経験のPLに戸惑い、最初はさまざまな壁や障害にぶつかったんです。
その状況を定期的な面談でキャッチアップし、副社長自らがサポートに入りました。
副社長は35年以上のキャリアを持つエンジニアで、大手通信会社を始めとする数々のプロジェクトでPMを務めてきたベテランです。顧客からも「彼以上にマネジメントが達者な技術者はいない」と評価されるほどの腕の持ち主。その副社長が現場に同行し、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションをフォローしたり、課題解決策を提案したりすることで、現場がうまく回るように支援したんです。
その経験を経て本人も多くを学び、少しずつリーダーとしての自信をつけていきました。現在では一人前のPLに成長しています。
ーーお話を伺っていると、肝付さんや副社長といった経営陣がエンジニアの可能性を心から信じていることが分かります。
「人は変われる」というのが私の考えなんです。なぜなら、私自身がそうだったから。
今でこそこんな偉そうな話をしていますが(笑)、IT業界に入って営業として働き始めた頃は、目の前の数字を追うことに精一杯で周りが見えていませんでした。でも管理職になり、部下を持ったり、エンジニアから相談を受けたりする立場になったことで、「今のままの自分ではダメだ」と気付かされた。それからは毎朝早起きして勉強したり、周囲の人とより丁寧なコミュニケーションを心掛けたりと、行動が大きく変化して人間力も磨かれたと感じています。
その経験があるので、誰もが成長できる可能性を持っているし、本人の気付きがあれば必ず変われると信じています。
あくまでも、エンジニアに目が届く規模感でありたい
ーー現在の社員数は約90名。今後も採用は継続していくとのことですが、人数が増えればサポートのコストも増えるのでは?
おっしゃる通りです。そのため、引き続き会社としての成長は目指しますが、社員数を増やすペースは少し落とすつもりです。規模を急拡大すると社員の離職につながる恐れがありますから。
直近は1年で40人ずつ増えていましたが、これからは20名ほどに抑えて、5期目の今年は社員数110名、6期目の来年は130名となる規模を目処に採用を行う計画です。
現在の正社員の定着率は99%で、辞める人はほとんどいません。短期間で人が増えすぎることで一人一人に目が行き届かなくなるのは避けたいんです。
無理に規模を拡大するより、エンジニアをしっかりサポートできる環境を維持しながら、社員と共に成長していける会社を目指したいですね。
ーー会社としての成長というと、今後取り組んでいこうと考えていることがあるのでしょうか?
ここからの目標は、De-Lifeならではの強みや特色をしっかり打ち出していくことです。
なかでもAIデータクラウドプラットフォームのSnowflakeを活用したデータ分析・活用と、AWSやAzureのクラウドによるインフラ構築、この二つの領域を強化していきたいと考えています。
これらの領域はもちろん、エンジニア経験者でも未経験者でも、挑戦したいことがあるエンジニアと一緒に働きたいですね。
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取材・文/一本麻衣 撮影/桑原美樹 編集/秋元 祐香里(編集部)
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