本連載では、圓窓代表・澤円氏が、エンジニアとして“楽しい未来”を築いていくための秘訣をTech分野のニュースとともにお届けしていきます

バッテリー・複数SIM・クラウドへの書類アップ…慌てる前に考えたい、エンジニア流の災害対策【連載:澤円】

株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。
著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『あたりまえを疑え。―自己実現できる働き方のヒントー』(セブン&アイ出版)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」 』(プレジデント社) Voicyアカウント:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム
皆さんこんにちは、澤です。
最近、日本各地で何度か大き目の地震がありましたね。
また、年々台風も大型化してきていることは、さまざまなレポートを見てもどうやら間違いなさそうです。
日本は災害大国。
自然災害は防ぎようがないので、備えるしかありません。
エンジニアとしてできる災害対策
エンジニアtypeの読者の皆さんは、ITリテラシーの高い方がたくさんいらっしゃることと思います。
災害対策は全人類が考えなくてはならないものですが、その中でもエンジニアとしてできることを考えてみたいと思います。
人間として生き延びていくために必要なものとしては、まずは水や食料、懐中電灯や非常用燃料や簡易トイレなどは常に備えておきましょう。
その上で、なんといっても大事なのは電源ですね。
ボクは多種多様なモバイルバッテリーを常備してあります。
もちろん、大容量かつ持ち運べるこのタイプは必須ですね。
そして、我が家はこれも備えてます。
ITエンジニアには、やっぱり電源が必要ですよね。
停電になる時間が日本はあまり長くはないかもしれませんが、「備えあれば憂いなし」が災害対策の基本中の基本。
そう考えると、やっぱりバッテリーはしっかり備えておきたいところです。
ボクは車からチャージすることもできるのですが、車持ってないよ~という方はこんなチョイスもあるかもですね。

かっこいい……
そして、ボクの場合には「複数キャリアのSIMを持つ」ことで、災害にも備えています。
これは、もともと地方を飛び回って講演していた時に、「地域によっては特定のキャリアのが入りにくい」ということがちょくちょくあったので、いくつかのキャリアと契約をするようになったのがきっかけです。
ランニングコストがかかるので、「みんなこうしましょう!」とまで言うつもりはありませんが、通信を失うリスクを下げるという意味では、効果的ではないかと思います。
災害によってどのキャリアの基地局がダメージを受けるかわかりませんからね。
そして、「連絡を取りたい人たちにあらかじめSNSなどの操作を教えておく」のも大事です。
いざというときに連絡を取れる手段を複数用意しておくと、連絡が取れる可能性をアップすることができます。
特に、相手がITリテラシーのあまり高くない人だった場合には、「これさえ使えばOK」という状態をつくっておいてあげると安心でしょう。
例えば、常時電源ONのパソコンを一台置いておいて、Messenger、LINEなどの設定を済ませておけば、無事を知らせるくらいの連絡はできる可能性が高くなります。
エンジニア視点で「こうすれば便利」を考える
どんな技術を具体的にどのようにデプロイするのかは、エンジニアの腕の見せ所になるかと思います。
また、「もっとこうなっていれば使いやすいのに……」と考えることも、エンジニアとしての成長につながってくるように思います。
ふだんわれわれが当たり前のように使っていることが、高齢者やIT弱者にとっては極めて高いハードルであることを知る、良いきっかけにもなります。
緊急時に慌ててやるのではなく、平時に準備しておくことが大事ですね。
平時にできることとしてもう一つお勧めしたいのは、「あらゆる重要書類の写真をクラウドにアップしておくこと」です。
例えば、保険の証書や免許証、マイナンバーカード、諸々の契約書類などを写真に撮ったりスキャンしたりしてクラウドにアップしておけば、書類そのものが消失しても番号だけでも分かれば、手続きがスムーズに進む可能性があります。
とはいえ「えー、クラウドにアップするのは危なくない?」と思う方もおられるでしょう。
これは思想的なものも含まれるので、「絶対やるべき」みたいなことを言うつもりはありません。
ただ、物理的なセキュリティーを守るために個人でできる投資の限界は、それほど高めることはできないように思います。
その点、クラウドのストレージであれば、かなり堅牢に守ることができるサービスが増えているようです。
ボクの古巣のマイクロソフトでも、OneDriveの中に『Personal Vault』というセキュリティレベルを高めたストレージが用意されています。
他のストレージサービスに保存する場合でも、他要素認証とファイルへのパスワード設定などを組み合わせることで、セキュアに守る方法はあるでしょう。
情報漏洩はもちろん心配ではありますが、家に紙の状態で保存されていれば安心できるか、というとそうでもないでしょう。
どのように情報を保存すればいいかを、まだ災害に襲われる前に考えておくのは大事なことです。
「情報をセキュアに守る」という思考は、エンジニアとしてあらゆる場面で応用が効くように思います。
ぜひ試してみてください。

自分に嘘をつかない、
無理はしない。
だから、可能性が広がっていく。
マイクロソフトを卒業して、
自分らしく生きる僕が大事にしていること
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